恨やましい 改稿【コンテスト記事】

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今日もまた一日が始まる。
起床。午前7時。
朝食。サンドイッチ。
カウンセリング。
昼食。食堂のカレー。
軽い運動。
仮眠。

私は自信家、努力家らしい。占いでもその結果がよく出る。それは偽りの姿なのかもしれない。本当の私は—


気付いたら私が勤務しているサイトの食堂にいた。そこには大勢の同僚、先輩職員とたくさんのフルーツが乗っていて綺麗にデコレーションされている大きなケーキ。自分の手にはカラフルな包装紙で包まれた箱。
「██君おめでとう! 先輩の私から昇進祝いよ、ありがたく受け取りなさい!」無意識に言葉を発した。
異例の大出世……私の上司になるんだ。
「██もついに上級研究員か、君の勤勉さには頭が上がらないよ。」「素直に尊敬。」皆が口々に彼に賛辞を贈る。

私も口ではあんなこと言ったけど。彼はすごいのよ。それは十分わかっている。でも、心の奥底で受け入れることができない自分がいる。なんで?なんでなの! 私だって努力してるじゃない! それなのに成果は出ないって? ふざけてるの!? 「努力をした者は必ず報われる」? 本当にそうなのかしらね。研究、実験、研究、実験。私は毎日毎日続けたのよ。大した結果は出ずに終わったけどね!ふざけているのかしら! ほんとに……、私はただ、認められたいだけなのに……。どうして、私だけがこんな…。なんでなの? ねぇ? みんな、寄ってたかって……。

「姉さん、そんなに気にしなくたって良いんだよ」

傑、どうしてそんなこと言うの……。ただ1人の理解者のはずなのに。この気持ちをわかってくれてると信じていたのに!

「あなたに……何がわかるっていうのよ!」
「わかるよ、だって僕達姉弟でしょ。だからそんなに思いつめなくても……。」

うるさい。

「あなただって来月異動が控えてるんだってね。ここよりももっと……もっと大きなサイトにね!」
思わず机の上のレンチを取った。それは空を切り頭部を直撃する。

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!
錆びかけた金属の道具が弟の頭蓋を何度も打ち付ける。鮮やかな赤だわ。なんて綺麗なのかしら。
こうやって孤独になっていくんだ。私を救ってくれる人なんて最初からいなかったんだわ。ハハ、面白い。いっそ清々しいくらいだわ。
虚無。仕方の無いこと。


起床。悪夢だった。
夕食。薬のみ。
先生との面談。2時間。
就寝。おやすみなさい。






そしてまた一日が始まる。


嫉妬とは、相手に対して能力に劣ることの無意識な表われにすぎない


- 塩野七生



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