カメラ

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改稿絶賛迷走中

批評して欲しい所
ストーリーが面白いか
行の空け方等の表現の工夫は有効的か
カノンらしさがでているか




電柱の上に佇むカメラは厳しい寒さにも負けず、今日も首を降らしていた。牡丹雪を上から被り、レンズに被さりながらも一つの不祥事も逃してたまるかと・・・彼の鋭い眼光は二つの姿を捉えた。



無精髭を生やした中年と顔立ちの良い青年。彼らの着る外套の腕の部分に世界一権威を持つ印 -彼らはフィールドエージェントの様だ。彼らの手には電子端末が握られていた。佐々木の持つ端末は電源がつきっぱなしで、カメラは端末に書かれているものを捉えた。一枚の地図、男の顔写真、そして「反逆者処理要項」。彼らは真っ直ぐ歩き、日没後の闇に向かって消えていった。






「おい」

興味が無い。2月██日の20:00。コートを羽織っても外を歩くのは辛い季節である事。ここは日本の██で、、冬があけたら綺麗な桜が見られる事。財団マークをでかでかと付けたトラックが歩く私たちを追い越した事。今日任務を共に遂行するはずのパートナー、佐々木が何故か私に構って欲しいとばかりに粘着してくる事。諸々興味無い。

「おーい」

今日の任務は「残党狩り」。住民番号7931-C-15-02。住所は7931-C-A-123-1号。対象は非異常者。佐々木と私は標準軽装を装備済。作戦は・・

「聞いてるー?」

はいはい聞いてますよ

「はい面倒臭そうな顔しないしない。コミュニケーションも大事だぞー」

「今特に話すことってあります?」

佐々木は溜息ついて黙りこくってしまった。冷たく対応しすぎたか、作戦に支障を来さなきゃいいか。






齋藤は今日もいつも通りの生活を送っていた。5時半に起きて朝と昼を作り、6時半に息子を起こして・・・・・・20時に家に帰り、23時までには寝る。今日も家まで帰ってきた。あと寝るだけで今日も終わる。

齋藤は日々の生活に感謝していた。財団にいつ勘づかれてしまうか毎日不安で仕方がないが、可愛い息子がいて、今日まで無事に過ごせた。

「お父さん!!今日もいっしょにおふろ入ろうよ!!」

「ああ」

齋藤はお風呂のボタンを押した。二人は浴槽にお湯が溜まる音を聞いた。

今日も良い日だった







「着きましたね。打ち合わせ通り庭に周りこみましょう」

「うし。足音たてんなよー」

「たてません」

二階建てのログハウス。今時木造の家は珍しいことだ。


日本生類総研


一世紀前は異常な動物や植物、昆虫、薬品様々な物を作っては裏社会に売りつけていた極悪企業。今こそ財団により淘汰され、そのようなことは無くなったが、我々の目を掻い潜り逃げ続ける研究員もいる。今回の対象もその一人だ。


窓のカーテンの隙間から光が漏れ出ている。対象はこの窓の先にいる。

「私が対象を制圧します」

「うし、周りは任せろ」

[任務開始]





齋藤と彼の息子の談笑にに強烈な音が入り込む。家のガラスが勢い良く割れたのだ。齋藤は衝撃と共に瞬時に察してしまった。

平穏な日々の終わり

「住民番号7931-C-15-02、齋藤 ██。貴方の指定秘密結社『日本生類総研』への関与が発覚しました。適切な処理を実行します」

窓ガラスを割った青年が齋藤に銃を向けた。齋藤は銃口に酷く萎縮した。その後、中年が肩で風を切るように歩きながら室内に踏み込んでくる。齋藤にとって鍛えられたエージェントであってもたかが人間二人、単独で彼らを撒くのは簡単だった。しかし、そうすれば息子を置いていくことになってしまう。齋藤はひとまず両手をあげ、二人を説得することにした。

