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神聖祈念弾頭を搭載可能な大型ヒューマノイドロボット開発のための認可計画
問題
2015年に発生したスペイン国民カワウソ化事件(通称、トンガラシ事件)は世界中に大きな衝撃を与えました。1体の神格存在の出現でスペイン国民の90%以上がAFC1に改変され、その一部は神格存在が無力化されるまでの期間に食料として消費されました。最終的に神格存在はスペイン軍によって無力化されました。
本来ならば事態の早期解決に努めるべきであるはずの正常性維持機関は有効な手段を講じることが出来ず、その信頼は大きく揺らぐこととなりました。
また、近年まで世界オカルト連合は、各国による対神格存在兵器の要請に、神聖祈念弾頭ミサイルとその発射機を配備するという対応を取ってきました。確かに、ミサイルは神聖祈念弾頭の運用手段として合理的と言えるものです。しかし、妨害に対しての脆弱さと容易に防御可能であるという点は問題です。上述のスペイン国民カワウソ化事件の際には、神格存在の放ったアスペクト放射及び奇跡論的パルスによって、目標到達前にミサイルが撃墜され、神聖祈念弾頭がその威力を十分に発揮できないという事態が多発しました。また、ポーランド神格存在出現事件の際には、神格存在が複数の小型分体を引き連れて出現しました。このような場合、小型分体を盾にすることで、神格存在はミサイルを容易に防衛することが可能です。このように、神聖祈念弾頭の運用手段として、ミサイルは些か不確実なものであるという事実があります。
この事件によって、二つの問題が浮き彫りとなりました。
1.神格存在に対して、国家単位で対処する必要があること
2.ミサイルに代わる、より確実に神格存在に神聖祈念弾頭を命中させるための運用プラットフォームが必要であること
私たちは国家単位での運用が可能な、神聖祈念弾頭をより確実に命中させることが可能な発射プラットフォームを必要としています。
解決策
私たちは神聖祈念弾頭を搭載可能な大型ヒューマノイドロボットの開発を提案します。コードネームはサザンカです。
奇跡論的な観点から見た場合、ヒト型のプラットフォームから物体を発射するという行為は、命中率を高め、妨害率を抑える上でこの上なく有効だということが立証されています。2これが神聖祈念弾頭の新たな運用プラットフォームとしてヒューマノイドロボットを採用した理由です。
コードネームのサザンカは、山茶花サザンカの花言葉である「困難に打ち勝つ」というものに由来します。神格存在の無力化というのはまさしく困難であり、奇跡論的観点から見てこのコードネームは相応しいものであると思われます。
サザンカの素体としては、旧プロメテウス・メカニクス社(倒産済み。社員の5割は現在プロメテウス・サンフランシスコにおいて再雇用されています)で開発されていた、ヘパイストスモデルを使用することを提案します。ヘパイストスモデルの機体はプロメテウス・ラボ・グループからは失われていますが、設計図及び開発チームについてはプロメテウス・ラボ・グループの所有となっています。
ヘパイストスモデルの性能諸元については、参考資料3を参照して下さい。
今回新規に研究・開発を行うのは、神聖祈念弾頭を運用するための装備及び神格存在の迎撃を潜り抜け、小型分体による防御が不可能な距離まで接近するための装備です。
神聖祈念弾頭を運用するための装備として、携行式ロケットランチャーを開発します。携行式は内蔵式と比較して装備転換が容易であり、多用途な運用が予想されるサザンカにとってより相応しいと考えられます。
万が一神聖祈念弾頭が命中しなかった、命中したものの神格存在を倒すには不十分だった場合に備え、近接戦闘によって神格存在を無力化するための洗礼済み突撃槍を開発します。神聖祈念弾頭は奇跡論的に組み上げられた発射条件と高精度な照準器によって常に必中を目標としていますが、想定外の事態というのは起こるものであり、その場合に次善の策が無いというのは余りに心許ないためです。神聖祈念弾頭を使用したうえで神格存在が健在の場合は、この槍で神格存在に突撃を行うことを予定しています。後述するブースターは、突撃を補助することにも役立つと考えられます。
また、ヘパイストスモデルの開発時に予定されていた兵器利用をサザンカも同様に想定しています。そのため、以下の武装の開発も同時に行います。
- 120mmライフル(徹甲弾、榴弾を発射可能)
- 300mmロケットランチャー(榴弾、成形炸薬弾を発射可能)
- 奇跡論手榴弾(奇跡論爆弾を小改良)
- 大型シールド(チタン合金製)
- 近接戦闘用アスペクト放射式エネルギーソード(東弊重工の開発したTH-G用のものと同様の形式で使用可能)
これらの兵装は機体に設けられた6か所のハードポイントに必要に応じて取り付けることで運搬が可能であり、使用する場合はハードポイントから取り外し、マニピュレーターで操作可能です。
神聖祈念弾頭の防御を不可能とする距離まで迅速に接近するため、以下の装備を開発します。
- 両肩部外装式ブースター(サザンカに大推力を提供し、目標への迅速な接近が可能となります)
- 腰部燃料タンク(サザンカの行動範囲を拡大し、国土が広大な国での運用を可能とします)
- 神経接続型コントロールデバイス(パイロットの思考を機体操作に迅速に反映することで、機体の追従性を高めます)
