小噺~UV怖い~

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ある夏の暑い日のこと…新人の著者が集まって皆で話をしていました。
執筆の息抜きとはいえ、少々暇なものだったのでなにかいいアイデアはなかと考えていました。

「うーん、なにか暇潰しのいいアイデアはないか……そうだ!皆良いことを思い付いたぞ!せっかく暇だし皆いるのだから、ここらで皆が"怖いもの"を言い合わないか?」

「そいつはいいアイデアだな、どうせ暇だし皆で言ってみるか、それに…怖いものを言えば少しは涼しくなるかもしれん」

一人ががそう言うとどうせ暇な著者同士…賛成ということになり、皆自分の一番怖いものを言い始めました。

「じゃあまずオレから言わせてもらおうかな、オレが世界で一番怖いもの…それはなんたって百足だよ、足がたくさんついてるうえに丸くなったりくねくね動いたりする、石をどかしていたときになんか、思わず悲鳴を上げちまうね…うーブルブル」

「じゃあ次はおれだな、おれが何より怖いのはぁ蜘蛛だよ、真っ黒い見た目に足と手が八本ずつ…想像するだけで寒気がしらぁ」

「じゃあ次は俺に言わせてもらおうかな…俺がこの世で一番怖いもの…それは幽霊だよ、死んだ人間の魂ってだけで怖いのに、噂だと呪いとかをかけてくるらしいじゃないか…生者に何の恨みがあるのか知んないが、勘弁して欲しいものだよ全く…夜に安心して厠に行けん」

…と皆一通り自分の怖いものを言ったところで、一人だけ…怖いものを言ってないことに皆気づきました。みっつぁんです。

「なあ、みっつぁん。さっきから黙っているがあんたの怖いものはいったい全体なんなんだ?」

  がみっつぁんに聞くと、みっつぁんは「くくく…はーはっはっはっ」と突然笑いだしました。

「SCPの著者が皆揃ってその様か…ほんとになさけねぇなあ。オレはこの世に怖いものなんて一つもないよ」

「おいおいみっつぁん…それは少し言いすぎじゃないか、人間生きてたら一つぐらい怖いものはできるだろう?怖かったホラーSCPとか…」

…と、皆言いますがみっつぁんは何ど聞いても「そんなものはない」の一点張り。皆がだんだん諦めてきたときに、突然…みっつぁんの顔が曇りました。

「ん?どうしたみっつぁん、顔色が悪いぞ…」

「いやな、  一つだけ怖いものを思い出しちまって…」

「何だってみっつぁん、その怖いものって言うのはいったいなんだい!」

「いや…怖すぎてあまり言いたくないんだけどなぁ…」

「そやないよぉみっつぁん…みんな言ったんだから、みっつぁんにもいってもらわないと」

「わかった…じゃあ…言うぞ」

「ああ」

「……uv」

「え!何だってみっつぁん?よく聞こえないよ?」

「…uvだよ」

「よく聞こえないよ、みっつぁん」

「えーい、何度言わせるんだ!UVだよUVわかったかコノヤロー!」

「えぇ!UVだってみっつぁん。それはあのSCP財団 のUVかい?……みっつぁん…いくらなんでもそれは嘘だろう、だってUVはもらって嬉しいもんじゃあないか!」

「いや違うんだよ…オレはあれがどうしても苦手なんだ…こんなオレの作品に評価をもらうのもおこがましいし、それにあの…UVを集めるのに皆が躍起になってるのを見るとなぁ…どうしても…」

「おいおい本当かよみっつぁん、じゃあもし……自分の作品が金メダルをとったら?」

「そんな日は恐ろしすぎて一睡もできないよ  、悪ふざけでも安易なUVはしないでくれよ…ああ体調が悪くなってきた、少し奥で寝込ませてもらってもいいかな…?」

「そうかぁみっつぁん…別に構わないよ、いい夢を見ろよな」

…と皆でみっつぁんを布団に寝かすと、  はこそこそ他の者にに耳打ちを始めました。

「そいつはいいアイデアだな、  …」

と、

「前々からあいつのことは少し気にくわなかったからな…」

と、

なにやら皆で奇妙な作戦会議を終えると…皆は一斉にスマートホンを取り出しました。

そして  がスマホを掲げこう言いました。

「いいかぁみんな、あいつを気にくわなかったやつは他にもいるはずだ、財団に登録してるやつで、あいつの記事をUVまみれにしてやろう!」

「「「オオー!」」」


それからしばらくたち、皆が評価を終えると…さりげなくみっつぁんに記事をみるよう促しました。

「やあ、みっつぁん記事の評価はどうなってる?」

「ん?ああ  か、こんな短時間に変わりゃあしないよ」

「まあそう言わず見てみろよみっつぁん、UVはどうなってる?」

皆がみっつぁんに聞くと、しばらくしてから、「ぎえええええぇぇぇ」という大きな悲鳴が部屋から聞こえました。

ドッキリ大成功!!!皆が必死に笑いを堪えていると、みっつぁんが寝てる部屋から続けて変な声が聞こえます。

「おいおいおい…金メダルいってるぞ…こっちは銀メダルだ!まさか夢がこんな簡単に叶うとはなぁ…しかしあいつら本当にバカだな。UVが嬉しくない人間がこの世のどこにいるんだよ…笑いが止まらねえや!」

それは聞いていた  とみんなは、騙されたことに気がつき大激怒しました!みっつぁんのいる部屋に乗り込むと…!

「やいやいやい!よくも嘘をついてくれたな、みっつぁん!てめぇが本当に嫌いなものはいったい何だ!!!」

「おーっと聞かれていたのか…まあいいか、それでオレの本当に嫌いなものだっけ?」

「そうだ!さっさと言え、本当に嫌いなものはいったい全体何なんだ!」

皆がみっつぁんに突っかかると、みっつぁんは静かに答えました。

「オレが本当に嫌いなものか……そうだなぁ…今は…」

「今は!?」
 
 
 
『今は…テレキルが怖い』


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