アイテム番号: SCP-3000-JP
オブジェクトクラス: Neutralized(暫定)
特別収容プロトコル: SCP-3000-JPはサイト-81██前の庭園に植えることが許可されています。管理については通常のケシ科植物の育成プロセスに則って行なってください。
SCP-3000-JPはサイト-81██の隔離施設にて5m×5m×5mの監視カメラ付き収容室に収容されています。担当職員はSCP-3000-JPを常時監視し、その変化を記録するようにしてください。またSCP-3000-JP-1はSCP-3000-JPの収容室に隣接した標準人型実体収容ユニットに収容してください。SCP-3000-JP-1から何らかの物品を要求された場合は担当職員と協議の上供給の是非を決定してください。SCP-3000-JP-1の関係者にはカバーストーリー「後追い自殺」を流布してください。
説明: SCP-3000-JPは小さな植木鉢に植えられている一輪の花です。現在は赤いポピー(Papaver rhoeas)の姿をしていますが後述の異常性により元の姿は分かっておりません。SCP-3000-JPは次のような異常性を持っています。
・SCP-3000-JP-1とのテレパシーでの意思疎通が可能。
・自身の姿をあらゆる草花に変えることが可能。この異常性が発現した時のみ上記のテレパシーの異常性が発現する。
・自身の半径50Km以内に非異常性の花を咲かせることが可能。
・水の供給が不要。
[追記2018/02/██]新たな異常性が判明しました。詳細は事案3000-JP-aを参照してください。
[追記2018/03/██]現在、SCP-3000-JPの異常性は全て消失したとされています。
SCP-3000-JPはSCP-3000-JP-1(後述)の家の花壇の花が不自然に増えているという噂が近隣住民の中で広まった事により財団の耳に入り回収に至りました。
SCP-3000-JP-1は██県███に住む日本人男性(本名"芹澤 祐太せりざわ ゆうた")です。SCP-3000-JP-1はSCP-3000-JPによる意思疎通の唯一の対象であり、SCP-3000-JP-1に従来の記憶処理やカバーストーリー流布等の記憶操作を行なってもSCP-3000-JP及びSCP-3000-JP-2に関する記憶に限り消失・改竄出来ないことが分かっています。この異常性がSCP-3000-JPに依るものなのかSCP-3000-JP-1本人の持つ異常性なのかは不明です。現在、SCP-3000-JP-1は死亡しています。
SCP-3000-JP-2はSCP-3000-JP-1の配偶者(本名"堀井 心菜ほりい ここな")です。SCP-3000-JP-2は2013年3月16日に交通事故により死亡しています。SCP-3000-JP-2の遺体は事故後██県警の管轄している遺体安置室にて一定期間保管されていましたがその間に消失しています。以下はSCP-3000-JP-2の死因となった事件の要約です。
██県███町女子大生死体遺棄事件
2013年3月16日以降行方が途絶えていた堀井心菜氏の遺体が堀井氏の自宅から約███km離れた██山にて発見された。遺体は死後34日が経過しており、警察は死体遺棄事件として調査を進め事件発覚から10日後に過失運転致死傷罪及び死体遺棄の疑いで████容疑者を逮捕した。調べに対して容疑者は容疑を否認している。
以上の事件は日本全土に及ぶ大規模なカバーストーリー流布により隠蔽されています。これによりSCP-3000-JP-1を除くSCP-3000-JP-2の関係者はSCP-3000-JP-2の死亡について認知していない状態になり、████容疑者は釈放されました。
文書3000-JP-1: 2017/██/██、██県のSCP-3000-JP-1の自宅を捜索したところ、使い古された████社の手帳が2冊見つかりました。手帳には2012/07/13〜2013/03/15までの日記が記されています。以下はその手帳に書かれていた内容を要約したものです。参考用として手帳の内容を一部記載しています。
2012/07/13: SCP-3000-JP-1とSCP-3000-JP-2が交際を始める。
2012/12/25: SCP-3000-JP-1とSCP-3000-JP-2が婚約を取り決める。同日同居を開始。
2013/01/01: SCP-3000-JP-2がSCP-3000-JP-2に自身の夢を伝える。
2013/03/15: SCP-3000-JP-1とSCP-3000-JP-2が肉体関係を持ち始める。
(2013年3月15日以降のページは全て白紙である。)
2012/07/13 天気:快晴
今日は同じサークルの堀井心菜さんと付き合い始めた。彼女は才色兼備で、花に詳しくて、僕の理想の彼女だった。最初告白した時にまさかOKを貰えるとは思わなくて正直驚いた。こんな僕を受け入れてくれた心菜さんには本当に感謝しかない。これからは僕からどんどんデートに誘って、彼女を思いっきり楽しませてあげたい。隣にいるだけで幸せを感じるような、そんな理想の彼氏になりたい。
そして僕は今日からこの日記に心菜さんとの思い出を書き記していこうと思う。多くの思い出でこの手帳が埋まることに期待しながら。
2012/12/25 天気:晴れ
今日は最高のクリスマスだった。眩く光るクリスマスツリー、五月蝿いほどに響く音楽、そのどれもが今日の僕を彩ってくれていたような気がした。22歳芹澤祐太。なにせ今日は心菜にプロポーズしたのだから。
僕は彼女の為に買った指輪を鞄に隠し待ち合わせ場所の駅前に行くと、そこには既に彼女がいた。僕は彼女に遅れたことを謝った。けれどどうやら彼女は待ち合わせの30分前からいたらしく、僕が到着したのも待ち合わせ時間の15分前だった。
クリスマスデートには去年も行ったのだがその時よりも100倍以上緊張していた。僕は彼女と恋人繋ぎをしながら園内を歩く。僕より背の低い彼女が普段より僕に密着して歩く姿はいつもより一層可愛く見えた。僕と彼女は色々な店を回って、ご飯を食べて、とにかく心菜には幸せな時間を過ごさせてもらった。だから今度は僕が心菜を幸せにする番なんだ。だから、出来る。その心意気で僕は彼女の手を引き████の丘に連れていった。
「いきなりどうしたの?」と問いかけてくる彼女。僕は景色が綺麗なこの場所で思いを伝えよう。そう決心していた。だけどなかなか口には出せず、「ここ綺麗だね」とか「今度はどこ行く?」とか、ベタな投げかけしか出来ないまま彼女は「そろそろ帰ろうか」と口にした。僕は慌てて彼女を引き止めた。ここで言わなきゃいつ言うんだ?僕は自分にそう言い聞かせながら買ってきた指輪を差し出して彼女に向かってこう言った。
「好きな事にとても前向きなあなたの姿に勇気を貰って、これからもずっと一緒にいたいと思いました!どうか僕と結婚してください!」
彼女は少し間をあけて、最高の笑顔で端的にこう言ったんだ。
「はい!これからよろしくお願いします!」
この時の僕の顔がどうだったかだなんて覚えていない。だけどこの瞬間が只管に幸せで、僕は彼女を見つめ、彼女も僕を見つめ返した。この一言のやりとりで、僕の心の闇は晴れた。言えた!言えたんだ!
