██月██日
「今度、職員に扱う講習はこのSCPか。」
私は熊平博士。これでも、SCPを研究する博士だ。いや、自分が博士と言っていいのかは分からない。だって、一度もSCP1についての報告書の実験などを行っていなければ、その結果を一度も書いたことが無い。せめて、成果としてはSCP-████-JP2についての報告書の監修(監修と言っても報告書の体裁やら校正)をしたくらいでそれ以外に何も無い。ではなぜ博士になれたのか?この文章を見ている人はおそらく疑問に思うだろう。私自身今でも疑問ではあるのだが、少々私の無駄話に付き合ってほしい。
私は最初はただの研究員であった。そこら辺の職員と同じただの研究員であった。訂正しよう、職員よりも立場が低い研究員だった。3だから、まずは報告書をできる限り読みあさった。勉強や物覚えは良かったからとにかく多くのSCPの報告書を読んではそれを頭にたたき込んだ(分かっていると思うが私のセキュリティクリアランスはその当時低かったので、すべての情報を知ることはできなかった)。そのせいか、同僚よりは多くのSCPの性質について理解していた。(多分その当時、担当していたSCPではないSCPの性質も理解していたので、財団の中では一番SCPについて知っていた研究員になるかもしれない)。ある日、一人の同僚の研究員が私にこう尋ねてきたのだ。
「SCP-███-JPについて知ってるか?」
「あぁ、知ってるよ。それなら・・・」
私は事前に読んでいたSCP-███-JPの報告書を基に自分なりの解説を入れて説明した。
「なるほど、君の説明はとてもわかりやすい!どこで、そのような理解をしたんだ?」
「あぁ、これはただ報告書を読みあさっただけで・・・」
「そんなはずは無いだろう!それならばなぜ、こんな説明ができるんだ!?」
「いや、だから本当に報告書を読んでただけで・・・」
こんなにも同僚の研究員にかみつかれたのは初めてだった。いや、いままで人と話していなかったのもあるのだが、これは流石に異常だと思った。他の職員や博士、研究員はそこまで報告書を読んでいないのか?いや、絶対にそんなはずない。もし、そうならば他のSCPが収容違反を数多く起こしているはずだし、寧ろ読んでない方がおかしいと思うのだが。あぁ、自分がそのSCPを担当しないからそんなことはどうでもいいのかもしれない。これはただ私の独り言でしか無いのだから、そこは気にしなくていいはずなんだけど。それはそうと、これがきっかけでその研究員は度々私のところにきては、彼自身が研究しようと思うSCP-JPs4について色々聞いていった。その数ヶ月後、別の研究員が私のところにきた。
「君がSCPについてよく知っている研究員か。」
「まぁ、ただ報告書を読みあさっているだけなんですが・・・」
「君の解説はよくわかりやすいと聞いているが?」
「それは、他の研究員は自分がやりたいSCPの研究をしているからで、他の研究員も私と同じように、報告書を読みあされば私と同じようになります。」
「果たしてそうだろうか?私にはとても素晴らしい能力だと思うが、その能力を博士達や財団職員に分け与える仕事に使おうとは思わないか?」
「というと?」
「SCPのオブジェクトについて解説する、財団向けのSCP講習の先生だ。」
「待ってください。そんな講習そもそも開いているんですか?」
「近々財団職員教育という名目で、SCPの取扱い方を指導する機関ができるそうだ。その機関主導の下でSCP講習を開く予定である。その機関に来ないか?そこなら、いくら報告書を読みあさっても誰にも咎められることはないし、上からの結果を出せと圧力を掛けられることもない。」
この当時、私が研究員のとき結果志向である財団はやたらと研究員には圧力いわゆる成果を求めていた。こんなこと書いて誰かにみられているかもしれないから訂正する。
「確かにそうですが、他の研究員よりもただ詳しいってだけで私が行くのは憚れます。第一研究員ではなく博士から選べばいいじゃないですか?」
「どうやらそうも行かないらしい。最初O5は財団所属の博士の中から何人かを、無作為で選び出し直接面接で試験し、得点の高い博士をその機関に配属させる予定だった。しかし、実際の結果は全員O5が作成した問題の3割も解けていなかったことが判明した。」
「確かに、報告書を読んでも財団に所属する博士は一つのSCPを専門としているのが大半で、複数のSCPに関わることは稀なケースだと思います。」
「だから研究員に的を変えたわけさ。研究員なら成果を出すために多くのSCPの報告書を読んでいると予想しているらしい。」
「そうですかねぇ?研究員も博士同様、多くのSCPについての理解しているとは思えませんが。」
「実はそうでもないらしい。君みたいにSCPの報告書を片っ端から読みあさって、たたき込む研究員の噂が絶えないようでね。O5もそれに目をつけてそのような研究員をリストアップして、近々内密に通達、強制的に試験させるらしい。」
「はぁ。」
「詳しくは私も知らないんだ。ただ、なぜこれを話に来たか分かるか?」
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