取引1

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俺がこのメモを書き残したのは念のためだ。
まず経緯を説明したい。
世界があのウイルスによって混乱するなか、俺も困り果てていた。
仕事がなくなり当然金も底をつき毎日とにかく生きることだけ考えていた。
しばらく娯楽とは無縁の生活をしていたよ。
しかし神が見ていてくれたのか、俺にも転機が訪れた。
「金がない、誰か助けてくれ」
そうSNSで発言したら
「あなたを助けたい」
とわざわざダイレクトメッセージで返してくるやつがいたんだ。
まぁ俺も最初は相手にしてなかった。
「お前に何ができるってんだ、今すぐ俺に100万くれよ」
って怒りながら返信してやったよ。
俺も現実は知ってるつもりだ、簡単に金が稼げるならみんなやってるし本当にそうなら誰も苦労していない。
今どきの小学生でもわかるって。唯一金が楽に稼げんのは法を犯すってことだけだと。
でもやつはこう返してきた。
「もちろん具体的に仕事内容と報酬まで指示します。しかもそれは本当に簡単です」
とな。
この時点で俺は勘づいたよ。
ブラックなことなんだって。
「どうせ犯罪なんだろ。大人舐めんなw」
案の定やつはこう返してきた。
「その通り、正直に言うとかなりブラックな話です」
やだやだ、いくら金がないからって犯罪に手を染めちゃぁおしまい。
日本の警察はすごく優秀だ。
だがやつはすぐにこう付け足した。
「しかし絶対にばれないと保証いたしましょう。なぜなら警察も外見でそれを判断するから。
今回あなたが良いのなら、やっていただきたいのは物の回収です。
それは実をいうと法に触れるものです、麻薬ですから。しかし絶対にばれないんです。報酬はあなたが望んだ100万円。
いかがです?
私たちがせっかく開発した素晴らしいものをある組織が奪おうとしているんです。
詳しくはお伝え出来ないんですが。収容が大好きででっかいトカゲやら彫刻やらいろいろ保管されているのですよ。いいのならこれから詳しい日時、場所をお伝えしますが」
これを目にしたとき正直お前のほうが頭大丈夫か?なんて思っちまったよ。
だってそうだろ、なんだでっかいトカゲや彫刻を収容してる組織に狙われてるって。
そこで俺はこう返した。
「本当なのか、そして俺に害はないか?なんか関わっちゃいけないものにかかわっている気がして」
返信に時間はかからなかったと思う。
「もちろんです。私が言う規約を守っていただければ。お互いに有益だと思いますがね。しかし内容を知った時点であなたには必ず取引に応じていただかなくてはなりません、ゆえに引き返しはできないということです」

「1日待ってくれないか?」
俺はこう書き残してじっくり考えることにした。
その間も働かなくちゃならなくて、仕事に行ったがそのことで頭がいっぱいで、一切手につかなかったよ。
だが答えは出さなきゃならない。
「ばれなきゃ犯罪じゃない」
そんな昔のダチの言葉とかも思い出したかな。
で、結局やってみることにしたよ、どうなるのか見当もつかなかったけど。

「そうですか、良い返事が聞けてうれしいです。では明日朝9時、T3地区72ブロックに向かってください。
そこに「メルバ」という店がありますから、必ず「飛行船と花畑を受け取りに来た」と伝えてください。
すると物がもらえます。それを見ていただければどうして捕まらないのかわかっていただけると思いますよ。ただし絶対にケースの中身を直接触らないこと。いいですか、絶対です。そして物を同地区81ブロックにある「赤鳥」という喫茶店の一番奥の席にいる男に「飛行船と花畑を持ってきた」と伝え報酬をもらって終了です。
もし逃げたら、わかっていますか?まぁあなたは良い人だ。大丈夫でしょう。
それではよろしくお願いいたします」

もちろん逃げる気はなかった。俺は予定通り取引を成功させた。
なんと違法だって言われてたものはなんとただの新聞紙だったんだ。
よくわかんねええな、ただ報酬は100万しっかりもらった。
で、今俺は赤鳥にいて、外に出るところなんだが。
うん、どうもこちらのほうを凝視してる男たちが二人ほど。まさかね。
怖すぎて、手が震えちまってる。うん、決心したぞ。店から出る。この後俺がどうなるのかわからない。


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