こうして僕達は結婚する事が決まった。年を越すまでには互いの親に報告して、2月あたりには正式に結婚したいと思う。挙式はまだ決まっていない。お金の問題もあるし…。そして今日は初めて心菜と夜を過ごすことになる。僕は勿論緊張しているし、彼女も恐らく緊張しているだろう。でもこの初々しい雰囲気もなんだか愛おしい。よーし、明日から忙しくなるけど彼女と一緒に頑張るぞ!
(この日は2ページに渡って文章が書かれている。)
2013/01/01 天気:曇り
あけましておめでとう。新年が始まった。明るい一年になって欲しいな。去年は妻も出来たし、今年の7月には挙式も挙げるつもりだ。まだ具体的な家族計画は立っていないけど僕はとにかく幸せだ。この幸せがいつまでも続けばいいのに。
そして彼女は、最近家の周りによく花を植えるようになった。その中には、僕があの時あげた花も植えてあった。「見てよ。この赤いポピー、綺麗でしょ」彼女はそう言いながら微笑んだ。赤いポピーの花言葉は「慰め」「感謝」「喜び」。まるで僕達の生活を表しているようだった。彼女は本当に花が好きなんだな。僕も頻繁に花を贈ってやりたいと思った。「私、お花屋さんになって皆の笑顔を作るのが夢なの!」その言葉には、未来への希望で満ち溢れていた。僕は彼女を応援したいと思う。
僕は彼女と違い、まだ大きな夢は持てていない。でも僕は彼女と一緒にいることが一番の幸せで、これからもずっとそうしていきたいっていうのが僕の夢だ。ほんの小さな夢かもしれないけど、僕にとってはそれが一番なんだ。
2013/03/15 天気:快晴
今日、僕は男としての挑戦に出た。
心菜とはあの日から同棲をしているのだが、まだ一度も夜を共に過ごしたことがなかった。2人共別々のベッドで寝ていた。同棲して間も無い頃はまだ別で寝ていても分かるのだが、そろそろいいだろう。そろそろ彼女とセッ██をしてもいいだろう。彼女もきっと受け入れてくれるはずだ。これだけ長い時を過ごしたのだからそうに決まっている。僕はそう信じながら交渉の為に彼女のもとに行った。
結果は、「いいよ」だった。僕はその言葉が嬉しすぎてその場で飛び上がった。どうやら心菜もそろそろいいと思っていたらしい。僕達は夜にホテルに行こうとなった。そして僕は今ラブホテルに至る。彼女は今シャワーを浴びており、僕は広いベッドを独占しながら日記を書いている。
正直すごく緊張している。今だって心を落ち着かせる為に日記を書いているようなものだ。彼女が出るまでに僕の心臓は持つのだろうか…。正直不
(文章が途中で途切れている。)
インタビュー記録3000-JP-1: 以下は2017/██/██、当時のSCP-3000-JP担当職員がSCP-3000-JP-1に対して対象の収容後に行った初のインタビュー記録です。
対象: SCP-3000-JP-1
インタビュアー: 滝本研究員
<インタビュー開始 10:35>
滝本研究員: こんにちは。今回貴方の担当になった者です。貴方の願望に沿った収容室にしましたが、気分は落ち着きましたか?
SCP-3000-JP-1: え?願望に沿った?どの口がそんな事言ってるんだ!僕はあの花に会わせてくれと頼んだんだ!
滝本研究員: すいません、それは出来ないんです。こちらの事情というものもあるので。
SCP-3000-JP-1: (ため息をつく)
SCP-3000-JP-1: 心菜はずっと嘆いている。僕の姿が見えないことに。心菜が死んで、あの花に出会って、それから今まで気前の良い街の人だと思っていた人にその花を盗まれるまで、一緒だったんだから。
滝本研究員: 願望を叶えられなくてすいません。出来る限りの事はしたいと思いますが。
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)まぁあんたも努力はしてくれたんだろうけど。んで、何を聞きに来たの?
滝本研究員: はい。まずはあの花の存在を認識したきっかけを教えてください。
SCP-3000-JP-1: そうだな…。というのもある日突然聞こえてきたっていうだけの話なんだけど。そりゃあ最初声が聞こえてきた時はびっくりしたよ。ぼんやりだったけど死んだ心葉の声が聞こえてきたんだからな。僕はそれを聞いた時とにかく嬉しかった。それが異常だと分かっていても、ただただ嬉しかった。そして声のする方に向かっていくと、僕の花壇の花が増えてて、その中でも一番惹かれた花があの花だった。
滝本研究員: 分かりました。
SCP-3000-JP-1: ほんとに、最初は夢かと思った。もう聞こえないはずの声が聞こえたんだから。聞いた時は色々疑う前に泣いちゃったよ。
滝本研究員: では2つ目の質問に行きます。
SCP-3000-JP-1: あ、ああ。
滝本研究員: 貴方はどうやってここまで辿りついたのですか?
