SCP-2121-JP - 諦願成呪 ～ Cursed Dream Comes True

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+見ていただきたい点

・面白いか
・クリニカルトーンに問題は無いか

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クレジット

タイトル: SCP-2121-JP - 諦願成呪　～ Cursed Dream Comes True
著者: ©︎p51
作成年: 2020

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2/2121-JP LEVEL 2/2121-JP CLASSIFIED

アイテム番号: SCP-2121-JP オブジェクトクラス: Keter

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SCP-2121-JP-A-10(視覚災害を発生させる部分は編集済み)

特別収容プロトコル: SCP-2121-JPの発生は財団の世界監視システムによって即座に発見、同定が行われます。SCP-2121-JP-Aの出現が確認された場合、即座に近隣の都市部を閉鎖、住民の速やかな避難を誘導してください。また、これに並行してSCP-2121-JP-A関係者の同定、確保及びEクラス職員としての臨時雇用を行ってください。雇用されたSCP-2121-JP-A関係者には「SCP-2121-JP-Aの行動を止められるのはあなただけである」という説明を行い協力を促します。SCP-2121-JP-A関係者がSCP-2121-JP-Aの説得に成功したことを確認した場合、SCP-2121-JP-A及びSCP-2121-JP-A関係者の双方に記憶処理を行い解放してください。SCP-2121-JP-A関係者がSCP-2121-JP-Aの説得に失敗する又はSCP-2121-JP-A関係者が説得を行うことを拒否した場合、SCP-2121-JP-Aを破壊してください。説得又は破壊の完遂が確認された後、目撃者への記憶処理及びカバーストーリーの適用を行ってください。

説明: SCP-2121-JPは世界全土において、不定期に人間の頭部が変化する現象です。

SCP-2121-JPの対象となった人間をSCP-2121-JP-Aと指定します。SCP-2121-JP-Aとなる条件の大部分は未知であり、これまでの事例において共通しているのは「対象者が人間であり身体又は精神に障害を負っている」という点に限られます。

SCP-2121-JP-Aの行動は周辺の破壊及び人間の殺害という結果を引き起こします。対象者はSCP-2121-JP-Aへの変化に起因する高度な耐久力、身体能力、異常能力を獲得しており、必然的に周囲への被害は甚大なものとなります。この行動はSCP-2121-JP-Aの説得または死亡によって停止し、停止後は獲得した能力と異常性を喪失します。SCP-2121-JP-Aの行動停止後、SCP-2121-JP-Aの頭部は変化前の人間のものに置き換わります。SCP-2121-JP-Aとのコミュニケーションは可能ですが、事例2121-JP-A-5を除いた全ての事例で説得によって行動を停止させる試みは失敗しています。

以下はこれまでに確認されているSCP-2121-JP-A個体リストの抜粋です。対処の詳細な記録は対処記録2121-JPを参照してください。

番号	説明			対処	備考
01	財団が接触した初のSCP-2121-JP-A個体。頭部が運動靴に置き換わった男性型実体です。時速100kmで走り続け、進路上の物体を粉砕しました。死亡前に行われた脚部へのあらゆる影響を無効化したため、脚部に異常性を獲得していたと考えられます。			確保の試みが失敗した後に破壊	対象者は両足を事故によって失っていたことが判明しています。
02	頭部がマイクに置き換わった女性型実体です。頭部のマイクから常時200dB1の音を発し続けました。防音装備が無力化されたため音に関する異常性を獲得していたと考えられます。			確保の試みが失敗した後に破壊	対象者は発話障害の持病を患っていたことが判明しています。
03	頭部が眼球に置き換わった男性型実体です。異常性は判明しなかったものの、これまでに観測された個体から眼球に関する何らかの異常性を獲得していたと考えられます。███軍の基地を襲撃し、戦闘機を奪取して民間機の撃墜等を含む破壊活動を行いました。			破壊	家族へのインタビューから対象者が弱視であったことが判明しています。
04	頭部がバスケットボールに置き換わった男性型実体です。腕部に触れた人間を球体に変形させる異常性を獲得していました。			説得の試みが失敗した後に破壊	対象者は両腕を事故によって喪失していたことが判明しています。また、近親者による説得に反応する様子を示していました。
05	頭部が金色のトロフィーに置き換わった女性型実体です。「跪け」「殺せ」「守れ」などの命令を発し、それらを実行させる精神影響型の異常性を獲得していました。また、変化前の対象者と比較して口調が尊大なものに変化していました。サイト-81██で勤務中の天宮博士が変化し、SCP-2121-JP-A-5と影響を受けた職員によってサイトが占拠されました。			説得に成功	N/A

