恨やましい
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しがない財団職員のはなし。
朝起きる。午前6時。
朝ご飯。サンドイッチ。
研究。
お昼たべる。食堂のカレー。
実験。
仮眠する。
気がついたらサイトの食堂にいた。そこには大勢の職員と大きなケーキ。自分の手には綺麗な包装紙で包まれた箱。
「██君おめでとう!先輩の私から昇進祝いよ、ありがたく受け取りなさい!」無意識に言葉を発した。
「██研究員今度から上級研究員になるんだってね」「君の勤勉さと才能には頭が上がらないよ」皆が口々に賞賛の言葉を述べる。
わたし、口ではあんなこと言ってたけど。やめて。もう見たくないの。彼は凄いわ、本当に。でも、受け入れられないの。
なにもないもの、低級よ。ここに来てから何をした?研究、実験、研究、実験、研究、実験、研究、実験。
毎日、まいにちまいにち繰り返した。認められることを願って。なんで、なんでなの。同期のみんな、後輩の彼、身近な人たちが上司になっていく。そんなこと認めない。認めたくない。
「君は我儘だ」
わかってる、そんなことわかってるの。
「姉さん、もうやめなよ」
傑、あなたまでどうして…ただ1人の理解者のはずなのに。「あなたに何がわかるっていうの!」
「わかるよ、だって僕ら姉弟でしょ。だからさ…」
「あなただって異動が決まってるんだってね、ここよりも大きなサイトに!」思わず机の上のレンチを取る。
うるさいうるさいうるさいうるさい!
金属が頭蓋を打ち付ける。ああ、鮮やかな赤だ…
こうして裏切られていく、いや、元々仲間なんていなかったのね。虚無。何者でもない。記憶から消えていく。
「元の世界に戻るんだ」
夕食。無し。薬を飲む。
夜寝る。おやすみなさい。
そしてまた一日が始まる。
- portal:6085604 ( 08 Feb 2020 06:42 )

置いていかれる恐怖と嫉妬なら、日常の描写から少しずつ壊れる感じを出していったがいいかなと。
具体的に掘り下げた方がいい場面
・後輩の昇進
→表向き祝ってあげるが内心は……
・傑に諌められる部分
→言い争いなど喧嘩を思わせるような描写、「あなたには分からない!」等のセリフ
今のところ私が思ったことはこれくらいかな、題材は面白いから楽しみにしてるよ。
このまま投稿されたらNVです。短い文ながら雰囲気が出ていて、嫉妬や恐怖が伝わってきました。ですが、描写が若干薄いような気がします。先のコメントでも指摘されている通り、もっと掘り下げるべきだと思います。
猫舞研究員と掛けたタイトルでしょうか?恐らく、猫舞研究員のことを知らない人が読むと違和感を覚えるかと思います(猫が舞っている?ような要素が感じられないため)。tale中に猫を利用した比喩表現を取り入れてみたら如何でしょう?
主人公と思われるキャラクターの口調が不安定なのが少し気になりました(特に、『なにもないもの、低級よ。ここに来てから何をした?』と『こうして裏切られていくのね、いや、元々仲間なんていなかったんだ。』の部分。女口調と〜だ、である調が混ざって違和感)。こういう喋り方をするキャラクターなのであれば仕方ありませんが、人事ファイルへのリンクをどこかの単語、例えば『しがない財団職員』のところ等に貼っておくと良いと思います。
ここだけセリフの最後に句読点がついているのが気になりました。
レンチで殴った→血が出た、という流れでしょうか。殴った描写を入れた方が良い気がします。