偽りのない今日の日を。(改稿)

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8122内の低脅威物品用ロッカー内に保管されます。SCP-XXX-JPについての実験を行う際は担当職員の許可を得てから行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは、バリアＯＰＰのガスバリア袋の内部に██個存在するグミです。

SCP-XXX-JPを摂食した人間は幸福感を得ると共に昏睡状態となり、同時にSCP-XXX-JPを摂食した日付と同日の朝6時の時点の世界の幻覚へと転移させます。(以後、幻覚の中のことをSCP-XXX-JP-A、接触した人間をSCP-XXX-JP-Bと呼称)このとき、SCP-XXX-JP-Bにはあらゆる方法でも危害を加えることが出来ません。SCP-XXX-JP-A内ではSCP-XXX-JP-Bが摂食時の段階で最も願望している物事や概念、もしくはそれに関連したものを経験することが出来ます。SCP-XXX-JPの接触による昏睡状態は一律して3分で解かれます。また、SCP-XXX-JP-AでのSCP-XXX-JP-Bの体感時間は18時間である事が確認されています。

なお、SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JP-A内部での記憶を全て保有します。SCP-XXX-JPに関する記憶はCクラス以上の記憶処理で対処することが出来ます。

発見経緯: SCP-XXX-JPは1994年11月に██県██市内で死亡した木岡 輝久氏について、捜査していた警察に侵入していた財団職員が彼の研究室からSCP-XXX-JPについて記載された手帳と共に発見し、回収されました。後の財団の研究によって異常性が確認されたため、収容されました。

以下は██県██市で行われた木岡 輝久氏についての調査で発見されたSCP-XXX-JPについて記載された手帳の内容の抜粋です。

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1994/09/██
妹の11歳の誕生日であるこの日を記念し、俺はこれを書くことにした。たった1人の本物の家族である俺の妹、三谷真尋について、そして俺について。
まあ、自分の境遇についてかこう。10歳の時。だから10年前、両親が死んだ。確かその次の年に真尋が入院した。
俺はその年、木岡家に家族として迎えられた。でも、まあ家族はクソだ。
今は自立して研究者の端くれとして金稼ぎながら色々研究してる。
まあ、こんなもんか。誰に見せるわけでも無いのになんでこんなことしてるんだ。俺。

1994/09/██
今日は病院で真尋と会話をした。真尋は自分の夢について熱く語っていた。
「お友達とお外で遊びたい！！」だとか、「動物のお医者さんになりたい！」だとか。とても可愛かった。

1994/09/██
よし。俺は医師じゃねえが、俺には真尋を幸せにする技術がある。あいつは物心ついた時からずっと病院にいる。

俺ならできる。

1994/09/██
きっと真尋はまだ寝ていることだろう。真尋は、いつも時に起きるらしい。だが、消灯時間を過ぎても寝ないことがあるらしい。正直心配だ。
そうだ。この時間にしてあげれば、きっと違和感なく真尋もこれを過ごせるはずだ。

1994/10/██
今は夜中の3時。早めに終わった。ついに俺はやったんだ。少し寝たら、早速真尋にプレゼントしてやろう。少し遅めだけど誕生日プレゼントだ。そうだ、ビデオに撮ろう、今日は祝うべき日なんだ。

最高の一日になった。今日から1つずつでいい。これで、きっと真尋は救われるんだ。俺は成し遂げた。

1994/10/██
最初の数回これを食べた時はパニックになっていたが、今では真尋はこれを楽しんでくれている。今日はもうひとつの今日の中で、お友達とても楽しそうだった。やはり、妹ってのは最高に可愛いな。これが続けばいいのに。

1994/11/██
真尋が、余命が2週間だそうだ。急に突きつけられた。最高に死にたい気分だ。クソが。俺は毎日ビデオに真尋を映してきた。それらを見返してる。クソ。

以下は、既に回収された上記に記述されたビデオに記録されていた映像の抜粋です。

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1994/10/██
(カメラは三谷 真尋氏と思われる女児を映している)
男性の声(木岡 輝久氏だと思われる): 真尋、今日は真尋にプレゼントがあるんだ。

