アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXXX-JPは非異常のものと同じ構造をしている補聴器です。現在、SCP-XXXX-JPと同じ補聴器を販売している店舗は確認されていません。
SCP-XXXX-JPは右耳に装着した際に異常性を発揮します。SCP-XXXX-JPを装着した人物(以下、対象者と表記)は、存在しない声(以下、SCP-XXXX-JP-Aと表記)を聞き取れるようになります。対象者へのインタビューの結果から、SCP-XXXX-JP-Aは色鉛筆や絵の具などの、一般的に「画材」と呼ばれる物から発生していることが判明しています。
実験記録XXXX-1 - 日付20██/██/██
対象: D-2385
実施方法: D-2385の右耳にSCP-XXXX-JPを装着させる。実験室内には新品の赤色の色鉛筆を設置。尚、D-2385がSCP-XXXX-JPを外すことを防ぐ為に、予め手首を拘束しておく。(以降、特に表記の無い場合は同様に実施。)
結果: D-2385はSCP-XXXX-JP-Aが聞こえたことを報告。内容は、「ここはどこ」「あなたは誰」というもの。
分析: 新品の画材には、記憶が存在しないようです。
実験記録XXXX-15 - 日付20██/██/██
対象: D-2385
実施方法: 先を削ってから██研究員が文字を書いた後の赤鉛筆を設置。
結果: D-2385はSCP-XXXX-JP-Aが聞こえたことを報告。内容は、「痛い」「戻して」などというもの。
分析: 使用後の画材は痛みを持つようです。
実験記録XXXX-30 - 日付20██/██/██
対象: D-2385
実施方法: 実験記録XXXX-15の際に、██研究員が赤鉛筆を使用して文字を書いた紙を設置。
結果: D-2385はSCP-XXXX-JP-Aが聞こえたことを報告。内容は、「痛い」「帰りたい」などというもの。また、D-2385は、SCP-XXXX-JP-Aを聞いたことによる苦痛や疲れを感じたとも報告。
分析: 画材を用いて書かれた文字からも、SCP-XXXX-JP-Aは発生するようです。D-2385が感じた苦痛や疲れはオブジェクトとは関係の無い非異常のものだと判明しています。
実験記録XXXX-43 - 日付20██/██/██
対象: D-2386
実施方法: ██博士が様々な色の色鉛筆を用いて描いた絵画を設置。
結果: D-2386は非常に沢山のSCP-XXXX-JP-Aが聞こえたことを報告。内容は呻きや叫びが大半。また、数十秒後にD-2386はSCP-XXXX-JP-Aを聞いたことによるストレスを報告し、SCP-XXXX-JPを外す許可を求めた。
分析: 沢山の画材が使われている絵画からは、それぞれの画材の声が大量に聞こえてくるようです。それによる対象者のストレスも増加しています。
補遺: SCP-XXXX-JPは20██/██/██に、██県██小学校にて発見されました。当時、この小学校の3年児童である矢内 佑弥氏が教師として紛れ込んでいたエージェントに「耳に着けるとクレヨンの声を聞き取れる機械がある」と相談したことによって、財団がSCP-XXXX-JPの存在を認知しその後収容されました。以下は発見当時の矢内氏へのインタビューの記録です。
対象: 矢内 佑弥氏
インタビュアー: エージェント・██
付記: 当時、エージェント・██は当該小学校の教師として勤務していた。
<録音開始>
インタビュアー: 佑弥君、まず、あの機械を見つけた時のことを教えてくれますか。
矢内 佑弥氏: えっと、あの機械は、お父さんのアトリエの中にあって……。あ、僕のお父さんは画家だから、家の庭にアトリエがあるんです。で、昨日そのアトリエの中に入った時に、床に転がってたのを拾いました。
インタビュアー: わかりました。では、「クーピーが喋った」とはどういうことですか。矢内 佑弥氏: えっと……あの機械、耳の形に綺麗に合うな、と思って、一回着けてみたんです。そしたら、えっと[数秒の沈黙]……一斉に沢山のうめき声が聞こえてきたんです……。[目に薄く涙を浮かべている]
インタビュアー: 落ち着いてください。ゆっくりで大丈夫ですよ。
矢内 佑弥氏: ありがとうございます。うんと、呻き声……「助けて」だとか、「戻して」とか、とにかく、いろんな怖い声が聞こえてきました……。一人の声というよりは、いろんな人がぐちゃぐちゃになったような、そんな声で……。僕、怖くなってアトリエを飛び出して、お母さんにあの機械のことを伝えようとしました。でも、家の中に入ってから、さっきの声とは、何か違う感じのする声が聞こえてきたんです。
インタビュアー: なるほど。詳しく聞かせてください。
矢内 佑弥氏: えっと、その声は、僕の部屋からでした。部屋の中に入ったら、またさっきと同じような声が、僕のクレヨンとスケッチブックから聞こえてきたんです。ぐちゃぐちゃの声が……。だけど、やっぱり、ぐちゃぐちゃの声に混じって、一人の声が聞こえてきました。それで、必死にスケッチブックをめくってみました。そしたら……。
インタビュアー: そしたら?
矢内 佑弥氏: ……「ありがとう」とか、「楽しい」とか、「嬉しい」とか、そんな声を出している絵が、一枚だけありました。ほかの絵はみんな苦しそうなのに、その絵だけは、声が弾んでいるように聞こえました。
インタビュアー: その、「声が弾んでいた絵」には、他の絵と比べて違うところはありましたか。
矢内 佑弥氏: えっと、確かその絵は……。僕、空色が大好きなんです。それで、空色のクレヨンを一本だけ買ってきて、そのクレヨンを一本丸ごと使って、絵を描いたことがありました。あの絵は、あの楽しそうだった絵は……その時に描いたものです。
インタビュアー: ……わかりました。あの機械は、少しの間預かっておきますね。質問に答えてくれて、ありがとうございました。
<録音終了>
ページコンソール
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- portal:5965866 (02 Oct 2020 23:15)