彼の死、そして誕生へ捧ぐ短い詩
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身体を伝うのは生暖かい液体だった
それは生命を廻す鮮血の色だった
手に持ったアミュレットの中心と同じ紅だった
私を襲った彼のタトゥーと同じ紅だった
目を覚ました時には朱色のツナギを着ていた
手にはあのアミュレットを持っていた
中心の紅を見て、あの鮮血の記憶を思い出した
私はあの時死んだ筈だった
今でも偶にあの夢を見る
全てが真っ赤に染まったあの時の夢を
私はいつもそれを俯瞰の視点で見る
それは私に起こった出来事ではなくて
私ではない別の人が死んだように
そういう風にあの時の夢を見る
私は死んだ
偽名を使っていた私は死んだ
ジェームズ・ブライトは死んだ
アミュレットに遺されたのは唯の人格だ
私はもはや人間ではない
私はもはや帰るべき場所を持たない
私はもはや偽名を持たない
私の名は
ジャック・ブライト。あんたもよく知ってるだろ?
- portal:5818807 ( 29 Oct 2019 11:29 )

私には詩の特性を生かし切れていないように思えます。
詩というモノは、あくまでも私の経験上ですが、一意的に言葉の意味を定めるものではなく、「一意的に言葉が定まっている」ように見せて実はこの上ないほど多義的な解釈ができるものです。
さて、本文ですが、スポイラーにもある通りに
というのは十分すぎるほど伝わります。しかし、これ以外があまり読み取れませんでした。私の目には、いささかこの文章が浅いように見えます。
必ずしもこれ以外のことが「はっきりと読み取られる」必要はありません。「これ以外のこと」の例として「主題」というモノが挙げられます。これは、たとえば自著の『氷河―水』を引き合いに出すなら「時間の流れを細かく無限に分けた瞬間こそが今であり、我々は今以外に存在していない」という主題の周りに文章を組み立てたものです。
効果的な方法として、全文を遠大で壮大な比喩表現で埋めてしまうという手もあります。主題を定め、スポイラーで書かれているとおりの「言いたいこと」を何度も婉曲して伝えたりするなどすると、良かったりするかもしれません。
ありがとうございます。この手の書き方は慣れていないもので、詩に強い(?)2MeterScaleさんから批評を頂けて幸いです。
実際この文章は内容がかなり浅いと思いますし、きちんとした主題も定まっていないのが現状です。比喩表現はあまり得意とは言えませんが、挑戦してみます。参考になる批評をありがとうございました。