彼女のピアノ

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、標準防音ユニットに保管してください。実験をする際は、適切なメンテナンスをしてください。

説明: SCP-XXX-JPは97鍵のグランドピアノです。外縁にはTranscendental Arts Unionと刻まれており、キーカバーにも同名の刺繍が施されています。現在までTranscendental Arts Unionという団体についての情報は明らかになっていません。

SCP-XXX-JPは一般的に難易度が高いとされる曲を演奏したとき、演奏の場面として最も望む幻覚を見せる異常性を持ちます。また、SCP-XXX-JPを映像、音声記録機器で撮影、録音をした際、その視点からの幻覚が記録されます。演奏者が無観客の状況による演奏を望んだ場合を除いて、幻覚は演奏を終えた後観客による拍手によって終了することが共通しています。幻覚が終了すると、演奏の批評と"Chopin"というサインの入った紙1がSCP-XXX-JP上に出現します。(SCP-XXX-JP-1と呼称)以下はSCP-XXX-JPの実験記録です。

SCP-XXX-JPは樋谷 埜氏が売却予定のグランドピアノの鑑定中に異常性を発揮したことが財団の目に留まり、確保されました。鑑定に当たった人物は記憶処理を施し、樋谷氏についてはPoI-4230"Chopin"及びGoI-XXX"超常芸術連合"についての情報を持っていると思われるため財団が同意のもと勾留しています。

対象: 樋谷 埜

インタビュアー: 鍵山 伴治研究員

付記: SCP-XXX-JP確保直後に同氏を訪問、インタビューが行われた。

<録音開始>

鍵山研究員: まずあのピアノ、SCP-XXX-JPをどこで入手したか教えていただけますか。

樋谷氏: あれは元々富照 詩律、付き合ってた人のものでな。それを俺が引き取ったって感じになるな。

鍵山研究員: となると富照さんは……。

樋谷氏: ああ、死んだよ。交通事故でな。それでこれを形見としてって感じだな。

鍵山研究員: それではなぜSCP-XXX-JPを売却しようとなさったんですか。

樋谷氏: そもそもこいつは彼女が超常芸術連合ってところ経由で遺してくれたものらしくてな。

樋谷氏: 最初は使ったときビックリしたよ目の前にいつも演奏を聞いてるときみたいにあいつがいるんだ。思わず抱きしめようとしてしたよ。まぁそん時はすぐに消えちまってあの手紙でも怒られちまったがな。

樋谷氏: その後何回か使ったんだが、手紙に書かれたことがあいつが言いそうな感想そのまんまだったんだよ。それで……。[ため息をつく]

鍵山研究員: どうかされましたか?

樋谷氏: いや、大丈夫だ。それであいつとの思い出の曲を弾いてやろうと思ったんだ。

鍵山研究員: 思い出の曲とは?

樋谷氏: ショパンのエチュードOp10-32だよ。本当にこれが苦手でなぁ。一番あいつと練習した曲なんだ。それを弾いたんだ。

鍵山研究員: 弾いた後、何が起きたのでしょうか。

樋谷氏: そりゃボロクソさ。普通に下手な演奏を聞いた時みたいな感想。でも、あいつは一緒に練習して、多少はマシになったことも知ってて、あんな風に言われたことは一度もなかった。

鍵山研究員: それにショックを受けて売却を?

樋谷氏: いや、少し違うな。なんというか……。あれはあいつの音楽的な感性の部分であって、俺との記憶や思い出は一切持ってないんだって気づいちまったんだ。そこから少しずつ思い出の中のあいつとズレていっているように感じて。
樋谷氏: で、もう虚しくなっちゃったってわけだ。あいつはもう戻ってこないし、二度と俺の演奏を聞いてくれることもないんだってな。
<録音終了>

終了報告書: インタビュー中に存在が提示された超常芸術連合、富照 詩律氏をGoI-XXX、PoI-4230に指定し、調査を開始しました。また、SCP-XXX-JPから特殊な霊的実体が発見されました。通常の霊的実体と比べ反応に乏しいにもかかわらず、音楽に対して過剰に反応する性質を持ち、同様の霊的実体を音楽的霊体と呼称し、研究を行っています。

補遺: 樋谷氏の自宅から、SCP-XXX-JPの引き取りの際に添付されていたと思われる文書を発見しました。以下が文書の内容です。

この度は、富照 詩律氏のご逝去をお悔やみ申し上げます。

超常芸術連合で同氏は"Chopin"の名前で活動しており、特に批評において自らの活動と同時に次の世代の批評家を育てることにも熱心に取り組んでいました。そのようなこともあり、今回の事故は多くの人を悲しませたものとなってしまいました。

さて、彼女は生前音楽の評価という分野に力を入れていました。人の感性というものはどこから来るのか、その過程で誕生いたしましたのがこのピアノでございます。生前、彼女は万が一のために貴方様にお渡しするように遺書に記していました。彼女の魂がこもった一品でございます。彼女の遺したものを胸に刻み、音楽に魂を捧げる、それが彼女の願いだと信じています。

超常芸術連合音楽部門責任者 [認識災害により削除済]




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