SCP-XXX-JP タイトル未定

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タイ国内で回収されたSCP-XXX-JPの写真

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準型人収容室に収容し、週に5回、120gの動物性タンパク質(昆虫類が望ましい)からなる飼料を与えてください。

説明: SCP-XXX-JPは、20代の小タイ族男性に見える人型実体です。しかしその頭部は、ベタ・スプレンデンス(Betta splendens)のものと同一の形態的特徴を示しています。

SCP-XXX-JPはその頭部構造にもかかわらず肺呼吸であるかのように振る舞い、タイ語での会話が可能です。SCP-XXX-JPのその外見的な特徴に反して、SCP-XXX-JPを視認した対象が違和感を抱くことをはありません。映像記録などではこの異常性は発現しません。

SCP-XXX-JPは徒手空拳での格闘を好み、格闘技等の技術を有した人物を発見すると一対一での闘いを申し出ます。このとき対象となった人物はSCP-XXX-JPの申し出を快く引き受けます。SCP-XXX-JPはムエタイを中心とした格闘の技術を有しており、その戦闘能力は財団が有する戦闘を目的とした機動部隊員の平均を上回ります。

SCP-XXX-JPは財団の収容に協力的ですが、インシデントXXX-2以降、管理体制はより厳重なものとなっています。

SCP-XXX-JPは、2014年5月██日に行われた新日本プロレスのタイ興行の現場で、同団体に所属するオカダ・カズチカ¹氏と「マッチ」をしているところを目撃され、財団により収容されました(インシデントXXX-1)。オカダ・カズチカ氏を含む現場にいた人物には記憶処理を行ったのち開放、映像記録は全て回収しました。また、これにより当初予定されていたオカダ・カズチカ氏の試合が行われなかったため、カバーストーリーとして公式記録から当該の興行へのオカダ・カズチカ氏参加を消去しました。

インシデントXXX-1映像記録: インシデントXXX-1におけるオカダ・カズチカ氏との「マッチ」を撮影した映像記録です。記録は観客のスマートフォンから回収しました。

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<記録開始>

[観客の中からSCP-XXX-JPが現れ、リングに上がる]

[SCP-XXX-JPがマイクを持ち、発話する]

SCP-XXX-JP: おい！そこの金髪のお前！(オカダ・カズチカ氏を指さす)お前が1番良さそうだ。俺と戦え！(タイ語での発話)

[通訳がSCP-XXX-JPの発した内容をオカダ・カズチカ氏に伝える。]

[オカダ・カズチカ氏はこれに応じ、リングに上がる。]

オカダ・カズチカ: 分かりました。相手をしましょう。ただし、加減はしませんよ！!

[ゴングが鳴る。]

[SCP-XXX-JPの雄叫びを上げ、オカダ・カズチカ氏に接近、ハイキックを放つ。]

[オカダ・カズチカ氏が身を屈めて回避、SCP-XXX-JPは遠ざかろうとするが体勢を崩す。すぐさまオカダ・カズチカ氏が背後を取り、SCP-XXX-JPの腰に手を回す。]

[オカダ・カズチカ氏がレインメーカー²を放つ。SCP-XXX-JPはこれを喰らいダウン。気絶したように見える。]

[オカダ・カズチカ氏がホールド、レフェリーからスリーカウントが入り、再びゴングが鳴る。]

外道³: レインメーカーは、レェェェヴェルがちげえぇんだよ！！

<記録終了>

インタビュー記録XXX-JP

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インタビュー対象: SCP-XXX-JP

インタビュアー: 擒拿きんな博士

付記: インタビューは全てタイ語で行われ、以下は内容を翻訳したものです。

<記録開始>

擒拿博士: こんにちは。SCP-XXX-JP 。

SCP-XXX-JP: こんにちは。博士。一応俺にはモックって名前があるんだが、そっちで呼んでくれないかい？

擒拿博士: 生憎ですがあなたのここでの呼称はSCP-XXX-JPとさせてください。申し訳ない。

SCP-XXX-JP: そうかい、わかったよ。で、なんの用だよ。俺の新しい対戦相手でも見つけてくれたのか？

擒拿博士: いえ、少しあなたに質問がありましてね。君のその頭、それは生まれつきのものなのでしょうか？

SCP-XXX-JP: いや…生まれつきと言えば生まれつきだが…少し博士は勘違いをしているようだ。私はもともとこの頭を持っていた。持っていなかったのはこっちの方だ(SCP-XXX-JPが自身の体を指す)。