「日本生類総研?何ですかそれ。知りもしない会社で働いているなんて有り得ないですよ。」

齋藤はうやうやしくへりくだった。が、中年があっさりと切り捨てる。

「おいおい。アレックスは『関与している』としか言って無いぞ。知りもしない会社で『働いていた』齋藤サン?」

実に簡単なミスを冒してしまった。

「本題といこう。齋藤。君の選択次第ではここで終わる予定だった寿命が延びることになる。選択肢は言わなくても分かるよな?」

財団の奴隷になるのは勘弁だ。Dクラスは論外だし、研究員に配属だとしても元日本生類総研所属というレッテルがある限りまともな扱いを受けないだろう。何より、こいつらは私達の叡智をどう使うか。

「お前らの奴隷なんてゴメ」

中年が急に大翔-齋藤の息子へ銃を突きつけた。彼は柔らかい表情を保ちながらも確かに張り詰めた殺気をもっていた。

「正直言うと我々は君を歓迎したいのだが。ダメかね?」

齋藤に選択肢なんて無かった。水がでなくなるまで、雑巾を絞り続け、味が無くなるまでガムを噛み続け、価値が無くなるまで人を利用する。財団はそういう連中だった。

だが、齋藤にはその様なことは関係なく、ただ怒った。

大翔になんてことを 殺す







「佐々木」

「まだ撃つな」

佐々木は相変わらず無駄な事をする。さっさと拘束して記憶処理剤を撃ち込むか、終了処分するだけで終わるというのに。

交渉なんて何の意味があるのだろうか。対象の消す前の人格に何の名残があるのだろうか。私はこういうことを考えるのが苦手だ。

とにかくこのまま続けても作戦に支障は来らないだろう。

[待機]







齋藤の中で全てが吹っ切れた。齋藤は一度でも佐々木にへりくだったことに深く後悔した。齋藤は可愛い息子に銃を向けた佐々木を許せるほど寛容な人格では無かった。

齋藤は現状の打開の道を模索し始めた。遂に人前で異常能力を発揮するのだ。

齋藤は佐々木の頭に思念を飛ばす。佐々木のぐちゃぐちゃとした脳内世界が齋藤の眼前に広がる。快楽と狂気と憎悪と偽りの世界。佐々木の頭の中は過去に投与されたであろう記憶処理剤で混沌としていた。佐々木の様な奴にも忘れたい辛い記憶があったのだろうか。だが、それは齋藤の同情を誘うものではない。齋藤は佐々木の脳内世界をどんどん進んでいく。

そして、齋藤はとうとう自身の持つ本領を発揮することになる。

齋藤は確かに佐々木の"操舵"を握りしめた

「お前 銃を降ろしてこっちにこい」







佐々木。何をしている。

「佐々木。何故銃を降ろしたのですか」

「あ?・・・あれ」

佐々木に違和感を感じる。

「お前。こっちにこい」

佐々木は自らの意思に反した行動をしている?
これは・・・

「佐々木。対象の言うことを聞く必要はありません。警戒を怠らないでください。」

「う、ぁ」

今の佐々木に思考能力は無い。

佐々木は操られている?

成程。対象は異常能力者だったのか。

どうやって現在まで財団の監視から逃れた?いや、今はどうでも良い。

[汎用確保プロトコルへ移行]

佐々木の身体は既に自制が不可能。掌握されていると断定。対象の異常能力は・・・

「お前もだ。銃を捨てて手を上げろ」

[異常なし]



私は対象の異常性に暴露していない。

佐々木に効果があり、私に効果が無い異常能力・・・

心?






