SCP-XXXX-JP 銀河鉄道と食堂車

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特別収容プロトコル

SCP-XXXX-JPの停車スポットに有刺鉄線と警備員を3~5名配置し、カバーストーリー”私有地家により立入禁止”を周囲に適用してください。また、SCP-XXXX-JPの異常性にはカバーストーリー”UFOを見た”と”深夜の意味不明な騒音”を必要に応じて適用してください。また、SCP-XXXX-JPが消失した後に走行した線路を清掃するため、前もってDクラス職員を10名停車スポットの近くに配置してください。

説明

SCP-XXXX-JPはすべての車両が食堂車になっている蒸気機関車です。SCP-XXXX-JPは金曜日の深夜に活性状態になります。活性状態になったSCP-XXXX-JPは日本上空に時空間歪曲ポータルを発生させ、ポータル内部から重力と物理法則を無視しながら走行します。SCP-XXXX-JPが走行するルートは不規則であるにもかかわらず最終的には7つの、過去に放棄され、現在は使用されていない駅(以下停車スポットと呼称)のうちの1つに停車します。SCP-XXXX-JPが出現する時空間歪曲ポータルは停車スポットから約2kmほど離れた位置に出現します。

停車スポット一覧

北海道██市 旧███駅
新潟県██町 旧██駅
三重県███市████町 旧████駅
高知県██町 旧██駅
広島県███町 旧███駅
高知県██市██町 旧███駅
長崎県████町 旧██駅 


SCP-XXXX-JPが停車スポットに停車する時間は約3分であり、その間SCP-XXXX-JPの前方の線路に複数の人型実態が昏睡状態、もしくは死亡した状態で設置されます。この人型実態の総数は40~50体であり、その全てが過去1週間中に日本国内で行方不明、もしくは死亡したはずの人間と身体的特徴が一致します。これまでに人型実態を線路から離す、線路そのものを破壊する試みは成功していません。
SCP-XXXX-JPが再発車すると、前方にある人型実態を轢きながら線路を走行し、再度空中に浮遊しながら時空間歪曲ポータルを発生させ、その内部へと消失します。

初期探索ログ



日付: 2020/07/21
探索者: D-311845
対象: SCP-XXXX-JP


記録開始

(D-311845が先頭の乗車口からSCP-XXXX-JP内部に侵入する)

D-311845: こちらD-311845、電車に乗ったぜ…外見もだけど中もすげえなこりゃ。

D-311845: ああ、なんつうか豪華絢爛って感じだ。普通の電車みたいな内装じゃなくて高そうなテーブルとこれまた高そうな椅子が何個もある。床は絨毯だし天井にはシャングリラだ。…テーブルの上?皿とナイフにフォーク、あと紙ナプキンとスタンドライト。…いいや、ライトは点かない。全部ホコリ1つないぜ。まるでたった今運ばれてきたみたいだ。

D-311845: うーん、目につくものと言ったらそのくらいかなあ。異常だって感じるようなものはねえな。

D-311845: 了解。奥に進む。

(SCP-XXXX-JPが停車スポットから再発進する。)

D-311845: おいおい発進しちまったぞ、これ次の駅で止まるんだよな?

(SCP-XXXX-JPが人型実態を轢き始めたため、車内が大きく揺れる。)

D-311845: うわっ!立ってらんねえよ!ちゃんと舗装された線路走ってんのかよ!

(SCP-XXXX-JPが空中を浮遊、滑走し始める。)

D-311845: ああああああ!!!し、死体だ!!人間の死体が、それもたくさん…!車内に急に現れた!!やめろ!!寄るなクソッタレ!!

D-311845: はあ、はあ…マジでなんなんだよ!…今か!?死体がある車両からできるだけ離れてるよ!うっせえ!全部探索してなくても次の駅で降りるからな!

D-311845: ふう…ここが最後尾か。なんか台所…なんてデカさじゃねえか、車両一帯が厨房ってか調理場みてえになってる。…ん?