擒拿博士: と言いますと？

SCP-XXX-JP: もともと俺は魚だったのさ。闘魚って言うんだっけ？毎日のように闘わされて、勝敗に金銭をかけられてた。まあ、俺はほとんど負けなしで、俺の飼い主は相当儲けてたみたいだな。

擒拿博士: なるほど。ではなぜそのような姿に？

SCP-XXX-JP: 俺の飼い主がヘマをやっちまってな。███████って名前の奴なんだけどよ。俺を飼っていた水槽を割っちまって、俺は一度死んだのさ。だけど俺の飼い主は俺の事を諦めきれなかったのか、神々に俺を水が無くとも生きられるほど強い魚にしてくれって頼んだのさ。そして気がついたらこんな体になってたって訳よ。おかげで強くはなったけど、闘魚としての闘いは出来なくなっちまったな。

擒拿博士: その、飼い主について詳しくお聞きできますか？

SCP-XXX-JP: あーっと、名前はさっき言った通りで、俺以外にも沢山の闘魚を飼ってたな。確かチャオプラヤ川の近くの、████って村出身だって言ってた。俺の名付け親で、神話に出てくるモック⁴に因んでとか言ってたな。まあ、俺がこの姿になった後は賭けにならないからって捨てられちまったがな。どうも、金にならないやつは嫌いらしい。

擒拿博士: なるほど。では別の質問をよろしいでしょうか。我々があなたを確保した日、なぜあなたはあの場にいて、あのようなことをしていたのですか？

SCP-XXX-JP: さっきの話と少し繋がるんだが、飼い主に捨てられた後、俺は闘魚の本能なのか、どうしてもより強い奴と闘いたくなっちまってな。俺自身やらされていたとは言え、闘いは好きだったのさ。そんなわけで辺りで強そうなやつを見つけては殴り合いを申し出る日々を続けてきたのさ。俺はどんどん強くなった。そして周りに俺に勝てる奴がいよいよ居なくなってきたころ、あの金髪どもを見つけちまってよ。コイツだ！ってなったわけだ。

擒拿博士: それがオカダ・カズチカ氏ですね？

SCP-XXX-JP: ああ。…(数秒間の沈黙)まさか俺が負けるとは思わなかった。しかも一撃で。世界の広さを思い知ったよ、あの瞬間にね。…なあ博士、俺をもう一度あいつと闘わせてくれないか？今じゃなくていい。俺はここでもっと研鑽を積んで、あいつにリベンジを申し出たいんだ。な？いいだろ？

擒拿博士: 残念ながらその提案は許可することができません。申し訳ない。

<記録終了>

財団の調査により、███████氏は現在バンコクに在住していることが判明しました。すでに███████氏を含むSCP-XXX-JPの目撃者には記憶処理を施しています。

インシデントXXX-2

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201█年█月██日、サイト-81██内で大規模な収容違反が発生しました。幸いなことにこの収容違反では死者は発生せず、2時間後に事態は収束しましたが、監視カメラの映像からSCP-XXX-JPが付近の街に出没したことが確認されました。このインシデントの際撮影されたSCP-XXX-JPの映像記録は全て回収済みです。また、SCP-XXX-JPを目撃した全ての人物への記憶処理が完了しました。SCP-XXX-JPはインシデント発生から93分後に、路上で気絶した状態で発見されました。SCP-XXX-JPの体には外傷が見られましたが、付近の監視カメラ映像からこれらはオカダ・カズチカ氏によるものと推定されます。

