Tale 大正150年大冒険譚

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「ヱレベヱタアヲ抜ケルト、其処ハ異世界デアツタ」

「おいやめてくれたまへよ、お前まで正気を失って仕舞えば、私まで狂うだらう」

「オマエモナー」

「古くて藁」

「……そろそろ誰かが止めるべきだと思う」

「ここにツッコミ役なんていやしねぇよ」

「なんと言う地獄か」

「大正って言うらしいぜ」

「クソが……」

とある部屋、男3人が駄弁っていた。その男は、ある意味では浮いた服装であり、また別方面から見れば、然るべき服装とも言える。

彼らのその目立つ、自然界にはあり得ないオレンジ色の服装は、囚人の着用するそれを彷彿とさせる。事実、彼らは過去に大罪を犯し、刑務所に放り込まれた。しかし、残り短い命ではあるが、一度SCP財団を名乗る集団に掬い上げられた。

財団が彼らに突きつけた条件は至極単純、死刑を免除する代わりに死の危険がとても高い任務をしてもらうと言うものだった。

彼らは、最初はチャンスだと思っていた。任務を聞いた限り、どうにも死の危険のしの字も感じられないデパートのエレベーターの調査ということ。それもかなり人気のデパートだ。これなら白昼堂々逃げ出せるかもしれない、そう思いながら嬉々として任務を引き受けたが、彼らの考えは甘すぎた。

財団の警備は手厚かった。一見私服に見えるが遠目から見ても目立つこと間違いなしのこの派手なオレンジの服。そして万が一にも逃げ出そうとしたら容赦なく始末すると言われては、大人しく従う他無い。

そうして従っていたら、いつのまにかエレベーターが大正が150年まで続いている異世界に繋がっていて、指示に従うままにそこで色々していたら瞬く間に人型の機械によって再びめでたく1人、また1人と豚箱へとぶち込まれることと相成った。

「ていうかよ、ここに入れられるときの憲兵のあの態度見たかよ?」

「ああ、もうこいつら囚人服着てるしそのままでいいやみたいな反応だったな」

「いや全然そんなことなかったが」

「顔もじろじろ見られたしよ。カーッ、今思い出しただけでも腹が立つ!」

「こいつは間違いない、悪人の顔だ! と言わんばかりのあいつらの顔な!」

「……いや、手配書を見ながらだったし、どっちかといえば確認って言葉の方が合ってるような」

「「お前いい加減黙れよ」」

「なんだお前ら……」

そんな、和気藹々とまでは行かなくとも、牢獄の中で話していると、1人の憲兵が近づいてきた。うるさいぞと注意されるのかと思い、身構えていた3人は、次の言葉に耳を疑うことになる。

「君達の潔白が証明された。不自由な思いをさせて済まなかった」

「「「へ?」」」

牢屋を開けながら、そう言って頭を下げる憲兵を前に、男3人は動けない。

「……何かのドッキリですか?」

「実はそう言っておいて死刑とか」

「事情を説明してもらえませんか?」

三者三様の反応を返す中、憲兵が最後の言葉に反応して、説明を開始する。

「君達は当初の通報では、この帝都を脅かす指名手配犯として通報されたのだ」

「「「はっ?」」」

「だが、その指名手配犯が未だ活動していることが判明して、君体の潔白が証明された。すまなかった、今後は電脳に登録されるから、憲兵に訳を話せばすぐに解放してくれるはずだ」