SCP-3000-JP-1: ここに彼女がいたから。だけじゃ不十分?
滝本研究員: もう少し詳しく教えて欲しいです。
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)彼女から助けを求められたから。心菜が掠れるような声で会いたいって言ってきた。そしたらこの場所を教えてくれた。その時何故か突然僕の頭の中にここまでの行き方が入ってきて…なんというか…ああ!説明しにくいけど!とりあえず僕は頭に入ってきた通りに移動し続けたらここに来た。そしたら何回も謎の注射を打たれた後にこんな場所に入れられた。
滝本研究員: 大凡は分かりました。3つ目の質問いいですか?
SCP-3000-JP-1: まだあるのか。
滝本研究員: 日記が書きかけのページがありますが、これはどうしてですか?
SCP-3000-JP-1: 書きかけ…?(3秒の間)ああ、あれか!あれは書いてる途中でシャワーから出た心菜が飛び乗ってきてさ〜。そんでそのまま突入したから書きかけのままだったわ。
滝本研究員: 了解です。
(SCP-3000-JP-1の顔つきが変わる。)
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)ちょっとここでこっちから質問してもいいか?あんたらなら知っているかもしれない。
滝本研究員: どうぞ。
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)皆が、心菜が死んだ事件を覚えていないんだ。お義母かあさんでさえだ。僕がどれだけ心菜のことを聞いても何故か皆口を揃えて「行方不明だ」と答える。僕だけが覚えているんだ。彼女が死んだ事件を、████のクソ野郎のことを、…彼女の遺体を。
(5秒の間)
滝本研究員: すいません、私では分かりません。
SCP-3000-JP-1: そうか。なら仕方ないか…。
滝本研究員: お力添え出来なくてすいません。
SCP-3000-JP-1: いや、知らないなら仕方ない。ありがとう。
滝本研究員: 他に何かありますか?
SCP-3000-JP-1: いや、特にないかな。
滝本研究員: 分かりました。ではインタビューを終了します。お疲れ様でした。
(滝本研究員が椅子から立ち上がる)
滝本研究員: あれ?
SCP-3000-JP-1: どうかしたのか?
滝本研究員: 今度は花が黄色のストックに変わっています。ここに持ってきた時はハナニラになっていたのですが。
SCP-3000-JP-1: 何!?あの花は赤色のコスモスだったはずだぞ?あれだけ一緒だったはずだから間違いないはずだ!
<インタビュー終了>
インタビュー以後、SCP-3000-JP-1に対してSCP-3000-JPの異常性の説明実施の是非に関する協議がなされ、その結果SCP-3000-JP-1に対して異常性の説明が行われました。
監視記録3000-JP: 以下の記録は先述のインタビュー終了後の2017/██/██から事案3000-JP-aが発生した2018/02/28まで監視したSCP-3000-JPの変化後の姿を変化回数の多い順に5つ並べたものです。
変化後の姿: ストック(Matthiola incana)
変化回数: 215回
概要: 変化後のストックの殆どが黄色のストックであったが、ごく稀に赤色のストックへと変化した。それ以外の色のストックへの変化は見られなかった。
変化後の姿: キンセンカ(Calendula officialnalis)
変化回数: 160回
概要: SCP-3000-JPがキンセンカに変化した際、SCP-3000-JP-1の精神状態が不安定な事が多かった。
変化後の姿: ラベンダー(Lavandula)
変化回数: 103回
概要: SCP-3000-JPがラベンダーに変化した際の状況は様々だった。主にSCP-3000-JP-1が自身の過去に関する事柄や妄想、[削除済]について話している時に変化していた。
変化後の姿: スカビオサ(Scabiosa atropurpurea)
変化回数: 58回
概要: SCP-3000-JPがスカビオサに変化した際、SCP-3000-JP-1の精神状態が特に不安定な事が多かった。
変化後の姿: アルストロメリア(Alstroemeria)
変化回数: 31回
概要: SCP-3000-JPがアルストロメリアに変化した際、SCP-3000-JP-1の精神状態が比較的安定していた事が多かった。またSCP-3000-JP-1は白色のアルストロメリアにのみ変化した。
監視開始から1ヶ月後、SCP-3000-JPの変化パターンとSCP-3000-JP-1の感情に因果性があると推測した滝本研究員が研究を進めたところ「SCP-3000-JPはSCP-3000-JP-1の感情に対応した花言葉を持つ花へと変化する」という仮説が出てきました。以下は参考資料としてインタビュー記録3000-JP-1及び監視記録3000-JPに記載している花の花言葉を記載したものです。
ストック: ストック全般の花言葉は「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」。黄色のストックの花言葉は「寂しい恋」。赤色のストックの花言葉は「私を信じて」。
ハナニラ: 花言葉は「悲しい別れ」。
コスモス: コスモス全般の花言葉は「乙女の真心」「調和」「謙虚」。赤いコスモスの花言葉は「愛情」「調和」。
キンセンカ: 花言葉は「別れの悲しみ」「悲嘆」「絶望」「寂しさ」。
ラベンダー: 花言葉は「沈黙」「私に答えてください」「期待」「不信感」「疑惑」。
スカビオサ: 花言葉は「不幸な愛」「私は全てを失った」。
アルストロメリア: アルストロメリア全般の花言葉は「持続」「未来への憧れ」「エキゾチック」。白色のアルストロメリアの花言葉は「凛々しさ」。
インタビュー記録3000-JP-2: 2017/██/██、SCP-3000-JP-2の母親へのインタビューが実施されました。以下は警察官に扮した滝本研究員とSCP-3000-JP-2の母親とのインタビュー記録です。
対象: SCP-3000-JP-2の母親
インタビュアー: 滝本研究員
<インタビュー開始 14:45>
滝本研究員: では娘さんについて話を聞かせてもらいます。
SCP-3000-JP-2の母親: はい。よろしくお願いします。
滝本研究員: まず、娘さんが何故行方不明になったか心当たりはありますでしょうか?他の警官にも聞かれたと思いますが、改めてお尋ねします。
母親: はい、あります。私が、心菜の大事なものを壊してしまったから。だと思います。そのせいで心菜は家出したのだと思います。
滝本研究員: と言うと?
