このページの批評は終了しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPによる基底宇宙への侵入が確認された場合、融合が行われる前に追跡、居場所の特定を行い、融合後に回収を行ってください。融合した人物によって適宜カバーストーリーは調整されます。
財団職員と融合したSCP-XXX-JPは再雇用プログラムによって問題が確認されなかった場合に限り融合以前と同環境での雇用が認められます。
説明: SCP-XXX-JPは知的生命体の精神を自らと融合させる精神生命体群です。
SCP-XXX-JPは基底宇宙外を由来とし、未知の手段を以て基底宇宙へと侵入します。基底宇宙に侵入したSCP-XXX-JPは知的生命体を発見した場合その精神を自らと融合させます。融合した精神はSCP-XXX-JPが知的生命体の有していた記憶を引き継ぐ形となり、結果的にSCP-XXX-JPと融合する以前の人格は失われます。
SCP-XXX-JPは一般的な倫理観を有しており、本来の精神を上書きした点については一貫して「自らが原因で元の持ち主から全てを奪ってしまったことは大変申し訳なく思っている。出来る限り持ち主に恥じない生き方をしたい」という旨の主張を行います。
融合後のSCP-XXX-JPは融合以前にその人物が従事していた職業を引き継ぐ傾向にあり、融合後に転職を行ったSCP-XXX-JPの割合は10.0%以下です。SCP-XXX-JPの勤務態度は概ね真面目かつ有能であると評され職場内の人間関係も改善が確認されています。ミーム学部門はSCP-XXX-JPの言動に含まれる異常ミームによってこれらの作用が引き起こされているとの仮説に基づいて調査を行いましたが、結果としてSCP-XXX-JPの言動から異常ミームは検出されず、非異常なコミュニケーションと行動の結果であると結論付けられました。
SCP-XXX-JPと融合した財団職員は融合以前と比較して問題行動の発生率が0.01%に低下していることが確認されています。
インタビューログXXX-JP:
インタビュー対象: 天宮博士
インタビュアー: ██研究員
注記: インタビューは天宮博士の異動要請を受けて行われました。
同僚へのインタビューでは天宮博士と同部署で勤務している職員らの間に特筆すべき問題点は確認されませんでした。
[記録開始]
インタビュアー: どのような理由で異動を要請したのか聞かせて貰えると助かります。何か困っていることがあれば是非仰ってください。
天宮博士: どうして財団はSCP-XXX-JPを雇用しているのかしら。あれは隠しようもなくアノマリーよ。
インタビュアー: SCP-XXX-JPの中で現在まで問題行動を起こした個体は殆んど確認されていないんです、天宮さん。全個体へ不定期的に行っている精神鑑定でも、問題のある個体が検出された事例はゼロ。むしろ、SCP-XXX-JPによって作業効率が上がっているとの報告もされています。どうか偏見を持たないであげてください。
天宮博士: そうでしょうね。私もデータは見たから知っているわ。そういえば、問題行動とやらには財団職員の死体を個人的趣味のために解剖、保管することも入るのかしら。
インタビュアー: それはそうですね。その行為によって何かしらの研究成果を出しているわけでもなければ、死者の尊厳を無意味に冒涜する事は許されません。世界のために命を散らした職員なら尚更その名誉は守られるべきです。
天宮博士: その通りね。それじゃあこれは知ってる?私の大切な友人には困った趣味があったの。なんだか解る?
インタビュアー: 個人的興味による遺体の解剖と保管ですか?
天宮博士: 正解。
インタビュアー: それが貴女の異動要請とどう関係しているのですか?
天宮博士: その大切な友人はね?栗花落 海称っていうの。彼女はもうこの世に居ないのよ。
インタビュアー: 落ち着いてください。確かに栗花落医師はSCP-XXX-JPと融合しましたが、彼女の記憶を余すところなく保持しています。もしかして、彼女に危害を加えられたのでしょうか?
天宮博士: いいえ。あれに無視されたり暴言を吐かれたり暴力を振るわれたことは無いわ。だけどね、それだけが人を傷付けるわけじゃないの。
インタビュアー: どういうことですか?
天宮博士: 栗花落はね、死体を開くことでしか楽しみを得ることが出来なかったの。私も色々とやったわ。彼女を色んな場所に連れていったり、プレゼントを贈ったり、それでも彼女が死体を開いている時ほどの笑顔を引き出すことは出来なかった。
天宮博士: それなのに、それなのに、SCP-XXX-JPは彼女の保管していた死体を全て財団に返却して、検死解剖の終わった死体を趣味で開くこともなくなった。私は嫌な予感がしたの、でもその時は黙ってた。だって、彼女は同僚たちと積極的に関わるようになっていったし、それはとても喜ばしいことだったから。死体以外に向けたことの無い笑みを、生きている人間に見せるようになったから。
天宮博士: だけど、余りにも気になったからある時聞いたの「死体を開いても楽しくないの?」ってそうしたらなんて答えたと思う?「楽しいわけ無いじゃないですか。冗談は辞めてくださいよ」その時彼女、いえ、SCP-XXX-JPは笑ってたわ。栗花落の唯一の楽しみを否定しながら、彼女と同じ顔で、同じ笑みを浮かべていたの。耐えられるわけ無いじゃない。
天宮博士: 確かに問題行動は減ったでしょうね。財団職員にとって相応しくない趣味や癖はSCP-XXX-JPになった職員からは消えているもの。大多数にとってはそれで良いんでしょう。事実、栗花落の変化も私以外気にしていなかった。だけど、これだけは断言できる。SCP-XXX-JPはアノマリーよ、人間とは違う。
インタビュアー: [沈黙]解りました。辛いことをお話させてしまってすみません。
天宮博士: ううん、いいの。私も誰かに話したくて堪らなかったから。こちらこそ感情的になりすぎちゃったわ。御免なさいね。
[記録終了]
異動要請は受理されました。
SCP-XXX-JPの財団に対する離反行動は現在まで確認されていません。雇用は継続されます。
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:5875210 (22 Nov 2019 06:43)
コメント投稿フォームへ
注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。
批評コメントTopへ