きらきら輝くメアリー・スー

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世の中には、科学や物理では説明がつかないようなことがあると言う。馬鹿馬鹿しい話だと、そう思って生きてきた。そしてこれからもそうして生きていくはずだったのだ。だが今____ 「いっっけェェェェーーーッ!!」
ラムネ瓶のような色のもこもことした生き物ともに自分の体はひらりと宙を舞い、自分の体躯の10倍はあろう怪物のような何かに、自分のありったけの力で拳をねじ込んでいた。

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「……ッ」なんだか何かに揺すぶられるようにして目を覚ました。時計を見ると8:30。HRが8:30。途端に心は難問と出会った時のシャープペンシルのように重くなる。一瞬休みの連絡を入れて二度寝しようとも思ったが早めに仕事に出た母が帰ってきて私を見たらどうなるかはだいたい見当がつく。最近母は私に手を出すことは減ってきたものの、なにか私が母親の名に泥を塗るような失態をしたときには殴られるだけではすまされなかった。仕方なく着替えて玄関に立つ。学校なんかなくなってしまえば良いのにと、そう思いながら開けたドアの先は奇しくもその願望とこれ以上ないほど一致していた。
「へ?」
目の前にあるはずの家々は瓦礫と化し所々に赤いなにかがへばりついていた。条件反射で家に滑り込み、口から飛び出しそうな内蔵を抑え込みショックで止まった脳味噌を働かせる。「な…なんなのあれ….」
家の外から何かの咆哮が聞こえた。近くにいるようで遥か遠くにいるようにも思える。強大な気配を何処からかわからないほど強く感じ、気が付くと玄関にへたって体を震わせていた。怖い。死にたくない。逃げ出したい。何処が安全かもわからないままガタガタと震える足は逃げ場を求めてドアから飛び出してしまった。本来逃げるという行動をとるときは、安全な場所に逃げるものだ。だがそれを瞬時に把握することは、今までの日常が一瞬にして瓦解したという事実を突きつけられた人間にとっては、案外難しいことだった。血まみれの瓦礫の山を避け、辺りに漂う血生臭い匂いに咽びながら走っていると、ふと変なものが目を通りすぎたことに気がついた。振り返ると、わたあめとウサギとネコを足して淡い水色で着色したような見た目の縫いぐるみのようなものが浮いていた。いよいよ夢を見ているのかと思い困惑していると、そのモフモフしていそうな何かが目を覚ました。「う…うぁぁ….ん?」どうやら目の前にいる私を認識したらしい。途端にそれの表情は、何かを決めたような顔になった。
「そこの女の子、魔法少女にならない?」
「はぁ?」
「いや、魔法少女にならない?」
「聞こえてるからはぁ?っていってんだろうが。て言うか今逃げてるんですけど」
「話だけでも聞いていってよ」
そもそも登校中だということを知ってか知らずか、そのモフモフは喋りだした。よく考えたら道端にこんなのがいるのも十分おかしいが、朝起きたら町一帯が壊滅していたと言う事実にぶち当たった今、感覚が麻痺していた。
「あっち見える?」
「え?」
指した方向にいたのは、巨大な何かだった。なぜ今まで存在に気付かなかったのだろうかと思わせる見上げるだけで首が痛くなりそうなほどの体躯。瞬時に私たちを蹴散らすことが出来るだろうという気配。ふと前に小学校の友達と見たゴジラを思い浮かべたが、生物と言う雰囲気ではなく"何か"としか表現できない。腰を抜かしながらモフモフに聞く。「あ…あれ…なに…」「おっ裸眼で見えるんだ。やっぱ見込みあるよ君」アイドルのオーディションのようなことを喋りながら話を続ける。出会って数分もないものの、命の危機が目の前にある中無駄に胆力のあるこのモフモフに私は少し苛立っていた。
「簡単かつ簡潔に説明すると、公的な人間にはどうすることもできない。なんとか出来る組織はあるけれど対処に時間がかかるだろう。こいつを捕獲したいヤツ。こいつを抹殺したいヤツ。色々いるから解決までこの町が持つかわからない。最も迅速かつこの町を守る手段は、僕と条件のもとに主従関係を結んで、魔法少女になって、あれをぶちのめす。これが一番早い。」「もしも私が何かの間違いで魔法少女になった時、私が被る不利益はあるの?」「君ホントに子供?まあともかく、不利益はあるよ。さっきいったあのデカブツを殺したいやつらに狙われ続ける。恐らく君が死ぬまでね。」突然命を天秤に掛けられて、思わず大声で叫んでしまった。「死ぬまで!?冗談じゃない!!そもそも誰なんだよアンタ!!なんなんだよアイツ!!何が起きてんだよいったいこの世界で!!」モフモフは顔色を変えず答えた。「君たち、少なくとも君は、あれやボクから隠されて生きてきた。とある組織の勝手な平和な世をと言う抽象的な目的のために。」「だとしても」怖かった。自分が変わることで、生き方が、日常が変わってしまうのが。少し心を落ち着け答えた。「だとしても無理です。失礼しました」その言葉の答えも聞かぬまま走り出した。取り敢えずは学校だ。学校にさえ行ければ食事もあるし友人もいる。そんな安易な考えから、瓦礫に覆われた寒く冷たい通学路を、一心不乱に走った。何かの咆哮が聞こえる。血の匂いがする。