外装式ブースターにより、サザンカはマッハ3で大気圏内を飛行することが可能となります。外装式ブースターは従来型の流体式ロケットエンジンの推力を奇跡論的手段で強化します。
サザンカの機体全体に奇跡論的図形(特殊な塗料を使用することで劣化を防止)を施すことで、空気抵抗を99%減衰させることが可能です。また、同様の手段で重量についても70%程軽減可能です。これらの手段はサザンカがヒト型の形状をしているため、奇跡論的図形による補助が非ヒト型の存在よりも強力に働くことで成り立っています。4
腰部燃料タンクはブースターの稼働に必要となります。燃料タンクを装備することにより、サザンカの最大行動範囲は約8,000kmに増加します。これは必要に応じてパージすることが可能です。
両肩部外装式ブースター及び腰部燃料タンクはプロメテウス・ヒューストンで研究・開発、神経接続型コントロールデバイスはアンダーソンロボティクス社との技術交換の一環で得られた義肢操作技術を応用します。サザンカに施す奇跡論的図形は奇跡論部門によって開発されます。5
サザンカ用各種軍用装備は、プロメテウス・ボルゴグラードにて開発が行われます。
事業例
本製品の顧客として、神格存在出現の脅威を恐れる全ての国家が予想されます。また、非国家軍事事業体に対しても、武装解除した状態であれば販売を行います。サザンカは非武装の状態であれば戦車若しくはミサイルなどの従来兵器で容易に撃破可能であるため、安全保障の面においてこれは問題にならないと考えます。
価格について、本製品はそのサイズから高騰が予想されます。しかし、神格存在によって齎される物理的・精神的な被害を考慮すれば、価格はそれほど大きな問題とはならないと考えられます。
神格存在によって発生する被害については、プロメテウス・ラボ・グループの子会社が運営する報道機関によって広く一般に流布されています。そのため、テレビ、新聞、その他どのような媒体でも、神格存在の脅威は知れ渡っています。
同業他社の製品については、東弊重工で開発中のTH-G MK.Ⅲが上げられますが、TH-G MK.Ⅲはそのコンセプトからして格闘戦主体であり、本製品のコンセプトである「ブースターによる高速機動で神格存在の迎撃を掻い潜り、中距離から神聖祈念弾頭を撃ち込む」ことを想定した商品は市場に存在しません。
資金の使用
サザンカは主要な構成要素の製造において、ヘパイストスモデルの設計を流用することが可能です。これは、信頼性の向上も意味します。また、専用のロケットランチャーについては、発射方式などは既存のそれと大差ないため、拡大設計を行うのみで問題なく、主に使用される資金はブースターの設計・開発、軍事兵器として運用するための各種装備、神経接続型コントロールデバイス開発におけるパイロットへの影響などに関する調査、試験の為の試作機生産費用になると考えられます。これらを総合した見積もりは10億1000万アメリカドルになります。
- 両肩部外装式ブースターの開発に1億9000万ドル
- 神聖祈念弾頭の発射用ロケットランチャーの開発に100万ドル
- 洗礼済み突撃槍の調達に100万ドル
- 兵器運用の為の各種装備の開発に800万ドル
- 神経接続型コントロールデバイスの開発に1000万ドル(安全対策に必要なデータを得るための実験費用等を含みます)
- 試作機の生産に8億ドル
既知の問題
サザンカはその用途が軍事兵器に限られるというコストパフォーマンスの悪さを指摘されました。しかし、サザンカは平常時には災害復旧支援を始めとした、幅広い業務に使用することが出来ます。
また、現在開発中の製品との互換性も用意することを提案します。現在プロメテウス・メディカル及びマナによる慈善財団と共同開発中の商品(複数の傷病者を運搬可能な連結式医療用ポッドや、大量の物資を運搬可能なコンテナなど)をサザンカのオプション装備として仕様変更・販売すれば、より大きな利益と災害復興支援という名誉を得られる上に、本製品の宣伝にも繋がります。
特殊な流通ルートを介して、非国家軍事事業体に武装が供給される恐れがあります。
また、正常性維持機関はサザンカの性能から販売に制限を掛けてくることが予想されます。これに関しては、神格存在の出現を経験し、甚大な損害を負ったポーランドとスペインを最優先販売対象とします。正常性維持機関は関係性悪化を懸念して、この2国への販売に対して制限を掛ける可能性は低いと考えられます。
通常の仕様での販売は、神格存在の被害が大規模になるであろうことが予想され、安全保障の面においてある程度信頼のおける先進国から行っていくプランで問題ないと考えられます。
武装解除を行い、医療及び物資運搬、災害復興支援等の装備とセット販売を行う場合は、最初からより広い地域での販売が可能であると考えられます。
タグ ルーキーコンテスト プロメテウス アンダーソン マナによる慈善財団 1998 goi-format-jp
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:5875210 (22 Nov 2019 06:43)
拝読しました。プロメテウスフォーマットにはあまり詳しくないので、的外れなことを言っていたら申し訳ありません。
記事タイトルでは"神聖祈念弾頭"となっています。統一したほうがいいのでは?