SCP-2121-JP-Aが破壊活動を行う理由を調査するため、天宮博士へインタビューが行われました。

+インタビューログ2121-JPを表示

インタビューログ2121-JP:

インタビュー対象: 天宮博士

インタビュアー: ██研究員

注記: SCP-2121-JP-Aへの再変化の可能性が考慮され、天宮博士は防音室に隔離されインタビューは対面せずスピーカーを通して行われた。

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[省略]

インタビュアー: SCP-2121-JP-A-5へと変化していた間どのような状態でしたか？

天宮博士: とても気持ちの良い夢を見ていたような気がします。

インタビュアー: なるほど、夢の内容を具体的に語っていただくことは出来ますか？

天宮博士: 思い出せる限りお話します。最初に起きたのは意識の喪失でした。目の前が真っ白になって、気が付けばあの場所に座っていました。

インタビュアー: あの場所、とはどのような場所ですか？

天宮博士: とても豪奢で広い、何処かのお城か宮殿の、玉座の間のような場所でした。

インタビュアー: なるほど、続けてください。

天宮博士: そこにいる沢山の人々が皆一様に私に頭を下げていました。それを見たら何だか、とても気分が良くなって、思い出したんです。自分の望みを、夢を。かつて私は、人々の頂点に立ち自分こそが誰よりも優れていると証明することを夢見ていました。

インタビュアー: その望みは今でも叶うと思っていますか？

天宮博士: ……理性では出来ないと解っています。財団に来てから、いえ、来る前からそうでしたが私は自分より遥かに優れた人々がいることに気付きました。どれだけ頑張っても、どうしても敵わない者達の存在によって私のプライドは粉々に砕かれました。かといって、それを捨てれば私はアイデンティティを失ってしまいます。心のどこかで私は自分こそが最も優れているのだというプライドを抱え続けています。私の中の冷静な部分はそれを完全に否定しているのに。

インタビュアー: ……わかりました。状況に違和感を抱くことはありませんでしたか？

天宮博士: 諦めていた夢が叶っているのがあまりに嬉しくて、他のことは考えられませんでした。私に何か叫んでいる方たちもいましたが、彼らの声は皆一様に私を褒めたたえる物でした。それに、そのような方々も話しかけるとすぐに他の方と同じように私に頭を垂れました。途中でアノマリーが襲い掛かってきて棘のような物で撃たれた時はかなり痛かったですが、そのアノマリーも私が声を掛ければ大人しくなりました。

インタビュアー: 少しお待ちください。[インタビュアーが離席し、5分後にインタビュー再開]当時サイト-81██では他のアノマリーの収容違反は起きていませんでした。

天宮博士: え……？そんな、じゃあアノマリーたちはいったい。

インタビュアー: ……銃を所持した職員に撃たれた記憶はありますか？

天宮博士: いいえ、撃って来たのはアノマリーだけです。

インタビュアー: わかりました……この質問はここで切り上げましょう。

インタビュアー: それでは次の質問に移ります。機動部隊のエージェント・藍口に説得されたと聞いていますが、それをどのような形で認識しましたか？

天宮博士: 頭の中に声が響くような感じです。他の方に解りやすく伝えるなら、心地よく夢を見ていたらお母さんに起こされるような、という感じだと思います。私はそのような経験が無いので、あくまでそんな感じだという予想に過ぎませんが。

