クレジット
タイトル: SCP-2791-JP - 鰐の涙
著者: ©︎
NazonoR
作成年: 2020
アイテム番号: SCP-2791-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: 日本全国の葬儀は常に斎場に設置された隠しカメラを通じて監視されます。SCP-2791-JPの出現の兆候が見られた場合、全国のサイトに常駐している機動部隊か-9("冠婚葬祭")が対象の地点に急行し、目撃した民間人への記憶処理および適切なカバーストーリーの流布などの事後処理を行います。
SCP-2791-JPは消失する特性上、実質的に収容は不可能と判断されています。SCP-2791-JPとの接触に成功し、かつ意思疎通が可能な場合、情報収集に焦点を当てたインタビューを行ってください。
説明: SCP-2791-JPは日本国内の葬儀で以下の5つの条件が満たされた場合のみ発生する異常実体です。
| 条件1 |
会場付近にて雨が降っている |
| 条件2 |
亡くなった故人が30歳以下である |
| 条件3 |
故人の遺体に大きな損傷が見られない |
| 条件4 |
遺体がほぼ腐敗しておらず、新鮮な状態である |
| 条件5 |
葬儀に出席している人数が30人以下である |
以上の条件が満たされた場合会場内入り口に、SCP-2791-JPが出現します。この動作は瞬間的に行われるためハイスピードカメラを用いても、出現する瞬間は撮影できていません。
SCP-2791-JPは異常な外見を持つ人型実態です。
SCP-2791-JPは黒いスーツを着用し、黒い傘と黒い中折れ帽を持った成人男性ですが、頭部がイリエワニ(学名:Crocodylus porosus)に置き換わっています。またSCP-2791-JPは常に眼球から涙を流しています。SCP-2791-JPが出現しても葬儀を行っている人物は違和感を抱く事は無く、通常通りに振舞います。SCP-2791-JPは葬儀中常に葬儀を眺めており、現在まで周囲の人間に接触を行おうとするなどの行動は確認されていません。基本的にSCP-2791-JPは葬儀が終了した時点で消失します。SCP-2791-JPは限定的な予知能力もしくは現実改編能力を有する可能性があります。
以下はSCP-2791-JPへのインタビュー記録です。SCP-2791-JPはインタビューの際、標準的な日本語を用いました。
対象: SCP-2791-JP
インタビュアー: ████研究員
付記: このインタビューは20██/█/█、██県███市にてSCP-2791-JPが出現した際記録されたものです。
録音開始, 日付20██/█/█
インタビュアー: すいません。少しお話を伺ってもよろしいでしょうか?
SCP-2791-JP: [沈黙]
インタビュアー: あの、すいません。お話を伺いたいのですが。
SCP-2791-JP: ん、[5秒間の沈黙]ああ人間の方ですか。今は少し話をする気分ではないのですが。
インタビュアー: 失礼なのは承知しています。しかし我々はあなたに聞きたいことがあるのです。
SCP-2791-JP: その話とやらは私が葬儀を見るのを中断しなければいけないほど大事なことですか?
インタビュアー: それは[5秒間の沈黙]あなたにとって大事かは分かりませんが、我々にとっては非常に重要なことです。
SCP-2791-JP: [沈黙]
インタビュアー: 駄目ですか?
SCP-2791-JP: [13秒間の沈黙]分かりました。ここでは他の方に迷惑なので外に行きましょう。雨が降ってますがー、傘持ってますか?
インタビュアー: 一応、用意しています。
[SCP-2791-JPと████研究員が外に向かう。その後インタビューを再開]
インタビュアー: ではまず聞きたいのですが、あなたは一体何者なんですか?
SCP-2791-JP: 私ですか?私は[5秒間沈黙]少し変わった普通のナイルワニですよ。何かの妖怪とか神ではありません。
インタビュアー: ナイルワニ?、イリエワニではないのですか?
SCP-2791-JP: 私は普通のナイルワニです。
インタビュアー: [5秒間の沈黙]分かりました。では次の質問ですが、あなたはなぜ葬儀に現れるのでしょうか?
