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「やあ、久しぶりだな。一体何をしてるんだ?」
ゴミ箱の整理だ。良い加減ゴミも増えてきたからな
「その割にはちっとも進んでねぇみたいだな」
喧しい。思い出に浸ってるのさ。初めての作品、試行錯誤して、使い慣れないコマンドを使って書いたもんだ。
「その為に3日間下調べしてたもんな」
批評に載せて、ずーっと待って、満を辞して打ち込んでやった。
「その結果、ゴミ箱の一番下にそれがあるんだろ?」
チッ、大正解だよ。ゴミ箱の一番下で泣いてやがるぜ。
「まあ良い。次のゴミは何だ?」
エマニュエル。懐かしい名前だろ?
「カルタゴ野郎か。確かに懐かしい名前だな。どうしたら手強く見える様に、さぞ苦労して造形しただろうな」
ああ。ジョージ・オーウェルの爪の垢にも劣る物語と、モデルになった天才の本さえ読んだ事が無い奴が作ったゴミだ。
「で、そこから進歩はしたのか?」
今モデルになった男の本を読んでるそうだな。少しは理解できたみたいで、何よりだ。
「おい、このゴミはちょっと他とは違うぜ?」
ゴミ箱行きになっても、ある程度の改善があったみたいだな。ゴミ箱の中で、悪いところを探して書き直したみたいだ。
「結局ゴミ箱からは出てこなかったけどな」
ほざいとけよ…。で、次はこいつだ。設定集以上にはならなかった報告書。
「へぇ…。トーキョー・コミューンに日本新生産業京都総研…。何だこいつは。アイツが中学生の時にあれから妄想してた恥ずかしいノートじゃねえか」
言ってやるな。そんな事はアイツ自身承知の上だろ。覚えてるぜ、雨に降られながら学校の帰り道、必死で考えてるアイツの姿を。
「お前はアイツに甘いな。その辺も美徳なんだろうが」
次のゴミは…コイツだな。
「ゴールドベルクの続編か。またお粗末な出来してやがるぜ。こんな恥ずかしいもんよく人様に見せられたもんだな」
結局コイツもゴミ箱送りになった訳だ。そろそろ一年経つんじゃねえか。さてと、次のゴミは…アッハッハッハ!
「何だいきなりアホみたいに笑いやがって!」
コイツだよコイツ。「愚者の贈り物」。
「ああ…過去最高クラスにボロクソに言われたやつだな。アイツメンタル弱いから、これ見た瞬間自殺するんじゃねえかと思ったぜ」
まさかまさか…。にしても傑作だな、やっぱりドシロートがランボーの真似しても、猿真似にもなりゃしねえ。ランボーの猿真似ができりゃ、今頃アイツは物書きで飯が食えてるぜ
「全くその通りだな。アイツの場合、『地獄の季節』が単なる『地獄』になっちまう」
違えねえ…。さて、そろそろ最後に近づいてきたな。これだ。
「由利﨑か。過去一番適当に書いたやつだろ?」
当人はフランツ・カフカかアルベール・カミュを気取っていたがな。全く…!訳のわからんものを書けば文豪になれる訳じゃねえっての。
「待て待て。アイツを書き下ろすのは俺の仕事だ。お前がやってどうする」
すまん。つい口が滑ってな。にしても、これは今までで一番「ゴミ」と言われてたゴミだな。
「言葉を慎め。『しょーもない』くらいに留めておいた方が身の為だ」
へいへい、そうするよ。そうしないと、ここに出てくる奴みたいに「ドロドロに溶かされ」ちまうからな。
「これで終わりか?」
いや、正確には後もう一つ…。これだ、左坂勘四郎。
「コイツはまだゴミじゃねえんじゃねえか」
事実上はもうゴミだな。何処に出しても馬鹿にされるだけだ。左坂もかわいそうな奴だよ。生まれてすぐ、こんな咬ませ犬みたいなことをやらされた挙句、誰の目にも触れずにゴミ箱行きになるんだから。
「…なあ、お前。どうしてお前はこんなことしてるんだ?」
こんな事、って?
