ポテトチップス - SCP-JPサンドボックスⅢ

ポテトチップス

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 挟みこまれるコマーシャル
著者: ©︎p51
作成年: 2020

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8181の低脅威度物品収容ロッカーに収容されます。

説明: SCP-XXXX-JPは株式会社小池屋の社屋から発見されたスナック菓子の袋です。SCP-XXXX-JPについて何らかの情報を得た知的生命体は情報を発信する際に自身が最重要だと認識している箇所を特定の語句に変換します。

補遺: 株式会社古池屋¹の社屋内部からメモが発見されました。以下にその一部を表示します。完全な内容については関連文書XXXX-JPを参照してください。

この世界にやってきてからもう10年は経っただろうか。こちらの世界の私が死んでいることには驚いたが、とにかく明日のことだけを考え必死にやって来た。そのおかげで、今は安定した生活を維持できている。

あの日のことはもう遠い昔のようで、曖昧な記憶しかない。私はいつものように会社で働いていたところ、少し気を失ってしまった。多分働き過ぎたんだろう、当時はほとんど寝ていなかったはずだ。目を覚ました時に彼の死体を見つけたときは心底驚いた。

結局会社を守るために彼の死体は隠すことになった。遺書に従い、おつまみ一本に絞った販売戦略を続けることが役員会議で決定した。私が出会ったあれについては胸に秘めておくしかないだろう。彼の遺志を無視するわけにはいかない。

駄目だ…諦めきれない。どうしてもあれを皆に広めたい…しかし、どうすればいいのか。会社の意向を無視するわけにはいかない…取りあえず自分で作ってみるしかないだろう…。

何とか形には出来た。味も見た目も申し分ない。あとは皆に広められれば…。

何人かは私に賛同してくれた。しかし、それ以上の人々に受け入れられなかった。改良を重ねたが、それでもダメだった…どうしてなんだ。

男が訪ねてきた。その男もあれが食べたいのだという。期待外れになるかもしれないと前置きして、一番新しいものを食べてもらった。とても好意的な感想を得られた。彼は、このおいしさはもっと広く伝えられるべきだという。どうすれば広く知ってもらえるのかわからないというと、広告すればいいと言う。しかし、この計画は私の個人的なものだ。そんな金は無い…。

この間の彼がまたやって来た。彼は自身の知り合いの広告代理店が、新方式の広告を打ち出すからそれのテストベッドにならないかと持ち掛けてきた。怪しいとは思うが…あれを広めるにはどんなものにでも頼るしかないだろう…。

あれから数週間経った…私は考え直すことにした。彼らの送ってきた新方式の広告を施した菓子の袋を見たが、あんなものを世に広めてはいけない。あんなことをすれば、あの商品自体に失礼だ。彼らには悪いが、断りの電話を入れることにした。

結局、給料のほとんどを掛けて得られたものは奇妙な菓子の袋だけになってしまったが、私は気持ちを切り替えることにした。仕方がないのだ。元の世界ならば広く売れたかもしれないが、こちらでは合わなかった。ただそれだけのことだ、怪しいものに手を出せば既に持っているものまで失ってしまうという教訓を得られただけ良かったのだろう。

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