母親: 私が心菜の花壇を荒らしたのです。心菜の好きだったブーケンビリアも、手に入れるのが難しかったと言っていたトケイソウも、祐太さんに見せていたポピーも。全て私が尽くもぎ取ったんです。
滝本研究員: どうしてそのような事をしたのですか?
母親: (少しの沈黙の後)心菜が私の言うことを聞かなかったからです。私は心菜に完璧でいてほしかった。そして普通の職に就いて、普通の生活をして欲しかったんです。
滝本研究員: 完璧に育てて普通の生活をさせるつもりだったんですか?
母親: ええ。私は、完璧からしか普通の生活は得られないと思っていますから。
滝本研究員: 何故そう思うのですか?
母親: (少しの沈黙の後)私には心菜の他にもう一人息子がいました。あの子は自分が正しいと思ったことだけを信じるタイプで、私がああしろこうしろ言っても聞かなかったことが多くあったんです。その頃の私は子供にある程度の選択の自由があってもいいと思っていた立場だったので一旦は気にしないでおきました。しかしあの子はそれをいい事にだんだん反社会的になっていって、気付いた時には立派な半グレの一員でした。そしてあの子は19歳の時に███街の利権争いによる抗争が原因で亡くなりました。その時心菜はまだ1歳にもなっていませんでした。
滝本研究員: だからせめて心菜さんには同じようになって欲しくなくて、ということですか?
母親: はい。でも心菜は花屋になりたいとずっと言ってました。農家から花を仕入れて売るだけならまだしも、花を自分で育てる所からしたいと言っていました。それだけで食べていくのは難しいでしょうに。私がいくら反対してもずっと言い続けました。それはまるで、あの馬鹿息子みたいでした。兄弟で似なくていいところが似てしまったようです。「皆に綺麗な花を届けたい」とあんな歳になってまで豪語していました。全く、地に足をつけておけばよかったのに。貴方もそう思いませんか?
滝本研究員: (強めの口調で)いえ、私は全ての仕事が尊いと考えています。
母親: そ、そうですか。
滝本研究員: 今までの話を要約すると、彼女が花屋を諦めないから無理矢理花壇を荒らした、と言う事ですか?
母親: はい。いくら言っても聞かないので、これしか無いなと思いました。
滝本研究員: (少しの沈黙の後)お母さんは、その行動を後悔していますか?
母親: (無言)
滝本研究員: お母さん?
母親: 後悔…は、しています。まさかあんな事でで家出するなんて思いもしませんでしたし、ましてや行方不明になるなんて。私は、やはり親として子供の夢を応援してあげるべきだったんでしょうか?
滝本研究員: (少しの沈黙の後)考え方は人それぞれですが、私はそう思いますね。
母親: そう、ですよね。そのせいで、私はまた大切な人を失ってしまったんですから。この前主人を病で無くしたばかりなのに。…聞く事はそれだけですか?
滝本研究員: (少しの沈黙の後)そうですね、この辺で切り上げましょう。本日はありがとうございました。
<インタビュー終了>
インタビュー記録3000-JP-3: 以下は事案3000-JP-aが発生する7日前である2018/██/██に当時の担当職員がSCP-3000-JP-1に対して行った最後のインタビュー記録です。
対象: SCP-3000-JP-1
インタビュアー: 滝本研究員
<インタビュー開始 13:30>
滝本研究員: 気分は良いですか?
SCP-3000-JP-1: ああ、まあ悪くない。ところであんたらは彼女の変化を全部記録してるんだっけ?
滝本研究員: はい。500回くらいは。
SCP-3000-JP-1: 500回もか。全く、元気なやっちゃだ。じゃあ今は何の花になっているのか?
滝本研究員: アマリリスですね。インタビュー時には大体いつもこの変化をしています。
SCP-3000-JP-1: 全く、誰がおしゃべりだよ。(笑いながら)
滝本研究員: 収容当時に比べてかなり精神状態が安定してますね。
SCP-3000-JP-1: まあな。たまに話はできるし。んで、何の用だ?
滝本研究員: 貴方が以前言っていた「SCP-3000-JPとの同室収容」について話に来ました。
SCP-3000-JP-1: もしかしてやっと心菜に会えるのか!?
滝本研究員: 遅くなってしまいすいません。日頃の貴方の行動などを視野に入れて協議をしたところ、同室収容の許可が出ました。
SCP-3000-JP-1: よっしゃあ!おい、聞いたか!?また一緒にいられるんだって!(SCP-3000-JPの収容室がある側の壁に向かって話しかける)
滝本研究員: 1週間後にこの収容室にオブジェクトを移動させます。
SCP-3000-JP-1: 1週間後か!分かった!心菜が来てくれるんだな?
滝本研究員: はい。そういうことでよろしくお願いします。
SCP-3000-JP-1: よし、ちょっと部屋片付けとくか!
