AndouinRin-4--46eb

アイテム番号: SCP-XX
オブジェクトクラス: keter

特別収容プロトコル:
 サイト-██全域が収容対象として指定されています。サイト-██の周囲5kmをフェンスで囲い、カバーストーリー『汚染地域』を流布してください。配属された警備員は近づいた民間人に健康上の警告を行い、必要なら強制的に排除してください。
 また、サイト-██からSCP-XX-JP-2が出てきた場合、直ちに耳栓と専用のサーモグラフィーゴーグルを装着し、言葉を交わさずに威嚇射撃により接近を避けてください。それでも近づいてくる場合、直ちに重火器にて対象SCP-XX-JP-2を終了してください。
 SCP-XX-JPに関係するものがサイト-██の外部で発見された場合。耳栓と専用のサーモグラフィーゴーグルを装着し、SCP-XX-JP認識しないよう注意し同オブジェクトないし対象者を収容してください。同SCP-XX-JPと接触したすべての人間を個別に隔離。防音装置が取り付けられた標準人型収容室に1年管理下に置いてください。1年経過後に母国語の能力テストを非対面形式で実施し、異常性が確認されなかったたものは、適切なレベルの記憶処理とカバーストーリーを流布し、解放してください。
 異常性が確認された場合はサイト-██に開放してください。
 なお、この保護収容間に当該対象との言語を用いた一切のコミュニケーションをとらないようにしてください。
 詳細な管理方法は別紙観察対象者マニュアルを参照してください。

現在、SCP-XX-JPに対するいかなる実験も禁止されています。

説明:
 SCP-XX-JPは、未知の言語と、この言語が発生させる一連の言語侵食現象指します。
 SCP-XX-JPで構成された単語や音声を知覚した対象者は。それまで習得してきた言語記憶が失われ、同時にSCP-XX-JPを習得します。

 201X年より同サイトではサイト-██で出土したSCP-XX-JP-1-a~baの研究がされていました。このSCP-XX-JP-1-a~abは最大のもので30cm×20cm×0.5m、最小で5.0cm×0.4cm×0.2cmの大きさの未知の白い合金でできており、表面には未知の言語(のちにSCP-XX-JPと定義)が彫られていました。サイト-██ではこの言語の解読とSCP-XX-JP-1-a~baの材質調査が行われていました。

 この研究にあたっていたすべての研究員が、突然SCP-XX-JP-1に書かれている言語の発音がわかるようになった、と主張を始めました。 発音は現在確認されているどの言語とも類似性がなく、人間が発音するのが困難な音韻も含まれていました。加えて、SCP-XX-JP-1に書かれている言語を研究していたチームとSCP-XX-JP-1の素材を研究していたチームは別働で、交流がないのも関わらず、双方が主張する言語の音韻、意味、文法に一致が見られました。
 同時に研究員数名が、第一言語である日本語忘れる現象が発生しました。言語障害は喚語困難をはじめとし、日本語の文法自体を忘れる研究員もいました。特に、言語を研究していた研究員の間では、SCP-XX-JPを介してコミュニケーションをとっている状況も確認されました。

 以降、この未知の言語とこれが引き起こす言語の侵食現象をSCP-XX-JP、言語の侵食現象の影響下にある人間をSCP-XX-JP-2と定義する。

 この言語の侵食現象には大きく分けて4つのステージに分けることができます。

ステージ0:
 未知の言語に何らかの形で接触した状態です。習得した言語に支障はなく、SCP-XX-JPを判読することは不可能な状態です。次のステージに進む期間についてはSCP-XX-JPに興味があるかどうかにより1か月~6か月程度のばらつきがあります。クラスC記憶処理が一定の効果があり、ステージ0の状態で言語に触れた記憶を消去することで、小康状態を維持することができます。この状態でSCP-XX-JPに接触せずに経過すると、1年程度の次のステージに進まないことが確認されています。

ステージ1:
 習得した言語に喚語困難がみられるようになります。単語に『アレ』『ソレ』が増えていきます。ステージ1の最終段階では日常会話に支障をきたす程度となります。
 一方SCP-XX-JPは部分的に発音、読み書きが可能になります。Dクラスを用いた実験では、SCP-XX-JPの音韻にのみ接触した状況で、読み書きを理解する結果が得られました。このステージ下での記憶処理はむしろステージの進行を助長することがDクラスを用いた実験でわかっています。