齋藤は焦っていた。どうしても青年の操舵が握れない。しかも、彼の脳内世界がそもそも見当たらないので、そもそも彼に入り込めない。

「私に精神汚染は効きませんよ」

「は?」

齋藤は困惑した。齋藤は自身の力が通用しない人間に初めて会ったのだ。

齋藤は自分の力が通用しないと決まり直ぐ次の手をとる。

「効かないとはおかしな奴だ。だが関係ない。銃を降ろせ、さもなくばこいつを撃ち殺す」

齋藤は佐々木の銃を奪い取り、佐々木の頭に銃口を押し当てた。佐々木は既に齋藤によって腑抜けになった。佐々木は抵抗することも無い。

だが、目の前の奴は一向に銃を降ろそうとしない。

齋藤が仲間を殺すと脅しているのに、彼は飄々とした顔付きのままでいる。

「本当に撃つぞ!!俺はこいつを殺せる!!」

「じゃあ撃ったらどうですか?」

彼は淡々とそんな言葉を吐き捨てた。

嘘だろこいつ







佐々木が殺されるのは別にどうでも良いが、私が撃たれては困る。対象に逃げられてしまう。何としてでも捕まえないと。

この方法が良いかな。






「なんだよその言い草・・・仲間じゃないのか!!」

「仲間ですが、現在この様な状況になっているのは貴方の異常能力と佐々木の不手際が原因です。私は関係ない」

齋藤は引き金に指をかけた。

「だが、佐々木はきっとこうなることを望んでいない」

「それこそ知ったこっちゃないっ!!お前らが勝手に俺に反逆者のレッテルを貼り付けそれで終わらず大翔まで」

齋藤の息子、大翔は辛うじて意識が残っている。動けはしないものの、この結末を見届けようとしている。

「貴方と同じように佐々木には仕事の帰りを待つ妻がいて、佐々木の無事を祈ってくれる両親がいて、佐々木と酒を呑み交わすのを楽しみにしている親友がいて、そして、佐々木をヒーローだと思っている息子がいる」

齋藤は動揺してしまった。大翔の齋藤を慕う姿を思い出してしまう。

齋藤はあることを忘れていた。

「もし佐々木を殺したなら、彼の家族は貴方をどれだけ悲しむでしょうね。今あなたが息子さんを殴られて感じているものよりどれほど・・・」

齋藤は苦悩した。

齋藤の精神汚染能力を発動する時、齋藤は相手の記憶や感情を図らずとも知ってしまうのだ。Alexはそれを知ってて御託を並べたのか、ただ齋藤の動揺を誘おうとしたのか、それを知る者はいない。だが、事実として、齋藤はもう彼を殺せない。

齋藤は優しすぎたのだ。幼少より精神汚染能力をもって育った齋藤は友達に、家族に見限られないよう、常に誰かを愛し、誰かに愛されようとされた。自身の異常能力から目を背けるように。

俺はどうすれば良いんだ







対象に精神的動揺を与えることに成功したが、まだ決定的ではない。恐らく次に彼が取る行動は・・・

「お前、奴を銃で脅せ まだ撃つなよ」

来た。佐々木を利用して私を標的にしたな。これを可能にしているのは精神汚染能力。

支援を待つのは得策では無いな。支援部隊が佐々木の二の舞になってしまう。

どっちにしろ、私一人で十分か。

[任務: 反逆者7931-C-15-02の処理 異常オブジェクト(人型)の確保]


[ルート構築開始]



「おいアレックス ぶち殺してやろうか? あぁ?」

「私にその様な脅しは効かないぞ 佐々木」


人類は叡智の歩みを止めてはならない




「俺さ。前からお前のことが気に食わなかったんだよな。俺よりキャリア短いくせに偉そうにしやがってよ」

「正気に戻れ佐々木。貴方がこのままだと任務の成功率が下がる」


その足を掴む者がいてはならない




「お前らやっぱりおかしいよ。なんで味方同士で銃を向けあっててそんな態度でいられるんだ!!」

「いつも癇に障る態度とりやがってさぁ! 殺す。絶対殺す!!」

佐々木は暴露状態から回復しないな。

手間が増えた。


我々は進歩のために選別しなければならないのだ




任務を遂行する。その間の過程は何だって良い

[ルート構築完了⇒実行]



