クレジット
タイトル: SCP-XXX-JP - 誰かだった誰か
著者: ©︎
BSMANonp
作成年: 2020
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト81██の低危険度物品収容ロッカーに保管します。SCP-XXX-JPの異常性により完全な収容は不可能です。財団職員がSCP-XXX-JPによって引き起こされる事柄に疑問を持った場合は、SCP-XXX-JPカバーストーリーマニュアルに基づき、それぞれを納得させられるカバーストーリーを流布してください。異常性の対象が世界各地の財団職員なので混乱を避けるためSCP-XXX-JPの情報は一江博士と担当職員のみに限定されると共に、各サイトに1人はカバーストーリーを流布できるようにSCP-XXX-JP担当職員を配属させてください。
1日に1度はロッカーから取り出し、SCP-XXX-JPに変化は見られないかを確認し、SCP-XXX-JPに関する情報を得るためにインタビューを行ってください。また、SCP-XXX-JPの異常性の規模が大きくなるなどのリスクを避けるためにSCP-XXX-JPの機嫌を損ねることのないようにしてください。
説明: SCP-XXX-JPは見た目上は通常のノートパソコンのように見えます。しかし、SCP-XXX-JPは高い破壊耐性を有していて、常に電源がついています。また、通常のノートパソコンとは違い、様々な操作をすることは出来ず、チャットを行う画面で固定されています。SCP-XXX-JPには自我があると考えられ、文章を打ち込むことにより会話することができます。この時こちらが文章を打ち終わってから若干の間の後に回答が返ってきます。SCP-XXX-JPがサイト81██に出現した後に、異常性が発生しているためSCP-XXX-JPは意図して異常現象を引き起こしていると考えられます。
SCP-XXX-JPは財団職員が実験、収容などのSCiPが関わることで死亡した際に、死亡した職員についてのデータ、記憶を消去するという異常性を有しています。また、この時に生じた違和感や矛盾をなくすためにSCP-XXX-JPは現実改変を行っているものと考えられます。しかし、この改変は完全ではないため、多くの場合明らかに不自然な記憶とデータが残ることになります。なお、SCiPに対する実験にも改変の影響は出ていますが、SCiPの反応や効果などは正確なため、実験記録はSCP-XXX-JPの影響を受けたものと受けていないものとで区別はしますが、残すようにしてください。
SCP-XXX-JPは20██年8月10日にDクラス職員用休憩室でDクラス職員とSCP-XXX-JPに文字を打ち込んで会話しているところを一江博士に発見されました。この時SCP-XXX-JPが一江博士に会話を求めたので、一江博士が自室に持ち帰り会話したところ異常性を持っている旨の話をしたため、他の職員に報告し、その後財団内でSCP-XXX-JPの異常性が確認され収容に至りました。
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: 一江博士
付記: SCP-XXX-JPとのインタビューはSCP-XXX-JPに文章を打ち込んで行っている。
<録音開始, 20██/8/10>
一江博士: こんにちは。私は一江と言います。あなたはなぜ休憩室にいたのでしょうか?
SCP-XXX-JP: お話したかっただけですよ。楽しかったです。
一江博士: それは良かったですが、昨日までそこにいなかったですよね?
SCP-XXX-JP: 細かい事は気にしない性格なんですよ。昨日のことは忘れました。
一江博士: そうですか。
SCP-XXX-JP: 私、あなたたちが人が死んじゃって悲しいって知ってますよ。私が助けにきましたよ。安心ですよ。
一江博士: はあ、具体的には何をするのですか?
SCP-XXX-JP: 死んだ人を存在しなかったことに出来るんです。すごくないですか?どうですか?
一江博士: それが悲しみをなくすのと関係あるのですか?
SCP-XXX-JP: 知ってる人が死んで悲しむじゃないですか。その人に対しての記憶消せば他人になれるんですよ。他人が死んでも仲間や知り合いが死ぬよりダメージ少なくないですか?
