夢見る風船 -9

このページの批評は終了しました。


rating: 0+x
blank.png

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8153低脅威用のロッカーに保存されます。SCP-XXX-JPを用いて実験を行うことは倫理的な観点などから現在禁止されています。SCP-XXX-JP-1の状態が継続中の対象は高さが10 mある部屋で浮遊した状態を維持し、外部から目撃されないようにして下さい。

説明 SCP-XXX-JPは██商店で販売されていたフーセンガムです。プラスチックの包み紙で封がされている3.2×3.2 cmの紙箱に4個入っています。SCP-XXX-JPは現在、未開封のものが20箱あります。原材料は市販のフーセンガムと同じでした。

SCP-XXX-JPは6歳から15歳の児童が噛んで膨らませた時に特異性が発現します。対象がSCP-XXX-JPを口を使って膨らませた時、SCP-XXX-JPに引っ張り上げられる様に浮遊していきます1。そしてSCP-XXX-JPを咥えた対象は10 mほどの高さで止まり、一定時間滞空2し夢を見ます。この時対象は全身が脱力していてノンレム睡眠に入っています。滞空し夢を見ている状態をSCP-XXX-JP-1とします。この夢の内容は膨らんだSCP-XXX-JP表面に映し出されるので、確認が可能です。対象により夢の概要は異なりますが、本人がこれまでに思索したことのある強い快感を覚えるような内容の夢であるという点、夢が覚める直前に「まだここにいたいか」という様な内容の質問を受ける点は一致しています。そしてこの質問に対していいえという旨で答えると夢が終了しSCP-XXX-JPがゆっくりと萎みながら対象が下りてきてます。SCP-XXX-JP-1の状態は、家庭環境に悩みを抱えている、自分に自信がない、生きていることに幸福を感じない等ネガティブな感情を多く抱えているほど長くなります。対象がSCP-XXX-JP-1の状態のとき、15歳以上の人間は直接その姿を視認出来ませんが、カメラなどを用いて間接的に視認することは可能です。現在、財団内ではSCP-XXX-JP-1の状態が続いている児童を██人保護しています。そして現在までに██人の児童が膨らんだSCP-XXX-JPの破裂が原因で落下死しています。この死亡を防ぐため防護ネットを敷く、天井の低い場所で収容するなどの対策を取りましたが、何らかの方法でどちらもすり抜けてしまいました。

SCP-XXX-JPは███県███町で2015年8月15日に起こった一日だけ大量の児童が失踪するという事案により財団の注目を浴びました。そしてその児童達への聞き取りを行い、SCP-XXX-JPの概要や夢の内容が分かりました。以下の表は児童達の見た夢の実例です。


夢の内容 滞空時間 備考
家族で豪華客船に乗って世界一周旅行をする夢。夢が終わる直前、ディナーを食べている途中「まだここにいらっしゃいますか」とウエイターに質問されいいえと返答した。 24時間 対象の家庭環境や精神状態はとても良好でした。
菓子で出来た町に住む夢。好きな菓子を好きなだけ食べ、クッキーで出来た町の住人と仲良く暮らす。夢が終わる直前、クッキーで出来た住人に「まだここにいるよね」と言われたがそれを拒否した。 36時間 対象は自分の進路や将来に少し不安を感じていました。
仮面ライダーになる夢。対象の体が仮面ライダーになれるよう改造され一匹の怪人と戦った後、対象の体を改造した博士から「おぬしはまだここにいるのか」と質問される。そしてそれにもう帰りますと返答した。 48時間 対象は親に受験勉強を強要されていて、精神的に疲弊している状態でした。しかし親との関係は良好でした。

財団で現在保護されている、SCP-XXX-JP-1の状況が続いている児童███の内情を知るために、その友人に対してインタビューを行いました。

対象:█████

インタビュアー:エージェント林

<録音開始(2015/08/21)>

エージェント林: それではインタビューを開始します。あなたは███の友人関係や親との関係を知っていますか。

█████: 知っています。███は友達とは仲良くやっていましたよ。だけど親とは学校の成績や受験に関係したこととかでよく揉めていて辛いって言ってましたね。

エージェント林: あなたは███がSCP-XXX-JPを使用した時、一緒にいましたか。

█████: はい。僕も使ったので。彼はあのフーセンガムの効果を知っていたのでずっとゲームだけをし続けられる夢が見たいと言っていましたね。

エージェント林: それでその後あなたのSCP-XXX-JP-1の状態が切れても降りてこなかったと。

█████: はい。まぁ明日には切れているだろうなと思ったんですけど一向に降りてくる気配がなくて。その時はとても心配でした。

エージェント林: あなたのSCP-XXX-JP-1の状態が切れた時、███の膨らんだSCP-XXX-JPにはどんな夢が映し出されていましたか?

