SCP下書き つかれた女

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは防音、霊素封印処理を施した人型収容室に収容されます。また、オブジェクトは精神状態が非常に不安定なため1週間に1度心理カウンセラーによるカウンセリングを行います。

説明: SCP-XXXX-JPは30代前半のモンゴロイド系女性です。SCP-XXXX-JPの異常性は突発的にトランス状態に陥ることです(以下、発作)。この発作はSCP-XXXX-JPの意思によってある程度抑制が可能ですが、抑制が一定回数を超えた場合次回の発作でSCP-XXXX-JPの意識は即座に失われトランス状態へと陥ります。また、抑制回数に比例してトランス状態の継続時間は延長されます。トランス状態のSCP-XXXX-JPは外部への自発的な干渉を行わず、外部からの刺激にのみ反応を示します。

SCP-XXXX-JPは某所にて異常物品の取引が行われる可能性が高いという情報を元に行った制圧作戦の際に確保されました。SCP-XXXX-JPは財団が得た異常物品の情報と一致しないため、現在調査中です。

以下は確保後に行われたSCP-XXXX-JPへのインタビュー記録です。

対象: SCP-XXXX-JP

付記: インタビューは取り調べの一環として説明されています。

<録音開始>

インタビュアー: それじゃあ貴方はどうしてあんなとこにいたのかな?

SCP-XXXX-JP: えっと…それは、言えません。

インタビュアー: どうして?

SCP-XXXX-JP: [沈黙]

インタビュアー: ふーむ、じゃあ質問を変えよう。貴方今までどうやって暮らしてたの?

SCP-XXXX-JP: い、家でその、パソコンを使って株とか、FXとかを…。

インタビュアー: 家にあるパソコンのデータを調べたけどそんな取引をしていた形跡は全く残ってなかった。

SCP-XXXX-JP: [沈黙](対象は俯いている)

インタビュアー: 普通の仕事はしてなかったの?大学の成績も悪くないし有用な資格も持ってる。雇ってくれるところがなかったわけじゃないだろ?

SCP-XXXX-JP: してました。けど、どこも長くは勤められなくて。

インタビュアー: みたいだね、貴方は大学を卒業してから色んな会社を転々としてる。どうしてかな?

SCP-XXXX-JP: そこまで知ってるんですか?

インタビュアー: まあね、色んな所であなたの噂をしてたよ。

SCP-XXXX-JP: 私、病気なんです。

インタビュアー: 体の?それとも心の?

SCP-XXXX-JP: わかりません、色んな病院に行ってもどこも悪くない。心身ともに健康そのものって言われるんですけど。

SCP-XXXX-JP: 私、時々体を何かに奪われるって感じるんです。なんでそう感じるかとか、だれに奪われるとかよくわからないんですけど。すいません、変ですよね…。

インタビュアー: そうなんだね、大丈夫。そういうことをいう人が他にいないわけじゃないから。

インタビュアー: それじゃあ質問の続きをしようか。その発作が始まったのはいつから?

SCP-XXXX-JP: 大学を卒業してからです。最初の会社で働いてる時に起きて。1回目はみんな心配して、病院に一緒に来てくれる人もいたんですけど。病院で問題ないって言われて、それなのに何回も起きると、同僚とか先輩とかからも距離を置かれるようになって、いづらくなっちゃって。

インタビュアー: そういうことが何回も起きたんだね?

SCP-XXXX-JP: はい。どこで働いてもそのせいですぐにやめることになっちゃって。

インタビュアー: そうなんだ、ここ2、3年は通ってたハローワークにも顔を出してないみたいだけどどうやって暮らしてたの?

SCP-XXXX-JP: どうしても話さないといけませんか?

インタビュアー: 今回の件はちょっと特殊だから、喋ったことが全部裁判で証拠として使われるわけじゃないし、貴方の供述次第では裁判を回避できるかもしれない。

SCP-XXXX-JP: (対象はしばらくの間逡巡している)お話します。

インタビュアー: ありがとう、それじゃあ教えてくれ。

SCP-XXXX-JP: はい、私はその日最後に働いてたところをクビになって。帰り道で意識を失ったんです。気が付いた時に近くにいた男の人に、ウチで働かないかって声を掛けられたんです。

インタビュアー: そうなんだ、声を掛けてきた男の名前とか顔とかわかる?

SCP-XXXX-JP: すいません、暗くて顔とかもよく見えなくて。名前は、外崎道夫って言ってました。

インタビュアー: なるほど、それで貴方はそこで働くことにしたってこと?

SCP-XXXX-JP: 怪しいとは思いました。でももう他に雇ってくれそうなところもなくて。騙されるかもしれないけどやらないよりはって。

インタビュアー: どこでどんな内容の仕事をしてた?

SCP-XXXX-JP: それは、わかりません。隠してるわけじゃなくて、仕事の時は目隠しをされて車に乗せられて、どこに連れていかれてるかはわかりませんでした。仕事場に付いたら目隠しを外して用意されてる衣装に着替えたら、仮面をつけて例の感覚を解き放ちました。

インタビュアー: つまり、仕事まで発作を抑えて、仕事の時は記憶が飛んでいるってこと?

SCP-XXXX-JP: はい、そうです。なので、自分がどこでどんなことをしていたのかわからないんです。意識が戻ったらお給料を貰って、それが1回で5、60万円くらいで、それだけで暮らしていけました。

インタビュアー: 仕事はどのくらいの間隔でやってたの?

SCP-XXXX-JP: 1月に1回くらいです。

インタビュアー: なるほどね、じゃあ俺たちが君を確保した日も仕事に来てたってことかな?