「「「は、はぁ……」」」

「では、ついてきてくれ」

言われるがまま、後ろをついていく3人。そのまま拘留所の外まで案内され、そして晴れて自由の身になった。


「いやいやいや、晴れて自由の身になったじゃなく」

「どうすんだこれ」

「……とりあえず、ここに居るのは居心地が悪いから移動しないか」

「「それもそうだな」」

その提案に乗り、とりあえず歩きながら話し始める3人。

「……どうするんだ」

「これ……色々外されたよな? 通信機とか……」

「あわやテロ犯扱いだったがな」

「いや、それ以前にだよ、どうやって生きていくんだって話だ」

「もっかいあのエレベーターに乗るか?」

「いや、いやいや! それは結局豚箱に戻るだけだ! これはチャンスなんだぜ!?」

「だがこっちも向こうも居場所がないことにゃ代わりない」

「そもそもなんだよここ、大正時代って言い張るには発展しすぎだろ、東京よりも発展してんじゃねぇのか」

「揃いも揃って身体に妙な機械取り付けてやがるし」

「並行世界ってやつなのか?」

一向に結論の出ない議論を続けている中、唐突に第三者の声が投げかけられる。


「指名手配犯が活動しているという話を聞いてきたのですが!?」


「「「あっすいません人違いです」」」




「今日も大成功だったなぁ!」

「あの憲兵どもの顔見たかよ!? 阿保面かましやがって、なっさけねー!」

互いの顔すら見えないような薄暗い場所、むせかえるような匂いの中、2人の男が身を寄せ合っている。そこに、1人の男が合流した。

「おうおかえり、何かあったか?」

「帝都の奴らはびびってたかぁ?」

新しく入って来た男は、少し話すか躊躇うようにした後、思考を振り切るように首を振ってから話し始めた。

「ちょっと気になることを小耳に挟んでな……どうにも、俺らを名乗る奴らがいるらしい」

「はぁ? どういうことだよそれ」

「おいおい、俺らもフォロワーが付くぐらい人気が出たのか?」

「実際には賞金が付けられて手配書が出回ってるんだがな」

「フォロワーかぁ。嬉しい、嬉しいねえ。だがちょーっとオイタが過ぎるようなら、釘を刺す必要があるんじゃないのか?」

「ちげぇねぇな」

「聞いたところ、あちこちに出没してるらしい。多分、張り込んだらすぐに見つけられるはずさ」

「それもそうだ。へへ、フォロワーとやらの顔を拝んでやろうじゃないか」

「全く、怖いもの知らずだなぁ……」

「ああ、ついでと言っちゃなんだか、ここのアジト足がついたぞ」

「「それを先に言えよ!」」

3つの帝都の闇が、慌ただしく動き出した。




日も暮れて来た頃、裏路地を歩く、派手なオレンジの服を着た3人の男の影が。

「しかし結論がでねぇ」

「いい加減腹も減ってきたぞ……」

「あのエレベーターに乗るっきゃねぇのか?」

「だが戻ればまた豚箱……」

「でもこんなところで野垂れ死ぬよかましじゃないか?」

「うー、うー、どうするよ、どうするかなぁ」

「ここに指名手配犯がいると聞いて来たのですが」

「「「あっ人違いです」」」

そそくさと訳を話してその場を立ち去る3人。

「というか、いい加減誤認も腹が立ってきたぞ。何回目だこれ」

「イタズラなのかって聞いたらどれもマジの通報らしいし……どれだけ俺らと顔似てるんだよ、ていうかどれだけ手配書出回ってるんだよ」

「電脳ってやつの仕業なんじゃねぇの? 手配書がすぐに出回って……」

「はー、ネットみたいなもんか。どの世界でもネットは必要なんだな」

「まぁコミュニケーションの最終形態的な感じはあるよな」

「電脳のおかげで苦しめられて、電脳のおかげで助けられてるようなところあるな」

「……ほんとに餓死する一歩手前まで行ったら、俺はあのエレベーターに乗るぜ」

「……ほんとの最終手段な」

「死ぬよかましか……」

「ここに指名手配犯がいると聞いたのですが」

「「「人違いです」」」

手慣れたように事情を話して解放される3人。

「いやほんとにイライラして来たな……」

「もう戻るか? 餓死まで待たずに」

「ずっとこんなんが続くようじゃ考えもんだよな……」

「もういっそ次シカトするか?」

「逆ギレも手」

「でもそれでまた拘留所ってのも……」

そのとき、背後から聞き慣れたそれが3つ投げかけられる。

「すいませぇーん、ここに指名手配犯がいるって聞いたんですけどぉ」

「怖い怖ーい指名手配犯がさぁ」

「心当たりありませんか?」

3人の心の中は、またかよという思いで満たされる。そして、その掛けられた声に違和感を抱かないまま、怒声を張り上げる。

「「「だからァ! 人違い……で……」」」

3人が掛けられた言葉に反応して振り向くと、そこには……。

「「「「「「お、俺……?」」」」」」

瓜二つなんて言葉で片付けられないほど、自分に酷似した自分が居た。


「「お、おお、おおおおおなんだお前ぇ!?」」

「「んな、んなんなんで俺が!?」」

「「お前ら初対面で息ぴったりかよ!」」

「「「「お前がいうな!」」」」

三者三様、しかし対面している相手と全く同じ反応を返す様に、双方から戸惑ったようにタイムがかけられ、お互いに地面にしゃがみ込み、話し合いを始めた。

「おい、おいおいどうなってんだよこれ」

「どうするも何も……ありゃあ俺だぜ! ド、ドッペルゲンガーってやつか!? もしかして、俺あいつに殺される!?」

「いや待て、おそらく並行世界なんだよ。だから、未だ捕まってない俺たちがこうして活動してるんだ」

