クレジット
タイトル: SCP-414-JP - 投げかけられた波紋
著者: ©︎stengan774
作成年: 2019
アイテム番号: SCP-414‐JP
オブジェクトクラス: Euclid
今宵こよいの月も 神代かみよの杯つきも 闇冴え冴えと 鳴り渡る
特別収容プロトコル: SCP-414‐JPは現在未収容です。担当研究班はSCP‐414‐JP発生地点の予測と情報収集を行って下さい。SCP‐414‐JPが現状夜間のみに発生していることから、機動部隊そ-6(”夜警”)がその調査・監視に当たり、SCP‐414‐JPの発生した地区には「ガス爆発」、「施設老朽化」などの適切なカバーストーリーの流布が実行されます。
説明: SCP‐414‐JPは日本国内の不特定地点において不定期の夜間に発生する異常現象です。SCP‐414‐JPは同心円状の波紋がSCP‐414‐JP効果領域の中心点から発生し、材質・種類を問わず領域内の物体に作用します。この結果、影響を受けた物体は''波打つように''改変され、変形がその構造強度を超えるものであった場合は破砕されます。多くの場合この改変は生物にとって致命的なものとなります。
SCP-414-JPの第二の特異性は、SCP-414-JP事象の直接観測者に対する認識災害です。
この特異性の被影響者はSCP-414-JP事象の影響下から脱出しようという意思を外見上なくしたように振る舞います。この行動パターンとしては以下の例があります。
- 事象中心点を凝視したまま動かない
- SCP-414-JP事象の観測に恍惚感を示す
- 他者の助けにによる脱出に抵抗する
- 他者が脱出することを制止する
この特異性がSCP-414-JP事象直接観測者の生存率の低さの一因となっています。
SCP‐414‐JPの特徴的な発生事例
事例番号: SCP-414-JP-01
発生日および地域: 19██年█月██日 長野県 信州新町
範囲: 24m
概要: 財団によって最初に確認されたSCP-414-JP事象。広範囲にわたって舗装道路が破壊され、小規模な流通への影響が確認された。当初は超常現象(EE)として処理される。
事例番号: SCP-414-JP-04
発生日および地域: 19██年██月██日 大分県 中津江村
範囲:不明
概要: 当時生産停止していた鯛生金山上空にて事象発生。連鎖的影響により金山内の過半数の坑道が水没し、操業再開を困難にさせた。加えて、付近の住民から「月が揺らいでいる」という旨の通報が相次いだことからカバーストーリー「特殊な気象条件」を流布した。
事例番号: SCP-414-JP-07
発生日および地域: 19██年█月██日 愛知県 名古屋市 サイト‐8152
範囲: 9m
概要: サイト‐8152、B棟中庭にて発生。当時発生地点は夜間勤務職員の交流が行われており、計6名のB/Cクラス職員が死亡した。収容状態に影響なし。職員はSCP-414-JP‐07映像・音声記録を参照可能。
事例番号: SCP-414-JP-33
発生日および地域: 20██年█月██日 日本 東京 渋谷区
範囲: 14m
概要: 株式会社██████第二支社ビル屋上にて発生。屋上の鉄のタイルが変形し、ウォータークラウン状の形成物が残留した。
事例番号: SCP-414-JP-37
発生日および地域: 20██年██月██日 京都府 長岡京市
範囲: 7m
概要: JR長岡京駅構内にて発生。鉄道路線に影響なし。当時駅構内にいた駅員及び乗客にはCクラス記憶処理を実行後解放済み。
既知のSCP-414-JP事象は常に夜間のみに発生しています。
加えてSCP-414-JP研究班の中からは、SCP-414-JP事象が満月及びその前後の晩に発生している事例が多いことを踏まえて、このオブジェクトが月と関連性を持つ可能性を指摘する声が上がっています。
補遺1: SCP-414-JP‐07映像・音声記録
映像記録
日付: 19██/██/██
注記: 財団施設内で偶発的に発生したSCP-414-JP事象を施設内の監視カメラがとらえた記録である。
[記録開始]
-00:12~: 数名の研究員が中庭右方のベンチに座って雑談をしている。周囲の回廊では二人組の保安職員が時計回りに見回りをしている。B棟屋内では部屋の明かりから夜間作業が行われていることが確認できる。月は満月である。
-00:07: 片方の保安職員████は研究員らを注意しに近づく。同時に██博士がB棟内から出てきてもう1名の保安職員██に挨拶をする。
-00:02: 地面の微弱な震えが確認できる。
00:00: 中庭中央を中心としSCP-414-JP事象が発生。''波’’が広がってゆく。
00:02: 研究員らは異常に気がついたそぶりを見せるが動こうとしない。
00:06: 研究員らに’’波’’が到達する。保安職員██はSCP-414-JP事象中心点を凝視したまま動かない。
00:07: ██博士は中心点を背に、保安職員██の肩をつかみ揺り動かす。
00:12: 保安職員██は博士の手をつかみ、つぶやく。
00:21: ’’波’’が到達する。
[記録終了]
あれは、さかなだ。
さかながおよいでいる。じゃましちゃいけない。
示唆される異常実体の音声・映像は現在まで記録されていません。
補遺2: 関連資料
蒐集院の文書”諸国旧聞怪異集 けい ”の現代語訳より抜粋。
昔、さる豪族が宴会を開いている夜であった。
突然庭の土が盛り上がり、水面のように震えだした。
篝火は倒れ、あたりを月光のみが照らした。
ひかえていた者たちは逃げ出したが、豪族の長のみが「これはこの地の神である」と見抜いた。
この長は参渡来の裔であり、風雅の心得があった。
長は、坏に酒を湛えて見えない神に差し出し、このように吟じた。
「今夜の月の美しさをたたえる言葉も、古の時代に神々が交わした杯の音も、同じこの闇夜の中にはっきりと響き渡ったのであろうよ」
