主なるブライトと遷教師ブライト

記事カテゴリが未定義です。
ページコンソールよりカテゴリを選択してください。

アイテム管理団体: SCP

同位体番号: 1437

特別収容プロトコル: SCP-1437付近は立ち入り制限区域に設定されています。SCP職員認可が下りた人物のみが侵入可能です。排出物品の回収・管理は定義1ロボット及び汎耐性資格準2級以上の保持者によって行われます。

説明: SCP-1437はアトラス郊外に存在する5×5mの底なし穴です。並行次元や横穴からSCP-1437の存在するはずの場所へ侵入しようとする試みは、付近の者と同様の岩盤と衝突するという結果に終わりました。

SCP-1437は異世界へのアクセスポイントとなっており、また対象となる異世界においてSCP-1437は全て同位体群"SCP"に管理されています。そのため、SCPの存在がSCP-1437の必須条件であると予測されています。SCP-1437からは異世界においてSCP-1437に投げ込まれたと思しき多数の物体が高速で排出されます。例としては以下の通りです。

  • "キリスト教"1のものと思われる十字架(祈祷または儀式のためと推測されている)
  • 多数の死体(そのほとんどがオレンジ色のつなぎを着ていた)
  • ナワトル語から派生したと思われる言語で書かれた"全宇宙電子パーティ"の招待状(一切の案内はなく、どの世界から投入されたかも不明)
  • 大量の土砂(SCP-1437を埋める試みで投入されたと考えられている)
  • 1瓶のワインボトル(排出後地面にぶつかり割れた。後の分析により非常に上等なものであると判明している)
  • 円周約15cmの首飾り(補遺を参照)

補遺1: 3478/21/12/55/43、SCP-1437から異常性を持った首飾りが出現しました。この首飾りは放出された後監視を行っていた職員サラブラムに衝突し、同職員は首飾り内の漂遊人格2に憑依されました。この事案により、SCP-1437監視職員に関する規定が厳格化されました3。職員サラブラムの人格の復活は絶望的と考えられていますが、漂遊人格に関しての研究自体が未だあまり発達していないため、精葬は行われていません。漂遊人格及び職員サラブラムの肉体は、エルマへの改宗の後遷教師補佐として遷教師スノームと共に布教活動を行っています。


サラブラムは生まれてから181年という時を過ごしていたが、自分の精神が他人より成熟していると考えたことは一度もなかった。0.01ミリを取り去った快楽と犯罪の背徳だけで輪廻の廻らない世界に産み落とされ、それから長い間死という御伽噺に憧れて生きてきた。同年代の友人は世界に存在せず、子供の扱い方を覚えている人間はおらず、あの両親は自らの過ちを必死に周囲から隠そうとした。その涙ぐましい努力によって、彼女は18歳まで太陽の光を知ることはなかった。

成人になる頃には彼女は露見し、親は監獄へ、彼女は監獄のような政府施設へと送られることとなった。投薬、監房、投薬、監房、監房、投薬、監房、監房、監房、監房、脳移植、監房…若いという世にも珍しい特徴を持っていた女性は最初の方こそ実験のサンプルとして丁重に扱われていたが、彼女の今いる場所が家の地下室にも増して地獄のような場所だと気付いた時には既にその価値はなくなっていた。もしもあの時エルマの遷教師が来ていなかったら、彼女は人生の1000/∞割をあそこで過ごすことになっていただろう。

幸いなことに、アトラルは学のない者にも寛容だった。安楽死という選択しさえあったが、冥界の門を開ける門番の不在から解き放たれた彼女の魂は今度はエルマ外教への恩義という鎖で雁字搦めにされた。だが、そこでの仕事は今までの中で最も有意義でやりがいに満ち溢れたものとなった。彼女にできる奉仕は辺境のアルバイトくらいであったが、友人も作り、人生に価値を見出し、彼女の定命の人生は将にその針を刻みだそうとしていた──

そして、彼女が最期に見たのは、その瞳と同じく輝き光を帯びた、美しいルビーの首飾りだった。それでも、彼女は短かったアトラルでの暮らしに満足していただろう。既に彼女の魂さえも宇宙からは消え去ってしまったため、それを心を確かめる術はないが。


















彼が眼を覚まして最初に見たのは、見慣れた形の紋章だった。いや、よく見れば少し違いはある。しかし、その差は彼が新たな世界へたどり着いた証左として、彼を安堵させた。半年前までは自己保存欲求はとうに死んでいると思っていたが、ここ数ヶ月は生きるためにあらん限りに神経を張り巡らせていた。何せ、家族と友人と職場が一度に狂い弾けるという経験は、彼のあまりにも長い人生の中でもほとんど覚えがなかった。1437、あの異世界土管までの道のりは困難極まっていたが、あの穴へ辿り着いてからもう垂れてやる小便が体内に残っていないことに気付き、プランAは放棄して首飾りを投げた。果たしてその中の魂は世界間のフィルターをすり抜け、無事この世界へやってこれたというわけだ。長く死んでいた心が、新しい生を得たように感じる。

「サ?大█夫?」

前の世界との大気の違いだろうか、少しばかりねじ曲がったような声が脳に響く。何かを忘れている。ここ100日余りの血に塗れた生活で、或いはここ100年ほどの生に囚われた人生で、その中で失っていた何かを。

…おい?おい!?サラ!サラ!?」

悲しむような、叫ぶような声。この波長は、この感情は聞き覚えがある。──そうだ。死んだ時。人が死んだ時。その嵐はあの日から吹ぶき続けていたが、少なくとも30日の間は感情をもった人間については悲鳴以外の声を聞いていなかった。少し前まで遡ればいくらでもある。あの日、あのイカれた指示が送り付けられた日からなら。グラスが壊れて自殺し、ソフィアが人生初の上層部への異議申し立てに失敗して銃殺された。悲しみ、追悼、悲鳴、叫び、悲嘆、恐怖。そういった負の感情を捉える彼の中のレーダーが、正に今その感情を敏感に感知していた。何だ?誰が死にかけてるんだ?

…その答えは単純だった。触れただけで脳死に導く呪われたアイテムに殺された者がいる。名前はサラ、顔は分からないが、身体の形は、骨格は、感覚は、魂の不在は気付いた後にすぐ分かった。

「すまない……すまない、本当に。」

ブライト博士は、その謝罪の理由が相手に通じないことを知っていた。それでも、謝らずにはいられなかった。私には説明責任がある。彼女の死を、殺人者の存在を。財団があのクソ声明を出した数日後に、1人の少女が4703へ入っていくのを見かけた。彼女を止めることは法的に不可能だったが、それ以上に最早命に対して無頓着になっていた。何も突然な兆候だったわけではない。シニアスタッフたるもの、職員がいつ死ぬかに1000ドルを賭けたり、正常のために無辜なる人々を暗闇の中で見捨てることを看過し続けてきた。あの時は常に余裕、言い訳、友人、正当性、様々なものがあった。その全てが取り去られただけなのに、この所業に対して後悔の念が込み上げ溢れ出てきている。'サラ'の死に正当性はない。彼女は通り魔殺人の被害者、犯人の名はジャック・ブライト。罪のない人の命を奪うという行為の不快さを久しぶりに噛み締める。

ERROR

The MrDrYTisgod's portal does not exist.


エラー: MrDrYTisgodのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:6321361 ( 14 Apr 2020 06:12 )
layoutsupporter.png
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License