霧が晴れる

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痛い。頭が痛い。そもそもここは何処だ。辺りを見渡すも見たこと無い建物ばかりで霧がない。酒を飲んでそれから歩いたらここに居て。街の外か中かもわからないが、あの霧の中に戻らないといけない。そうじゃないと痛みが酷くなる。何故だ?

「…ッ」

痛みと共に頭に映像が流れてくる。この映像は?昨日の記憶だ。もしや。霧の中へと走って向かう。過去は全て忘れたはずなのに。あの時の痛みも疲れも、あの時に残していった。確かこの街は例外もいるが記憶を忘れ、暮らしている。私は、霧の中へと入る寸前でゆっくりと倒れていき地面に打ちつけられた。


「…さん?…さん!」

「ああ、はい。何でしょうか?」

「最近、…の調子が悪くて…」

「それなら…」

「ありがとうございます。そういえば…さん今日はどちらへ?」

「今日は子ども達に色々と教えようかなと」

「困った事があったらいつでも相談して頂戴ね。」

「ありがとうございます…それではいってきます。」

周囲の人は「これからも末永くパートナーとしてお願いします」と、
ある武士からは「今度また助太刀お願いしたい」と言われた。皆親切で、子供達は「おしえてくれてありがとう」と純粋な笑顔を返された。

「あんた達鬼のおかげでこの国も安泰だし、少しずつだが暮らしも豊かになってる」こう言われると信頼されている事が分かって、これからもこの国の為に働きたいと思える。


夜。
「最近鬼の奴らそわそわしてるよな」

「もしや海の向こうの奴らに情報を…」

「知ってるか?あいつら膨大な財産を隠しているらしいが」

「いい事を思い付いた。この作戦が成功したらあいつらの技術も奪い取れるし、時代の支配者になれるかもな」


次の日、私達を見る目が変わって怖い。
「おい、お前」

「はい!」

「お前ら…を壊したな」

「……そんなことは…」

「本当に?子供達には手を出すなよ。お前ら余計な事吹き込んだら分かってるな?」

「はい。」

私達に向かって誰かが言った。
 
「鬼達の技術は全て奪い取ったもので奴らが持っている財産も他人から略奪した物だ」

それを聞いた群衆達は勿論、私達を追い出す為様々な事を行ってきた。私達は、心身共に疲れ、酒に逃げた。酒に逃げた者達の中には手がつけられないほど暴れ回る者もいた。その知らせが届いたのか、鬼退治と言い、彼らを倒そうとする者が現れて

「この盗人め!この███が成敗してやろう!」

「悪人を根絶やしにしてくれ!」と外野が騒ぎ立てる。「やめて下さい!」そう言って助けを乞う人を斬っていく。「こわい」その子供達の言葉が私の心をえぐる。

「お前達のお陰でこの国は発展した。もうお前達が居なくても、俺がお前達の技術を使って治めてやるよ」

私達は国の為に働いていたのに結局、私利私欲に目が眩んだ人間にその生きがいを奪われて悲しかった。そしてここはこの世の地獄だった。私は、あまりの惨劇に目を背け、逃げた。しばらく逃げて、生き残った仲間と合流した。

「あああああああ!クソが!なんで?一緒に住んでいたかっただけのに!」

私達は国の為に働いていたのに結局、私利私欲に目が眩んだ人間にその生きがいを奪われて悲しかった。それから夜は眠れなかった。寝ようとするたびに追われているんじゃないかと疑心暗鬼で。だから私達は安心して眠りにつける場所を探し回った。でも分かった。ここには安心して酒を飲み、ゆっくりと時間を過ごすことができる場所は無い。だったら…

「自分達でその様な場所を作れば良い。我々は技術と知恵を絞り出せばできるじゃないか。」
 
そうやって街造りが始まった。初めは場所を。夢とうつつの間の様な場所。先客である鳥やモノが居たが上手くやれそうだ。次に街の入り口を隠蔽する方法は古い知識を使いどうにかする事ができ、自分達が住むところを確保して、私達は長い冬眠に入った。


目が覚めると街の霧の中に入っている。ああ、安心する。痛みも、辛い事だって忘れていられる。だから、

「もうこのまま霧の中に居れば幸せだよね」

それでいいんだ。でも、気付かないうちに泣いていた。この中に居れば涙する事はほとんどないのに。だけど、「大丈夫かい。」「あんた達は悪くないよ」そう言って迫害されてた時に手を差し伸べてくれた人達がいて…でも忘れないと辛いまま。それでも、霧の外に出ないと忘れる。忘れたい。忘れたくない。だって忘れてしまったら優しくしてくれた人達を信じる事が出来ない。だから私は街の外へ進んで

「もう、忘れたくない。辛くても。信じていれば。きっと。私は…」

私は街の外へと進む。

「もう迷わない」

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