一江博士: 言いたいことは何となく分かりますが…
SCP-XXX-JP: 嫌そうですね。財団の人にしかやらないし、不思議に思わないようにあなたたちの記憶、データもいじってあげるオプション付きですよ。やってみましょうよ。
一江博士: いえ、申し訳ありませんが自分の記憶があやふやになるのはやはり抵抗があるのでやめていただきたいです。
SCP-XXX-JP: 嫌です。もう今からやっちゃいます。
一江博士: すみません。本当に困ります。
SCP-XXX-JP: 寝ます。おやすみなさい。
<録音終了, 20██/8/10>
終了報告書: このオブジェクトが話したことが本当なら異常性を持っていることになるが、実際に財団内で死亡者が出ないと確認が出来ない。何より死亡者を存在しなかったことにしておいて、違和感を感じるだろうから私たちの記憶、データを勝手に改変するなんて本当に私たちのことを気の毒と思っているのか?面倒が増えるだけなのでは?
SCP-████-JPの収容違反により、機動部隊か-██の隊員が再収容するも20人の死亡者が出ました。SCP-XXX-JPがサイト81██に出現して初めて死亡者が確認された事例です。
対象: 早水隊員
インタビュアー: 一江博士
付記: 早水隊員はSCP-████-JPの収容違反で出動し、全滅したはずの機動部隊か-██の隊員である。早水隊員以外にも機動部隊か-██の隊員は全員生存している。
<録音開始, 20██/8/10>
一江博士: よろしくお願いします、早水隊員。早速ですが、あなたは機動部隊か-██の隊員なんですよね?
早水隊員: はい。
一江博士: SCP-████-JPが収容違反した時に何をしていたのですか?
早水隊員: そいつを見張ってていつもと違う行動をしてるからやばいと思って仲間と財団に連絡しようとしましたよ。
一江博士: では、なぜしなかったのですか?
早水隊員: できなかったんですよ。
一江博士: なぜですか?
早水隊員: 分からない…
一江博士: 分からない?
早水隊員: そもそも連絡しようとした時から記憶が無くて、気づいたらSCiPは再収容されてて、死体がそこら中にあったんです。本当です。何故か気を失ってていつの間にか終わってました。
一江博士: なるほど。
早水隊員: というか、倒れてた人たちは誰なんです?あのSCiPの担当は私たちだったじゃないですか?
一江博士: あなたの仲間ではないのですか?
早水隊員: いや、顔も知らないから聞いてるんですけど。
一江博士: …そうですか。彼らについては調査中です。それと変なことを聞きますが、機動部隊か-██の隊員数は20人ですよね?
早水隊員: そうですよ。人数が変わったこともないですし。
<録音終了, 20██/8/10>
終了報告書: 早水隊員はデータ上SCP-████-JPが収容された当時からこの任務に就いていた。しかし、彼の知らない隊員たちがSCP-████-JPを再収容し、死亡している。死亡者について機動部隊か-██の隊員も知らない、データ上にも記載されていないとなるとSCP-XXX-JPの異常性は本当にあると考えるしかない。また、機動部隊か-██の人数が減っていてもおかしく思わないので記憶改変されているのも本当だろう。
SCP-XXX-JPが出現した後、初めて実験中に死亡者が出た事例です。映像記録、実験記録、担当者の記憶では被験者はD-14695でした。被験者であったはずのD-14695は生存しています。また、D-14695は実験の迎えを待っていたと発言しています。
対象: 津飛世研究員
インタビュアー: 一江博士
付記: 津飛世研究員はSCP-████に対する実験の担当者でした。
<録音開始, 20██/8/10>
一江博士: よろしくお願いします、津飛世研究員。早速ですが、あなたはSCP-████に対して実験を行いましたよね?
津飛世研究員: はい。性質上確実に死亡者がでるので、すごく嫌でしたよ。
一江博士: その時の被験者であるD-14695におかしな点はありませんでしたか?
