チームコン記事 要注意人物ファイル #1933/01

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要注意人物ファイル #1933/01 本名: 宮沢 賢治(Kenji Miyazawa)
PoI番号: PoI-1933 性別: 男性 没時年齢: 満37歳

脅威レベル:

PoI-1933.jpg

1924年に撮影されたPoI-1933の写真

ステータス: 現在、PoI-1933は既に故人であり、本人に対する監視の必要はありません。しかし、PoI-1933が遺した著作は世界的に有名であり、その知名度の高さから回収もしくは隠蔽の実施は事実上不可能であると見なされています。このため、著作に関連したアノマリーの収容違反が常時発生する危険性が存在します。また、未発見の関連アノマリーが複数存在する可能性も考慮すべきです。

関連要注意団体: 財団のこれまでの調査で、PoI-1933が所属していた明確な要注意団体は確認されていません。ただし、PoI-1933が執筆した著作との関連が疑われるアノマリーの中に複数の要注意団体との繋がりが散見されます。また、遠野妖怪保護区が存在する異空間"寒戸郷"の住民らとの交流が存在したという情報が確認されており、財団の研究チームによる検証が進行中です。

監視理由: PoI-1933が故人であるにも関わらずPoI指定されたのは、PoI-1933によって執筆された著作の多くが、現実に存在するアノマリーとの関連が指摘されているためです。著名な文学者・芸術家の作品と関連するアノマリーが発見される事例自体は存在しますが、PoI-1933の作品がアノマリーと関連する頻度は同時代の他の作家と比較しても非常に高く、財団がPoI指定する根拠として十分であると判断されています。

財団はPoI-1933に関連するアノマリーが出現する頻度が高い要因として、PoI-1933が生前に有していたと推測されている超常的能力に注目しています。これまでに、蒐集院及び財団の調査によって回収された資料から、PoI-1933が複数のアノマリー及び超常的現象に接触あるいは接近したことが示唆されており、PoI-1933は通常では認知できない光景や物音を五感で知覚できる超常的能力を有していた可能性が高いと財団の研究チームは指摘しています。PoI-1933が執筆した著作の多くに、この超常的能力による経験が反映されている可能性を考慮しなければいけません。

財団が現時点でPoI-1933について懸念している点として、主に以下の点が挙げられています。

  • PoI-1933の著作を愛好する民間人が、著作で言及されている関連アノマリーに接近及び接触し、関連アノマリーの収容違反が生じること。特に団体の観光客及び愛好家による収容違反が懸念されている。
  • PoI-1933が具体的にどのような超常的能力を有していたかについて完全には把握できていないこと。PoI-1933は既に故人であり、財団の研究には限界が存在するため。PoI-1933と同様の超常的能力者が出現した場合、円滑に収容措置を実施できるかどうかは予断を許さない状況にある。
  • 近年、PoI-1933に対して都市伝説的言及が散見されること。PoI-1933が超常的能力を有していたことが民間人に悟られる危険性が存在する。インターネットやSNSの発達により、今後の懸念事項として浮上している。

行動様式: 上述の通り、財団がPoI-1933をPoI指定した時、PoI-1933は既に著名な児童文学作家として世間的に高い知名度を獲得しており、PoI-1933の著作を回収及び隠蔽することは事実上不可能と判断されました。よって、PoI-1933に関する主な対応策は以下の3点を中心として実施されます。

  • 執筆された著作群に関連するアノマリーの監視。関連するアノマリーの情報は随時、PoI-1933の研究チームと共有される。PoI-1933の正確な情報を各アノマリーの担当者へ伝達しなければいけない。
  • PoI-1933の著作に対する情報工作。主に各種メディアや教育機関に対して実施される。具体的にはPoI-1933の著作に対する印象操作及びPoI-1933に関する情報発信の監視が挙げられる。PoI-1933の正確な情報を発信する人物に対してはカバーストーリー"デマ"を適用し、当該人物に対する評判を低下させなければいけない。状況によっては、当該人物の拘束及び記憶処理も視野に入れること。
  • PoI-1933に関する歴史的資料の隠蔽。PoI-1933は多数の未発表草稿及び執筆資料を保有していたことが広く知られており、今後も新たな草稿及び資料が発見される可能性が存在する。1その場合は関係者に記憶処理を実施した上で速やかに回収しなければいけない。