AFCが何かわからないので説明が欲しいです。
「討伐」というワードは微妙な気がします。「無力化」などはどうでしょう。
どの辺りが消極的なのかピンときません。なくてもいい気がします。
「神聖祈念弾頭ミサイルは対神格存在兵器としての高い実績があり、」などはどうでしょうか。
「盾にされる等の」と繋げていいです。
として良いかと。また、「変わる」は「代わる」がいいです。
句点ではなく読点に
「苛烈な」はこのフォーマットには合わない表現かもしれません。
行動範囲、あるいは出撃可能範囲のほうがいい気がします。
「価格」と「値段」は統一していいかと思います。
東弊重工が開発している
ありがとうございます。ご指摘いただいた個所を修正しました。
拝読しました。
以下はrev.61時点の内容への批評です(サンドボックス下部メニューの"History"からrev.を確認しています)。
御批評いただき感謝申し上げます。以下に改稿点を明記します。
フォーマット関連
リンクに下線を設置しました。
問題パート
事件の名称を正確なものに修正しました。神聖祈念弾頭ではなく、ミサイルという運用手段が問題であるということがわかりやすくなるよう変更しました。
解決策パート
コードネームの由来を追加しました。
武装の名称を変更しました。近接戦用の兵装を追加しました。ブースター及び速度に関しての説明を追加しました。
内蔵装備を排し、全て携行式に変更しました。
兵装のモジュール化についてはそもそも全ての武装が携行式であるため、どのように活用すればいいのか理解できなかったため採用できませんでした。申し訳ないです。
事業例パート
名称を変更してリンクを設置しました。
報道によって広く神格存在の脅威が知れ渡っている旨の文章を追加しました。
資金パート
費用を10億ドルに変更しました。
既知の問題パート
運用法の追加と、販売プランの追加を行いました。
TH-G用“の”もののミスでしょうか?
SCP-1710-JPでの描写ではGOCら正常性維持機関の攻撃によってUE-1076を退けたようなので適当ではないと思われます。神聖祈念弾頭が当たったのはまぐれだと言われればそれまでですが。
ありがとうございます。
該当箇所を修正しました。
誤解を生む可能性を減らすため、文章の位置を変更しました。正常性維持機関が有効な手を打てなかったというのはこちらの記述に基づいています。
拝読いたしました、組織内での予算陳情ないしは稟議に際しての嘆願書としては問題ないかと考えます。
ただ、懸念点がいくつかあります。
一つとして装備そして想定されるものの一つ、120mmアサルトライフルについてですが実際に連射式及び自動装填式の120mm砲については直近の戦車/走行車両の資料など含めて確認および調査を行いましたが機構が立体軌道に弱く連続した挙動は装填不良の原因になります。
120mmアサルトライフルとして連射を行う想定よりも単発式の120mmライフルとして置いたほうが既存の自動装填技術を生かすことができより確実かもしれません。
二つ目に神経接続型コントロールデバイスについてです。既存技術を応用するにしても既存パワードスーツの開発にあたっての神経接続デバイスの開発ですら220万ドル(コンプライアンスの為に企業及び開発国については差し控えさせてください)を計上しており、追加予算として200万ドル以上がかかることが予想されています。
これを大型の人型兵器に転用する場合はより大きなフィードバックおよびパイロットのケアにさらなる予算がかかることが想定されます。人体に直接影響のある部分には一段と予算をかけることが兵器開発の常であるため、この分野についてはより多くの予算を割くことが予想されます。
またこれに伴っての安全対策や製造に伴っての政治資金の計上がされていない状態であり、それらが加わることでより現実味があるかと思われます。
そのほかの点についてはおおむねそれらしく書かれておりSFっぽい稟議書類のように見受けられます。違和感のようなものはほかで感じることはなかったです。完成を楽しみにしております
武装の変更(連射式から単発式への変更)及び神経接続型デバイスの開発予算(安全対策に幾ら掛かるか等は推測不可能なため、全て神経接続型デバイスの開発費用として計上し、その旨を追記します)については問題なく反映可能であるため、採用させていただきます。
しかし、製造にあたっての政治資金についてはどのような用途なのか、どれ程の金額が必要なのか等が完全に推測不可能であるため、残念ながら反映することが出来ません。
ご批評いただきありがとうございました。
一つだけ気になった点です。
UE-1076が出現させた「子実体」の表記に関してです。
文脈からは「こ-じったい」と読ませ、本体を防備する小型の分体をイメージさせようとしていると考えますが、
「子実体」にはこれと別にキノコが胞子を生成する器官を意味する「しじつたい」という正式な読みが存在します。
従って、子実体の意味の説明をなしで使ってしまうと、現実の意味と混線する恐れがあります。
私であれば、今回の例におけるUE-1076-Aは「小型分体」のように記載しますね。
あまり本題と関係のない指摘で申し訳ないですが、ご検討頂ければ幸いです。
ご指摘いただきありがとうございます。
「子実体」表記に関して変更を行おうと思います。