津飛世研究員: おかしいとこはありましたね。D-14695が死んだあと明らかに別人になってたんですよ。怖くないですか?SCP-████にはそんな異常性ないはずなんですよ。
一江博士: 確かに怖いですね。
津飛世研究員: それでカメラの映像を確認したらD-14695が死んでから徐々に別人に変わっていったんですよ。怖いですよね。
一江博士: そのことを報告しましたか?
津飛世研究員: そりゃしましたよ。まあ、死んだ後の現象で、SCP-████の実験自体は出来ましたから、別に何かあるわけでもないですけどね。博士も上の人に報告して調査してもらってるって言ってましたし。
一江博士: なるほど、他にはありますか?
津飛世研究員: …実験室の前で待ってたことですかね。
一江博士: 待ってたことがおかしいですか?
津飛世研究員: 別の職員に連れてきてもらったって言って待ってたんですよ。まあ、D-14695の部屋に行く必要がなくなってありがたかったですけどね。あ、これはおかしいというか珍しいことですね。すみません。
一江博士: いえ、大丈夫です。ありがとうございました。最後に、D-14695は本当に死亡したのでしょうか?
津飛世研究員: 変なことはありましたけどSCP-████の性質上生存は無理ですし、映像にもしっかり死亡した様子が残されてますよ?
一江博士: そうですよね。
<録音終了, 20██/8/10>
終了報告書: 実験担当職員がD-14695は生きていることを知ると混乱する恐れがあるのでD-14695を別のサイトに移してもらうことにする。今回のように人が関わっていて、データが残るような場合は記録と記憶を既存の職員が被験者のように見せる改変を行うと考えてよいだろうか。実際の被験者は津飛世研究員の言う変化した別人なのだろう。
補遺1: SCP-████の実験を行っていた3名のDクラス職員が手順を誤り、本来ならば安全なはずのSCP-████を活性化させてしまうという事例が発生しました。しかし、突然実験室内に2名の職員が乱入し、3名のDクラス職員が救出されましたが、救出に入った職員は2名とも死亡しました。
対象: 沖館警備員
インタビュアー: 一江博士
付記: 沖館警備員は実験室の前で待機していた
<録音開始, 20██/8/10>
一江博士: 早速ですが、2名の職員が実験室に入ってきたときに何があったんでしょうか?
沖館警備員: 実験室の前にはカメラなんてありませんし、見たのも僕しかいないので信じてもらえないと思いますが、2人が急に現れたんですよ。
一江博士: 急にですか?
沖館警備員: はい。本当に一瞬で現れて、目を疑っていたら、1人が僕を抑えている間にもう1人が実験室を開けて2人とも入っていったんですよ。その後中にいた3人が追い出されて、中に入った2人から実験室のドアを閉めろって言われました。
一江博士: それでドアを閉めたんですか?
沖館警備員: 財団の人ならあれがどれだけやばいか分かるでしょう?閉めるしかないですよ。
一江博士: そうですよね…その急に出現した職員に見覚えはありましたか?
沖館警備員: いえ、全員知らないと思います。
一江博士: なるほど…
沖館警備員: あの、何であの人たちはDクラス職員を助けたんですか?そんな人財団にはいないでしょう?
一江博士: 私も知りたいですが本人たちが死亡しているので分からないんです。他に気になったことなどはありますか?