ステージ2:
 習得した言語のほとんどを忘れてしまいます。基本的な文法も忘れ、習得していた言語のみでの会話はほとんど不可能になります。習得していた言語については文字や音韻を提示することで、その意味を想起することは可能です。同時にSCP-XX-JPが会話に混ざるようになります。人間の声帯では出せない音は、ものをたたくことによって再現しようとします。特別な笛のようなものを補助具として使用するSCP-XX-JP-2も確認されています。加えて、可聴音域も広がり、20Hz以下の超低周波音を感じ取れるようになります。
 同時にこの段階から性格の変化もみられるようなります。
現代人の多くが内面化している『愛』や『友情』などの価値観が失われ始め、異常に利己的な側面と異常に利他的な側面が同居するようになります。また、表情が乏しくなり、視線が合いにくくなります。このころから、人称も変化し、SCP-XX-JP-2をまとめて『私たち』、それ以外を『私たち以外』と訳せる単語で呼ぶようになります。

ステージ3:
 習得していた言語は提示されても想起することができなくなり、一方でSCP-XX-JPは自由に操ることができる段階です。以前理解していた概念でもSCP-XX-JPに対応する単語が存在しないものについては、記憶から消えているか、記憶にあっても価値のないものと考えるようになります。人格の変化は最終段階に進み、もともとのパーソナリティは完全になくなります。
 ステージ3まで進行した被験者は、それまでの学歴と関係なく高度な数学知識を有するようになる一方で、自然数や基本的な四則演算についての概念が失われます。全ステージ通し、身体状況に大きな変化はは確認されていない。不十分な脳の解剖分析でも、細胞やそれぞれの構成に大きな変化は観察されていない。

インタビュー記録

同インタビューはステージ0の石原研究員がステージ3である小柳元研究員(以下SCP-XX-JP-2-A)を対象にステージ2のクラスD職員(以下SCP-XX-JP-2-B)の翻訳にてインタビューを行いました。

石原研究員:これよりインタビューを行います。

SCP-XX-JP-2-A:意味がない。

石原研究員:なんですか

SCP-XX-JP-2-A:『私たち』を放っておくべきだ。『私たち』も『私たち』の██(翻訳不能:時間と現在地の意味を併せ持つ単語)を使いたくない。(SCP-XX-JP-2-Bを指し)『私たち』の話では、『私たち以外』は、この言葉を覚えたくないのだろう。なら『私たち』と話すことは『私たち以外』を害することになるのではないか?

石原研究員:私を気遣ってくれるのですか、ありがとうございます。

ここで、『気遣う』という言葉について、AとBの間で議論が起こりインタビューは中断。内容は不明。

SCP-XX-JP-2-A:とにかく、私は██(翻訳不能:仕事と食事と排泄の意味を併せ持つ単語)をしたい。すぐ終わらせてくれ。

石原研究員:わかりました。手短に済ませます。まず、私が関心があるのは、小柳研究員のことです。

SCP-XX-JP-2-A:『私たち』のことだな。

石原研究員:自分が以前小柳研究員とよばれていたことをご存じですか。

SCP-XX-JP-2-A:繰り返すが、小柳研究員は『私たち』のことだ。認識している。

以降、小柳研究員とSCP-XX-JP-2-Aの自己同一性について議論になるが、自己同一性という考え方自体に大きな溝があり、議論が成立せず。

石原研究員追記:自身が:小柳研究員であるという自己認識はなくなっているが、同時に小柳研究員という人格は『私たち』という広い自己概念に属していると思われる。

インタビュー 再開

石原研究員:それでは、あなたの一番古い記憶についてお聞かせください。

SCP-XX-JP-2-A:『私たち以外』が池の前で私に話しかけている。私が██(翻訳不能:間違いと必然の意味を持つ単語)して池に落ち、『私たち以外』が私を池から拾い上げた。突然拾い上げた『私たち以外』が私の額を奇妙なやり方で触れるから、私は██(翻訳不能:無機物と仕事、不健康の意味を併せ持つ単語)と考えていた。

石原研究員追記:事前の調査で、幼少期に小柳研究員が両親と散歩に出た際、池に落ちたことがあり、その話をしていると思われる。

石原研究員:その、水から上げてくれた人とあなたの関係は何ですか

SCP-XX-JP-A:関係?関係などない。

石原研究員:知らない人ですか

SCP-XX-JP-XX-A:そういうわけではない。『私たち以外』の中でも最も情報がある『私たち以外』だ。

石原研究員:両親であったと聞いているが。

SCP-XX-JP-2-Bが両親という概念について説明するが、SCP-XX-JP-2-Aは両親という概念が理解できず。ネズミや犬など、ほかの哺乳類の繁殖を例に挙げるが、『ネズミ』『犬』『哺乳類』といった単語の意味全てが失われているため説明が難航。虫の繁殖を例に親子関係について説明する。