「ゴミの整理さ。本来ならアイツがやるべき事だろ?なのにお前がやってる」
仕方ない。アイツはここまで手が届かないんだ。越えられない壁って奴だな。
「だから代わりに、この世界に居るお前がやってるのか?」
大正解。アイツはこっちまで手が届かないが、俺は届く。俺がアイツの代わりに、ゴミを発掘して、晒してやるのさ。
「…虚しくならないか。お前が作ったわけでもない、単なるゴミの整理をするなんて。大昔に無価値と言われたものを見直すのに、何の意味がある?」
良いんだ。アイツはゴミと言ってるが、このゴミ一つだって一つの世界だ。世界は広いぞ?きっとアイツにとっては、何か得るものがあるさ…。
「じきここも消えるぞ。消えた後は、俺たちもゴミ箱送りだ。俺たちが生きていられる時間なんて、殆どない」
…元々その為に、俺たちはここに居るんだ。ほんの僅かだっていい。歴史の中の、ほんの僅かな間、俺たちが生きていたなら、俺はそれでいい。このゴミ箱の連中は、アイツの未熟に殺された。俺たちだってきっとそうだろう。まあ、それも悪くないんじゃねえか?
「人生の損失だろう。この世界は優しくなんかない。アイツの居場所はここには無いんだ。虚構の世界でまで否定されて、こき下ろされる…。そんな事を続けるなんて、俺には理解できない」
意外だな。お前がアイツの心配をするのか。お前の事だから、「俺たちが死ぬ時、アイツは子供を殺されるのと同じだ。そう思うと溜飲も下がる」位は言ってくると思ったぞ。
「それも悪くは無いな。俺はアイツが嫌いだ。だから、俺たちが死ぬ事で苦しむなら、溜飲も下がる。…アイツにとっても、ここは居心地が悪かろう。俺にとっても、ここに居るのは苦しみしかない」
違いないな。財団の敵だろうと、味方だろうと、アイツが作った人間は、結局のところ苦しむしかなかった。アイツがいる事で、誰も幸せにはなれなかった。当の本人もな…。ところで、時間は大丈夫か?もう殆ど時間はないんじゃないか?
「そうだな。72時間あった砂時計の砂が、もう無くなりつつある」
だろ?お前の方が先にここに来たから、お前の方が数秒先に消えることになるな。
「けっ!ゴミ箱の仲間入りかよ…。まあ良い、これでアイツのツラも、嘘に塗れたここからもおさらばできる。もう二度と顔を見る事はねえな!ほら、よく見ろ。71時間59分59びょ…」
……そんな寂しいこと言うなよ。またアイツは戻ってくるかも知れないぜ。なあお前ら。アイツはまたゴミを貼り付ける。アイツはまだ諦めてないからな。お前らが不快になろうが、アイツには知ったことじゃ無い。だから、発想の掃き溜めに行く前に言っておく。「また会おう」
- portal:5825127 ( 01 Nov 2019 09:12 )

文章はすっと読めますね。読んでいてストレスの少ない綺麗な文体です。
ここがよくわかりません。
内容ですが、恐らく過去に書いてうまくいかなかった作品をモチーフにしていますよね。僕自身は、元ネタありきではなく、文章で読ませる力があるなとは思いましたが、やはり知らない話を展開されていると感じる読者は多いでしょう。もう一つ何か工夫があった方がいいですね。(もちろんディスカッションとかで触れるでもいいのですが)
批評ありがとうございます。お察しの通り、過去の自分の作品をモチーフにしています。確かに、初見では読みづらいかと自分でも感じました。雰囲気を残しつつ、読みやすくできる様修正したいと思います
サンドボックス3オペレーターです。
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