黙祷 - SCP-JPサンドボックスⅢ

黙祷

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - メタタイトル
著者: redbluefumikiri
作成年: 20XX

マンションの掲示板って、正直あんまり皆見ないんですよ。マメな人以外は基本スルーしてエレベーターに乗っちゃうんです。僕は結構見るタイプなんですけど。

それで先週だったかな、変な張り紙があったんですよ。コピー用紙に丁寧な手書きで、

「6/15の13:26から13:28の間当マンションにいらっしゃる方は、その間だけで構いませんので目を瞑って頂くようよろしくおねがいします。」

って書いてあったんです。変なの、とは思いましたよ。管理人の判子も押されてなかったし、誰かが勝手に貼り付けた紙なのは間違い無いんです。けど、何となく不気味だったし頭にも残って。しかもその日のその時間帯はちょうど空いていた上に、宅配便の時間指定もあったので、家から出れなかったんです。なんか不気味さに負けたと言うか、流石に怖いじゃないですか。しかも次の日には撤去されてなくなってて。だから余計に気になって、結局当日になったら時計とにらめっこしてました。

結局1時25分ぐらいから目を瞑り始めて。最初はなんで俺こんな誰かのいたずらに真面目に付き合ってるんだみたいなふうに思ってたんですけど、暫くしたら音が聞こえだしたんですよ。ばたばたというか、どたどたと言うか。大きいものが床でのたうち回っているような音でした。フローリングの床を四肢が叩きつける音。
途中から苦しそうな息遣いみたいなのも聞こえてきて。一分くらい経つと声も聞こえだして。

いたい　いたい

みたいな。最初はか細い女性みたいな声だったんですよ。でも20秒もしないうちにどんどん声がなんというか、悲痛になって言ったというか。

いだいっい゛だいいだいっい゛だいいだいいだいいだいいだいいだいい゛だいいだいいだいっいだいい゛だいい゛だいいだいいだいいだいいだいい゛だいい゛だいっ

のたうち回る音も大きくなって。叫び声もどんどん大きくなって、耳が割れそうなぐらいの大声でずーーーーっと叫んでるんです。何かが。間違いなく眼の前で。何が起きているのかは一切分からないんです。でも、体感で目を開けちゃいけないということはわかりました。

黙祷、止め。

部屋に厳かな声が響いて。その途端、のたうち回る音も叫び声も全部消えて、部屋は静かになりました。

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