SCP下書き 受験戦争

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: ████大学に一名以上の財団職員を配置し、████大学の一般入試日程にSCP-XXXX-JPの発生を確認次第SCP-XXXX-JP-1の可能性がある人物をリストアップし、████大学の一般入試の試験日にSCP-XXXX-JP-1をカバーストーリー「受験票の確認」を元に別室へと連行し、可能な限りの取り調べを行なった後にSCP-XXXX-JP-1を消滅させてください。

説明: SCP-XXXX-JPは████大学一般入試試験の受験関係者にのみ発生する異常現象です。この異常現象は、████大学入試の受験会場がSCP-XXXX-JPの影響下に置かれた際もしくは敷地内に侵入した際に発現します。
SCP-XXXX-JPでは戦場の風景の幻視や、受験会場内の発言や物音などが前述の幻視の状況と合致するような1幻聴を引き起こします。これらほ認識異常は曝露者によって程度が異なり、曝露者の受験に対する認識や、難易度によって変化するものと考えられます。これらの影響は主に████大学入試試験の受験生やSCP-XXXX-JP-1にのみ影響します。また、受験生以外で████大学入試試験の受験会場にいる人物は、受験生がSCP-XXXX-JPの幻視や幻聴に対する行動を、受験に相応しい態度として認識します2。この認識異常は████大学入試試験会場内のみであり、外部からの観察では、この認識異常が認められませんでした。

SCP-XXXX-JP-1は大学側の発行していない受験票を所持しており、これを用いて████大学受験会場へ侵入し、試験が終わると同時に帰路につき、消失します。現在に至るまでSCP-XXXX-JP-1の出現の確認は成功していません。また、SCP-XXXX-JP-1の中には、お互いに事前に面識があるように振る舞う個体も確認されています。SCP-XXXX-JP-1は話しかけられても特に問題なく応答しますが、SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPの異常現象を目の当たりにしても、それが異常ではないように振る舞います。また、SCP-XXXX-JP-1に対して、本来存在しないはずの受験票や出自などに関して詳しく質問するか、致命傷を負うなどした際に、瞬時にその場から消滅する傾向にあります。
 
SCP-XXXX-JPは████年度の████大学受験後の受験生のSNSにおける書き込みや、合格生の約██%と連絡がつかないことを不審に感じた付近の財団エージェントが捜査した結果、異常性が発覚しました。

補遺: 以下はSCP-XXXX-JPの影響下にある受験会場の探査記録です

調査記録XXXX-JP-Α 日付20██/█/██

目的: SCP-XXXX-JPの異常性を詳しく記録する

調査員: D-34526

記録員: 落内おちない博士

<記録開始>

D-34526: テスト、テスト、聞こえますか。

落内博士: こちら落内、しっかり聞こえます。

落内博士: OK。では……ちょうど今君の隣の人物に話しかけてくれ。そいつはSCP-XXXX-JP-1であることが分かっている。

D-34526: 了解、話しかけます……すいません。

SCP-XXXX-JP-1-α: ……ん? 俺?

D-34526: はい、いきなりすいません。ちょっと、緊張してて。誰かに話しかけないとやっていけなくて……。

SCP-XXXX-JP-1-α: へえぇ、珍しいね。まぁ、よろしくな。

D-34526: うん、よろしく。君も受験生……だよね?

SCP-XXXX-JP-1-α: もちろん! じゃなけりゃここに立ってないよ。ほらこれ、受験票。あの受験会場の門を潜ったら俺たちの戦争の始まりだ。

D-34526: そうですね。1人は心細いですけど、やるしか。

SCP-XXXX-JP-1-α: 心細い? 冗談言うなよ! 袖振り合うも多生の縁だ! みんなで結束してこの戦いを乗り切ろうじゃないか! なんたって、受験は団体戦だからな!

SCP-XXXX-JP-1-β: その通り!

D-34526: うわ!