「許せ佐々木。任務の邪魔なんだ」

財団に栄光あれ







佐々木の顔面が抉られた。彼はそのまま後ろに仰け反り何回か痙攣した後、沈黙した。

佐々木は死んだのだ。仲間であるはずのAlexに殺されたのだ。何の躊躇いもなくAlexはその凶弾を佐々木の脳天に撃ち込んだのだ。

佐々木の死は齋藤にとって酷く理不尽に感じた。齋藤が佐々木の心を乗っ取ったせいで彼は死んだのだろうか。

齋藤は優しすぎた。齋藤は佐々木の死に、負い目を感じた。責任を感じた。後悔を感じた。

(佐々木には仕事の帰りを待つ妻がいて、佐々木の無事を祈ってくれる両親がいて、佐々木と酒を呑み交わすのを楽しみにしている親友がいて、そして、佐々木をヒーローだと思っている息子がいる)

齋藤の脳内に先程のAlexの言葉が蘇る。

私が彼の精神を乗っ取ったばかりに

私のせいなのか?



「何で こいつを撃ったんだ」

Alexは少し口角をあげていった。

「貴方の異常性に佐々木が暴露したからですよ」

そして、齋藤は壊れた。

今まで世間から逃げ隠れしながら生きてきた人生。初めて人を愛し、初めて授かった子供。やっとの想いで築きあげた平穏。その全てを今日壊された。

緊張 緊張 緊張

張り詰めた糸にナイフをあてるとあっけなく切れてしまうように 彼の心の糸は佐々木の死によって切れてしまった。

何も抑えきれない、齋藤は溢れ出す苦しみを全て吐き出した。彼の異常能力がそれら全てを皆の精神へ運んで行く。大翔へ、Alexへ、情景を押し出していく。

齋藤は叫んだ。

顔 血 生 弾丸 無駄 海 ボタン 緊張 覚悟 拳銃 死 血泡 恐怖 犠牲 硝煙 困惑 愛想 人生 限界 息子 夢想 愛 財団 理由 精神 睡眠 薬莢 糸 青年 無情 風呂 隠匿 拒絶 選択 異常 目 殴打 憎悪 世間 平穏 欲望 機械的 謎 情景 救い 操舵 理想 家族 悪意 脳内世界 苦難 責任 現実






= 顔 血 生 弾丸 無駄 海 ボタン 緊張 覚悟 拳銃 死 血泡 恐怖 犠牲 硝煙 困惑 愛想 人生 限界 息子 夢想 愛 財団 理由 精神 睡眠 薬莢 糸 青年 無情 風呂 隠匿 拒絶 選択 異常 目 殴打 憎悪 世間 平穏 欲望 機械的 謎 情景 救い 操舵 理想 家族 悪意 脳内世界 苦難 責任 現実


次ステップ移行条件:対象の精神崩壊:確認できず






齋藤はガクガクと震えながら銃を手に取った。

齋藤はゆっくりとAlexへ銃を向けて





[ルート⇒継続]







齋藤の息子がAlexに撃たれた。赤錆色の血が床を染めていく。





大翔が


「あ  あ あ」




「全ステップ終了」



大翔が



「な   ぜ  」


「ルート完了」


大翔が


「        」






「任務遂行」







電柱に佇むカメラはいつだって自身に課せられた監視任務を怠らない。風が吹き荒れ、雪に殴られ続けようとも。と、その鋭い眼光が二つの姿を捉えた。自動的に彼らの素性が検索される。

Alex: 財団フィールドエージェント(工学技術事業部門作成アンドロイド)

7931-C-15-02 SCP-████-JP: (specified 30 min ago)

SCP-████-JPはAlexに担ぎあげられ、気絶しているようだ。

やがて2人の元に車が来た。AlexはSCP-████-JPをトランクに入れ、自身は助手席に座った。


空席が一つ







車は夜明けの光へ向かって消えていった






最後まで読んで頂きありがとうございます。
わるいざいだん カノンを取り入れた作品でした。
(そもそもわるいざいだん×アンドロイドはミスマッチでしょうか・・・上手く世界観を押し出せません・・・)

sb3infoのincludeに|tag=引数を設定すると、予定しているタグを表示できます。


ページ情報

執筆者: Tomatoo
文字数: 15364
リビジョン数: 112
批評コメント: 6

最終更新: 23 Jul 2020 12:22
最終コメント: 23 Jul 2020 12:21 by yzkrt

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