SCP-2791-JP: それはもちろん[何かを言いかける][12秒間沈黙]いや何でもないです、強いて言うなら人間が死んだからですかね。私はたとえ種族が違えど悲しみは分かち合えると思っていますから。ワニと人間、種族が違うから悲しんではいけないということはないでしょう。死の悲しみに種族を関係ありません。
インタビュアー: なるほど。では次の質問ですがあなたはなぜ、涙を流し続けているのですか?何か特別な意味があったりとか。
SCP-2791-JP: 見れば分かるでしょう、死んでしまって悲しいからですよ。人間だって悲しかったら泣くでしょう、ワニも同じです。
インタビュアー: では今回亡くなった████氏はあなたのお知り合いだったのですか?
SCP-2791-JP: いえ、少し知っている程度です。だが先ほども言ったように悲しみは分かち合える。まあもらい泣きに近いですがね、あなたたちだって他の人間が泣いていたらつい自分も泣いてしまう、よくあるでしょう。
インタビュアー: 少し知っていると言いましたが、████氏についてあなたはどこまで知っているのですか。
SCP-2791-JP: 名前と、性格ぐらいですね。人間が好きなので調べたんです。
インタビュアー なぜ調べたのですか?
SCP-2791-JP: うーん、なんとなくですかね。我々は人間ほど明確な目的を持って生活していません。
インタビュアー: なるほど。まだ質問しても良いですか。
SCP-2791-JP: まあ、後少しなら。
インタビュアー: では聞きたいのですが、あなたはいつから今のようなことを続けているのですか。
SCP-2791-JP: そうですね、だいたい███年前ぐらいからでしょうか。人間の感じる死とはどういうものか興味が湧いて。
インタビュアー: 亡くなった███について知っているから、葬儀に来たわけではないのですか?
SCP-2791-JP: それは[10秒間の沈黙]今回はそういう理由だっただけです。それと、そろそろ時間なので行ってもよろしいでしょうか。
インタビュアー: 分かりました。ただ、少し聞きたいのですが次はどなたの葬儀にあなたが現れるか、聞いてもよろしいでしょうか。
SCP-2791-JP: [沈黙]
インタビュアー: 分かりませんか。
SCP-2791-JP: 分かりますよ。ええよく分かります。
インタビュアー: では教えてくれませんか、我々の [3秒間の沈黙]仕事に必要なんです。
SCP-2791-JP: あなたに教えてもいいんですね。
インタビュアー: ぜひ。教えてください。
SCP-2791-JP: 次に私が行く予定の葬儀は[30秒間の沈黙]七日後、あなたの葬儀です。
[SCP-2791-JPが消失する]
録音終了, 日付20██/█/█
終了報告書: SCP-2791-JPは確実にまだ何かを隠しています。SCP-2791-JPとの会話はいくつかの矛盾点が存在しますし、SCP-2791-JPはたびたび何かを誤魔化すような動作をとっていました。最後のコメントについては、現段階では確認できませんが、SCP-2791-JPが限定的な予知能力もしくは現実改編で有する可能性があります。── ████研究員
補遺:1 SCP-2791-JPとのインタビューにてインタビュアーを勤めた ████研究員が、20██/█/█に行ったインタビュアーから、三日後の20██/█/█に交通事故にて死亡しました。現在SCP-2791-JPと████研究員の死亡の関連性について調査が進められています。
████研究員の葬儀にはインタビューどおりSCP-2791-JPが出現しました。以下は████研究員の葬儀に現れた、SCP-2791-JPへのインタビュー記録です。
対象: SCP-2791-JP
インタビュアー: エージェント█
付記: このインタビューは20██/█/█、███県███市にてSCP-2791-JPが出現した際記録されたものです。
録音開始, 日付20██/█/█
インタビュアー: こんにちは。この前の続きと████さんの件について聞きたいのですが。
SCP-2791-JP: ああ、どうせ来ると思っていましたがやっぱり来ましたか。今回はエージェントさんですね。
インタビュアー: [5秒間の沈黙]世間話をしに来たわけではありません。████さんの件について聞きたいのですが。
SCP-2791-JP: いやー、それがですね。今日は彼についてしゃべる気分ではないんですよ。確かに思い出について話すのは葬儀ではよくありますが、私はしゃべるほど彼との思い出が無いんですよ。なにせ
インタビュアー: [話を遮り]もう一度言いますが、そんなことを話に来たわけではありません。なぜあなたが████さんの死を事前に知っていたのか?あなたの起源は?正体は?それらを聞きに来たのです。
SCP-2791-JP: えー、[10秒間の沈黙]まず、私はただのナイルワニです。ですから普通に卵から生まれました。まあずいぶん昔ですけどね。えーとそれで何でしたっけ?
