SCP-XXXX-JP 嗚呼、栄冠よ。

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの意図せぬ発生を防ぐ為、午前0時から午前2時までの間、バックスクリーンへの立ち入りを禁止してください。また実験を行う際にはクリアランスレベル2位上の職員の同意を得た上で実行してください。SCP-XXXX-JPを用いて実験する際は、3回以上連続で同じSCP-XXXX-JPの発生に繋がってしまう全国高校野球選手権大会に縁のある物品(以下、被験物と表記)もしくは人物(以下、被験者と表記)を避けてください。

説明: SCP-XXXX-JPは阪神甲子園球場にて発生する異常現象です。SCP-XXXX-JPは午前0時から午前2時の間にバックスクリーンに被験者もしくは被験物を伴った状態で侵入することで発生します。被験者でもない人物が被験物を所持しない状態でバックスクリーンに侵入してもSCP-XXXX-JPが発生することはありません。バックスクリーンに侵入すると、グラウンド内にて、最低16体の人型実体(以下SCP-XXXX-JP-αと表記)が出現します。これらの人型実体は過去に全国高校野球選手権大会に関わったことのある人物に酷似しています。またこの際、元々グラウンド内に居た人物は阪神甲子園球場内にランダムに転移します。

それぞれのSCP-XXXX-JP-α実体は被験物、もしくは被験者に関係のある、過去に開催された全国高校野球選手権大会にまつわる事象を大凡再現します。被験物もしくは被験者が複数の試合に縁がある場合、ランダムな1つが再現されます。この際、被験者はグラウンド内に転移し、SCP-XXXX-JP終了後再びバックスクリーンまで転移されますが、被験物は転移して以降、再びバックスクリーンに転移されることはありませんでした。これらの被験物の移転先の特定は全て失敗しています。またこれらのSCP-XXXX-JPはスタンドやベンチなどから観測が可能です。

転移した被験者は抗い難い欲求を覚え、SCP-XXXX-JPに加わります。この際被験者は年齢や体格等その当時の状態になりますが、記憶のみは現在のままに参加します。バックスクリーンに戻る際には転移前の状態へ戻りますが、SCP-XXXX-JPに参加した際の記憶は消されることはありません。

このSCP-XXXX-JPは夜間にバックスクリーンに侵入した警備員がSCP-XXXX-JPを発生させ、参加。これを潜入していた財団Agtによって発見、収容されました。警備員は後に記憶処理を施されました。

実験記録XXXX-4 - 日付20██/██/██

対象: Agt.██

実施方法: 全国高校野球選手権大会出場経験のあるAgt.██をバックスクリーンに侵入させる。

結果: Agt.██がバックスクリーンから消滅し、池田高校のユニフォームを着用し、今より若返った状態でグラウンド内に転移。困惑していたが、試合の再現に加わった。分析の結果、第69回全国高校野球選手権大会、池田(徳島)-八戸工大一(青森)戦と判明