█████: ゲームセンターで誰かとずっと格闘ゲームの対戦をしている夢を見ていました。

エージェント林: 他に何か███に関する情報を知っていますか。

█████: 情報は知らないんですけど一つお願いがあります。

エージェント林: なんでしょうか。

█████: 彼を無理やり起こさないで上げてください。あんなに幸せそうな顔、今まで見たことがなかった。

エージェント林: 分かりました。以上でインタビューを終了します。

<録音終了>

以下は現在もSCP-XXX-JP-1の状態にいる対象が見ている夢の実例です。
夢の内容 備考
塾の自習室ような広い部屋で一人、対象が泣きながら永遠と勉強を続ける夢。 これは上記のインタビューで出てきた███の夢です。対象は学校の成績や進路のことで親との関係が非常に悪化していて、強いストレスを感じていました。
夕方の公園でかごめかごめをしている夢。対象は輪の中で座っていて、動かない。 対象は学校でいじめに合っていて、人間関係に深く悩んでいました。
いろいろなシチュエーションで車に轢かれ、右足を骨折するというパターンを繰り返す夢。 対象はSCP-XXX-JPを使用する一カ月前交通事故に合っていて、右足を骨折していました。対象はサッカーが好きだったのですが、それが出来なくなり強いショックを受け、精神的に疲弊していました。

実例やインタビューにより、SCP-XXX-JP-1の状態に長時間いると、途中で見ている夢の内容が対象のトラウマに依存した悪夢に変更されることが分かりました。SCP-XXX-JP-1の状態が短時間で終了した対象より、夢の内容が変更されるほど長時間その状態にいる対象の方がSCP-XXX-JPを使用する前、親からの強い束縛を受けている、人間関係に問題を抱えている等の様々な影響で、生きていることや現実に愉悦を感じていない者が多かったことが分かっています。

補遺1: SCP-XXX-JP-1の状態に長時間いる対象が落下する瞬間の映像の撮影に成功しました。以下はその記録です。

00:00:00: SCP-XXX-JPの表面には、対象が学校の様な場所で一人テストを受けている映像が映し出されている。

00:45:00: テストが終了。教師の様な男が入ってくる。

00:47:34:教師の様な男が新しいテストを渡し対象に何かを話しかける。

00:48:25: 対象は泣き出し、話しかけられた内容に首を振る。その瞬間膨らんだSCP-XXX-JPの表面の映像が砂嵐に変わる。

00:48:35: 膨らんだSCP-XXX-JPが破裂し対象が落下。死亡が確認された。

備考: 対象は夢の中でテストを受けるという事象を███回繰り返していました。

補遺2: 児童との対話により、SCP-XXX-JPの販売元が発見されました。販売元はその町にある個人経営の駄菓子屋です。この駄菓子屋の店主に対し、インタビューを行いました

対象:店主

インタビュアー:エージェント鈴城

<録音開始(2015/08/25)>

エージェント鈴城: それではインタビューを開始します。

店主: はいよろしく。

エージェント鈴城: あなたは何処でSCP-XXX-JPを購入しましたか。

店主: あれは自分で作ったんだよ。まぁ、作り方は教えられないがな。

エージェント鈴城: あなたはどうしてSCP-XXX-JPを児童に販売したのですか。

店主: 俺はこの町でもう30年以上駄菓子屋をやっている。しかし最近子供たちの顔が曇っていて、目に輝きがないことに気付いたんだ。俺はどうしてかと思い、昔の子供達との違いを考えた。そうしたら昔の子供達には自由があったという結論にたどり着いたんだ。昔は自分のやりたいことを自分で考えてやる自由や、やりたくないことをやらなくていい自由があった。今は親や社会などにすべて抑制されて、まるで操り人形だ。だから俺はあのフーセンガムを子供達が使って色々な自由を体験し、彼らが自由に生きる練習ができればいいと思ったんだ。

エージェント鈴城: 体験させる色々な自由とは具体的にどんなものですか。

店主: あのフーセンガムによって得られる親から離れられる自由、自分のやりたいことをやる自由、自分のやりたくないことから目を背ける自由とかだ。でもこの自分で手に入れていない自由にずっと縋り続け、現実からも逃げ続ける奴は現実に戻ってきてももうどうしようも無い。そして俺はそんな奴らがずっと自由でいられることを許せない。だからそういう奴は自由のない夢を見続けるか落下死しか選べなくなるようにしている。

エージェント鈴城: あなたはSCP-XXX-JPを使用した児童を見ましたか。

店主: もちろん見たさ。全員が輝いた目をしていたよ。

エージェント鈴城: 以上でインタビューを終了します。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー終了後、店主の作成したSCP-XXX-JPをすべて回収しました。そしてこの店主への対応として財団内でDクラス職員として勤務させることが決定しました。


ERROR

The tacook02's portal does not exist.


エラー: tacook02のportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:5951771 ( 28 Apr 2020 08:08 )
layoutsupporter.png
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License