インタビュアー: ████さんの死については?
SCP-2791-JP: それは[10秒間の沈黙]エージェントさん。彼については先程も言ったように、話す気分ではありません。あななたちの仕事は葬儀に来てる人に対して、無理やりしゃべらせることなのですか?
インタビュアー: それは[5秒間の沈黙]すいません。私たちは少々強引だったようですね。
SCP-2791-JP: 分かってくれればいいんですよ。エージェントさん。それで、他に聞きたいことは?
インタビュアー: えー、では[10秒間の沈黙]先ほど卵から生まれた、と言っていましたが、それは何年ほど前ですか?というか、あなたの年齢は?
SCP-2791-JP: 年齢ですか、私が生まれたのはだいたい[3秒間の沈黙]███年前ぐらいですかね。
インタビュアー: なるほど。えーとでは次は
SCP-2791-JP: [話を遮り]すいません。そろそろ終わるので、行きたいのですが。
インタビュアー: あ、ああ分かりました。
SCP-2791-JP: では今日はここで。またいつか会いましょう。
インタビュアー: はい。
SCP-2791-JP: [10秒間の沈黙]今日は、聞かないんですね。
[SCP-2791-JPが消失する]
録音終了, 日付20██/█/█
終了報告書: 今回も確信に迫る事実は発覚しませんでした。特筆すべき点としてはSCP-2791-JPが本当に███年も前から存在していたのか?なぜSCP-2791-JPが変装しているエージェント█の仕事を把握していたのか?、などがあげられます。今後も情報収集をメインにSCP-2791-JPへのインタビューを続けたいと思います。── ██博士
補遺:2 SCP-2791-JPの出現した葬儀の遺体に、脳・眼球・舌・心臓・肝臓の完全な消失が発生していることが分かりました。おそらく限定的な認識災害によって、遺体を視認した人物や遺体に関わった人物も一切の違和感を抱くことはありませんでしたが、█回目のSCP-2791-JP発生の際、認識災害に強い耐性のあるエージェント███によってこの異常性は発覚しました。SCP-2791-JPにまだ発覚していない異常性がある可能性も踏まえSCP-2791-JPはオブジェクトクラスKeterに格上げとなりました。
以下は新たな異常性が発覚した後に行われたSCP-2791-JPへのインタビュー記録です。
対象: SCP-2791-JP
インタビュアー: ██博士
付記: このインタビューは20██/█/█、██県███市にてSCP-2791-JPが出現した際記録されたものです。このインタビューはSCP-2791-JPへの事実確認のために行われました。
録音開始,日付20██/█/█
インタビュアー: 失礼。今日はあなたに聞かねばならないことがあります。
SCP-2791-JP: ん、ああ、またあなたたちか。あなたたちもしつこいですね。
インタビュアー: あなたが先日現れた葬儀で、遺体が消えていることがわかりました。なにか心当たりは?
SCP-2791-JP: 心当たりですか[13秒間の沈黙]とくにないですね。何かの事故では?
インタビュアー: [5秒間の沈黙]我々はあなたに関する情報を調べた、が、どう考えてもあなたが犯人としか考えられない。何かの事故なんてそれこそあり得ない話だ。
SCP-2791-JP: いやー、そう言われましても、心当たりはありません。第一私がそんなことをするように見えますか?
