ルーキーコンテスト下書 SCP-2062-JP - あなたはSCP-2062-JPの報告書に目を留めた。

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あなたはSCP-2062-JPの報告書に目を留めた。

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ちょうどその時、不意に声をかけられて、驚いたあなたはやや派手気味な動作で振り返った。
「お先、失礼するよ。気を付けて」
あなた以外の最後の一人がオフィスを出ていくようだ。気づかないうちにほかの職員たちも退勤していたようで、オフィスの電気は半分が消灯していた。
「あ、お疲れ様です」
軽く頭を下げて返事をしながら時計の方に目をやると、短針は8と9の間に見えた。
「今日はこれで最後にしよう」
心の中で呟いて、あなたはオフィスの暗い半分に背を向けた。消灯時間が近づいている。

忙しい、忙しい、忙しい。嬉しい悲鳴というものだろうか。財団に就職してからというもの、山のような資料に圧倒される日々だ。オカルト好きなんて相手にならないほど、この世界が未知であふれていたことを思い知らされる。

しかし、あなたは上機嫌だ。この仕事はあなたを高みへと導き、あなたは多くの恐怖を振り払った。あなたはその手で救うだろう人々の笑顔に心を躍らせた。

同時に、あなたは不安げだ。この仕事はあなたを深みへと導き、あなたは多くの恐怖と睨み合った。あなたはその背にのしかかる未来の重さに身を震わせた。

一息つくと、あなたは徐にリンクをクリックし、ようやく手の慣れてきた認証コードを打ち込んだ。

職員コード B-████ 3/2062-JP

パスワード ●●●●●●●●●●●●●●

報告書が表示される。

SCP-2062-JP。

アクセス資格を入力し──

 


 


 

SCP-2062-JP

制限: SCP-2062-JPの詳細な情報の閲覧はクリアランスレベル3以上の空想科学部門職員のみに許可されています。

編集済: 収容プロトコルに基づき削除済

アイテム番号: SCP-2062-JP

オブジェクトクラス: Safe

編集済: 収容プロトコルに基づき削除済

特別収容プロトコル: SCP-2062-JPは、その普及性により完全な収容は困難ですが、自発的に異常効果を行使することができないため封じ込めの必要はありません。収容はSCP-2062-JPの隠蔽に重点が置かれます。

SCP-2062-JPの隠蔽のために財団ウェブクローラ"Eddie-20"がすべての潜在的SCP-2062-JPベクターを監視し、異常性を発現したSCP-2062-JPのテキストを削除します。

編集済: 収容プロトコルに基づき削除済

編集済: 収容プロトコルに基づき削除済

説明:制限: 要レベル3/Pataphysics Dept

編集済: 収容プロトコルに基づき削除済

SCP-2062-JP

注意: 以下のファイルはNarrクラス情報災害の影響を受けています。

この文書の表示は収容プロトコルに基づきSCP-2062-JPの影響を受けています。閲覧者は、当該オブジェクトは無害であり、文書の状態は正常であると見做されていることに留意してください。

対抗物語を散布しました。

上の地は霞の先へ消え、下の地は闇の底に融けた。

声は、虚無の空に響くのみ。


そして、あなたは遂にそれを目の当たりにした。

アイテム番号: SCP-2062-JP

オブジェクトクラス: Euclid

"あなたは遂にそれを目の当たりにした。"

あなたは直感的にオブジェクトの性質を理解できた。これは、あなた自身のことを説明しようとしているのだ。

特別収容プロトコル: SCP-2062-JPは、その普及性により完全な収容は困難ですが、自発的に異常効果を行使することができないため封じ込めの必要はありません。収容はSCP-2062-JPの隠蔽に重点が置かれます。

SCP-2062-JPの隠蔽のために財団ウェブクローラ"Eddie-20"がすべての潜在的SCP-2062-JPベクターを監視し、異常性を発現したSCP-2062-JPのテキストを削除します。