女児: えー、なになに？

男性の声: ほら。これなんだと思う？

女児: えー、お薬？やだな。

男性の声: そんな怖い顔をしないでくれ。グミだよグミ、これを食べたら真尋がしたいことを沢山できるようになるんだ

女児: 本当？やったあ。おにいが作ったんだ。凄いね。

男性の声: だろう。おにいちゃんは凄いんだ。お前の病気だって俺がすぐ治してやるからな！

女児: うん、待ってるね。んー、えへへ。(男性と思われる手が女児を撫でる)おにい頑張ってね。

1994/10/██
(カメラは女児を映している)

女児: おにい。今日はね、お友達といっぱい遊んだの。とっても楽しくて。でもわたしドッチボールはやった事ないから上手く投げられなかったけど。でも楽しかった。

男性の声: そうか、ははは、それは良かったな。

女児: おにい。えっと。

男性の声 なんだ。言ってみろ。嫌ならいい。

女児: ううん、なんでもない。気にしないで。

男性の声: そうか。明日も来てやるからな。

1994/11/██
(カメラは女児を映している)

女児: おにい、あのね。わたしもう、これいらない。返すね。ありがとう。

男性の声: な、なんでだ？なにかあったのか？大変なことになったのか。

女児: おにい、わたし嬉しかったの。おにいがわたしのために頑張ってくれて。嬉しかった。でも聞こえちゃったの。わたし、もうしんじゃうんでしょ？わたしも自分でもわかるの。多分、わたしもうすぐしんじゃう。

男性の声: まさか、そんなわけ。

女児: おにい。(5秒間の沈黙)
いいって。最初は、楽しかったの。学校にいったり、いっぱい遊んだり。楽しかった。でも、それは急に、全部終わっちゃう。そこにおもちゃはなかったし、友達もいなくなってた。

男性の声: それは、その。

女児: あと、最近お父さんと、お母さんのこと、ずっと考えてたの。わたし、お父さんのこともお母さんのことも、覚えてないから。知りたかった。でもずっと見つけられなくて、だから。嘘ついてたんでしょ？わたしのために。わたしが悲しくならないように。お仕事忙しいって。(約10秒間の沈黙)
だからわたしも嘘ついたの、おにいが悲しくならないように。お父さんとお母さんさんのこと、気にしてないって。えへへ。(男性のすすり泣く声が聞こえる)

泣かないでよ。(10秒間の沈黙)
分かったの。夢のわたしは、わたしじゃない。わたしは、この部屋にずっといる。わたしはきっと、動物のお医者さんにもなれないし、お勉強もできないんでしょう？でも、きっと。わたしは。わたしは、幸せだから。(カメラが机を映す)
あはは、恥ずかしいよ、やめて。怖くないよ、寂しくないよ、だからおにい。泣かないで。

1994/11/██
(カメラは暗闇を映している)

男性の声: あーあー。聞こえてんのかなこれ。まあいいや。俺は今日、仕事中に三谷真尋が死んだ事を知らされた。医者いわく、「おにいにあいたい。もっと、知りたかった。」と泣きながら言っていたらしい。真尋はきっと、覚悟しきれてなかったと思う。怖かったと思う。でも、最後まで、俺が悲しまないように、嘘をついてくれていた。
俺は、ただ真尋に楽になって欲しくて。でも、俺がしたことといえば、実の妹を実験台にして、気持ちも考えず自分の技術を押し付けて、成功だと興奮し、真尋を利用し、俺が思う幸せを押し付けただけだ。
そして、願ってしまったんだ。これが続くことを。俺は、真尋を少しでも救う俺が好きだっただけなんだ。俺は。幻覚でもう1つの世界、今日を作ることによって、別の自分の人生を。なんて、ふざけてやがる。真尋の言う通りだ。自分はそこにしか存在しないんだ。俺は、俺は。(机を叩いたような音が3回する)
(10秒間の沈黙)
ああ、クソ。クソ。真尋、ごめんな。こんなお兄ちゃんで。

三谷 真尋氏は██県██市の████病院の記録から、1994年11月██日に死亡したということが確認されています。木岡 輝久氏は拳銃で自分の頭蓋骨を撃ち、死亡したと後の調査で分かりました。

補遺: SCP-XXX-JP-Aで、SCP-XXX-JPを服用した同日に現実世界に存在しない物について確認することは出来ませんでした。以下は当時の実験とその記録です。