SCP-XXXX-JP-1-α:おいお前、あんまり驚かせんな。

SCP-XXXX-JP-1-β: へへ、悪いな。ん? そういやあの色ボケ野郎3居ねぇな。あれ、さっきまでいたはず……あ、いたいた。

[SCP-XXXX-JP-1-βが手を伸ばし、1人の人を引っ張る]

SCP-XXXX-JP-1-γ: う、わ!? すいませ……ってお前か。

SCP-XXXX-JP-1-α: わりわり。で、お前どこ行ってたんだ?

SCP-XXXX-JP-1-γ: ああ、向こうにあいつ4がいたから……。

SCP-XXXX-JP-1-β: ……ほーん。

SCP-XXXX-JP-1-γ: っ、な、なんだよ。

SCP-XXXX-JP-1-α: べっつにぃー? なぁ。

D-34526: えぇ? な、なにが?

SCP-XXXX-JP-1-γ: えっちょ、どちら様、あ、まさかおい待っ……

SCP-XXXX-JP-1-α: へへ……こいつな、受験が終わったらそいつに告白するんだってよ。へへっ、にくいなぁこの色ボケ野郎め!

SCP-XXXX-JP-1-γ: うぅ……まぁいいや。えーと、まぁ……よろしく。

D-34526: あ、ああ、よろしく……頑張ろう。

[進展が無いため省略、D-34526、SCP-XXXX-JP-1-α、β、γが校門を潜る]

D-34526: !? 門を潜ったら景色が変わった……! 博士!?

落内博士: 落ち着いて。残念ながらこちらのカメラ映像では普通の大学のキャンパスにしか見えない。詳細を。

D-34526: えぇと、土地が痩せて……いや、焦げてる? 所々抉れてる……まるで戦争映画の中に入り込んだみたいで、周りには何もありません。僕の他にも何人か、戸惑ってるような人が見えます。

落内博士: 把握した、他に何か?

D-34526: いえ、ありません。

落内博士: わかった、何か変わったことがあれば頼む。

D-34526: 了解。

[SCP-XXXX-JP-1-βが前方を指刺す]

SCP-XXXX-JP-1-β: お、見えたぜ。あそこが俺たちの戦場だ。

D-34526: …………え、えぇと……? え、塹壕?

SCP-XXXX-JP-1-β: ああ、なんだ? 今更泥に塗れるのが嫌だってか?

鵜軽: ……博士。

落内博士: こちらからじゃ、ごく普通の受験会場にしか見えない。

D-34526: えぇ……。

SCP-XXXX-JP-1-β: そういやお前達、席はどんな感じだ?

SCP-XXXX-JP-1-α: えぇと、俺は真ん中近くの一番後ろだが。

SCP-XXXX-JP-1-β: 俺は窓際の一番後ろだ。

SCP-XXXX-JP-1-γ: 僕も真ん中近くの1番後ろ。

D-34526: 俺もその辺りだな。

SCP-XXXX-JP-1-α: え、みんな固まってるじゃない。

SCP-XXXX-JP-1-β: へぇ、そりゃ丁度いいな。

[それぞれが席に座り、数十分後に問題用紙が配布され、テスト開始のチャイムが鳴る]

D-34526: え、あの、博士、突撃ラッパが鳴ってるんですが……それに問題用紙も何も配られてない……

SCP-XXXX-JP-1-β: 始まったぞぉぉぉぉぉぉぉお! 俺に続けぇぇぇぇぇぇぇえ! 突撃だぁぁぁぁぁぁぁぁあ!

SCP-XXXX-JP-1-α、γ: うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!

D-34526: ……。

SCP-XXXX-JP-1-α: どうした!? 早くしなきゃ間に合わないぞ!? すぐそこまで英語は迫って生きてるんだぞ!?

D-34526: え……? え、え、え? ええ!? ま、間違いない!? 博士! え、英語が! 英語の大問1の括弧1番が、括弧1番が、突撃してきます!? いやУрааа5って、お前英語の問題だろうが!?