インタビュアー: [5秒間の沈黙]それだけじゃない、この前あなたにインタビューをした████、彼は私の部下だったが、彼の死は偶然なのか?[██博士の声が僅かに震える]
SCP-2791-JP: んー、[5秒間の沈黙]何をそんなに怒っているんです?、博士。遺体の件も心当たりはないし、彼の死もただの偶然です。私は無実ですよ。
インタビュアー: [3秒間の沈黙][██博士が立ち上がる]お前に彼の何がわかる!彼はそもそもだな
[重要度が低いため割愛]
SCP-2791-JP: 博士、少し落ち着きましたか?葬儀をしてる方に迷惑ですよ。
インタビュアー: [ため息]お前は絶対に何かを隠してる。それを暴くために私はここに来たんだ。あいつの[5秒間の沈黙]████のためにも。
SCP-2791-JP: そういわれましてもねえ、私は今まで一度も嘘をついたことはありませんよ?
インタビュアー: そんなヤツはいない。[5秒間の沈黙]遺体の消失していた部位は、どこに消えたんだ?彼は、████はお前が殺したのか?
SCP-2791-JP: だから博士、私はほとんどなにも知りません。
インタビュアー: 真面目に答えろ。お前はここに何をしに来ているんだ。
SCP-2791-JP: [沈黙]
インタビュアー: 答えるんだ。お前はどこまで嘘をついているんだ?
SCP-2791-JP: [15秒間の沈黙]言っても信じてもらえないかも知れませんが、彼の死は偶然だし、私はそんなに嘘をついていませんよ。決めつけはよくありません博士。こんな仕事をしてるならなおさらね。
インタビュアー: [ため息]お前は本当に[5秒間の沈黙]ああ、くそっ。ふざけんな。
SCP-2791-JP: あのー、すいません博士、もう時間が来てしまったようだ。それと、博士に渡したい物が。
インタビュアー: [5秒間の沈黙]なんだ?まさか呪いかなんか?
SCP-2791-JP: そんな物騒なものじゃないですよ。これなんですが。
[SCP-2791-JPが██博士に銀色の指輪を手渡す]
SCP-2791-JP: 彼、大事そうに持っていたので。
[SCP-2791-JPが消失する]
録音終了,日付20██/█/█
終了報告書: 今回のインタビューでも、重要な情報は入手できませんでした。しかし、SCP-2791-JPが████研究員の私物を持っていたことや、SCP-2791-JPが出現した葬儀で遺体が消失していることなどをかんがみて、一連の事件を起こしたのはSCP-2791-JPの可能性が高いと思われます。今後も消失した遺体がどこに消えているのかやSCP-2791-JPの更なる異常性などを中心に調査を行おうと思います。
これは個人的なことですが、今回は感情的になりすぎました。── ██博士
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利用ガイド
嘘のコンテスト2020参加予定作品です。
普通のが重複しています。
耐性の誤字だと思われます。
指摘ありがとうございます。
修正しました。
全体に不要な改行が多いです。段落わけ以外では改行しないほうが、財団サイトの読者に受け入れられやすいと思います。
内容ですが、ネタとしては好きなのですが、ちょっと荒削りかなと思いました。葬列に無断で参加しているワニというだけで絵的におもしろいので、雨を降らせる要素の必要性がよくわかりませんでした。雨が降っている葬儀場にだけ現れる、とかのほうが読みやすい気もします。作品の意図として今のようにされているなら無視してください。
インタビューも、なんというか物語用のキャラクター臭すぎる気がします。争議中にベラベラ話しかけられたら、まず憤慨して、その後は諦めて小声で少し話してくれる、くらいのほうがリアリティとコメディ感が出せるかなと思いました。
嘘要素は、お悔やみに来たと言いながら何かを奪っていくところでしょうか? 遺体丸ごと持っていくのはやりすぎな感じがあるので、「どうせ焼いてしまうなら」との意識で内臓をいくつか抜いていくとかはどうでしょうか。エージェントがカバンを改めると臓器が入っていて、問い詰めると「知らない。いつのまにか入っていた」と誤魔化して逃げるとか。
批評ありがとうございます。
いただいた意見を元に内容を修正していこうと思います。