+ 実験記録005

実験記録005 - 日付1996/██/██

対象: D-s285A7、D-a7728c

実施方法: 対象等の既に死亡している両親について、対象等に強く思念させた後、SCP-XXX-JPを服用させる

結果: 対象等はSCP-XXX-JP-A内部は暗闇で、SCP-XXX-JP-A内部で動くことは不可能であり、長い時間SCP-XXX-JP-A内部に閉じ込められたと証言しました。

分析: 証言に食い違いがなかったことから、SCP-XXX-JP-A内部には現実に存在しない物や概念は存在せず、対象は時間が経過するまで、暗闇に放置されることが分かりました。

以下は、木岡 輝久氏の義父にあたる存在である、木岡 ██氏に対するインタビューの記録です。

+ インタビュー記録001

インタビュー記録001

対象: 木岡 ██氏

インタビュアー: ██博士

<録音開始>

██博士: まず、あなたと木岡輝久さん、そして三谷真尋さんの関係について教えてもらえますか。

木岡氏: えっと、待ってくれ。ここは禁煙か？

██博士: ええ、まあそうですね。はい。

[重要度の低い会話の為、省略]

木岡氏: そうか、まあいい。輝久は、三谷さん達が亡くなってから家が引き取ったんだ。まあ雑用として。んで、その妹の方は、あー、病気だったから引き取れなかったんだ。病気の子は使い物にならないしな。(5秒間の沈黙)

██博士: 続けてください。

木岡氏: んで、あの子の入院費用は、唯一の血縁の輝久を引き取った俺らが負担しなきゃならなくなったんだ。正直嫌だったよ。くそほど高ぇし。早く死ねと思ってた。でもあいつは、すげえ生きて。結局10年分も払わなきゃいけなくなったんだ。何百万も。ウチは金持ちじゃねえ。知らねえどうでもいい子のためだけに金だけが減ってくなんて正気じゃねえ。でも払わねえってなると周りの目がな。分かるだろ？

██博士: はぁ。

[重要度の低い会話の為、省略]

木岡氏: まあ、そうだな。だから俺はあいつが気に食わなくて殴ったり、飯を出さなかったりした。八つ当たりだ。それなのにあいつ死ぬまで俺らに仕送りしてくれてな。多分俺らのこと家族だと思ってる。俺は雑用として思ってなかったけどな。ははは。金くれてありがとうとしか思わなかったけど。とにかく今はどっちも死んでくれて清々したよ。最高の気分だ。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー後、木岡氏にはCクラス記憶処理を行いました。

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  Kajikimaguro 10 Jul 2021 07:12

  批評

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  オブジェクトクラス: safe
  ↓
  オブジェクトクラス: Safe

  オブジェクトクラスは初めの1文字は大文字にしましょう

  特別収容プロトコルは手順なのですから不確実な情報入れてはなりません、そのため黒の伏字、 [削除済]などを入れることは必ず入れる必要がある場合にのみにしましょう。(例：伏せ字そのものが異常物だった場合など)

  サイトスタッフ

  財団職員は大体の人物がサイトに属してますし全ての職員がスタッフといえばスタッフです。そのため担当職員とかサイト管理者とかに変更した方が良いかと

  特別収容プロトコルと説明の切り替わる部分では間に一行開けておきましょう

  SCP-XXX-JPが複数存在するといっていますがそれは数えられるのならそれの個数は記述する必要があるでしょう。一応報告書ですので

  木岡輝久

  木岡 輝久氏といった方が丁寧かなと思います。それと調査とのことですが何かしらのきっかけがない場合個人を調査することは中々ない気がします。SCP-XXX-JPは1994年11月に██県██市内で木岡 輝久氏が不可解な死因により死亡したことにより、警察の捜査に財団が手を加える事でSCP-XXX-JPの内容が記載された手帳とともに発見・回収されました。というふうにした方が…良いかな？と思います。

