アイテム番号: SCP-2938-JP |
Level 5/2938-JP |
オブジェクトクラス: Keter |
Classified |
特別収容プロトコル
財団は一連の超大規模的現実改変の原因をSCP-2938-JPと断定し、人工島をSCP-2938-JP-a、その内部にいる異常存在をそれぞれSCP-2938-JP-1、-2、-3、-4、-5、SCP-2938-JPが原因と推定される現実改変に曝露された存在をSCP-2938-JP-bと呼称。全世界に向けて正式にBKクラスシナリオを発令しました。
SCP-2938-JP-aおよびその周辺海域は機動部隊ま-47("抜錨のシーシャンティ")が主導する特別編成チームによって立入禁止にされます。SCP-2938-JP-aへの入場、実験は永久に凍結されています。
SCP-2938-JP-bは現在未収用の状態にあります。SCP-2938-JP-b感染者、もしくはその疑いがある生命体、物体はサイト-6979にて拘留されます。世界オカルト連合がSCP-2938-JP-b感染者を発見次第無条件に終了させる動きが確認されています。フィールドエージェントは世界オカルト連合の動向に注意しつつSCP-2938-JP-b感染者を確保して下さい。
説明
SCP-2938-JPは2009年に放棄された3基の石油プラットフォームが設置されている大平洋沖の人工島、およびそこに存在する異常存在の総称、およびそれらが発生させる超大規模的現実改変です。
2019/08/02、突如としてSCP-2938-JP-aが沈没、約15時間後に浮上しました。この直後SCP-2938-JP-1、-2、-3、-4が「She's coming home. The girl is taught where the power lies by the sisters, and the witch is killed by the queen.(彼女が帰ってくる。少女は姉妹に力のありかを教えられ、魔女は女王に殺される。)」と約12分間発音した後に突如として消失しました。
消失とほぼ同時に、アメリカ合衆国全域およびカナダ南部の全ての物体がエメラルド (emerald)に置換されるという超規模的現実改変が発生しました。これを受けてO5評議会は4時間の準備時間を経て、世界規模の記憶処理およびエメラルドの破壊と世界地図の改変を行う緊急プロトコルを画策しました。
現実改変から3時間後、世界中の3歳から13歳の女児のうち約3割を対象とした認識災害が発生。曝露した対象は「お気に入りの靴」を履いて「エメラルドの都」に行かなければならないという強迫観念に襲われます。その後曝露者は自らの靴を履き替えた後、アメリカとカナダに跨るエメラルドの内部に不明な方法で転移された直後、エメラルドの結晶の中に閉じ込められます。これを受けて「エメラルドの破壊」が含まれる緊急プロトコルは開始直前に中止されました。
現実改変から5時間後、突如として財団の収容下にあったSCP-3998がSCP-XXXX-JP-1に変異。収容されていたサイトに勤務していた全職員および収容されていた人型実態オブジェクトの頭部を切断し、アメリカとカナダに跨るエメラルドの内部に不明な方法で転移されました。これを受けて該当サイトでは中規模の収容違反が発生しています。
その7分後、突如として財団の収容下にあったSCP-1370がSCP-2938-JP-2に変異。収容されていたサイトに勤務していた全職員および収容されていた動物オブジェクトの心臓を刳り出してサイトの中庭中央に積み上げた後、アメリカとカナダに跨るエメラルドの内部に不明な方法で転移されました。これを受けて該当サイトでは大規模の収容違反が発生しています。
その6分後、突如として財団の収容下にあったSCP-682がSCP-2938-JP-3に変異。SCP-682の収容室の隅で震え始め、不明な方法でサイトに収容されていた全オブジェクトを収容違反させた後、アメリカとカナダに跨るエメラルドの内部に不明な方法で転移されました。これを受けて該当サイトでは大規模の収容違反が発生しています。
その11分後、突如として財団の収容下にあったSCP-963-1がSCP-2938-JP-4に変異。SCP-963-1の着用者であったジャック・ブライト博士はSCP-2938-JPの収容に関する緊急の会議に参加していました。その会議には他のセキュリティクリアランス4を所持する職員、O5-2、O5-7、O5-11が参加していました。SCP-963-1の変異によってSCP-2938-JP-bになったジャック・ブライト博士は同じく会議に出席していた█████・████博士に対して「We are here to pick you up. The queen is looking forward to seeing you again.(お迎えに上がりました。女王様が貴方の再開を心待ちにしております。)」と発言した後に隠し持っていた拳銃で█████・████博士を発砲しました。ですがジャック・ブライト博士が待機していた機動部隊に迅速に取り押さえられたため█████・████博士は無傷でした。取り押さえられたジャック・ブライト博士は「違う、君じゃない。」「The queen knows that better than anyone. I can't wait to get the…(そんなことは女王様が1番よくわかっている。早くそいつを…)」「とっとと"私"から出ていけ。」と発音した後、「すまない。すまない諸君。私は限界だ。後は頼む。」と言い残した後に█████・████博士の足元にSCP-2938-JP-5を放り投げ、アメリカとカナダに跨るエメラルドの内部に不明な方法で転移されました。