「うぅん、それが一番ありえる、か?」

「てか、そうだと信じてぇよ。ド、ド、ド、ドッペルゲンガーから俺、俺……」

「安心しろ、大丈夫だ」

「いや待てよ、並行世界……? そうだ、いいことを思いついたぞ」

「な、なんだよ」

「本当か?」

「ああ、ちょっと俺に任せとけ」

話し合いが終わり、同時に立ち上がる2組。

「「あー、話が……」」

そして同時に話し始める。

「ま、待て、分かった、お前が俺なのは分かった。この世界における異物は俺たちだ、俺たちの説明からさせてくれ」

「「「ああ、分かった」」」

「よし……俺たちはここじゃない世界から、迷い込んだらしい。並行世界ってやつだ。だからこの世界に俺じゃない俺がいる」

「ああ、俺達もその結論を出した。どうにも、その服はこの世界のどの文化にも当てはまらねぇ」

「俺達はこの世界で生きる術が欲しい……だから、ちょっと匿ってくれないか、この通りだ、頼む」

「それはいいんだがな、ちょっとばかり条件をつけさせてもらうぜ」

「……なんだ?」


「その並行世界への行き方……それを教えちゃくれないか?」


「……なんてこった、さすが俺と言ったところか……考えてることは一緒か? 最初から、本当にそれを対価にするつもりだった」

「……いや、正直な、俺もこの取引が絶対に成功すると思ってた」

「じゃあ俺も正直に言おう。俺達はこの世界に住みたい」

「……はは、俺も正直に言えば、お前らが元いた世界で住みたい」

「「は……ははははは!」」

2人の笑い声が響く。その他4人は、ただ困惑しながら成り行きを見守る。

「OK、取引は成立ってことだ。とりあえず、俺たちにその並行世界の生き方を教えてくれるか?」

「ああ、とはいっても簡単でな、暁星屋百貨店ってあるだろう、あれのエレベーターに片っ端から乗って降りな。そうすれば、どこかで並行世界に繋がってるハズだ」

「ほう、暁星屋百貨店か……分かった、俺らはそこに行く。だから、お前達は俺らのアジトに行っておいてくれ。場所はそう遠くない、ちょっと待て……ああ、これだこれ。この地図にある場所が俺らのアジトだ。何、俺達は指名手配犯だが、今まで捕まってないんだ。そのアジトも、安全だぜ」

「分かった。なら、向こうの世界に行くなら、怪しまれないように俺らの服を着た方がいい。せっかくの並行世界、奇妙な目で見られるのも嫌だろう? あと、そのまま百貨店を彷徨いてりゃ、必ず声がかけられるハズだ。憲兵じゃねぇから安心しな。そいつに着いて行けば、少なくとも飯と寝床には困らないさ」

「なるほど、そうさせてもらうぜ。ならお前達は俺らの服を着ればいい。その服、こっちの世界じゃ目立つだろう」

「「さすがは俺、話が分かる」」

そういって、いそいそと服を脱いで、お互いに交換する2組。

「じゃ、俺達はもう行く」

「ああ、また会おうぜ」

「「行くぞお前ら」」

完全に置物と化していた4人が、ペコリと会釈をして、それぞれ後ろに着いていく。




帝都の闇夜に、気なれない和服に戸惑いながらも、歩く人影が3つ。

「くくく、あいつぁ馬鹿だ、生粋のバカだ!」

「ど、どうしたんだ急に」

「自分で自分に馬鹿って恥ずかしくないのか?」

「だが馬鹿と言わざるをえんだろ! 何せ俺達はほとんど罪を帳消しにして新しい人生を歩めるんだからな!」

「「まぁ、それもそうだな」」

「お、地図によるとここか。……うん、汚いな」

「しかもなんか臭せぇぞ」

「まぁ、こと程度ならまだ耐えられるといったところか……」

「ま、中に上がり込もうや。ここが俺たちの人生の新しい居場所だ!」

その時だった。




都市東京の百貨店に、気なれない洋服に戸惑いながらも、歩く人影が3つ。

「くくく、あいつぁ馬鹿だ、生粋のバカだ!」

「ど、どうしたんだ急に」

「自分で自分に馬鹿って恥ずかしくないのか?」

「だが馬鹿と言わざるをえんだろ! 何せ俺達はほとんど罪を帳消しにして新しい人生を歩めるんだからな!」

「「まぁ、それもそうだな」」

「アイツによると彷徨いてるだけで部下が話しかけてくるらしいな……お、あの男じゃないか? 俺らを見て一目さんに駆け寄ってきてるぞ」

3人と男が接触するまで、あと……




「こっちだ!」

「出会え、出会えーッ!」

「目標の3人組を発見! 直ちに確保する!」

「「「な、な、な……?」」」

困惑する3人、瞬く間に憲兵に囲まれた3人は、ジリジリとその距離を詰められる。

「貴様らだな! タレコミにあった指名手配犯というのは! 貴様らの罪は重いぞ! テロ、不法占拠、麻薬密売、強盗、殺人……よもや執行猶予は無いと思え!」

「「「ひ、ひ、す……」」」




「こちらエージェント・速水! Dクラス職員3人と接触しました! これより回収します!」

「おいD-26489、D-26490、D-26491。お前達、通信機はどうした」

「! お前達、装備を全て外しているじゃ無いか! お前達離れろ!」

「「「な、な、な……?」」」

困惑する3人。瞬く間に財団エージェントによって取り囲まれた3人は、ジリジリと一度離された距離を詰められる。

「お前達には今からサイトに戻ってSCP-2061-JP-Aに関する情報を言ってもらう。それが終われば、また次の任務に着いてもらうぞ」

「「「ひ、ひ、す……」」」







「「「「「「す、すいません、人違いですぅぅぅぅぅぅぅう!?」」」」」」

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