そうして走ったそのさきにあったのは、まるで食べかけのプリンのように削れて凹み赤色が滲んだ瓦礫の山と化した、校舎だったもの。瓦礫からは誰のかすらわからない四肢や塊の肉がはみ出ている。何か言葉を出そうとしても、恐怖が喉につっかえてなにも発することが出来ない。嗚咽すら出てこない。代わりに出てきたのは、小さな、それでいて鈍く光るナイフのような殺意の籠った呪詛だった。「….死ね」真冬の深夜2時より真っ黒な、そして静かなくぐもった感情が、脳を、体を包んで行く。もはや言語として表現が出来ないほどに大きく複雑な負の感情が折り重なり混じりあい溶け浸透し染み込み喰らい蝕み飲み込み_________そしていつの間にそばにいるモフモフに手を伸ばした、「殺す。貸せ。」自分を見上げるその目線はまるで、好奇と期待に胸を膨らませている子供のような顔をしていた。「わかったよ。今僕が止めたらおもしろくないしね」そう言うと、小さな手を伸ばした。それに触れた瞬間、周囲を光の柱が覆った。眩しさに目を覆うと、その手にリボンが巻き付けられていることに気がつく。
「制服がお洒落だからね。それ以上は必要ない。」そう言うと、まるで全軍突撃の命令を下す元帥のように手を振りかざし モフモフは言った。「さあ!君は無敵になったんだ!僕とともに、あの忌々しい肉塊を殴って殴って、死をプレゼントしてあげよう!もう誰にも負けない!もう誰だって守れる!君がすべてを変えるんだ!」
肺にありったけ酸素を流し込む。今なら何だって出来ると、確かな確信があった。殺せる。何もかもを私から奪ったアイツから何もかもを奪える。心の芯まで殺意に満たされ、拳に、脚に流れ込む。それまでどこを見ているかすらわからなかった巨大な何かが、明らかにこちらを認識した。「あ..」その数秒後には、もう拳が目の前に降ってきていた。けたたましい轟音とともに、周囲にしずやかに砂ぼこりが舞う。黄土色の霞を振り払うと、傷ひとつとしてついていなかった。「女の子が血まみれになってくたばるところなんて、皆見たくないでしょ?」付け足すようにモフモフは言う。「思い描け。妄想、空想、何でもいい。願うんだ。すべては君の思い通りになる。」デカブツの腕によじ登る。殺すと言う一時のそれでいて憐れなほどどす黒い感情に揺すぶられ、怪物を引きちぎりながら上る。そして、頚にたどり着いた。おもむろに手を伸ばし___________軽快な音とともに、頸動脈を引きちぎった。とたんに朱色の鮮血が光線のように吹き出す。いつの間にか、晴天の冬の昼間のように心から殺意がぽろぽろとこぼれ落ちていた。替わり愉悦の感情が中身を満たす。一寸先すら、眩い光に封じられていた。

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予想外ではあった。あの施設について知ってはいたし、異常性を隠せばEuclidですむと思っていた。しかしバレた。気づかれていたんだ。目的があって生きていることも、計画があることも。だから逃げた。時間はかかったものの、あんな狭い世界に永遠に閉じ込められているよりはずっといい。あのデカブツも出せたのは想定外だったし、結果的にいい錯乱になった。そしてラッキーなことに宿主も見つかった。強く純粋で、それでいて哀れな女の子。気分は最高の食材を揃えたシェフの気分だ。あとはうまくやるだけ。それだけだ。
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(途中に….の台詞を作って折り畳んでしまう)


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