2019/08/04現在、エメラルドの内部に転移されたSCP-2938-JP-bは総人口の5割に迫るとされています。これはSCP-2938-JP-bの曝露対象者が女児に限定されなくなったためとされています。世界オカルト連合の破壊行為の結果、エメラルドに破壊耐性自体は皆無ですが破壊された倍の体積に自然増殖することが判明しました。
補遺
財団の機動部隊の調査の結果、エメラルドの内部は王宮や住居が建ち並ぶ中世風の都市の様相を呈しており、SCP-2938-JP-bが幸せな表情でエメラルドの結晶の中に閉じ込められています。特筆すべき点として王宮の形である巨大なエメラルドの内部で、変異済みのSCP-2938-JP-1、-2、-3、-4を着用したSCP-2938-JP-b(ジャック・ブライト博士)が停止された状態で発見されました。それらはこちらに対して特に反応を示さず、またいかなる手段を使ってもそこから移動させることは出来ませんでした。SCP-2938-JP-1、-2、-3、-4を着用したSCP-2938-JP-b(ジャック・ブライト博士)は全員が同じ方向を向いており、その先にはエメラルドで出来た玉座と、「We can't forget her until she comes home to a home called reality.(我々は彼女が現実という家に帰ってくるまで、決して忘れることはできない。)」と書かれた非異常性の黒ずんだ赤い文字が観測されています。
O5評議会はSCP-2938-JPに特別クラスの割り当てを検討しています。
拝読しました。
内容
コンセプト自体は大変好みでしたが、態々"怪奇部門"のフォーマットを使う必要がないように思えました。
オブジェクトの羅列のために怪奇部門のフォーマットが使用されていますが、あの記事群はただ真似するだけだと二番煎じに感じられやすく効果的ではありません。怪奇部門を使用するならよりオリジナリティを持った記述が必要に感じます。
また、察しが悪いものでラストのリンクでようやく正体がわかったのですが、それを見てからだとかなり直接的ですね……。特にそれぞれの英文が顕著です。英語で記述することによってわかりにくくしているようなのですが、わざわざ日本語で記述されている報告書に未翻訳の英語が記載されているのは違和感があります。
僕個人としては怪奇部門要素を除き、それぞれの実体が何なのか、どのような末路になったのかの示唆を行い、読者の想像に上手く任せられるようにヒントを散りばめていく構成にすると面白くなりそうかなと思います。例えば、それぞれ望んだものの真反対のものになってたりするといい感じに悪い雰囲気が出そうかもしれませんね。
表現
改行
改行するときは必ず1行空行を作ってください。そうしたくない場合は改行しないようにしましょう。
空行
演出として空行を使うのは報告書の構成として違和感があります。無くしましょう。後の展開を見られたくないのであれば折りたたみ構文を使用しましょう。
~に相談してください。
ちょっと柔らかい表現なので「連絡してください」の方が適切かもしれません。
何事もなかったかのように
口語的表現です。カットか言い換えが必要ですね。
怪奇部門要素について: どうしても2番煎じの印象を持ってしまうというのはその通りだと感じました。アイデアそのままに怪奇部門要素をもう少し練り直してみます。
ラストのリンクまで正体がわからなかった: 正直に言いますとその感想が私が狙っていたものになります。怪奇部門という断片的な情報のみで構成される内容によって読者の不安を煽り、最後の最後でネタばらしをする。というのが本記事の構想でした。一応コンセプト通り読んでくださったとなるとある意味では成功かもしれないですが、そこから怪奇部門要素をなくしていくとなるとこのコンセプト自身も変更していかなければなりませんね…
フォーマットの崩れ、表現: ご指摘ありがとうございます。英文に関しては「日本語文(原文:英文)」という感じにしていきます。
拝読しました。
発見された異常存在の数々はどれも良い不気味さを醸しており好みです。オチのネタバラシも上手く驚かされました。
一点、存在を羅列する下りは
のような箇条書き形式がより見やすいかとは思います。
怪奇部門要素に関して、これは私のヘッドカノンを含みますが、異常存在の現状がかつて財団が関わっていたにしては無秩序過ぎるように感じました。加えて、異常存在に関して怪奇部門という由来が明らかにされることで意味不明な気持ち悪さが薄れてしまうようにも思えます。
いっそ怪奇部門要素は取り払い、より異常存在の気持ち悪さを追求する方向で進めた方がいいかもしれません。
自分がしたいこと(オチで初めてモチーフがわかる)はできているようなのであとはそこに至るまでの道筋をもう少し納得できるものにしてみます。少なくとも怪奇部門要素はもう完全に切り離したほうが良さそうですね…