Uzutuno-7--86ac

アイテム番号: SCP-063-DE

分類: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-063-DEは、目止め処理された木製の床を備えた5×5×3ｍのスチール製ケージ内に隔離されています。ケージの支柱には50.000Ⅴの高圧電流が流されています。ケージはサイト-DE19の 8×8×4ｍの高セキュリティチャンバーに密閉されています。空気は換気システムを介して供給されますが、換気システムにはSCP-063-DEの強い悪臭のために強力な臭気フィルターを装備する必要があります。ケージとその内容物は、4台の監視カメラで常時監視される必要があります。

SCP-063-DEには2日ごとに10kgの新鮮で血抜きされていない肉と十分な水を供給しなければなりません。ケージは5日ごとに3人以上のDクラス職員が清掃する必要があります。2人のDクラス職員がケージの外からSCP-063-DEの注意を引き、その間に3人目の職員がケージを徹底的かつ迅速に掃除してください。強烈な悪臭のため、セキュリティルームにいる間は強臭気フィルター付きの防毒マスクを常に着用しなければなりません。

SCP-063-DEがスチールケージを破った場合、被験者が動きを止めるまでチャンバーに強力な麻酔ガスを充満させる必要があります。セキュリティチャンバーが突破された場合、ケージが修理されるまでの間SCP-063-DEはスチール製拘束帯が付属した特別な装置でDクラス職員に拘束されなければなりません。サイト外への完全な収容違反が発生した場合、SCP-063-DEは銃器を使用した機動部隊によって排除されなければなりません。

説明: SCP-063-DEは約460kgの巨大な豚であり、その体は現在も腐敗の進行段階にあります。しかし、その状態でも当該オブジェクトは生存しており、非常に高い危険性を持ちます（添付資料063-01を参照）。SCP-063-DEは警告なく非常に残虐に接近する全ての生物に攻撃し、激怒しながら対象を細切れにするとその残骸を気分を回復させるために捕食します。SCP-063-DEの肉体が大規模に崩壊しているにもかかわらずどのように生き続けているのかは現在不明です。

SCP-063-DEの外見は豚の姿として認識することが困難な状態です。皮膚は腐敗しており、色は淡い灰緑色です。黒い肉に囲まれた剥き出しの骨が見られる場所もあります。他の場所では、体が分泌物で腫れ、グロテスクな隆起が形成されています。SCP-063-DEの体の変形のため、性別の判断は未だされていません。
[██.██.████からの補遺]： 調査(別紙063-02参照)によるとSCP-063-DEはオスです。- ██████博士

SCP-063-DEの皮膚は、強烈な悪臭を放つ粘液質の分泌物を分泌し、当該生物の損壊した身体から絶えず滴り落としています。この分泌物は、おそらくSCP-063-DEが完全に崩壊しない、原因の一つであると考えられます。

SCP-063-DEの片方の目は外見上、眼窩からほとんど露出し、もう一方の目はゼラチン状の黒い塊のみで構成されています。歯は損傷しています。耳は欠損しています。代わりに、頭部に奇妙な穴があり、頭蓋骨の上部が露出しています。

SCP-063-DEが"休眠状態"で発した音は、深く歪んだうなり声のように聞こえます。SCP-063-DEが怒っている場合、"豚の鳴き声"と"ライオンの鳴き声"が混じり合っているように聞こえる"うなり声"を発します。

SCP-063-DEが激怒している場合、犠牲者に向かってひどい咆哮をあげ襲いかかり、深い裂傷を与えます。犠牲者が床に倒れると、その体に対して激怒しながら近寄り、文字通り犠牲者をバラバラに引き裂きます。事故死したDクラス職員の観察により、SCP-063-DEは貪欲に腸を貪り食い、犠牲者の腹を開いて生きたまま“内臓を引きずり出す¹”ことを好むことが判明しています。

SCP-063-DEは決して眠らないように見られますが、一度に何時間も床の上で目を覚ましつつ、動かないでいることが観察されています。

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+ 添付資料063-01を参照: SCP-063-DEの発見と回収に関する事件報告書

