1955-JP×多元宇宙の男
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心優しき友は歩く。助けるべき人間が、自分を褒めてくれる者がもうどこにも居なくとも。
滅んだ世界でただ1匹、''誰かの役に立ちたい''と願っていた。
2日。この世界に残された時間。ストップウォッチを叩く。
他の世界よりはまだ長いその時間に、男は少しだけ安堵した。この世界はどうなっているのかと辺りを見回すと、ある事に気が付いた。周囲、少なくとも自分の見渡せる範囲に、人はおろか獣や虫、植物までもがどこにも存在しないのだ。今までと比べたら平和な世界ではあるが、食料になりそうな生き物すらいないという点ではいただけない。持っていた食料はとっくの昔に尽きてしまったし、これまでの世界では食べれそうな物もどこにも無かった。
少し歩いて食料を探すが、空腹に耐えかねて地面に膝をつき、そのまま地面に倒れ込む。ここまで幾つも世界を渡って来て、最期は飢えて死ぬとは。
いっその事自分の肉でも削いで食べるか。そう思った時、やわらかに降り注ぐ陽の光が何者かによって遮られた。
- portal:6202805 ( 11 Mar 2020 01:54 )

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