(SCP-3000-JP-1が身辺整理に取り掛かる)
滝本研究員: 少しナンセンスな質問にはなりますが、どうして貴方はSCP-3000-JP…いや、彼女との同室を望んでいたのですか?
(SCP-3000-JP-1の動きが止まる。)
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)心菜が花屋さんだから。
滝本研究員: なるほど?
SCP-3000-JP-1: 心菜は花を通じて人々に笑顔を与えようとした。でもこんなところにいちゃそんな事出来る訳がない。だからせめて僕だけでも彼女の横で笑ってあげないといけないんだ。にしても、ほんとになんで死んじまったんだよ…。
滝本研究員: お悔やみ申し上ます。
SCP-3000-JP-1: 全く、なんで心菜が事故死しなきゃいけなかったんだ…。クソっ!あんな奴に…!なんで![罵倒語の連続]!
滝本研究員: 落ち着いてください。
SCP-3000-JP-1: はぁ…、すまないな…。
滝本研究員: (少しの沈黙の後)記録を続けてもいいですか?
SCP-3000-JP-1: すまないが、今はやめといた方がいいかもしれない。
滝本研究員: 了解しました。言いたいことは言えたので失礼します。
<インタビュー終了>
事案3000-JP-a: 2018/02/██、SCP-3000-JPとSCP-3000-JP-1の同室収容を行ってから約2時間半後、SCP-3000-JP及びSCP-3000-JP-1が収容室から消失しました。その間SCP-3000-JP-1の位置情報が終始消失していた為捜索は困難を極めました。しかしその約2時間半後両者は突如収容室に出現しました。以下はそのインシデントの記録です。
<08:00:00> 滝本研究員監視の下、SCP-3000-JPの移動が行われる。
<08:05:34:> SCP-3000-JP及びSCP-3000-JP-1が収容室から消失する。
<08:07:20> フィールドエージェントが██████を使用した瞬間移動によって██県を中心に配置される。財団が捜索を開始。
<10:32:14> SCP-3000-JPと1冊の手帳を持ったSCP-3000-JP-1が収容室内に出現する。
<10:35:48> 滝本研究員が5人の機動部隊と共に収容室に到着する。
映像記録3000-JP-1: 以下は出現したSCP-3000-JP-1と滝本研究員の会話及びその際に発生した事象の記録です。
<記録開始 10:36>
SCP-3000-JP-1: ああ、あんたか。どうかしたか?
滝本研究員: とりあえずその花を一旦手から離してくれますか?
SCP-3000-JP-1: あ、ああ。(SCP-3000-JPを収容室の机の上に置く。)
滝本研究員: 貴方は、何処に行っていたのですか?
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)散歩をしていた、のだと思う。朧げだけどちょっとだけ記憶もある。
滝本研究員: どんな記憶ですか?
SCP-3000-JP-1: 心菜と行った色んな場所を、この花を持って訪れていた。この短時間で色んな景色を見た。色んな道を歩いた。時には思い出を呟いた。少しの間だったけど、本当に楽しかった。
滝本研究員: 行った場所は分かりますか?
SCP-3000-JP-1: ああ。近くの公園とか、水族館とか、遊園地とか、あとは心菜の家とか。
滝本研究員: なるほど。
(10秒の間)
SCP-3000-JP-1: という事でもう僕はこの世界に未練は無いよ。最後に心菜とデートできて、幸せだった。
滝本研究員: それはどういう意味ですか?
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)悪かったな。僕達のの我侭で外に出てしまって。でも、もう大丈夫。彼女は異常存在なんかじゃなくなる。
滝本研究員: どうしてそう言えるんですか?
SCP-3000-JP-1: 僕がいなくなるから。彼女の異常は、全部僕のせいなんだ。
滝本研究員: すいません、言っていることがよく分かりません。
SCP-3000-JP-1: とにかく!もうあの花は異常じゃなくなるんだ!信じてくれ!
滝本研究員: そう言われましても。とりあえず同室収容は危険なので、SCP-3000-JPは回収させていただきます。
SCP-3000-JP-1: ああ、構わない。その代わり、お願いしたいんだ。
滝本研究員: 何をですか?
(SCP-3000-JP-1がSCP-3000-JPを手に取る。)
SCP-3000-JP-1: 心菜を、こんな閉ざされた収容室じゃなくて、皆の目に入るような場所に植えてほしいんだ。それこそ、花壇とかに。
滝本研究員: 異常性があるものをそういった場所に設置するのは無理があります。
SCP-3000-JP-1: 異常性が無くなったと判断された後でいいから、彼女を日が差した開放的な場所に植えてあげてほしい。
滝本研究員: (少しの沈黙の後)考えておきます。
SCP-3000-JP-1: ああ、ありがとう。
(SCP-3000-JP-1が滝本研究員にSCP-3000-JPを渡そうとする。その直後SCP-3000-JPがアザミに変化する。)
SCP-3000-JP-1: えっ。
(SCP-3000-JP及びSCP-3000-JP-1が再度消失する。)
滝本研究員: なっ…!収容違反発生!早急に捜査を開始します!
<記録中断>
以上の記録ではSCP-3000-JPはSCP-3000-JP-1に把持されている間のみ消失しています。よってSCP-3000-JPはSCP-3000-JP-1に把持されている間のみSCP-3000-JP-1ごと別の場所へ転移する異常性を持つと考えられています。
映像記録3000-JP-2: SCP-3000-JP及びSCP-3000-JP-1の消失後、両者はサイト-81██前の庭園にて発見されました。以下はそれに続く映像記録です。映像は滝本研究員と機動部隊20人がSCP-3000-JP-1を包囲した場面から開始します。
<記録再開>
滝本研究員: (通信機に向かって)SCP-3000-JPとSCP-3000-JP-1を発見しました。即座の確保に取り掛かります。
(SCP-3000-JP-1はSCP-3000-JPを持ったまま庭園の花壇の前で独り言を言っている。)
滝本研究員: どうしてこんな事をしたのですか?