SCP-063-DE発見および回収に関する事件報告書

SCP-063-DEは██/██/████に警察からの連絡の後、ニーダーザクセン州██████████の農場でエージェントが発見し、財団の管理下に入りました。

財団のエージェントが到着すると、彼らは(引用)「総毛立つぐらい恐ろしい²」悲鳴と大きな咆哮を聞くことができました。農場の納屋の後ろから聞こえたようです。エージェントが騒音源に到達するまでに、SCP-063-DEはすでに農夫から片方の腕を引き抜いており、まだ生きていて叫んでいる農夫の破れた腹腔に鼻を埋めていました。犠牲者は顔の半分を失いました。その顔の左半分だった場所にはボロボロのぽっかりとした穴がありました。肉片がSCP-063-DEと農夫の周りに散らばっていました。

エージェント██████はスタンガンでSCP-063-DEを無力化させようとしましたが、与えられたスタンガンの鎮静作用は示されませんでした。エージェントはSCP-063-DEの注意を引いただけでした。

SCP-063-DEは深い​​うなり声を出して見上げ、エージェント██████の方向に跳び、彼に向かって吼えました。ぎりぎりで、彼は脇に回避することができました。SCP-063-DEは滑走し、停止後別の攻撃を開始するために向きを変えました。その間にエージェント█████████████は電気ネットを手に取り、SCP-063-DEに投擲しました。SCP-063-DEの接近直後、彼は当該生物にネットを投げつけ、150.000Vの電撃で制圧することができました。

エージェントらは大量の鎮静剤でSCP-063-DEを気絶させ、財団の管理下に置きました。農民の遺体も検死と火葬のために回収されました。農場の残りの住民にはクラスA記憶処理が与えられました。被害者の妻はインタビューのため連行されました。

+ 添付資料063-02を参照: ██/██/████のインタビュー記録 063-A

██/██/████のインタビュー記録 063-A

ファイル番号SCP-063-DEに関する以下の調査は、██/██/████に██████博士により行われました。

調査の対象は被害者の生き残った妻です。

インタビュアー: ██████博士

対象: ███████████████

日付/時刻: ██/██/████ 13:15 p.m.
対象は、13時15分にサイト-19DEの管理棟C6の尋問室に入ります

██████博士:「ようこそ、お座りください。」

対象はゆっくりとインタビュアーの反対側の椅子に行きますが、着席をためらっています

██████博士:「始める前に、記録のためフルネームと生年月日を教えてください。」

██████氏:「ここはどこですか？」

対象は混乱しているようです

██████博士:「それは些末な問題です。フルネームと生年月日を教えてください。」

██████氏:「…私の名前は███████████████です。私は██/██/████に、████████で生まれました。」

██████博士:「ありがとうございます。それでは、██/██/████に何が起こったのか正確に教えてもらえますか？」

██████氏:「私の夫が死んだ！」

対象は少しイライラしています

██████博士:「知っています。どうか落ち着いて、事件がどのように起こったのか、少なくともあなたがどのように経験したのかを正確に説明してください。」

対象はため息をつきます

██████氏:「私はちょうど昼食を準備してて、私の夫は豚舎にいて、そんで豚に餌をやってました。私がたまねぎを切る直前に、豚舎から大きな音が聞こえ、夫が叫び始めて。そして恐ろしい怒号…なんて説明すればいいか…。私は台所から豚舎まで走ったんだけど、そこに夫はいなかったんだ。

豚舎から出たとき…彼の声が聞こえて…」

対象は少しの間沈黙します

██████博士:「だれの声が？」

██████氏:「私の夫。彼のパニックになった悲鳴を聞いた。そんで、怪物が庭を横切って彼を追いかけているのを見た。」

██████博士:「その後何が起こったのですか？」

対象は泣き出しました

██████博士:「落ち着いてください！そのとき何が起こったのですか？」

██████氏:「そのあと、彼と怪物は納屋の後ろに消えてった。私は電話に駆けて警察に通報したんだ。見たものすべてを説明した。だけど、私は納屋の裏をみる勇気はなかった…。あの悲鳴は…」