SCP-XXXX-JP: はい、あの日はステージの幕が下りてる間は抑えて、幕が上がったら解放するように言われてました。だけどいくら待っても幕が上がらずに、そのまま発作を抑えきれなくなって…。

インタビュアー: そこに俺たちが突入したと。なるほどね、話してくれてありがとう。

インタビュアー: ところでその発作の原因に心当たりはあるかい?

SCP-XXXX-JP: 1つだけあります。昔小学生くらいの頃に、友達と一緒に肝試しに行ったんです。そこで私だけはぐれちゃって、見つかったときには私は気を失って倒れてたって聞きました。もしかしたら、何か関係あるかもしれません。

インタビュアー: わかった。話してくれてありがとう。

SCP-XXXX-JP: あの…私これからどうなるんでしょうか。

インタビュアー: 心配しないで、貴方はこれから特別な病院で治療を受けることになると思うから。

SCP-XXXX-JP: ありがとうございます。

<録音終了>

終了報告書: SCP-XXXX-JPに検査を行ったところ霊的実体が内部に存在することが確認されました。収容中にSCP-XXXX-JPが発作を起こした場合、霊的実体が意識の表層に出現している可能性を調査するためにインタビューが行われます。また、外崎道夫なる人物について調査を行いましたが、そのような人物は発見されませんでした。

以下は財団でSCP-XXXX-JPが初めて発作を起こした際のインタビュー記録です。

対象: SCP-XXXX-JP

付記: 錯乱状態の危険性を考慮し、インタビューは室内に設置したスピーカーを通して行われました。

<録音開始>

インタビュアー: SCP-XXXX-JP、インタビューを開始します。聞こえていますか?

SCP-XXXX-JP: 聞こえてるわよ、早くしたら?

インタビュアー: それでは。まず貴方は雨宮麗花(SCP-XXXX-JPの本名)さんですか?

SCP-XXXX-JP: 違う違う。さっさとヤればって言ってんの。

インタビュアー: 貴方は何か勘違いをしているようです。これはただのインタビューであり、それ以上の意味を持ちません。貴方は質問に答えてくだされば結構ですので。

SCP-XXXX-JP: あー、今日はそういうプレイなのね。わかった、そう、あたしは雨宮麗花で間違いない。

インタビュアー: 我々は信じるでしょう。それがどれだけ信じられないようなものだったとしても。

SCP-XXXX-JP: ホントに?

インタビュアー: 本当です。まず貴方はどなたですか?

SCP-XXXX-JP: 私は███ ███(SCP-XXXX-JPの本名)です。

インタビュアー: 貴方は今どういった状況に置かれているか説明できますか?

SCP-XXXX-JP: 私の中に私じゃない誰かがいるんです。

インタビュアー: その誰かについて詳しく話せますか?

SCP-XXXX-JP: すごく優秀で、品行方正な人だってことはわかります。

インタビュアー: 何故それがわかるのですか?

SCP-XXXX-JP: わたし、元々成績は低い方なんです。なのに、試験の時に問題を見るとスラスラ解けるんです。一回、何にも勉強しないでテストを受けました。でも9割取れてたんです。何もしてないはずなのに。

SCP-XXXX-JP: それに、結構悪い子とも友達だったんですけど、いつの間にか私の周りの友人が全然違う人になってたんです。その子たちに聞いたら、私からその子たちと絶交したって言うんです。

SCP-XXXX-JP: この話し方だって、いつの間にかこうなっちゃったんです。昔はもっと乱暴だったはずなのに。

インタビュアー: 切欠などはありましたか?

SCP-XXXX-JP: たぶん肝試しの時だと思います。研究所に置いてある適当なノートを持って帰ってくるって内容だったんですけど、みんな怖がって途中で引き返しちゃって。結局私一人で行きました。そこで声を掛けられて、すぐに気を失ったんです。目が覚めたときには研究所の外で、ノートを持って来た私をみんなが褒めてくれました。

インタビュアー: そのノートはどこにあるか分かりますか?

SCP-XXXX-JP: 実家にあると思います。気味が悪くて、読まずに放置してました。今思えば何であれを捨てなかったんだろう。それに、読んでないはずなのに、内容が頭に浮かんでくる。(対象は意識を失う)

インタビュアー: SCP-XXXX-JPの錯乱状態が終了したためインタビューを終了します。

<録音終了>

終了報告書: 意識を回復したSCP-XXXX-JPにインタビューの内容を確認したところ、そのような事実はなく、自分の中に潜んでいる何かが言わせていると証言しています。インタビュー内で言及されている研究所について調査を行ったところ、すでに閉鎖されていました。閉鎖前は人間の霊魂についての研究を行っており、研究中の爆発事故が原因で閉鎖されたという情報を得られました。また、SCP-XXXX-JPの両親及び過去の友人に調査を行ったところ、肝試しの後に成績が変わり性格も穏やかになったという証言をしています。しかし、それらの変化については成長過程の自然なものであると認識していました。また、インタビュー内で言及されているノートについても調査を行いましたが、SCP-XXXX-JPの実家、確保した当時に暮らしていた家から押収した物品、研究所跡地からも発見されませんでした。

補遺: 心理カウンセラーからSCP-XXXX-JPの心理状態に変化があったという報告があった為、インタビューを行ったところ、自分から何かが出てくる感覚が消えたと証言しています。その後の経過観察で3年の間異常性を確認できませんでした。また、心理状態も非常に安定しており、極端な変化は発生しませんでした。
SCP-XXXX-JPに対する検査を行うと体内に存在する霊魂が1つになっていました。これらの事実により、SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedに変更され、オブジェクトは記憶処理を施したのち解放されます。カバーストーリーとして、「記憶喪失の行方不明者の発見」が適用されます。


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  1. portal:5875210 (22 Nov 2019 06:43)
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