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)分からない。心菜がここに来たかったんだと思う。
滝本研究員: 貴方が財団内に留まっていたのは不幸中の幸いです。もしこのまま外に出ていたら探すの相当大変でしたよ。
SCP-3000-JP-1: そうだな、すまなかった。
(7秒の間)
SCP-3000-JP-1: これで最後だ。ほら、持っていってくれ。(SCP-3000-JPを差し出す。)
滝本研究員: (少しの沈黙の後)御協力感謝します。
SCP-3000-JP-1: (無言)
滝本研究員: もう触ってもあんな事にはなりませんよね?
SCP-3000-JP-1: ああ、多分大丈夫。
(滝本研究員がSCP-3000-JPに接触する。その直後SCP-3000-JPが再びアザミに変化する。)
滝本研究員: くっ…!
SCP-3000-JP-1: やめて。
滝本研究員: (無言)
SCP-3000-JP-1: 僕はもう大丈夫だから。僕は十分、君から笑顔をもらったから。
(SCP-3000-JPがシャガへと変化する。)
SCP-3000-JP-1: これからは、心菜が夢を叶える番だ。もうこんな場所にいなくてもいい。好きなところで、好きに咲いていてほしい。
滝本研究員: (無言)
SCP-3000-JP-1: ほら、持っていきなよ。
滝本研究員: (少しの沈黙の後)分かりました。
(滝本研究員がSCP-3000-JPを持って移動する。)
SCP-3000-JP-1: …じゃあな。
(SCP-3000-JPがアングレカムに変化する。)
(滝本研究員が施設内に入る。その後SCP-3000-JP-1がその場で泣き出す。)
SCP-3000-JP: うっ…、これで……いいんだ……。
(突如としてSCP-3000-JP-1の背後の花壇から数多の花が出現する。その後SCP-3000-JP-1が花壇の方を向く。)
SCP-3000-JP-1: あ…。
(20秒の間)
SCP-3000-JP-1: ……綺麗だな。
<記録終了>
以下は参考資料として映像記録3000-JP-1及び-2の間にSCP-3000-JPが変化対象とした花の花言葉を記載したものです。
アザミ: 花言葉は「独立」「報復」「厳格」「触れないで」。
シャガ: 花言葉は「反抗」。
アングレカム: 花言葉は「祈り」「いつまでもあなたと一緒」。
追記3000-JP: SCP-3000-JP-1の再収容から約15分後、SCP-3000-JP-1がボールペンで自身の頸動脈を突き刺しました。財団は早急に救護隊を派遣しましたが事案3000-JP-a発生から約25分後、SCP-3000-JP-1は出血多量による死亡が確認されました。
文書3000-JP-2: 事案3000-JP-a後、SCP-3000-JP-1が収容されていた収容室にてSCP-3000-JP-1が収容時に要求した新品の手帳が発見されました。手帳にはSCP-3000-JP-1に手帳が渡された2017/██/██から事案3000-JP-a発生前日の2018/██/██までの日記が書かれていますが、その次のページには以下の文章が書かれていました。
恐らく今までの異常な出来事は全て心菜によるものだろう。それは僕でも痛いくらい分かっている。そしてあいつらもそう考えているだろう。でも彼女はまだ自分の夢を叶えられていないんだ。だから彼女をあの重い空気が漂った施設から出してあげたい。こんな我侭があいつらに通じないのは分かっている。だから僕は彼女の異常を無くそうと思う。
きっとあの異常性は僕の存在がありきなんだと思う。僕だけに聞こえる声、僕だけが覚えている記憶。彼女が持つ異常は全て僕に関わるものだ。だから僕がいなくなれば、きっと彼女は普通の花になれるだろう。もう僕は心菜に十分な程の笑顔を貰った。だから次は僕が心菜の笑顔を作ってあげたい。彼女の亡き今実際に彼女の笑顔を作ることは出来ない。でもこの花を皆に見せる事なら出来る。確かに僕にはこんな些細な事しか出来ない。それでも彼女に少しでいいから恩返しがしたいんだ。もしかするとその小さな行動が彼女の大きな夢を叶える一歩になるかもしれない。その一歩の為なら僕はどんな事だってやってやるさ。
映像記録3000-JP-3: 以下はSCP-3000-JP-1に装着されていた記録装置に残っていた映像記録です。消失イベントの際にSCP-3000-JP-1の位置情報が消失していた事から映像記録に映った場所は全てSCP-3000-JPが作り出した異常空間であると推測されています。
(前半部分はSCP-3000-JP-1がSCP-3000-JPを持って様々な場所に移動する映像が流れている。重要度が低い為割愛。)
映像記録に映ったSCP-3000-JP-2の家の様子。
SCP-3000-JP-1: ここは…心菜の家?
(足音)
SCP-3000-JP-1: まっ、まずい!
SCP-3000-JP-2の母親: ん?ああ、祐太君。いらっしゃい。
SCP-3000-JP-1: あ…どうも…。
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)ど、どういうことだ?
(SCP-3000-JP-1は5分程家の中を歩く。)
0% of current size
0% of current size
0% of current size
0% of current size
0% of current size
0% of current size
(SCP-3000-JP-1が家の外の出る。)
SCP-3000-JP-1: えっ!?
(映像に花壇が映る。花壇には多くの花が植えられている。)
SCP-3000-JP-1: 花壇が…直ってる…?
SCP-3000-JP-1: どう、して…?
(ここで一度映像が途切れる。)
SCP-3000-JP-1: ん…。ここは…。
(葬儀場らしき場所が映る。SCP-3000-JP-1以外の人物は見当たらない。)
SCP-3000-JP-1: あれ!?心菜がいない!