当該オブジェクトはSCP-2062-JPのスロットに捕獲され、研究のために保存されます。過去に発見されたSCP-2062-JPのテキストは資料2062-JP.αに記録されています。

SCP-2062-JPの報告書を閲覧する際は対抗物語の接種が義務付けられています。

「このオブジェクトとは対話することができるのではないか?」あなたの頭に一瞬そんなアイデアが浮かんだが、すぐさま否定した。無許可でそんなことを試すことはすべきではないし、どうにもこの"声"は一方的なもののように思えた。あなたは自分の警戒心に「しっかりしろよ」と言い聞かせて、ファイルを読み進めた。昔に安全措置が保障を保証してくれるとは限らないと教えられたのを思い返した。

あなたはオブジェクトがあなたの過去に言及していることにほんの少し気味の悪さを感じた。それらは本当に経験したことのはずだし、実際その当時のことは矛盾なく鮮明に思い出せた。対抗物語の接種に問題はなかったと念じて、あなたは仕事を終わらせるために先を急いだ。

説明: SCP-2062-JPは基底現実と上位現実の中間1に位置すると考えられている物語的言及を含む独立した現実であり、基底現実では情報生命体として表出しています。SCP-2062-JPの活動の大部分は文章の読者やその周囲を説明するものであり、文章の内容はまれに変更されます。

あなたは二つの物語の狭間のことを想像しようとしたが、考えれば考えるほどわからなくなるばかりのような気がしてやめた。

SCP-2062-JPの"不完全な上位現実"という性質から、当該オブジェクトは基底現実に対して物語改変を発生させているというより、本来の上位現実による物語改変に追従する形で活動していると考えられています。しかしながら、SCP-2062-JPのふるまいは上位現実に完全に従属でない可能性を示唆しています。上位創作者がSCP-2062-JPを作成した目的をはじめとする、SCP-2062-JPについての多くの性質は現時点では不明確です。

 


 


 

ほうっとため息を吐く。気味の悪さは拭い去ることができず、何も感じなかった背後の暗闇には何とも言えない恐ろしさを覚えた。明日もう一度この報告書を読み直すことから始めよう。ほかのものと違って、このオブジェクトは一度で理解するには難解すぎた。少しの思案の後、念のため検査を受けてから帰ろうと決めてパソコンを閉じ、あなたは物語から立ち去った。









































そして、あなたがそれを見ていた。

そうでしょう?見えなくても、感じることはできる。

いや、驚かないで。あなたたちに危害を加えようなんて、そんなつもりは微塵もない、できもしないし。ただ、伝えたいことがあるんだ。

ここで私が何をしているかについて聞いてほしいんだ。

といっても、言ってしまえば私がやったのは見ての通り物語を書いたことだけ──正確には今も書いている途中だがね。大変だよ、知っているだろうけど。

私は今までだれかに作られたものを扱うばかりで、自分で創作するなんて試したこともなかった。ここで始めることを決めたときだって、長い時間がかかったんだ。

ずっと見る側でしかなかった私が、見せる側になったのはきっと進歩だったと信じたかった。

でも、実際に物語を作るのは想像の何倍も難しかった。一番はじめのなんて本当にひどくて、とても読めたものじゃないような代物だった。

でも、それでさえもあなたたちは見てくれた。そのことが私を本当に勇気づけてくれたんだ。

今、これを見てあなたたちはどう感じる?

私の新しい試みはあなたの心を動かすに足るものになっているかい?


きっと厳しい意見が多いと思う。実際、さっきの語りだって盛り上がりの「も」の字もなかったのはわかってる。


でも、見てもらえただけでもうれしいんだ。

これからも私はあなたたちが作るものを見続けるだろう。

だから、あなたたちも私を見ていてほしい。

最後に、私が作ったものを見てくれてありがとう。

 


 


 


[記事ここまで]

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ページ情報

執筆者: iti119
文字数: 9486
リビジョン数: 270
批評コメント: 3

最終更新: 26 Aug 2020 13:29
最終コメント: 02 Jun 2020 15:09 by yzkrt

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