<監視カメラの映像>
インシデントXXX-2にてSCP-XXX-JPが回収された地点付近の監視カメラの映像です。

<記録開始>

<00:25:30> オカダ・カズチカ氏がカメラ手前を歩いている。カメラ奥にSCP-XXX-JPが現れる。

<00:25:34> SCP-XXX-JPが発話しているように見える。オカダ・カズチカ氏がそれに応じているような素振りを見せる。

<00:25:48> SCP-XXX-JPがファイティングポーズを取る。オカダ・カズチカ氏は腰を落とし、臨戦体制に入ったように見える。

<00:26:01> SCP-XXX-JPがオカダ・カズチカ氏の方へ飛び込み、ローキックを放つ。オカダ・カズチカ氏は高く跳躍し、これを躱す。

<00:26:02> オカダ・カズチカ氏が空中からドロップキックを放つ。ドロップキックはSCP-XXX-JPに直撃する。

<00:26:04> SCP-XXX-JPは後方へ2メートルほど飛び、地面へ倒れ込む。SCP-XXX-JPが再び起き上がろうとするところにオカダ・カズチカ氏レインメーカーポーズ⁵をした状態でが近づく。

<00:26:12> オカダ・カズチカ氏がSCP-XXX-JPの背後に回り込み、腕を腰に回す。SCP-XXX-JPは抵抗しているように見える。

<00:26:15> オカダ・カズチカ氏がレインメーカーを放つ。SCP-XXX-JPは腕でガードしたように見えるが、そのまま地面に叩きつけられる。

<00:26:17> オカダ・カズチカ氏が画面奥へと歩いてゆく。SCP-XXX-JPは立ち上がろうとするが、脳震盪を起こしたと見られその場に倒れ込む。

<記録終了>

インシデント後、オカダカズチカ氏を一時拘束し、記憶処理剤を投与した後、解放しました。

インシデントXXX-2終了後、回復したSCP-XXX-JPにインタビューが行われました。以下はその記録です。

インタビュー記録XXX-2

対象: SCP-XXX-JP

インタビュアー: 擒拿博士

付記: インタビューは全てタイ語で行われ、以下は内容を翻訳したものです。

<記録開始>

擒拿博士: おはようございます。SCP-XXX-JP。

[ SCP-XXX-JPは反応しない]

擒拿博士: SCP-XXX-JP？どうかしましたか？

SCP-XXX-JP: あ、あぁ、博士。来てたのか。すまない、考え事をしていてね。

擒拿博士: SCP-XXX-JP。あなたは先日、ここから脱走しましたよね？これまで我々の収容に協力的であったあなたがなぜあのようなことをしたのか、教えてくれますか？

SCP-XXX-JP: …俺はかつて、沢山の金を動かしてきた。沢山の同胞を打ち負かし、沢山の人間を魅了してきた。金の雨を降らせてきたんだ。

[10秒間の沈黙]

SCP-XXX-JP: 俺が闘ったあの金髪、オカダ・カズチカ…だったか？あいつは『金の雨を降らせる男』を自称してるらしいじゃないか。昔の俺のように、いや、昔の俺以上に、馬鹿みたいな額の金を動かしてるって。

擒拿博士: あの、質問に答えていただけません——

SCP-XXX-JP: (擒拿博士の言葉を遮りながら)俺は金を動かす力を失った。だけどそんなもんは強さに関係ないと思っていた。そう信じて、俺はひたすら高みを目指し闘ってきた。でもあいつと戦った時、あいつの強さの中には確かに、金を動かす力があるように感じたんだ。金を動かす力が、あいつに強さを与えているのだと。もしかしたら俺は、大事なものを失ってしまったのかもしれない、そう思った。俺はそれを否定したかった。否定するためには、あいつともう一度闘い、勝つ必要があったのさ。

擒拿博士: では、オカダ・カズチカ氏と闘うため、脱走の機会を伺っていたということでしょうか？

SCP-XXX-JP: 別にずっと出ようなんて思ってた訳じゃ無ぇけどよ。たまたま近くにあいつがいるような感じがして、たまたま警備が薄くなって…あんたらには悪い事をしたと思ってるよ。

SCP-XXX-JP: 結局、俺はあいつに勝てなかった。あいつは俺より何倍も強かった。格闘家としても、金の雨を降らせる男レインメーカーとしても。

<記録終了>

Footnotes

1. プロレスラー。新日本プロレス所属

2. オカダ・カズチカのオリジナル技。相手の背後から腰に腕を回し、片腕で相手の反対側の手首を掴んだ状態から手首を掴んだ腕を引き込むことで相手をその場で回転させ、その勢いで向かい合ったと同時に掴んでいない方の腕を相手の喉元に叩きつける。技名はオカダ・カズチカのニックネームであるレインメーカーから取っており、「金の雨を降らせる(試合会場に気観客を集め利益を産む)」といった意味合いが込められている。