(SCP-3000-JP-1の手元からSCP-3000-JPが消失している。)
SCP-3000-JP-1: どこだ…ん?
(映像に黒い棺桶が映る。棺桶の上には白いカーネーションの束が置かれてある。)
SCP-3000-JP-1: あれは…?
(SCP-3000-JP-1が棺桶の方に向かう。遺影はぼやけていて顔が見えない。)
SCP-3000-JP-1: 棺桶…?
(SCP-3000-JP-1が棺桶を開ける。棺桶の中にはSCP-3000-JP-2の遺体が入っている。)
SCP-3000-JP-1: うっ…!
(再び映像が途切れる。その10分後、映像が復旧し薄暗い部屋の天井が映し出される。)
SCP-3000-JP-1: ここは…僕の部屋だ。
(SCP-3000-JP-1がベッドから起き上がる。部屋の机の電灯のみが光っている。机には一冊の手帳が開かれた状態で置かれてある。)
SCP-3000-JP-1: そういうことか…。
(SCP-3000-JP-1が椅子に座る。直後背後から声が聞こえる。)
女性の声: 私はここにいるよ。
(SCP-3000-JP-1が後ろを振り向く。映像に1人の立った女性が映る。)
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)こ…心菜…なのか……?
SCP-3000-JP-2: 勝手に死んじゃってごめんね。ほら、久しぶりにハグでもどう?(両手を広げながら)
(数秒後、SCP-3000-JP-1がSCP-3000-JP-2の体に飛びつく。SCP-3000-JP-1が号泣する。)
SCP-3000-JP-1: 心菜っ…!本当に…先に死なせてしまってごめん…!まだ…夢を叶えられないのに…!
SCP-3000-JP-2: 祐太君が謝る事じゃ無いよ。それにもう、私の夢は叶っているよ。
SCP-3000-JP-1: えっ…?
SCP-3000-JP-2: 私がこんな姿になっても、祐太君がそばで笑っていてくれたから。私には、それがとても嬉しかったよ。
SCP-3000-JP-1: そんなのっ…!当たり前じゃん…!
SCP-3000-JP-2: 私ね、本当は祐太君にもっと恩返しがしたかったんだ。今まで私を応援してくれてありがとうって。それが死んだ後の私の新しい夢。祐太君にいっぱい綺麗な花を見せたかったんだ。
SCP-3000-JP-1: 恩返ししたいのは僕の方だ…。こんな僕のそばにいてくれて、ありがとう…!
(SCP-3000-JP-2が微笑む。)
SCP-3000-JP-2: ねえ祐太君。
SCP-3000-JP-1: (無言)
SCP-3000-JP-2: 私、ちゃんとお花屋さんになれたかな?
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)ああ…心菜は立派なお花屋さんだよ。僕は心菜から…いっぱいの笑顔をもらったよ。
SCP-3000-JP-2: それなら、良かった。
(SCP-3000-JP-2が消失する。その後SCP-3000-JPが出現する。)
SCP-3000-JP-1: あ…。心菜…。
(SCP-3000-JP-1がSCP-3000-JPを持って机に向かう。)
SCP-3000-JP-1: (少しの沈黙の後)よし…。
(この後はSCP-3000-JP-1が手帳に文章を書いている映像が続いている。机にはSCP-3000-JPが置かれてある。ここで書かれている文章は文書3000-JP-2の内容と一致している。)
補遺: 事案3000-JP-a発生後、SCP-3000-JPが赤色のポピーに変化しましたが以降の異常性の発現は確認されていません。この報告を受け2018/03/██にSCP-3000-JPのオブジェクトクラスは暫定的にNeutralizedに再分類されました。SCP-3000-JPが再度異常性を発現した場合はオブジェクトクラスの改訂が行われます。
1:現実改変について
現実改変を記事内で初めて使ったので現実改変の使い方にあまり自信がありません。特にスクラントン現実錨有りで現実改変を起こしている場面とか自分でも「これ大丈夫か?」ってなってます…。明らかにおかしいところがあればどんなことでもいいので教えて欲しいです。
2:財団が無能ではないか
自分でも薄々気付いています。自分なりには財団が無能だと思われないように理由付けはしたつもりなのですがその理由が分かりづらいもしくは全く分からない箇所があれば教えてください。
3:名前と代名詞について
本文では人名と代名詞(彼、彼女など)を使い分けているのですが無駄に使い分けずに全部人名とかの方がいいかなと少しだけ思っていますが一旦代名詞も使って書いてみました。そしてSCP-3000-JP-2の名前がなんかキラキラネームじみてきてるな…と感じてきています。一応先の事も考えて命名してるんですが名前が変だとそれが気になって記事に集中出来ない人もいると思うのでやっぱり違和感無い名前にするか黒塗りの方が良いかなと思っています。代名詞の件と名前の件、2つ合わせてアドバイスお願いします。
4:SCP-3000-JP-1の一人称について
SCP-3000-JP-1のインタビューを書いている途中に「これ一人称俺の方が良くないか?」って感じてしまいました。不自然ではないか見てほしいです。
5:要クリアランスレベルについて
最初から要クリアランスレベル2の機密性、途中から要クリアランスレベル4の機密性を付けていますが、やりすぎではないでしょうか?特に前者は理由が分かりづらいのでやめようかなと思っています。
6:脚注について
脚注に花の説明(ナントカ科、毒性有とか)を書いた方が自然でしょうか?