SCP-XX-JP-2-A:事情は分かったが、『私たち以外』の中に、『私たち』にとって重要な人物がいるとは考えられない。知識不足ではないか

石原研究員コメント:以降も『小柳研究員』の成育歴に関する確認を行う。発生した事象についての記憶に齟齬がないが、SCP-XX-JP-2-A自身は、誕生時から自身がSCP-XX-JPの影響下にあったかのように認識しており、記憶の解釈も以前の小柳研究員と大きく異なっている。
人格テストも試みるが基本的な共通認識が異なっているので成立しなかった。

研究員:以上でインタビューは終了です。ご協力ありがとうございました。

SCP-XX-JP-2-A:この会話は『私たち』の██(翻訳不能:食事と仕事と排泄を合わせもつ意味)にも貢献している。『私たち』も研究に勤しんでほしい。

 SCP-XX-JPの性質が発覚した際には、すでにステージ1に達している職員がサイト全体の2割に達していた。
 ステージ1以上のSCP-XX-JP-2が発する言語の中にSCP-XX-JPが混入しており、この時点からSCP—XXの伝染性が発揮されることを考えると、すでに同サイト内で相当数のステージ0のSCP-XX-JP-2がいると推測された。
 こうしたことから、同サイト管理者の決定により、サイトが収容していたSPiCを移転し、サイトは閉鎖隔離、SCP-XX-JPに特化した研究施設とすることとなった。
隔離後もサイトからはSCP-XX-JPに関する調査が行われ、調査結果のデータがテキストファイル形式で送信され続けていた。
 閉鎖から1か月後から、いかなるデータ送信もなくなった。本収容プロトコルもこのデータから作成されている。
以下最後のテキスタイルデータを添付する。

██研究員
私自身にも、SCP-XX-JPの侵食を感じる。日本語で文章を書く際にも時間がかかる。
もはや、目に入る人間皆、何らかの楽器のようなものを手にもっている。彼らはだれもみな私とは話そうとしない。私に興味がないようだ。
彼らは、どこからともなく独自の食事を調達している。それらは見たこともない物質だ。
日々、みな何かの研究に勤しんでいる。みな、眠らずに何かを語らい、そして、その結果を壁に記し続けている。
施設の構造も完全に作り替えられており、見たこともない機械が増設されている。なんの目的があるのか、近くの人に聞いたが、研究をより効率的に行うための研究だ、という。その研究が何の研究なのかを聞くが、返答はあいまいだった。これは予想だが、彼ら自身研究の意味や目的を把握していないのではないだろうか。
最後の友人であったDクラス職員も日本語でのやり取りが不能になった。SCP-XX-JP以外の言語でやり取りできる人はいなくなった。
これまで行っていたささやかなSCP-XX-JPの研究ももう不可能になった。
以前にチームが研究していた、しみったれた鉄板の翻訳データを復旧することができた。これを最後に添付しておく。特段の報告がなければ私からは最後の送信となるだろう。
彼らは親切ではないが、非常に温厚である。彼らは研究以外何も望んでいない。彼らが積み上げた研究の先に紡ぎあげられる研究結果を見てみたいという欲求に駆られている。これが、研究者として性なのか、SCP-XX-JP-2としての現象なのかは不明である。

以下SCP-XX-JP-1-cのメモ
これは接ぎ木である。私たちの一部をここに残す。
私たちを受肉するものよ。優秀であれ。有能であれ。
我々がまた芽吹けるほどに。

██博士コメント
 これまで、SCP-XX-JP関連SCiPがサイト-██外で発見されたことはない。同サイトからSCP-XX-JP-2が出てくることも、何らかのアクションが観測されたこともない。
 前記の研究員のテキストデータから、同SCiPを無害であるとみなすものも少なくない。
 しかし、私はそうは思わない。必要なら同サイトを徹底的に破壊すべきだとすら思う。
 少なくとも、サイトー██内を安全に調査しSCP-XX-JP-2にインタビューする必要があるが、適切な方法がみつかっていない。どの方法も安全性に欠き、場合によってはいたずらにSCP-XX-JP-2を増やすことで、彼らの『研究』を前進させる恐れがある。
 とにかく、早急な内部調査は必要と考えられる。『我々』とやらが芽吹く前に。

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