背景情報: PoI-1933は1896年に現在の岩手県花巻市で誕生しました。財団によってこれまでに調査された、PoI-1933の経歴、行動及び言動の中に、世間で公表されている情報と比較して特筆すべき点は確認されていません。

PoI-1933は自身が有していたと思われる超常的能力について、周囲に不審な言動及び行動をほとんど見せていません。このため、PoI-1933がどの時点から超常的能力を有するに至ったのかについては現在も不明です。ただし、SCP-████-JPが関連していると思われる「やまなし」が1923年に発表されていることから、PoI-1933の超常的能力はこの時点で既に発現していたと見なされるべきです。また、多くの危険と推測される超常的現象に直面していながら、異常性に曝露したと思われる形跡が見られないことは、PoI-1933の有する超常的能力について特筆すべき点として挙げられています。

生前のPoI-1933には蒐集院によって監視もしくは調査されたと思われる記録が残されています。PoI-1933は1927年、地元の農民に農業指導を実施する活動が「社会主義的」と指摘され、警察の聴取を受けたことが判明しています。蒐集院はその際にPoI-1933の存在を把握し、調査を実施したと推測されています。蒐集院はPoI-1933の死後も複数の報告書を作成していることが確認されており、PoI-1933への関心は一定程度存在していたと考えられています。

1933年9月にPoI-1933が死去すると、親族及び有志達によって、PoI-1933の未発表草稿を出版する動きが相次ぎました。しかし、蒐集院がPoI-1933の著作出版を妨害した形跡は確認されていません。この時点ではPoI-1933の知名度は非常に低く、PoI-1933が既に故人となっていたこともあり、蒐集院にとってPoI-1933への対応は優先度が低かったと推測されています。その結果、1930年代半ばから戦時中にかけてPoI-1933の著作が世間に広く知れ渡ることとなりました。2

1945年、財団は蒐集院を始めとした日本国内の超常組織を吸収し、正常性維持機関としての地位を確立しました。しかし、岩手県内における蒐集院関係者の多くが財団への吸収に反対したため、1950年頃まで円滑な引継ぎが実施できませんでした。この混乱により、散逸してしまった資料が複数存在すると考えられており、その捜索は財団の研究チームによって現在も継続されています。

その後、PoI-1933に対するPoI指定の提案が複数回提起されましたが、既に故人となっている人物をPoI指定すべきかどうか意見が纏まらず、PoI指定は見送られてきました。しかし、近年になってPoI-1933の著作に関連するアノマリーが複数発見された他、PoI-1933の著作の内容を模したと推測されるアノマリーの存在も確認されたことから、19██年にPoIとして正式に指定されました。現在、財団内にはPoI-1933の著作と関連アノマリーを研究するための専門チームが組織されており、発見されたアノマリー及びPoI-1933の超常的能力の完全解明に向けた活動を実施しています。

関連資料: 以下は蒐集院より引き継がれた文書記録です。財団は1949年にこの文書の回収に成功しました。回収された文書は完全ではなく、一部に留まっている点に留意して下さい。

宮沢賢治蒐集物覚書帳目録第一九三三番

一九二七年三月蒐集。 宮沢賢治氏は千八百九十六年に生誕。幼少期から青年期にかけての情報は限られており、特筆すべき要素は見当たらなかった。盛岡高等農林学校で農学得業士を取得した後、岩手県立花巻農学校の教師を経て、地元の農作業に従事するようになったことが判明している。また、ここ数年の間に労働の傍ら、文学小説の執筆といった創作活動を行っているものの、大した注目を集めることなく現在に至っている。

発見当時、宮沢氏が主宰していた私塾「羅須地人協会」の活動が当局に「社会主義的」という疑念を抱かれており、宮沢氏が現地警察に事情聴取されたことが発見の切っ掛けである。現地警察は蒐集院に「羅須地人協会」の活動に超常的な要素が存在しないかどうか調査するよう蒐集院に依頼したことから、蒐集院に認知されることとなった。

