MachinaTale(題名未定)

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最初はアメリカでの通報だった。
「人が塵に変わった」と。しかし、その数秒後には微細なノイズが聞こえるだけだった。
財団はこの異常事態を把握し、単一の敵対的異常存在を仮定した上で機動部隊の派遣を決定した。

結果的には機動部隊が出動する必要はなかった。何故なら機動部隊の派遣が決定した頃には最寄りのサイト付近は完全に全ての原因であるナノマシンが充満していたからだ。

財団が事態を正しく認識したのはそのかなり後のことだ。何故なら財団の中枢部はAICによって自動化されている一部以外の機能が停止したからだ。O5は生きているという噂もあるが、真偽は不明だし、確かめる術もない。第一生きているなら出てくるだろうし、この事態ももっと早く把握できただろう。

で、ここからはここサイト-81██の話。

この緊急事態が日本支部に認識されたのはあのアメリカでの通報の2日ほど後のことだ。その頃には既にナノマシンの群れは天皇海山群上空を突破している。もう猶予はない。ナノマシンの群れの収容は不可能と判断され、Apollyonが割り当てられた。

しかも、運悪く数人の日本支部職員はサイト-19に出張していた。その中にはあのクソッタレや日本支部理事もいるそうだ。最悪だ。まああいつならすぐ“復活“するだろうが、日本支部理事や数人の重要な役職の奴らが被害に遭っているということは、おそらく対抗する手段はない。あるのならとっくの昔に行われているだろう。

とりあえずは今いる数人を緊急代理に立てて事なきを得たが、この先どうするかは全く決まっていない。ナノマシンの到達予定日時は明日。立てられる対策はない。せいぜい職員全員で気密収容セルに籠ることくらいしか。しかし収容セルに何万人もの人間を収容できるほどの空きはない。せめて時間稼ぎだけでもとサイトの気密化作業が進められている。まあ効果があるのかは疑問だが。

あと半日。あとは最後の晩餐でウマい飯食って幸運を祈るだけだ。幸い太平洋のおかげでアメリカ以外に大きな被害はまだ及んでいないが、これは立派な支配シフトだ。だが、それを止められる財団はもう被害を被りすぎている。

大方の気密処理は完了したそうだ。水や通常の有毒ガス程度では通さないそうだ。ナノマシンに効果は……おそらく無いだろうな。ついでにサイトの外壁付近には高電圧の電流を流して精一杯の防御とするそうだ。だが、そもそもナノマシンは機械マシンなのか?

天罰の日だ。こんなナノマシンが自然にできたものとは考えられないから天罰を下したのは神ではなく人間だろうが。幸い、高電圧電流はある程度の効果を発揮しており、サイト内に侵入して来たナノマシンはどうやらいないようだ。まあ見えないが。

しかし、どこかのタイミングで一気にナノマシンが流れ込んだようで、数人の職員が塵と化した。そこからは一瞬だった。
その職員たちがついさっきまでいた場所を中心に多数の職員が消え、被害は円状に拡大した。

そして、私もついに喰われる時が来たようだ。足の感覚がない。胴体らへんで何かが蠢いてるような感触がある。へそまで上がって来た。何かが流れ出しているような気分だ。腕と脇の下まで消えた、息が吸えない。いやだ。死にたくない。死にたくない死にたくない。そんな気持ちが心の中で渦巻く。

そして、意識を失う直前、一瞬視界が開け、私はあの嘘で塗り固められた偽善者を見た。


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