D-311845: …食器棚のナイフとかスプーンとか置く棚におてもとも一緒に置かれてるんだけどよ、袋のところになんか書いてある。

D-311845: 石…なんとか倶楽部、5文字の漢字だ。そう、倶楽部も漢字。2文字目が読めねえ、木へんに留守電の留───

(SCP-XXXX-JPが時空間歪曲ポータルに突入、直後D-311845からの通信が途絶する。D-311845の皮膚下に内蔵されたGPSの反応も途絶する。)

記録終了


初期探索ログの成果からSCP-XXXX-JPは要注意団体"石榴倶楽部"と何らかの関連があると見て、調査を進めています。


インタビュー記録



日付: 2020/08/11
質問者: 雅灯博士
対象: POI-XXXX-JP(歳狭 蓮蘭さはざ れんらん1)


インタビュー開始

(POI-XXXX-JPにSCP-XXXX-JPの写真動画を見せる)

雅灯博士: いかがでしょう、POI-XXXX-JP?

POI-XXXX-JP: ええ、私が約70年前、東弊重工に勤務して5年目にして初めてお客様から頂いたお仕事の品物そのものです。状態も良いしちゃんと走っている…、正直言って驚きです。

雅灯博士: ではSCP-XXXX-JPの異常性はあなた方が付与したものだと?

POI-XXXX-JP: いや、死体の出現とそれを轢き殺すなんてことはありませんでした。「空を飛ぶ列車を作って欲しい」と言われ、私たちは困りました。営業が大口の依頼を取ってきたとはいえ、当時の開発部、いえ東弊重工全体は物資も技術も足りていませんでした。依頼を受けられない旨を伝えてほしいと営業部に言ったその翌日に、なんとお客様直々に私達の工房に直談判されに来たのです。工房は特に厳重な隠蔽をしていたというのに、どこから嗅ぎつけてきたのやら、あの人が私達の目に留まるや否や頭を下げて「金はそちらのいいように出す。だから頼む。できる限り早く作ってくれ。」と言いました。私達もプロですから、商品として出せるかどうか不透明なものを作るのはプライドに関わるのですが、最終的にお客様の熱意と、当時の東弊で最新の技術である反重力力場発生車輪、ワープポイント誘発装置を初めて搭載した試作機としての意味合いを兼ねてお値段を大幅に下げたのを振り返ると、結局あの人のほうが一枚上手だったのかもしれませんね。

雅灯博士: その「お客様」についての情報を教えてもらっても?

POI-XXXX-JP: 自らを「手塚」を名乗ったあの人のことはよく覚えています。2良く言えば誰に対しても気軽に接する、悪く言えば誰からに対してもよく思われたい、そんな印象を思わせる人でした。品物の納品が終わったあとも、あのときはありがとうと私達全員に会いに来たものです。もちろん仕事の時間外でね。当時はどこも貧乏でしたが、あの人は貿易商で成功したらしく、決して少なくない額をとある倶楽部に納めて、その席の1つを獲得したそうです。

雅灯博士: とある倶楽部とは、石榴倶楽部のことですか?

POI-XXXX-JP: ああご存知でしたか。といっても私も噂程度の情報しか知りません。いつからか京都の影で集会し、人の肉を食すことを何よりもの愉しみとする。会員はみな偽名ですが、あの時代の会員は全員何かしらの「黒幕」であったことは想像に難くないでしょう。

雅灯博士: 「黒幕」ですか。しかし手塚さんが石榴倶楽部だったことをあなたが知っているあたり、その表現はいささか誇張がすぎるのでは?

POI-XXXX-JP: それは手塚さんだけというかなんというか…先程も申し上げた通り手塚さんは極度の見栄っ張りでして、自身が石榴倶楽部に所属したことを周囲に匂わせていたのです。本人は「自分は倶楽部の一員だ」と直接言っていないからいいだろうと思っていたのでしょうが、それでも周囲の何人かは勘付いていました。私もその一人です。彼にとっては「人肉を食べること」よりも「石榴倶楽部の一員でいること」の方が重要だったのでしょう。

雅灯博士: そこまで倶楽部の情報を周囲に流して、除名にはならなかったのですか?