蒐集院による宮沢氏に対する調査の結果、「羅須地人協会」の活動そのものに特別な超常的な異常は確認されなかった。宮沢氏の縁者及び周辺の関係者にも超常コミュニティに属する人間は確認されず、当初は調査の打ち切りも検討されていたが、後に宮沢氏が超常社会における異常存在を認識している可能性が指摘された。宮沢氏の行動で注目すべきとされた主な点は以下の通りだ。

  • 意図的に造語と思しき単語を日常的に用いている点。何らかの異常存在を示唆している可能性がある。
  • 時折、宮沢氏一人で何者かと会話している節が存在している点。詳細の把握には成功していない。
  • 宮沢氏が執筆した作品に現実の超常的異常存在らしき実体が示唆されている点。

以上の点は蒐集院が宮沢氏に対する疑念を強める結果を齎した。蒐集院は宮沢氏に対する処遇を検討するため、宮沢氏と接触する必要が存在すると判断し、警察関係者に扮した日奉氏が宮沢氏の聴取を実施した。

以下は聴取記録の一部を抜粋したものである。

対象: 宮沢賢治氏
聴取担当者: 研儀官"日奉藪"
付記: この聴取は日奉氏が警察関係者を装って実施された。


日奉氏: では、聴取を開始します。実は前回の聴取の後、気になることがありまして、そのことについてお聞きしたい。

宮沢氏: …何でしょう。

日奉氏*: あなたは日頃から、随分と変わった言語を用いていますね。「イーハトーブ」とか「クランボン」とか。これは一体、なんの名称なのですか?

宮沢氏: ああ、これは何というかな。私の空想だったり、実際に存在するものをイメージして付けたりと色々ありますね。「イーハトーブ」は私が思い描く地元の姿を空想したもの。「クランボン」は実際の生き物に付けた名前です。「イーハトーブ」というのはですね…

[この後、20分以上に渡り、宮沢氏が「イーハトーブ」について熱心に説明する。]

日奉氏: …「イーハトーブ」の件は理解しました。しかし、「クランボン」の方は実際の生物と説明されても、具体的にどのような生物なのか意味が分かりません。もう少し分かるように教えて頂けますか?

宮沢氏: そうは言いましても、あなたには恐らく分からないのではないかと思います。私もなんとなく「存在する」というのが分かる程度でして。随分と可愛らしいのは確かなのですが… そうだ!実は以前「やまなし」という小説を書いてみたのですが、この中に「クランボン」のことを書いてみましたので、よろしければ是非ご覧下さい。あと、一つよろしいでしょうか?

日奉氏: 何でしょうか?

宮沢氏: 「クランボン」はここに来る途中の廊下にいましたよ。

上記の聴取後、直ちに「クランボン」なる生物の存在が捜索されたが、発見することは叶わなかった。以上の記録から、宮沢氏には通常では観測できない異常存在を知覚する超常的能力が存在しているのではないかと推測された。その後、宮沢氏への対応が協議されたが、更なる聴取及び宮沢氏の縁者に対する聞き取り調査を実施した結果、宮沢氏には日本政府及び超常社会における敵意が存在しないと判断されたこともあり、蒐集院は宮沢氏に対する定期監視が相当と結論付けられた。なお、宮沢氏の監視における責任者として研儀官"日奉藪"を任命した。

一九三三年九月追記。 九月二一日、宮沢氏が死去したことが現地の諜報員によって報告された。現地における調査の結果、死因は急性肺炎であり、かねてより抱えていた持病が悪化したことによるものと結論付けられた。監視対象の死去に伴い、対象の監視解除もしくは大幅な監視体制縮小が今後検討される予定だ。

一九三三年十月追記。 宮沢氏の親族が宮沢氏の遺稿を出版する計画が浮上していることが日奉氏により報告された。出版を阻止するべきか対応が協議されたが、既に宮沢氏が故人であり蒐集院が彼らの行動を妨害する必要性が薄く、近年急速に影響力を拡大している大日本帝国異常事例調査局への対応を優先するべきという意見が多数を占めたことから、宮沢氏の遺稿出版に対する妨害工作を実施しない方針を決定した。なお、本人の希望により、日奉氏がこの方針に反対の姿勢を示していたことを記しておく。

