下書き「心のこもったペン先」

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読んでくださりありがとうございます。以下確認しておきたい点です

・構成や展開に違和感や矛盾はないか
・特別収容プロトコルや実験記録は妥当か
・無駄な表現がないか
・「いまいち文才のない人物が、自分の小説がオブジェクトによって多くの人に見られることになっても結局評価されなかったみじめさ」が報告書から読み取れる・あるいは推測することができるか

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scp jp safe 道具


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発見当時のSCP-XXXX-JP。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは低脅威度アイテムロッカーに収容されます。30分 1時間 1日に1回点検し、損傷やインク量の変化の有無を調べてください。何らかの変化が見られた場合はクリアランスレベル2の担当研究員に連絡を行い、必要に応じて実験を実施してください。SCP-XXXX-JP-1及び██氏(後述)の作品を口頭あるいは文章で評価する際には、SCP-XXXX-JPから最低でも30m以上離れてください。

説明: SCP-XXXX-JPは、███社製品と同一の外見を持つカートリッジ式万年筆です。インクの成分や部品等に異常性は見られませんでしたが、筆記によるインクの減少は発生しません。

人間がSCP-XXXX-JPを手に持ち、付近に一般的な万年筆で筆記可能な物体がある場合、その人物は自身の意思とは無関係に文章(以下「SCP-XXXX-JP-1」)を筆記し始めます。筆記作業の中断・中止や筆記作業途中のSCP-XXXX-JPの放棄は保持者の意思によってある程度制御可能です。異常性が発生している間のSCP-XXXX-JP保持者の筆跡は保持者本来のものとは異なり、また保持者の人物に関わらず同一です。筆跡鑑定の結果、SCP-XXXX-JP-1の筆跡は全て後述する██氏のものと一致しました。SCP-XXXX-JP-1はそれぞれ内容や文量が異なる(約2,000字~約6万字)ものの、その全てが小説の体裁を保っています。またSCP-XXXX-JP-1には台詞や描写の言葉遣い等の点で██氏の作品と共通項が多く見られます。

またSCP-XXXX-JPは、SCP-XXXX-JP-1の評価によってのみ内部のインク量が増減するという特性を持ちます。判明している条件として、SCP-XXXX-JP-1が高評価を受けた場合はインクが増加し、反対に低評価を受けた際にはインクが減少しています。しかしSCP-XXXX-JP内のインクは0.02ml以下に減少せず、また外見上の容量(0.8ml)を超えて増加をすることもありません。SCP-XXXX-JPがどのようにしてSCP-XXXX-JP-1への評価を把握しているかは不明ですが、その知覚範囲はSCP-XXXX-JPを中心とした半径20m程であると判明しています。

収容までの経緯: SCP-XXXX-JPは、██県██市に在住していた██ █1氏が自室において遺体で発見された際に遺品として回収された折に異常性が発揮されたことで財団職員の関心を引きました。

サイトメンバーや家族を対象とした事情聴取では、共通して██氏は「将来の夢である人気小説家になることを目指して努力していた」との情報が得られました。一方で██氏は「SCP-XXXX-JP収容の数年ほど前から現在の自分の状況への焦りが見られた」「後世への自分の作品の残し方を模索しているようだった」との情報も同時に得られ、SCP-XXXX-JPとの関連が疑われています。また██氏が遺体で発見される3日前にはSCP-XXXX-JPと同型の万年筆が家族から██氏に送られており、この万年筆が異常性を獲得してSCP-XXXX-JPに変容したと見られています。サイトメンバーや警察を始めとした関係者には記憶処理が行われました。

以下は異常性の確認を目的とした実験の記録です。なお以下の実験には、趣味で執筆活動をしている者も含め文芸創作に造詣の深い職員が参加しています。

実験記録-XXXX-JP-い

対象: SCP-XXXX-JP(実験前の残量は0.15ml)

実験内容: D-8135にSCP-XXXX-JPを持たせ、SCP-XXXX-JP-1を筆記させる。担当職員5名がSCP-XXXX-JP-1を読み、全員が5段階中の最高評価で評価する。その後、SCP-XXXX-JP内のインクの増減を観察する。

実験結果: SCP-XXXX-JP-1(8795字)が筆記された。評価の結果、インクは0.20ml増加した。また、D-8135は「手が勝手に動いてSCP-XXXX-JP-1を筆記していった」と報告した。

SCP-XXXX-JP-1の内容: 3つの裕福な家族が、元総理大臣の遺産を目的に争うミステリー。

コメント: 高評価を受けた場合はインクが増加するようです。

実験記録-XXXX-JP-ろ

対象: SCP-XXXX-JP(実験前の残量は0.35ml)

実験内容: D-8135にSCP-XXXX-JPを持たせ、SCP-XXXX-JP-1を筆記させる。担当職員5名がSCP-XXXX-JP-1を読み、全員が5段階中の最低評価で評価する。その後、SCP-XXXX-JP内のインクの増減を観察する。

実験結果: SCP-XXXX-JP-1(14987字)が筆記された。評価の結果、インクは0.29ml減少した。

SCP-XXXX-JP-1の内容: 人間と動物の特徴を併せ持つ種族の女性と、人間の男性とのラブストーリー。

コメント: 低評価を受けた場合は、逆にインクが減少するようです。

実験記録-XXXX-JP-は

対象: SCP-XXXX-JP(実験前の残量は0.06ml)

実験内容: D-8135にSCP-XXXX-JPを持たせ、SCP-XXXX-JP-1を筆記させる。担当職員20名がSCP-XXXX-JP-1を読み、全員が5段階中の最高評価で評価する。その後、SCP-XXXX-JP内のインクの増減を観察する。

