Tale 胡蝶の夢、南京にて
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……あれ、俺こんなところで何してるんだ?
んー、んん? ダメだ思い出せねぇ、何してるんだ? 何したかったんだ?
いやそもそも……いつからここにいた?
あれ? 俺は今どこにいるんだ?
あー、あー? あー! あああああああああ!
クッソ! なんかイライラしてきたぞ。
なんで、どうしてこんなに思い出せ……。
……あ?
ああ、あれ? なんで、だ?
俺、なんでこんなこと考えてるんだ……?
そうだよ、俺は最初からここにいた。
……え? 気持ち悪いな、なんでこんなことも分からなかったんだ?
だって……
- portal:5848237 ( 24 Apr 2020 15:03 )

誤字報告です。
閉じかっこが欠けています。
「貯まった」のほうが適当かと思います。
内容ですが、面白かったですし、残ると思います。詳しくは存じ上げていないのですが、大正時代が150年続いているカノン(?)の記事でしょうか。
文体については、やや砕けた感があり、人によっては拒否反応を示すかもしれませんが、これくらいであれば私は大丈夫でした。
幸せな出来事が夢だった、という展開についてですが、これについてはすでに(SCP限らず)かなり扱われているものになります。ある種のステレオタイプと呼んでもいいかもしれません。私自身もそういったものはかなり読んでいるので、新奇的な驚きや強い情動を喚起されることはありませんでしたが、表現の工夫などで十分面白くなっていると思います。
拝読しました。
全体的に
主人公の感情や状況認識の変化を軸に、「天皇機関」の拡大によって荒廃していく南京を描写した作品であると受け取りました。しかしながら、肝心の主人公の状況認識に読者を没入させることに失敗しているように思います。前半の主人公と幼馴染の一連の会話や、主人公の視点で展開される夢の中の描写はステレオタイプなもので、あまり魅力的に思えませんでした。南京という舞台設定や年代(大正時代か昭和のはじめ?)もあまり作中で活かせていないように見えます。現状で投稿された場合はDVです。
文体について
かなり個人的な感覚によるものなので、こういう意見もあるのか、程度に考えてください。
かなり読みにくく感じました。特に冒頭の1・2ページで地の文が少なすぎ、また台詞に含まれる情報量も薄いので、読者を置いてきぼりにしています。このtaleの趣旨からして、ギャグ主体の小説のような軽妙な掛け合いはもっと削り、地の文を増やしたほうがいいでしょう。
台詞中心のライトな文体であること自体は特に問題ではありませんが、台詞回しや表現が時代背景には合っておらず、かなり強い違和感がありました。基本的な部分は変えずに、カタカナで「イライラ」「クソ」などと書いてある部分を漢字に変える、「気持ち悪い」ではなく「気味が悪い」のように多少古めの表現を使うなど、それらしい雰囲気を出すために色々工夫できると思います。たとえば、この時代にまだジープはありません(1940年開発です)し、南京の一般市民に「ウィットに富んだジョーク」という語彙はおそらく存在しません。
構成について
ページ遷移構文を使う意味が特に感じられませんでした。ページ遷移は通常、遷移前と遷移後で「ページを移動する必要があるほどの」顕著な世界観や情報量の差を読者に認識させる演出ですが、この作品ではそれほど重要なギミックになっておらず、むしろ可読性を下げています。
記事の冒頭、ツカミの部分は非常に重要な役目を持っており、作品の世界観や時代背景、語り手のバックボーンなどを読者にスムーズに受け入れさせることができる玄関口です。ここを「主人公が何かを思い出せずイライラする」「幼馴染とのテンプレ的な喧嘩をする」というだけに消費してしまうのは非常に勿体ないです。主人公の性格や幼馴染への感情、時代設定を活かした日常描写や(おそらく)雇用主だろうルオとの関係など、盛り込めるはずの情報がたくさんあると思います。
4ページ目で、まだ主人公は夢から醒める前なのに「洋服の男」の視点に切り替わるのもかなり違和感がありました。ネタバラシをする6・7ページ目よりも前はあくまで主人公の視点で進行した方がいいでしょう。
展開について
統一感がなく、シーンごとの繋がりや役目が明確に考えられていないという印象を受けました。主人公が次第に夢の中の情景に違和感を覚えていくという構成でありながら、その流れが一貫していません。1ページ目で「だってここは俺の家じゃないか」といいながらなぜそう思ったかの理由が示されないことに始まり、展開の順序や理由付けがはっきりしないことが多く、物語のオチありきで個々のページの面白さやシーンごとの繋がりを軽視しているように見えます。
また中盤以降、「洋服の男」たちが主人公を追いかけ、また協力する動機が明らかではないので、急に出てきて主人公に夢を気づかせたあと意味深にオチをバラすというかなりご都合主義的な存在になってしまっています。男たちの行動する動機を、地の文でも彼らの台詞でも良いので読者にしっかりと説明するべきでしょう。
最後に
夢や幻覚の中にいることに気付かされて正気に戻る(あるいは狂気に陥る)という展開自体は、様々に料理することができるテーマです。しかし現状では、物語の展開を実現することに気を取られて説得力のある肉付けができていないように見えます。全体的なプロットはこのままで十分魅力的だと思うので、肉付けをしっかりとすることを考えてはいかがでしょうか。