落内博士: ちょ、ちょっと待て。どういうことだ?もっと具体的に説明できないか?

D-34526: え、いや、む、無理です! あいつは……ロシア語で突撃してくるけど、あいつは英語の大問1の括弧1番です!それ以上でもそれ以下でも……えぇ!? なんで俺の手に過去完了形が!?

落内博士: な、なんだって? 過去完了……もう一回頼む。

D-34526: いや、だから……俺の手元に過去完了形が……ぐわっ! くそ! や、やられる前にやるしか!

落内博士: D-34526? D-34526?

[その後70分間進展なし。テスト終了のチャイムが鳴る。]

D-34526: はぁ……はぁ……もう満身創痍だ……。

落内博士: こちら、落内。先程のをもう少し詳しく頼む、リスニング放射器と長文戦車と言っていたところを……。

D-34526: く、詳しくもクソもありません。俺はリスニングに焼かれたと思えば、戦車に轢き殺されて……!

落内博士: う、うぅむ……では体に不調等は?

D-34526: 俺が確認する限り、体に夥しい程の包帯がいつのまにか巻かれていたり、泥や傷に塗れてるんですけど……疲労を感じるだけで特に痛みなどはありません。

落内博士: 分かった。引き続き頼む。

SCP-XXXX-JP-1-β: ちょっとトイレ休憩しに行こうぜ。

[4人で廊下に出る。]

SCP-XXXX-JP-1-α: おう、お疲れ。

SCP-XXXX-JP-1-γ: お疲れ様……。

SCP-XXXX-JP-1-β: 次は数学か……どうだ?

SCP-XXXX-JP-1-α: ああ、あのアホ6が纏めてくれたやつがあるからな、そこまで不安ではないな。

SCP-XXXX-JP-1-β: あのアホが、か?

SCP-XXXX-JP-1-γ: 僕もあの子7経由で貰ったよ……。ちょっと性格悪いだけであいつ頭が悪いわけじゃ無いから……。

SCP-XXXX-JP-1-β: そうか……まぁ、なんだ。そこまで不安になる必要はないだろ。なんだって受験は団体戦だからな。

D-34526: ……?

[トイレの後、教室に入り、数分間沈黙。問題用紙が配布され、テスト開始のチャイムがなる]

D-34526: やっぱり突撃ラッパだし何も配られない……。

SCP-XXXX-JP-1-β: っしゃあ! 気合入れていけぇ!

SCP-XXXX-JP-1-α、γ: うおぉ……!? な、なんだ、あいつは……?

D-34526: な、なんだアレ……?

落内博士: どうした、何が見える、D-34526?

D-34526: いやぁ、な、なん、ですかね? アレ……デカい影……微積巨神兵?

落内博士: 微積……巨神兵?

SCP-XXXX-JP-1-β: どうした、お前ら!?

SCP-XXXX-JP-1-α: な……なんだと……。

SCP-XXXX-JP-1-γ: あ、ありえ、ない……だって、今年の環境は……。

SCP-XXXX-JP-1-δ 今年の環境は微積分とベクトル、とでも思ってたのか?

SCP-XXXX-JP-1-α: ……! 近くに居たのか、お前……ッ!

SCP-XXXX-JP-1-δ ハッハッハ! ずっとあなた達の前にいたのですが……後ろを見なくても、あなた達のアホヅラがよ〜く想像できます! まさか本当に騙されてくれるとは!

D-34526: うおぉ! 博士、博士! 微積巨神兵の前に確率漸化式爆撃機が、空を覆わんばかりに飛んで……!

落内博士: ちょっと、ちょっと待ってくれ。もっと詳しく、具体的な説明を……。

SCP-XXXX-JP-1-δ: くっくっく……今年にその範囲が入るわけがないだろう?

SCP-XXXX-JP-1-α: くそ……騙したってのか……。

SCP-XXXX-JP-1-β: ……待て、お前はともかく、こいつはあの子から貰ったって言ってたろ、てことは……。

SCP-XXXX-JP-1-δ: おおっと! 紹介が遅れたね! 今回、僕に協力してくれた協力者だ!