実験結果: SCP-XXXX-JP-1(6559字)が筆記された。評価の結果、インクは0.37ml増加した。

SCP-XXXX-JP-1の内容: 職場の同僚が殺人事件の容疑者として起訴された男性の心情の変化を、淡々と進行していく裁判と共に描写している。

コメント: 評価する人数が増えると、評価によるインクの量も増えるようです。単純ですね。評価によってのみインクが増減し、その後の実験の文量の変動にも似たような傾向が見られることから、SCP-XXXX-JP内のインク量はいわゆる執筆へのモチベーションを表すバロメーターとして解釈することができるのではないでしょうか。

実験記録-XXXX-JP-ほ

対象: SCP-XXXX-JP(実験前の残量は0.02ml)

実験内容: D-8135にSCP-XXXX-JPを持たせ、SCP-XXXX-JP-1を筆記させる(この時の-1を「SCP-XXXX-JP-1-a」とする)。担当職員20名がSCP-XXXX-JP-1-aを読み、全員が5段階中の最高評価に改善点を書いたコメントを加えて評価する。その後、SCP-XXXX-JP内のインクの増減を観察してから再度D-8135にSCP-XXXX-JP-1(この時の-1を「SCP-XXXX-JP-1-b」とする)を筆記させる。

実験結果: SCP-XXXX-JP-1-a(6043字)が筆記され、評価の結果、インクは0.21ml増加した。その後再び筆記させた結果、先ほどと似た内容のSCP-XXXX-JP-1-b(10013字)が筆記された。-1-bにおいては、20人の職員全員が「コメントに記入した改善点は全て満たされているように思われる」と回答した。

SCP-XXXX-JP-1-a・bの内容: 地理的に遠く離れた地域で同じ手口の強盗殺人事件が2件同時期に発生した。新米刑事の主人公は、偶然の一致かと思われた2つの事件の関連を疑う。

コメント: 手段は不明ですが、SCP-XXXX-JP-1の評価は改善点を含めて詳細まで把握されるようです。

実験記録-XXXX-JP-り

対象: SCP-XXXX-JP(実験前の残量は0.55ml)

実験内容: D-8135にSCP-XXXX-JPを持たせ、SCP-XXXX-JP-1を筆記させる。担当職員20名がSCP-XXXX-JP-1を読み、全員が5段階中の最高評価であることを口述する。その後、SCP-XXXX-JP内のインクの増減を観察してから再度D-8135にSCP-XXXX-JP-1を筆記させる。

実験結果: 実験中止

追記1: 実験-XXXX-JP-りは開始直前に中止されました。実験-XXXX-JP-りは「SCP-XXXX-JP-1の口頭による評価の反映の有無」を確認するための実験として予定されていましたが、以下の音声ログにより「口頭による評価も反映される」という仮説が立てられました。以下はその音声ログです。

再生開始:

(カメラは実験室内部を映し出している。実験室には██博士がおり、デスクの上にはSCP-XXXX-JPがしまわれた特殊アタッシュケースが置かれている。)

(██次席研究員が実験室の前を通りかかり、足を止める。██次席研究員はSCP-XXXX-JP実験でJP-1を読む職員の1人である。)

██次席研究員: 今日もやるんですね、SCP-XXXX-JPの実験。

██博士: そうだね。まあ結果によっては今日で最後になるかもしれないけどね。

(SCP-XXXX-JPがアタッシュケースから取り出され、所定の位置に配置される。)

██次席研究員: そうなんですか?

██博士: そうだよ。どういう異常性を持ってるかは大体わかってきたし、あとは詳細なデータを収集するだけって感じかな。

██次席研究員: そっかー。はー良かった。

██博士: 良かった?

██次席研究員: ハイ。だってこのJP-1ってやつ、毎回いまいち面白くなかったんですよね。改善点を書いた実験でも、修正はされるんですけどなんかこう…気づいたら予想通りの展開になっていたりとか、セリフ回しが今一つだったりするんですよね。毎回休憩中に先輩方2と話してても、「いまいち盛り上がらないよね」って話によくなるんですよ。あのサイト3のサイトメンバーさんたちも遺族の方も「頑張っていた」とは言っても「作品が面白かった」とは言ってませんでしたし。

██次席研究員: 持ってると小説を書いちゃうSCiPって聞いてたのでどんなものかと思ってたんですけど、これぐらいなら僕でも書けそうだなって思って。ぶっちゃけ、「これを読むのに割いてる時間があったら他のオブジェクトの研究をしてた方がいいのにな」って読みながら思うこともありましたし。

██博士: (慌てて)おいこら、言うなら実験中に言いなさい。オブジェクトの近くなんですよ?

██次席研究員: あっ、すいません。同じジャンルでもっと良い作品ならいくらでもあるよなーと思ってたのでつい…。

(直後、SCP-XXXX-JPのペン先が突然折れ曲がって破損し、インクが漏れ始める。)

(急遽、██博士により実験の中止が宣言される。)

再生終了:

この後の職員による処置も効果がなく、SCP-XXXX-JPはインクを全て漏出させた後に間もなく異常性を喪失しました。漏出したインクにも異常性はなく、損害は実験室の備品や職員の衣服が少々汚れる程度に留まりましたが、██次席研究員には厳重注意の上3週間の謹慎処分が言い渡されました。また以上のインシデントにより、新入職員向けの実験に対する教育プログラムの修正が予定されています。

コメント: たとえその業務にいくら充実感を見いだせなかったとしても、その業務手順にはそういう手順が組まれるだけの意味があります。また、我々が注目すべきなのはあくまで「SCP-XXXX-JPの異常性」です。あまり関係のない事柄に注意を注ぎすぎないように。ー██博士

SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedへの変更が予定されています。


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