SCP-XXXX-JP - 思考があなたを殺す

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの収容は現状不可能です。SCP-XXXX-JPによる犠牲者はカバーストーリー「脳梗塞による突然死」を適用します。

説明: SCP-XXXX-JPは日本国内の電車内で発生する異常な突然死です。SCP-XXXX-JPには以下の特徴が存在します。

  • SCP-XXXX-JP発生時の犠牲者は必ず一度に3人であり、同時に死亡する。
  • SCP-XXXX-JPの犠牲者は体内の糖分を初めとする栄養素が異常なまでに減少している。

SCP-XXXX-JP発生時の乗客からの証言からも異常な点は発見されませんでした。また、犠牲者に共通点や面識は確認されず、SCP-XXXX-JPの発生原因並びに犠牲者となる条件は不明です。

更新: SCP-XXXX-JPにエージェント・アンジェラが遭遇しました。エージェント・アンジェラは要注意団体やPoIへの諜報活動を職務としており、サイト-8199のサーバーと通信能力・思考転写能力を脳に付与されています。1

以下はエージェント・アンジェラとの通信ログです。

<14:25>

アンジェラ : PoI-38544が電車に乗った。一両隣から行き先を監視します。

<14:31>

アンジェラ: どうやら行き先は蘇我駅のようです。ここから先の尾行は後任に任せ、念の為2駅先で私は下車します。通信は帰還まで繋いでおきます。

<14:35>2

アンジェラ: 本部聞こえますか? 誰か返答をお願いします。

<14:35>

アンジェラ: 通信が届いているか分かりませんが報告します。突然体のコントロールが出来なくなりました。これは……時が止まっている……と表現したらいいでしょうか。電車内には他の乗客も居ますが動いている存在は確認できません。幸い電車の窓から外が見えますが、そちらも景色に変化は無く止まっているように感じます。

<14:35>

アンジェラ: 視界内にたまたま他の乗客が着けた腕時計がありました。現在時刻は14:35分……目の焦点が合っていない場所なので正確に読み取れているか分かりませんが、14:35分12秒でしょうか。秒針まであって助かりました。動けなくなってからもう体感では30分以上経過していますが、時計が動いた感じはしません。暫く時間を数えてみて少しでも時間が経過していないかどうか確認します。少しでも時間が流れていれば必ず助かるはずだから……。

<14:35>

アンジェラ: (1から数を数えている)……2万4498……2万4499……2万4500……。かなりの数を数えてみましたが、視界内の腕時計に変化はありません……。時間が止まっているか、脳意外全く動かないかどちらかだと思います。どうして私がこんな目に……。

<14:35>

アンジェラ: 暫く体を動かせないか意識を割いてみましたが、全く動いてる感じはしないです……。目の焦点すら変えることが出来ませんでした。外の景色も全く変化がないから、もしかしてここら辺一帯、もしくは世界中が静止しているんでしょうか……? でも時間が止まっている側から時間が動いている側を観測できるんでしょうか……? 分かりませんが世界中が停止していない事を祈ります。

<14:35>

アンジェラ: 体感でもう1日近くは経過している気がします……。しかし、全く身体に変化は無く空腹感もありません。それどころかずっと開いている目が乾くといったこともありません。少なくともこのまますぐに命にかかわることは無さそうですが……永遠にこのままという可能性もあります……。本部、もし通信が届いていたら何らかのアクションを願います。お願いします。

<14:35>

アンジェラ: 通信が届いていることを信じて、色々な仮説を考えてみます。もし届いていれば何かの役に立つかもしれませんし、何か考えていないと気が狂ってしまいそうです……。(以下、様々な仮説・現状の説明により省略)

<14:35>

アンジェラ: この現象は私だけなんでしょうか。電車内には他にも乗客が居ますが一切体を動かせないので意思の疎通が取れなくて分かりません。私はまだ財団やアノマリーの存在を知っていて、助かる可能性もあることを理解しているので何とか保てていますが……知らなかったらとっくに気がおかしくなっていたかも知れません。それでも……かなり限界は近いように思います……。本部応答をお願いします……。

<14:35>

アンジェラ: もうどのくらい時間が経ったか分かりません。いや、1秒も経っていないんでしたね……。ずっと解決法やこうなった原因等について考えて少し頭が疲れました。どれくらい体感で時間が経っているのかもう分かりません……。あれ……? 頭が疲れるのはおかしくないですか……? だって、もう何十日もこうしている気がするのに、開きっぱなしの目は乾いていないし、空腹感も全くありません。でも、頭が疲れるという事は考えるのにエネルギーを使っているという事……? いや……ただ頭を使いすぎて一時的にそう感じただけでしょう。少し考えるのは休憩します。

<14:35>

アンジェラ: 嫌な想像を止められません……。考えちゃだめだと思うほど考えてしまいます。それに、頭の疲労感は増していて、ずっと靄がかかったように考えるのが難しくなってきました……。永遠にこの状態が続くなら……早く死にたいとか……殺してくれって思ってたのに……急に死が近づいてきたら……死にたくありません。私死にたくないんです。こんな訳の分からないまま死ぬのは嫌ですもっとやりたい事もいっぱいあります嫌です死にたくない。(以下、混乱により同じような内容の為省略)

<14:35>

アンジェラ: もう……考えるのが……難しくなってきました……。それでも……考えちゃいます……早く死にたい……解放されたい……でも……死にたくない……どうして私がこんな目に……私が何か……たすけ

不明な人物の声: 生命反応の消失を確認しました。1着は85番。2着は10番。3着は35番です。繰り返します。1着は85番。2着は10番。3着は35番。配当をお支払いいたします。(数秒間沈黙)範囲内の生存中の生命体の復元を実行。完了しました。それでは皆様、またのご参加をお待ちしています。

現在、エージェント・アンジェラが遺したログを元に更なる調査が進められています。

付与予定タグ: ここに付与する予定のタグ

スポイラー: 上位存在が暇つぶしにやる賭け事です。競馬とかが近いイメージです。時間が止まっている時に、思考はできると言う描写がある作品がありますが(5億年ボタンなど)、そのエネルギーはどこから来ているのだろう? という事で思いつきました。脳を使えば使うほど早くエネルギーが消費され、死ぬ結果となります。死ななかった人はSCP-XXXX-JP発生以前の状態に戻されるため、その記憶、消費したエネルギーなどの痕跡は残りません。

電車内の人間の半数くらいは発狂してるんじゃないでしょうか。老人や子供などで元からあったエネルギー量などは個体によって違いますが、賭け事なのでそれにより配当が変化します。

現実で同時に電車内で3人倒れるというのは、まずあり得ないと思います。その為3人にしています。1人であれば、現実でも実は起きてるかも……?とまでは行きませんが軽い恐怖は出ると思います。しかし、司法解剖?(あまり詳しくないですが)しないと特定のエネルギーが消費されていることが判明しないので、財団であってもほぼほぼ気づかないと思いますし、気付いてもナンバリングするほどか……?と思ってしまったので、何かいい案が思いつけば変更いたします。

批評お願いしたい点:

  • アンジェラのログについて。あまりこういった心情が得意では無いので、違和感やもっとこうした方が良い点など。
  • オチは機能しているかについて。それで終わり?みたいな拍子抜けするようなオチではないか。
  • タイトルについて。いいタイトルが思いつかないので、何かあれば……。
  • 少し調べたのですが、思考によって消費するエネルギーの種類や量があまり分からず、とりあえず分かりやすい糖分にしていますが、何か間違えていたらお教え下さい。

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  1. portal:6153823 (26 Apr 2020 15:03)
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