追記: Agt.██はイベント終了後、軽くインタビューを受けたが、特に異常はなしとしてそのまま任務を続行した。

実験記録XXXX-8 - 日付20██/██/██

対象: D-30164

実施方法: Agt.██の提案によって第74回全国高等学校野球選手権大会、明徳義塾高(高知)-星稜高等学校(石川)戦に縁のある物品を持ち込んで再現する

備考: 当試合は星稜高校の松井秀喜選手を明徳義塾高校側が5打席連続敬遠したことで社会現象となった。

結果: SCP-XXXX-JPが進むにつれ、守備に着く明徳義塾高校のユニフォームを着た人型実体は常に苦しむような素振りを見せていった。

分析: 過去の実験の実例と比較してもここまでSCP-XXXX-JP-α実体が再現を拒むような素振りを見せたのは初めてです。-矢弾博士

実験記録XXXX-9 - 日付20██/██/██

対象: D-30164

実施方法: D-30164に2020/5/20に阪神甲子園球場にて採取した土を所持させ、侵入させる。

追記: 2020/5/20は第102回全国高校野球選手権大会の中止が発表された日である。

結果: 試合再現は行われなかった。

分析: 被験物を持ち込んだ状態で何も無かったのは初めての事例です。-矢弾博士

補遺-1: 以下はSCP-XXXX-JPによるインシデント記録です。
インシデント記録XXXX - 日付20██/██/██

サイト81██にて稼働しているカント計測器が兵庫県西宮市近辺にてヒューム値の減少を観測しました。財団による調査の結果、第██回全国高校野球選手権大会、[編集済み]戦の結果が改変されており、勝敗が覆ることはありませんでしたが試合結果が大幅に改変されていました。改変された試合は実験にて3回連続で再現されていた試合であり、その試合結果は最後に行われた試合の再現の結果と一致していました。

補遺-2: 以下はAgt.██と矢弾博士との第2回インタビュー記録です。

<録音開始>

矢弾博士: では、始めさせていただきます。よろしくお願いします、エージェント██。

Agt.██: よろしく頼む。それよりも、急に呼び出して悪いな。

矢弾博士: いえ、構いませんよ。それよりも、実験9で新たに伝えたいことがある、とは?

Agt.██: ああ。言う必要は無いと思ってたんだがな、インシデントXXXXを受けて気が変わった。伝えたいってのは実験4、8、9だな。実験4はそういうもんだと思った。実験8の時は気のせいだと思ってたんだが、実験9で確信した。

矢弾博士: …それは何を?

Agt.██: SCP-XXXX-JPは、どこまで再現するのかって事だ。

矢弾博士: どこまで、とは?SCP-XXXX-JPは確かに過去の試合の正確な再現ではありませんでしたが…。

Agt.██: 確かに試合結果は正確じゃない。だがそれ以上に別のものを正確に再現していたんだ。むしろ、試合結果は単なるおまけでしかないのかもしれない。

矢弾博士: それは?

Agt.██: 思いだ。実験9じゃ、残念、悔しい、腹立たしい…とかかな。そんな思いが、俺に伝わってきたんだ。スタンドにいるだけの俺にな。実験9で試合は再現されなかったが…間違いなく、あの何も無かったグラウンドには夏を待ち望んでいた球児がいた。SCP-XXXX-JPはその思いを再現していたんだ。だから、実験4の時、俺はSCP-XXXX-JPに抗えなかったんだ。

矢弾博士: なるほど、その説は一考の余地があります…実験8の時にも感じていたと言っていましたね。実験8の時も、無念を?

Agt.██: 無念もそうだが…今思えば、あれは後悔か、後悔だな。

矢弾博士: 後悔ですか。

Agt.██: 甲子園っていうのは、もちろん球児だけじゃ成り立たない。それを支える親やスポンサー、待ち望む大衆がいないといけない。彼らは、甲子園に立つ球児に対して、こうであってほしいと願う。そして球児達は今まで積み重ねてきたモン全部投げうって死闘を尽くし、彼らの期待を、いつだって上回り続けてきた。

矢弾博士: 彼らの期待の下を行く行為をしたから、悔やんでいると?

Agt.██: …分からん。試合が始まれば、どちらかの夏が続いて、どちらかの夏が終わる。それに優劣なんてないし、貴賎も無い、と俺は思う。彼らは初めてSCP-XXXX-JPの参加に拒否を示した。だが投げ出す事はなく、最後まで戦い抜いた。

矢弾博士: たとえ辛い物だったとしても思いを違うことは無かったと?

Agt.██: だからこそ怖いんだ。実験4であの場所に立って思い出したよ。灼熱の甲子園のグラウンドに立つ俺らを形作る、夢や理想なんて言葉じゃ済ませられない、もはや怨念のような執念をな。既に終わった過去の試合の内容を改変しまうほどに肥大化したそれが…。

矢弾博士: 良い方に転がって欲しい…というのは、楽観ですか。

矢弾博士: 弱気になっている場合ではありませんね、彼らの思いは、我々が保護する他ありません。

Agt.██ おう、その意気だ。

矢弾博士: 時間ですね、エージェント██。今日はありがとうございました。

Agt.██: ああ、こっちこそ、いきなり呼び出して悪かった。

矢弾博士: 大丈夫です。ではまた。

<録音終了>


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