インタビュアー: あなたはどのような要因でその説得が正常に聞き取れたと思いますか？これまでのSCP-2121-JP-Aは殆どの場合会話が成り立たなかったことはご存知ですよね？

天宮博士: 仮説ですが、私と彼に交流があったからだと思います。SCP-2121-JP-A-4の時も対象者の肉親の呼びかけには正常な反応を示していました。恐らくSCP-2121-JP-Aとなった後はある程度の交流のある人物の声だけが正常に聞こえるようになるのだと思います。

インタビュアー: なるほど……彼の声を聴いて、あなたはどのように感じましたか？

天宮博士: 藍口は実力だけが私の全てじゃないと言ってくれました。どれだけ否定しようとも自分自身でさえ意識していなかった私の特徴を教えられて、ハッとしました。そうすると意識がだんだん明瞭になっていって、彼のような考え方をしてみても良いかもしれないと思えてきました。その後は玉座の間の大きな正面扉に向かって走り出しました。直感でそこから出れば元に戻れると思ったんです。走り始めた瞬間、先ほどまで私に頭を下げていた従者たちが私を取り押さえに来て、私は床に押さえつけられてしまいました。

インタビュアー: では、あなたはどうやって元に戻ったのでしょうか？

天宮博士: 藍口が、彼が助けに来てくれました。彼は扉を蹴破って部屋に入ると、周りの従者たちを押しのけて私の手を掴み、外まで引っ張ってくれました。扉を開けると眩い光に包まれて、気が付けば彼と一緒に見慣れたサイトの通路で倒れていました。

インタビュアー: わかりました。これにてインタビューを終了します。

天宮博士: あの、最後に一つ聞いてもよろしいですか？

インタビュアー: 私に答えられることならば大丈夫ですよ。どうしましたか？

天宮博士: 彼は、大丈夫なのでしょうか？私が起きた時、彼は意識を失っていました。私は……こんな状態ですからお見舞いに行くことも出来ません。まだお礼も言えていないのに目を覚まさなかったらと思うと、心配で胸が痛みます。

インタビュアー: 彼はまだ意識を取り戻していません。しかし、あなたは大人しくしていれば1ヵ月も掛からず通常業務へ戻されると思います。その後でお見舞いに行ってあげてはいかがですか？彼も喜ぶでしょうから。

天宮博士: そう、ですか。解りました。ありがとうございます。

[記録終了]

+補遺2121-JPを表示

補遺: 医療サイト-81Q6に入院中のエージェント・藍口がSCP-2121-JP-A-6に変化しました。監視カメラの映像によると、エージェント・藍口の頭部は天宮博士に類似した外見的特徴を持つ女性の胸像²に変化し、来院していた天宮博士と融合しました。SCP-2121-JP-A-6の頭部は肥大化し病室内を覆いつくしています。

追記: SCP-2121-JP-A-6からSCP-2121-JP-A-5と酷似した外見の人型実体(SCP-2121-JP-A-5´と指定)が排出されました。SCP-2121-JP-A-6の頭部は肥大前の胸像と同程度の大きさに戻り、常にSCP-2121-JP-A-5´の付近に存在しています。医療サイト-81Q6は現在SCP-2121-JP-A-5´の影響下に置かれており、奪還作戦並びに職員救出の為の調査部隊派遣が計画されています。

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タグ: scp-jp keter 精神影響 変形

下記の画像を加工して使用しています。

ソース: https://pxhere.com/ja/photo/1627555
ライセンス: パブリックドメイン/CC0

タイトル: 不明
著作権者: 不明
公開年: 2020
補足:

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1. portal:5875210 (22 Nov 2019 06:43)

Footnotes

1. ジェットエンジンの騒音が140dBとされています

2. 映像解析の結果、頭部の肉が変形、肥大化した有機的素材によって構成されていることが判明しています