SCP-XXXX-JP-1-ε: ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!

SCP-XXXX-JP-1-δ: ははは! こいつの親は僕の家に頭が上がらないからね! ちょっと頼んだら快ーく引き受けてくれたとも!

SCP-XXXX-JP-1-α: てめぇぇぇぇぇぇぇッ!

SCP-XXXX-JP-1-δ: ははははは! 何が受験は団体戦だ! 助け合いだ! 受験は個人戦だ! 蹴落とし合いだ! 受かれば官軍、落ちれば賊軍だ! 団体戦だなんてそんななまっちょろい理論で大学に入学できるかよ! 合格のためならなんだってしてやる! ははははははは! お前達の受験戦争はここで終わりだ!せいぜい残りの70分を足掻いて過ごすんだな!

SCP-XXXX-JP-1-β: ……いいや、まだ終わっちゃいないぜ。

SCP-XXXX-JP-1-δ: はぁ?

SCP-XXXX-JP-1-β: まだ終わっちゃいないさ。なぁ、お前らは本当にもう戦えないか?なら思い出してみろ。受験はどうやって戦うのかってな。

SCP-XXXX-JP-1-α、γ ……!

SCP-XXXX-JP-1-δ: とうとうショックで気でも狂ったか?

SCP-XXXX-JP-1-β: やいこの裏切り者!

SCP-XXXX-JP-1-ε ッ!

SCP-XXXX-JP-1-β: お前は! お前が、お前の気持ちを裏切って、親が喜ぶと思ってんのか!?

SCP-XXXX-JP-1-ε: ……! いいえ……いいえ!

SCP-XXXX-JP-1-β: なら俺たちにはまだできることがあるだろ!? 

SCP-XXXX-JP-1-ε: はいっ!

SCP-XXXX-JP-1-δ: お前ら、まさかっ!?

SCP-XXXX-JP-1-β: ほら、これを使えッ! 相加相乗平均弾だッ!

SCP-XXXX-JP-1-ε: あの! 特性方程式小銃です……!

SCP-XXXX-JP-1-δ: 馬鹿、な……冗談じゃない、そんなこと……。

SCP-XXXX-JP-1-α: サンキュー!

SCP-XXXX-JP-1-γ: ありがとう!

SCP-XXXX-JP-1-δ: ありえない、ありえないありえない! 受験は、受験は個人戦だ! 蹴落とし合いだ! おててを繋いで仲良く入学なんて夢物語なんだろ……ッ!? そうだろッ!?

SCP-XXXX-JP-1-α: おいアホ、まだ勘違いしてるのか?

SCP-XXXX-JP-1-δ: !?

SCP-XXXX-JP-1-α: わからないなら、教えてやる。

SCP-XXXX-JP-1-β:受験ってモンはなぁ……!

SCP-XXXX-JP-1-γ お互いに手と手を取り合って……!

SCP-XXXX-JP-1-ε: みんなで乗り越える……!

SCP-XXXX-JP-1-α、β、γ、ε: 団体戦だッ!

SCP-XXXX-JP-1-δ: ぐ、ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁァ!?

D-34526: うわぁぁ!? 博士、博士ーッ! 対数関数列車砲がこっちを向いて!? やめろ、俺は丸腰だ! 撃つな、撃つなーッ! やめろーッ!

落内博士: D-34526? D-34526?

[70分後、終了のチャイムがなる]

D-34526: ……博士、玉音放送が聞こえます。

落内博士: 君は大い健闘した、筈だ。とにかく、これで本日分の調査を終了する。

<記録終了>

追記: 調査当日の████大学入試会場にて、カンニングの疑いがかけられた男女4名が別室へ連行されましたが、その後、その場で消滅していたことが判明しています。

タグ: scp jp 幻覚 視覚 聴覚 認識災害 非実体


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