対象は再びすすり泣き始めます

██████氏:「しばらくして、3台の黒い車と1台のトラックが私たちの庭に到着して…窓から、彼らが後で黒い袋と網の中の怪物をトラックに積み込んだ様子を見た…」

██████博士:「その後の顛末は知っています。豚がこのように行動し、こんな異常性を示したのか教えてもらえますか？」

██████氏:「わかりません。…いいえ、そうだわ！夫が飼料に入れた黄色い粉と関係があるはずです。」

██████博士:「黄色い粉？」

██████氏:「はい。夫は農業見本市のトレーダーからそれを買いました。彼は奇跡の治療薬で、私たちのブタを素晴らしく大きく太らせるだろうって言いました。夫はトレーダーがなんだか奇妙だったと言ってました。違和感があったと。けれど、購入後まもなく、彼は行方をくらましてしまいました。私の夫はもう彼を見つけることができなくて。それは2日前のことです…

██████博士:「家にはまだ粉が残っていますか？」

██████氏:「まだ袋の半分を持っています。教えて、ここはどこなんです！私の子供たちはどこですか？私の兄弟はどこですか？」

██████博士:「最初に言ったように、それはどうでもいいんです。あなたは安全ですし、家族も無事です。私を信じてください。あなたはバッグがどこにあるか正確に知っていますか？」

対象は少しイライラしているように見える

██████氏:「豚舎の緑の食器棚に入ってる。もう沢山よ。家に帰りたい！」

██████博士:「すぐに向かえます。バッグを押収する必要があります。同意しますか？」

██████氏:「もう好きにしてちょうだい。今すぐ帰りたい。家族と会わせて！」

対象が立ち上がり怒った振る舞いを見せる

██████博士:「落ち着いてください。必要な情報はすべて揃いました。本当に帰ることができます。廊下でお待ちください。すぐに迎えに来ます。良い一日を。」

対象は退出し音を立ててドアを閉める

█████氏はエージェントに迎えられ、標準セキュリティプロセスを口実としてクラスA記憶処理を施されました。

上記のバッグはエージェントによって豚舎から回収され、SCP-063-DE-1として高セキュリティ部門[データ消去済み]に保管されました。

+ 添付資料063-03を参照: SCP-063-DE-1に関する調査報告書

SCP-063-DE-1に関する調査報告書:「黄色い粉」

SCP-063-DE-1は一種の飼料添加物のようです。パウダーが入っているバッグには、このパウダーを1日に2回飼料に追加するようにという簡単な指示が記載されています。表示量は、1kgあたり大さじ5です。

粉末の粘稠度は、小麦粉の粘稠度と比較できます。黄色が強く、刺激的な酸性の臭いがします。
クロマトグラフィーにより、SCP-063-DE-1が濃縮栄養素、皮膚細胞、肉と骨粉、および他の2つの未知の物質で構成されていることが示されました。

研究では、物質が植物由来であると判断することはできましたが、どの植物由来であるのかは明確にできません。これらは現代科学ではまったく知られていない植物であると考えられます。

ラットでさまざまな実験が行われました。ある被験体（063-B13）は興味深い反応を示しました。

指示通りに粉末を被験体の飼料に加えました。被験体は食後約2時間で深い昏睡状態に陥ります。5時間以内に被験体は毛皮のすべてを失い、被験体は生存したまま、ある種の加速的な腐敗が起こります。さらに8時間後、被験体はほとんど完全にラットとして認識できなくなるまで腐敗しました。被験体の肉体もSCP-063-DEで観察されたものと同じ分泌物を分泌し始め、腐敗の進行は停止しました。被験体は、腐敗の全段階においてバイタルサインの変化を示さず、死亡の判定をすることができませんでした。

被験体はゆっくりと意識を取り戻し始めました。1時間後、被験体は本格的にかんしゃくを起こし、隣のケージのラットを攻撃しようとしました。被験体は非常に攻撃的でした。通常のラットの音とは似ても似つかない、奇妙な叫び声を出しました。

被験体は個別に隔離され、観察中です。他のすべての実験は、被験体が反応を示さないか、または発作によって死亡することにより失敗しました。

被験体が最終段階で分泌する分泌物には強力な防腐効果があり、これにより腐敗の進行が停止することが明らかになっています。分泌物は被験体の表皮の特別な腺によって生成され分泌されます。これらの腺は、「変換」中に発生するようです。顕微鏡検査により、分泌腺は皮膚の汗腺と皮脂腺から発生する可能性が最も高いことが示されました。分泌物の成分の詳細なリストについては、[データ削除済み]を参照してください。

Footnotes

1. 訳注:原文は"auszuweiden"　

2. 訳注:原文は"furchtbares, durch Mark und Bein gehendes"　

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