  SCP-XXX-JPに関する記憶はCクラス以上の記憶処理で処理することが可能です。

  記憶処理で処理より記憶処理で対処の方がおんなじ単語が続くより違和感が少ないと思います。

  それと行を分けていないから読みにくい印象を受けます。以下の様な行はどうでしょうか

  ---

  説明: SCP-XXX-JPは、バリアＯＰＰのガスバリア袋の内部に複数存在するキャンディーです。

  SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JPを服用した人間に幸福感を与えると共に昏睡状態に陥れ、SCP-XXX-JPを服用した日付と同日の朝6時の時点の別世界の幻覚へと転移させます。(以後、転移した先の世界のことをSCP-XXX-JP-A、服用した人間をSCP-XXX-JP-bと呼称)このとき、SCP-XXX-JP-bにはあらゆる方法でも危害を加えることが出来ません。SCP-XXX-JP-A内ではSCP-XXX-JP-bが服用時の段階で最も願望している物事や概念、もしくはそれに関連したものを経験することが出来ます。SCP-XXX-JPを服用による昏睡状態は一律して3分で解かれます。また、SCP-XXX-JP-AでのSCP-XXX-JP-bの体感時間は18時間である事が確認されています。

  SCP-XXX-JP-bはSCP-XXX-JP-A内部での記憶を全て保有します。SCP-XXX-JPに関する記憶はCクラス以上の記憶処理で処理することが可能です。

  発見経緯: SCP-XXX-JPは1994年11月に██県██市内で死亡した木岡輝久について、警察に潜入していた財団職員が調査した際、彼の研究室から発見された手帳の中でSCP-XXX-JPについて記載された文章を財団職員が発見し、回収しました。後に研究によって異常性が確認されたため、収容されました。

  以下は██県██市で行われた木岡輝久についての調査で発見されたSCP-XXX-JPについて記載された手帳の内容の抜粋です。

  ---

  「:」の後にはインタビュー記録だとかでも小さい空白を文章との間に必要です。

  補遺:

  文章との間の部分で小さな空白が忘れられています。

  木岡██氏

  木岡 ██氏と間に小さな空白を入れるのとインタビューの際は「木岡氏」とだけ入れた方がわかりやすい気がします。

  最後の記録は短すぎる気がしますので前後のどちらかに[重要度の低い会話の為、省略]というものを置いておいた方が誤魔化せると思います。

  総評
  文章をもう少し整えられれば文句なしのUVです。

  特に最後の記録は胸糞感が強くてとても良いです。

  記事作成頑張ってください

  最後の編集 10 Jul 2021 07:31 by Kajikimaguro さらに表示

  批評ありがとうございます。

  Mioji Lucas 10 Jul 2021 07:49

  わざわざ修正したあとの文まで作っていただきありがたいです。修正させていただきます。

  改稿終了しました。

  Mioji Lucas 10 Jul 2021 08:39

  また文章に不備があった場合は遠慮なく申し付けてください。

  guestC 10 Jul 2021 12:44

  拝読しました。

  + 書き方について

  (以後、転移した先の世界のことをSCP-XXX-JP-A、服用した人間をSCP-XXX-JP-bと呼称)

  どちらのアルファベットも大文字か小文字に統一すると読みやすいと思います。

  SCP-XXX-JPを服用による昏睡状態は一律して3分で解かれます。

  「SCP-XXX-JPの服用による」ではないでしょうか。

  財団が警察の操作に手を加え、

  「捜査」ではないでしょうか。

  妹の11歳の誕生日であるこの日を記念して私は日記を書くことにした。

  (意図的でないならば)一人称を「俺」に統一してはどうでしょう。

  可哀想に今救ってやるからな。

  『かわいそうに』の後を句読点で句切るほうが自然だと思います(自信がありませんが)。

  以下は、既に回収された上記に記述されたビデオに記録されていた映像の抜粋です。(の内容全体)

  回収されたビデオの記録の抜粋全体について、『私』か『わたし』に統一してはどうでしょう。

  分析:証言に食い違いがなかったことから、SCP-XXX-JP-A内部には(略)

  『分析:』の後ろ、半角スペースが抜けています。

  
  文書について

  • インタビュー記録001も折りたたんでいいと思います。

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  物語も異常性も分かりやすく、全体的に読みやすかったです。個人的に、SCP-XXX-JP-bはなぜ朝6時に転移するのか理由がとても気になりました。
  参考になれば幸いです。

  ---

  返信が必要なフォーラムポストにつきましては、投稿1週間以内に反応がない場合、PMにてご一報ください。

  批評ありがとうございます

  Mioji Lucas 10 Jul 2021 13:11

  今回頂いたことを参考に明日修正させていただきます。朝6時である理由は、妹が夜が苦手であることに配慮をした単純な兄の優しさです。なにかそれに触れたことを手帳に書こうか悩んでいます。

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