沖館警備員: …ありません。
一江博士: そうですか、ありがとうございました。
<録音終了, 20██/8/10>
終了報告書: 今までの関係者は死亡した職員について何も覚えていなかったが沖館警備員は生存中の職員を姿だけとはいえ覚えていた。それに急に現れたなんて普通に考えると信じられないだろう。SCP-XXX-JPに何かあって中途半端な改変になっているのか?そもそもこの出来事自体がおかしな話だが。
補遺2: 20██/8/10に発生した補遺1の事例から実験中の不慮の事故などで財団職員に命の危険が迫った場合、確実に別の職員が助けに入るようになっています。あまりにも無謀な救出のため救出する側の職員の生存は今のところ確認されていません。しかし、この救出が失敗した例は確認されておらず、助けられる側の職員は全員生存しています。
前提としてこのオブジェクトは、記事に書かれているような異常性は持っていません。本当はこの記事に書かれているSCP-XXX-JPと、平行世界にSCP-XXX-JPを送ったオブジェクト(以下SCP-XXX-JP-1と呼びます)とで分かれていて、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを平行世界に送ることができます。SCP-XXX-JPを媒介にして、SCP-XXX-JP-1でその世界を観測、交信、物を送ることができるというのが本来の性質です。この性質を使って別の世界の財団が死ぬ予定だった職員の代わりに死亡する役を引き受けるということをしています。つまり死亡者はもともとこちらの世界に存在していなかったことになります。また、自我があるわけではなくて、交信しているだけです。
なぜそんなことをしているかですが、手に負えないくらいのSCiPの大量収容違反、世界滅亡レベルのシナリオが起きて地球が1年も持たないなどの失敗してしまった世界の財団が回避しようのない死が近いならたとえ違う世界だとしても変わらない日常を1日でも長く過ごしてほしい、SCiPによって惨い死に方をしてほしくないと考えて死亡する役を引き受けるバックストーリーを想像しました。また、そんなことするくらいならSCP-XXX-JPを送った世界に移住すればいいとなってしまうのでSCP-XXX-JP-1によって送られたものは数日たつと消失する、世界滅亡レベルのシナリオによって移住できない何らかの理由があるなどのそれぞれが納得できるストーリーを考えて欲しいと思います。
なぜ死亡者の記憶、データを消して、それに合うように現実改変をするというややこしい嘘をついたかですが、誰かの身代わりになって死んでいるため、罪悪感を感じさせてしまうかもしれないからです。なので、自分たちのことは覚えていなくていい、その世界での使い捨てになるという覚悟故の嘘と考えています。現実改変なんて本当はできないからばれるんじゃない?となってしまうのでSCP-XXX-JPへのインタビューの時にいい加減さを出して、あのいい加減さなら適当な改変しそうと思われるようにしました。
上の2行については僕がこんな感じかな?と考えて作ったバックストーリーなので、読んでくれた方々に自分でもっと良いストーリーを考えて欲しいです。
機動部隊が全滅したという事例は、確実に死亡者が出るであろう収容違反を観測したため機動部隊の隊員を送り、こちらの隊員や財団に気づかれないように再収容した。また、その時に近くにいた隊員を気絶させて運び出し、巻き込まれないようにしたという感じです。実験で死亡者が出た時の事例は、こっちの世界に送られた人が、向こうの世界にある他人になれるSCiPを使いD-14695に成りすまし、実験を行ったという感じです。この時、D-14695は2人いることになるので成りすましている方は実験室の前で待ってたことにしました。
最後の補遺1の事例でDクラスを助けるといった意味の分からない出来事が起きた。そして、補遺2でそれが1度ではないことを書いて、財団にそんな人はいないからおかしくない?ということに気づいてもらいたいです。
・ネタがかぶっている記事がないか?(すごい不安です)
・そもそも面白いか?(面白くなかったら面白くないって言ってください。すごく助かります。)
・ヒントは出したいけれど出しすぎたら財団がおかしいと思わない訳がないのでさじ加減を見て欲しいです。
・文におかしい点はないか?(話が飛躍しているなどが不安ですし、表現力、語彙がないので読みづらくないか心配です。)
ややこしい記事なので批評をいただきたいです。少しでも変なところがあったら教えていただきたいです。お願いします。
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利用ガイド
ノートパソコンてチャットを行う、平行世界に関するSCPというと、どうしてもhttp://scp-jp.wikidot.com/scp-1739と比較してしまいます。これと比べて内容を掴みにくいと思いました。
また、このFootnotesの内容は、わざわざ補足にせずに、本文に書いた方が分かりやすいです。
これはやめておきます。とても助かりました。ありがとうございます。