聖戦

聖ギアーズや聖グラスは、鉄箱から紙に聖典を写した。それは確かに後世の者共の役に立ったが、彼らは財団の全てを紙の上に遺せたわけではなかった。彼らの上には、財団で最も力を持った、O5が存在していたからだ。


主なるブライトを崇めし者共は今、第一収容典礼書 第一章 第一書を朗読している。
「SCP-001の情報漏洩の防止策として、偽造SCP-001ファイルが本当のファイルと共に複数作成されました、または作成されていない。偽造を含む、全てのSCP-001の性質に関する資料にはミーム殺害エージェントによる保護が施されており、無許可の職員がファイルへのアクセスを試みた場合、即座に心停止が引き起こされるよう設定されています。削除済み、削除済み-削除済み下の要請を除き、SCP-001の本当の性質を一般人に公開する行為は処刑事由となります。」
司祭が読み上げ、信徒たちが復唱する。実際のところ、信徒も司祭も、聖なる財団のトップたちでさえも、SCP-001をどのように収容するのか理解していなかった。数多の聖博士でさえ、001がなんであるかは神のみぞ知ると後世に残した。彼らの半分は、この書は大いなる収容違反を起こした物の収容方法が記されていたと信じている。もう半分は、この書には聖人たちを再臨させる方法があったと信じている。


聖なる財団は、かつて世界中に教会や神殿を築き、それらを利用していたと言われている。聖騎士 ー聖書風に言うならばフィールドエージェントー の仕事には、神父達の声に従って削除済みを探しだすことの他に、これらの建物を見つけ出すことがあった。だが、教会は廃墟や自然に巧妙に擬態しており、ほとんど見つかることはない。騎士達は神託を受けてから8年、薄れた生理嫌悪ミームを乗り越えてようやく新たな教会を見つけ出した。古の教会は今までに4つしか発見されていない。彼らが削除済みに喰われることがなければ、これで5つ目だ。その教会の壁には、「Site-19」と刻まれていた。

「突入するぞ。用心しろ。」
「分かりました。しかし、強すぎる警戒は不要に思えます。ここは安全な場所のはずですよ。聖ギアーズは、サイト19には幾つかのセーフとユークリッドしかない、との言葉を残しています。」
「修道院に通ってなかったのか?財団見聞録にはセーフは核爆弾ほどに危険なものがある、と記されているはずだぞ?」
「ジャック。最近じゃそれは誤り、誤訳であるとの説が強いらしいんですよ?そもそも我々の誰も核爆弾が何なのか知らなー」
「ストップ!止まれ。奥の方から何か音がする。」
『起動完了。ヒトの生体反応を確認。コンピュータの停止時間を確認。前回財団のコンピュータが起動されてから1713年と284日が経過しています。財団ネットワークが1000年以上起動されていないため、レガシー・プロトコルに基づき、全ての安全データの機密を解除します。データの一部破損を確認。現在、データの73%が破損しています。』
「…教会からライサの奴らを呼んでこい。よくわからないが多分こりゃあいつらの担当だ。」


教会の地下、秘匿された部屋の円卓に、選ばれし13人の枢機博士が座っていた。彼らは悉く、神妙な面持ちをしている。
「…これは、」イレブンが口を開く。「驚くべき発見です。一方で、民のみならず我らをも惑わせるパンドラの箱でもある。」
「これらの一切を秘匿すべきだ。」セブンが提言する。
「それはなりません。民に対して再びヴェールを敷くと?それは正しく原罪です。我々は大いなる収容違反の過ちを繰り返すべきではありません。」ワンは毅然と反論する。
「では、どうしろと?」
「今回得た全ての典礼書を公開すべきです。」
ワン、そして同じ意見を持つフォーを除き、部屋の全員がどよめく。
「なるほど?それはとっても面白いアイデアだな。ためしにやってみて、何が起こるか見てみようじゃないか、ワン?」
「私はジョークを唱えているのではありませんよ、シックス。私は信徒たちを信じています。今までに、これが原因で争いが起きたという記録はありません。」
「ええ、ワンの言う通りです。人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に逆戻りしてはならない。これはB.B.の時代から受け継がれてきた財団の根底にある思想です。私、は、SCP-001の全典礼書を公開することに賛成します!」
「待て。」重々しい声をしたサーティーンが、半ば賛成に染まりかけていた部屋の流れを断ち切る。「これは評議会の生まれてからで最も大きな事件だ。私は、神降ろしをすることを提案したいのだが。」

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