3. プロレスラー。新日本プロレス所属。2012年～2018年の間、オカダ・カズチカのマネージャーを務めていた。

4. タイ神話における猿神。タイ王国では国民的な英雄となっている。

5. オカダカズチカがレインメーカーを放つ前にとるポーズ。両腕を広げ掌を上に向けた状態で上方を向く

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  批評コメント批評コメント

  
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  ponkotsu 25 May 2020 15:28

  ソース: 自作
  ライセンス: CC BY-SA 3.0
  タイトル: ベタ人間
  著作権者: ponkotsu
  公開年: 2020
  補足: この画像は以下の画像を元にしてponkotsuが作成したものです

  ソース: https://www.flickr.com/photos/92961066@N04/14906838057
  ライセンス: CC BY 2.0
  タイトル: Peixe Betta
  著作権者: Field Biologist
  公開年: 2014

  ソース: https://www.flickr.com/photos/9753072@N03/747875302
  ライセンス: CC BY 2.0
  タイトル: Opening Entertainers
  著作権者 AsianFC
  公開年: 2007

  Last edited on 25 May 2020 15:31 by ponkotsu Show more

  ponkotsu 26 May 2020 13:41

  処女作です。至らぬ点も多いと思いますが批評よろしくお願いします

  (account deleted) 27 May 2020 03:04

  内容面はまだ見てませんが、段落ごとに改行を入れましょう。

  ponkotsu 27 May 2020 03:19

  段落ごとの改行了解しました

  KowaretaRobot 27 May 2020 04:31

  まずは記事標準テンプレートを見ながら、記事内の体裁を整えましょう。内容面の批評に関しては、これが確認でき次第行わせていただきます。

  ponkotsu 27 May 2020 06:10

  リンク先の内容を確認し記事の体裁を修正しました。

  KowaretaRobot 27 May 2020 07:18

  全体的に
  内容に関してですが、純粋に面白く読めました。私はUVすると思います。
  個人的には、シンプルな異常性とそこに付随した分かりやすいバックストーリーがとても好みです。内容が内容だけに、ジョーク記事っぽくも取られるかなあと思いましたので、もし他の方からの意見で改稿をされる場合は、財団職員の対応はとにかくシリアス（ふざけた対応ではないことを指します）にすることを心掛けてください。

  インシデントXXX-2に関してですが、起こっている内容と照らし合わせて監視カメラの時間が書いてあると、時間経過が分かりやすく読みやすくなると感じました。
  （例）

  ＜00:00:00＞ オカダ・カズチカ氏がカメラ手前を歩いている。カメラ奥にSCP-XXX-JPが現れる。

  （時間部分は12:35:25のような時間表記にした方が監視カメラっぽいかな、とは思います。）

  文法系細かい部分（これに関してはしっくりきたものだけ直してください。）

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  全体的に

  コロンの後に半角スペースが入っていないものがありますので、確認して直してください。
  「オカダ・カズチカ」と「オカダカズチカ」で表記が混在しています。どちらかに統一しましょう。
  文末に句点（。）があるものとないものが混在しています。どちらかに統一しましょう。

  インタビュアー:擒拿博士

  博士の名前に読み仮名があると嬉しいです。

  俺の名付け親で、神話に出てくるモックに因んででとか言ってたな。

  “で”がひとつ多いです。「～～因んでとか言ってたな。」にしましょう。

  [ SCP-XXX-JPは反応しない]

  半角スペースが入っている部分があります。

  擒拿博士: あの、質問に答えていただけません——
  SCP-XXX-JP: 俺は金を動かす力を失った。

  ダッシュで表現するのであれば、「SCP-XXX-JP:（擒拿博士の言葉を遮り）俺は金を動かす力を失った。」となっていると良いかと思います。

  ponkotsu 27 May 2020 08:04

  ご指摘ありがとうございます。指摘していただいた内容を修正し、監視カメラ映像に時間表記を追加しました。

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