POI-XXXX-JP: 倶楽部に納めた額が高額だったのと、列車を倶楽部の共有財産にしたという点で倶楽部の存続を支えた功績が大きかったのでしょうね。すぐには除名にはならなかったようです。

雅灯博士: すぐには、ということは…

POI-XXXX-JP: 1年ほど経った頃でしょうか。手塚さんの娘さんが倶楽部に、いや正確にはあの列車に興味を持ち始めたのです。お父様は私に隠して夜な夜な電車に乗って何かしら秘め事を楽しんでる、私も乗りたいけどお父様に聞いてもはぐらかすばっかりだと怒られた。ついには嫁と倶楽部をやめるやめないで口論になったと愚痴っていました。そんなところに行くぐらいなら子供と遊ぶ時間を作ってよ。至極真っ当な言い分ですね。

雅灯博士: ではその時に倶楽部を去ったのですか。

POI-XXXX-JP: 手塚さんは最後まで「石榴倶楽部の一員でいること」でいることに執着しました。というのも彼の浪費癖と会社の経営が大きく傾いたことで手塚さんは様々な社会的地位を失いました。彼は例え何を代償にしてもいたかったのでしょうね。彼が集会で除名された日を境に、手塚さんが奥さんと娘さんと別れたそうです。

雅灯博士: 家族との時間を作って欲しいと言われたのに、倶楽部を抜けたあとに家族と別れたのですか…

POI-XXXX-JP: 私も真実こそわかりませんが、おおよそ先生と考えは一致していますよ。きっと手塚さんは家族を倶楽部に差し出したのでしょう。自分はどんなことをしてもここにいたい、これはその決意の表れだと。

雅灯博士: でも除名された…

POI-XXXX-JP: これも私の予想ですが、彼は鬼のふりができなくなってしまったのでしょう。変わり果てた愛する2人を見た瞬間に正気に戻ってしまった。人間が鬼をうまいこと利用しようとしても、結局は逆に鬼に食われるか鬼の狂気に飲まれるしかないのです。

雅灯博士: なるほど、そのあたりは今となっては調べようもありませんね。そしてその後の手塚氏の動向は…

POI-XXXX-JP: それ以来噂すら聞かなくなりましたねえ。会社は倒産して、当の本人は引きこもっただの自殺しただのよくわかっていません。程なくして石榴倶楽部の別の方から列車の解体を依頼されましてね、あの小僧の顔を思い出すからどこかに売ることすらおぞましいと苦々しく口にしていました。ですから私にとってもあの蒸気機関車は鮮明に思い出せますし、この世に蘇ったのを知って今、非常に驚いています。

雅灯博士: では、なぜその蒸気機関車がSCP-XXXX-JPとして稼働しているかは検討もつかないと。

POI-XXXX-JP: 申し訳ない、私にできるのは昔話と想像だけです。それでも宜しいのであれば…

雅灯博士: 仮説に満たない想像でも構いません。お聞かせください。

POI-XXXX-JP: …無念だったのではないかと思います。少なくとも私はそう感じています。

POI-XXXX-JP: あの列車は私の初仕事、自分の子供も同然です。その子供が大人の都合でその身を食い荒らされて、挙げ句捨てられて、悔しいはずがありません。ですがその気持ちは当人こどもの方が計り知れないほど強いのでしょう。自分は何も悪いことをしていないのに悪い大人たちに利用されて、その大人たちは自分の知らない美味そうな肉をむさぼる。その怒りが結実したのではないのでしょうか。自分もその肉を食いたいと、あの列車は人の肉を憂さ晴らしのように食べているのではないでしょうか。…いささかオカルトが過ぎますね。冷静ではありませんでした。

雅灯博士: いいえ、貴重な情報をありがとうございました。以上でインタビューを終了します。

インタビュー終了

補遺

Dクラス職員を使用したSCP-XXXX-JPの最新の探索時3に不明な音声がログに記録されていました。以下はその書き起こしです。



「結局は鬼に食われるか鬼の狂気に飲まれるしかない」か。POI-XXXX-JPの発言は根拠が薄いものばかりだが、ある意味では石榴倶楽部の心理を突いていたということか。-雅灯博士








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ページ情報

執筆者: EianSakashiba
文字数: 7567
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批評コメント: 4

最終更新: 03 Oct 2020 09:32
最終コメント: 30 Sep 2020 13:26 by EianSakashiba

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