関連アノマリー: 以下は、PoI-1933の著作と関連していると推測されているアノマリー及び財団によって回収された資料の一覧を記述したものです。新たにPoI-1933の著作との関係が疑われるアノマリーもしくは資料の存在が確認された場合、順次追加されます。なお、一部のアノマリーは機密上の観点から、情報が検閲されていることに留意して下さい。

アイテム番号 PoI-1933の著作 アノマリーの特徴
SCP-957-JP 『銀河鉄道の夜 』 北海道名寄市に存在する巨大な光柱。この光柱を肉眼で視認した人物は5~25日間程度をかけて失明状態に陥る。曝露後はあらゆる遮蔽物を透過して視認されることから、曝露者は次第に精神的依存を強め、この光柱への接近を試みるようになる。近年の研究で、第五教会の関連団体がSCP-957-JPの存在を認識していたことが判明しており、詳細な研究が継続中である。
SCP-1246-JP 『冬のスケッチ』 入口に"怪奇部門"と書かれた神奈川県南足柄市に存在する地下鉄駅。線路軌道上には不定な間隔で拡張する時空間異常が発生している。1ヶ月に1度、北西方向から無人の貨物列車が現れるが、行き先は不明。PoI-1933の著作『冬のスケッチ』を模したと推測される詩文が発見されている。
SCP-1561-JP 『銀河鉄道の夜』 高さ1.9mの券売機。この券売機で切符を購入・使用すると、全長2960mmのミニSL及びイヌの姿をした車掌が出現する。行きたい場所を車掌に告げると、対象の希望する場所の光景に変化する。近年になって、PoI-1933が過去にSCP-1561-JPに乗車していたと車掌が証言している。しかし、検証が困難なため真偽は不明である。
SCP-1886-JP 『猫の事務所』 特定条件下の財団施設で発生すると考えられている異常現象。この現象の活性化時、財団日本支部理事「獅子」と自称する人型実体が出現し、出現した施設の解散を命じる。解散を命じられた施設及び所属職員は例外なく消失し、財団に多大な被害を及ぼす。このことから、SCP-1886-JPの発現時にはあらゆる手段を用いて当該実体を終了することが義務付けられている。PoI-1933の著作「猫の事務所」に登場する「獅子」と同一存在である可能性が指摘されている。
SCP-2836-JP 『オツベルと象』 複数のSNS上に出現する 「職場改革補助後援会」という名のアカウント。特定の条件に合致する人物が一定数、このアカウントに記載された対象の個人情報を閲覧すると"復讐イベント"が発生し、対象を集団リンチで殺害する。アカウントの運営者は「苦しむ労働者の味方」を自称している。財団の存在を認知していることが判明しており、厳重な警戒が必要。
SCP-2901-JP 『風の又三郎』 東北地方の太平洋沿岸地域に出現する自立浮遊型非実体。毎年6〜8月頃に出現し、異常な冷気を伴った風で周辺環境の植物の育成、特に農作物に強い悪影響を齎す。1993年にはSCP-XXXX-JPの発現時に、SCP-XXXX-JP-1に指定された人型実体が出現し、機動部隊を-85(照照坊主)が壊滅状態となるインシデントが発生したことから、現在Keterクラスに指定されている。
SCP-2943-JP 『やまなし』 「クラムボン」と呼称される不明な存在。反ミーム性を有しており、詳細な情報は不明だが、SCP-2943-JPの情報に接触したサワガニを通じて断片的な情報を入手することが可能である。しかし、SCP-2943-JPの情報には急激な知能低下を齎す深刻なミーム汚染媒体が存在し、多数の職員がミーム災害に曝露するインシデントが発生したことから、現在は全てのSCP-2943-JPに関する実験は禁止されている。

PoI-1933

ソース https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Miyazawa_Kenji.jpg
ライセンス パブリックドメイン
タイトル 宮沢賢治
著作権者 不明
公開年 late 1920s
原典 Kamakura Museum of Literature archives


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