7:学名の表記について
今のところ監視記録と追記2でしか書いていませんが全部書いた方がいいでしょうか?個人的にはモッサリするので避けたいです。
8:後付けな感じが強くないか
現実改変の異常性の後付け感が拭えてないかもしれないのが不安要素です。一応発動条件があったということにしていますがそれでも不十分であれば教えてください。
9:分かりにくい箇所が無いか
めっちゃ言われるので書いておきます。所謂「説明不足」です。私は読者に情報を自分で読み取ってもらいたく書いているので割と情報を省きがちな面があります。しかも国語も出来ないので「どんな情報が必要か/不要か」がよく分かりません。説明不足・不要箇所があれば何なりと言ってください。
10:異常性の説明について
最初の説明で[事案3000-JP-aを参照]と書いてありますがここに現実改変のことを書いてもいいんでしょうか?⇦異常性の説明欄に現実改変を書きました。ネタバレ的な面で前の方が良ければ変えます。
11:花屋という仕事について
SCP-3000-JP-2の夢は「世界中を自分の花で笑顔にできるようになる」ですが、そもそも花屋という仕事は花を売る仕事であり別に花を作る仕事では無い(一般的なイメージとして)ので皆の笑顔を〜とか言った大規模な話には持ち込みづらいような気がします。アドバイスあればお願いします。
12:画像について
画像の配置に違和感が無いかどうか教えて欲しいです。写真なくても伝わりそうな部分があればそれも教えてください。
13:日記について
日記の全文を書く必要はありますでしょうか?というかそもそも日記から抜粋する部分が少ない/おかしい場所は無いでしょうか?
14:SCP-3000-JP-1の死因について
ここが一番迷っているんですが財団の無能さを顕にしない程度の死因が思いつかないので何かいい案があればお願いします。
15:その他気になる箇所・DV要因になりそうな箇所があれば何でもいいのでお願いします
こちらに改稿前に載せていた文書があるので参考にしてください。
SCP-3000-JPコンテストに参加します。
著者は
ARAGAMIakitです。
以下は希望するナンバースロットです。
第0希望: SCP-3000-JP
第1希望: SCP-3999-JP
第2希望: SCP-3900-JP
第3希望: SCP-3100-JP
第4希望: SCP-3519-JP
第5希望: SCP-3998-JP
[[collapsible show="+ 画像出典" hide="- 閉じる"]]
[[/collapsible]
ちなみにこちらの滝本研究員の台詞
滝本研究員: (強めの口調で)いえ、私は全ての仕事が尊いと考えています。
この台詞はkey/ビジュアルアーツ原作のノベルゲームplanetarianに登場する"ほしのゆめみ"の台詞を引用しています。
Special Thanks: 批評をくれた方々、この記事を読んでくれた方々
付与予定タグ: 3000jp scp jp neutralized 外部エントロピー 語り 記憶影響 芸術 瞬間移動 植物 自我 自律 精神感応 テレパシー 変身
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP
本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
GoIF-JP
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
Tale-JP
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳
その他
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク
本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
アダルト
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
既存記事改稿
イベント
フィーチャー
短編
構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
中編
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
長編
事前知識不要
フォーマットスクリュー
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
シリーズ-Other所属
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
世界観用語-JP登場
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
世界観用語-Other登場
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史
任意
任意A任意B任意C
ERROR
The ARAGAMIakit's portal does not exist.
エラー: |
ARAGAMIakitのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。 |
利用ガイド
拝読しました。
新参者ゆえ執筆経験がほぼない&初批評ですが、至らぬ点があったらすみません。
テーマが少しありきたりな向きもありますが、上手く組み立てれば化けそうな印象です。
長文ありがとうございます。
DVとさせていただきます。
1 ヘッカ次第ではありますが、スクラントン現実錨を無効化するオブジェクトはかなり強い部類のものと考えます。
2 例えば射殺せずとも催涙ガス等手段はありますので、展開上必要ならば自然にする箇所がいくつか。
5 隠蔽しなければならない理由はないと感じますね。無力化されていますし。
6 会話文の量に対して増える情報や感情が少なく、かなり読みにくかったです。また、独白などでの情報の提示がかなり不自然に見え、強い違和感を覚えました。
現状、会話文での展開が上手く感情に働いていませんので、まず提示が必要な情報以外の会話文を除いて、その部分に感情作用を詰め込めるとかなり改善されると思います。
やっぱりそうですよね…。正確に言えば完全に無効化した訳ではなく一瞬だけ突破したみたいな感じなんですけどそれでもやっぱり無理そうですか?SCP-3000-JPが2.0Hmより大きいHm値を持っていることにしてみました。
実は最初は収容室内で一連の流れ(会話から終了まで)を済ませてもいいかなと思っていたんですけどそれだとちょっとインパクトに欠けるかなと思って無理矢理そうしたところもあったのでそちらの方が印象が良ければそちらにしたいなと思います。
あーなるほどそれ良いですね。
敢えてその場で射殺した理由を言うとしたら、一度無理矢理にオブジェクトを奪おうとして失敗してるので直接3000-JP-1に触れる方法はナシかなと思っていましたが麻酔銃とかも考えてみます。あと相手に猶予を与えると結局安全な収容には至れない可能性とかあるのでその辺も少し修正してみます。
了解です。これは同じ意見が出たので機密解除します。
よく言われることです。一旦自分の中にある設定とかをもう少し書こうと思います。無駄だと思われる文章も多そうですがこちらは削るというより必要性を提示する方向でいきたいと思います。
改善の余地があるということで修正頑張ってみます!
悲恋劇というのは万人受けするものの一つではありますし、料理し甲斐のある題材だと思います。
執筆応援しております。
批評ありがとうございます。
大規模改稿の目処が立ったので近日中にやろうと思います。細かい修正もそこでします。
執筆経験がある訳ではなく、また最近のカノンにも疎いですが、一通り読んで感じた事を書かせていただきました。長いですので、それぞれ折りたたみます。
ストーリーの流れは素敵だと思いますが、同時に報告書の体裁にするにはなかなか難しい題材でもあると思いますので、頑張ってください。
執筆応援しております。
批評ありがとうございます。