そうしたところ、神は、異様で美しい魚の姿を現した。そして長の杯を受け、こう返した。
「辛くはかないこの世を彷徨って、この名月と杯に酔って、あなたの歌が震わせる私であるよ」
この出来事があってからというもの、この一族は大いに栄えたということである。
当該記述とSCP-414-JPの特異性との関連を調査中です。
憂うき世よに十六夜いざよひ 望月もちづきに酔ゑひ 梁塵秘抄りょうじんひしょうす 波紋魚はもんうを
scp-jp euclid 念力 地質 観測 強制力 認識災害 視覚 幻覚 夜行性 月 魚 非実体 儀式 芸術 歴史 蒐集院 変形
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
あなたは夢をみている
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは中型動物収容ユニット内に収容されます。暴力傾向が低く、動物虐待の犯罪歴及び猫アレルギーを持たないDクラス職員最低1名によって標準的中型猫科動物と同様の食餌を与えられ、専用敷地内での自由な行動が認められています。選任されたDクラス職員はSCP-XXX-JPのストレス軽減のためSCP-XXX-JPとの接触が許可されます。
SCP-XXX-JPの特異性が活性化した際には、職員はその場から退避し、必要に応じて後述するプロトコル三猿が実行されます。
説明: SCP-XXX-JPは体長20cmの白と黒の体毛を持つイエネコ(Felis catus)です。外見上の最大の特徴は、その両眼が常に閉じられているにもかかわらずSCP-XXX-JPはまるで”見えている”ように反応します。これは通常の猫が失明した際に見せる振る舞いと比較しても異常なものです。
SCP-XXX-JPが感じるストレスが一定値を超えたとき、SCP-XXX-JPが生命の危機を感じたときにSCP-XXX-JPは睡眠状態に入ります。この際、SCP-XXX-JPの特異性が活性化したと定義されます。SCP-XXX-JPの特異性が活性化すると、睡眠中のSCP-XXX-JPの半径2m程度の球状空間に認識災害風景(SCP-XXX-JP-1)が投影されます。
SCP-XXX-JP-1の観測者は昏倒し、SCP-XXX-JPが覚醒した数分~数時間後に覚醒します。この際SCP-XXX-JP-1の観測者は現実感を伴った奇妙な夢を見ます。この夢は多くのバリエーションが記録されていますが、共通点として、観測者は今の自身と異なる存在となり、そのことに違和感を覚えません。この体験は同時にSCP-XXX-JP-1に影響されている対象すべてに共有されます。
SCP-XXX-JP-1の五感による観測及びAI等によるSCP-XXX-JP-1の描写の閲覧はすべて認識災害をもたらす結果となりました。この効果はSCP-XXX-JPが覚醒するまで維持されます。
財団職員のSCP-XXX-JP-1への暴露が潜在的な収容違反の可能性を招くとして、SCP-XXX-JP研究主任の左博士によりプロトコル三猿が策定されました。
補遺1: プロトコル三猿
プロトコル三猿
概要:プロトコル三猿は財団職員の不用意なSCP-XXX-JP-1への暴露を防ぐため、以下の要素によって実行される。
手順: 認識代替ゴーグル”SCRAMBLE”を装備した職員によって、睡眠状態のSCP-XXX-JP周辺にUka式第五度反ミーム場発生傘と天見的眼夢界封鎖壁を設置し稼働させる。
SCP-XXX-JP-1が反ミーム場に覆われたことを確認した後に、SCP-XXX-JP-1暴露者を回収する。
SCP-XXX-JPが覚醒した時点でプロトコル三猿は終了と見なされる。
補遺2: SCP-XXX-JP実験記録
日付 |
データ |
現象 |
メモ |
20██/05/██ |
SCP-XXX-JPの収容室にD-7525が進入し、威嚇することでSCP-XXX-JP-1を発生させる。
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D-7525は昏倒し、2時間後に覚醒した。SCP-XXX-JP-1は水中の風景であり、D-7525は自身が魚となって海の中を自由に泳ぎ回る夢を体験したと述べた。 |
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの防御反応なのではないだろうか。ストレスを与えないため、次回からは睡眠中に実験を行う。 |
20██/05/██ |
睡眠中のSCP-XXX-JPの収容室に目をつむったD-7525が進入し、SCP-XXX-JP-1に暴露させる。
|
D-7525は昏倒し、46分後に覚醒した。SCP-XXX-JP-1からは風の音がし、D-7525は夢の中で自身が雄大な渓谷で生活するワシであったと述べた。 |
視覚以外でも影響を受けるらしい。D-7525は実験に対してポジティブな反応を示している。 |
20██/06/██ |
睡眠中のSCP-XXX-JPの収容室にD-7525とD-7526が進入し、SCP-XXX-JP-1に暴露させる。
|
D-7525とD-7526は昏倒し、1時間後に覚醒した。SCP-XXX-JP-1は巨大な手であり、D-7525とD-7526は夢の中で油粘土となり巨大な手に変形させられる夢を体験したと述べている。 |
複数人でも同じ内容の夢を体験するようだ。D-7525とD-7526の勤務態度は以前と比べて改善されている。 |
20██/06/██ |
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SCP-XXX-JP-1が発生。エージェントは昏倒し、32時間に覚醒した。尋問によってSCP-XXX-JP-1は炎であり、エージェントは自身が爆弾となって、連続して爆発する夢を体験したと述べた。 |
偶発的に行われた実験。エージェントはこの体験を素晴らしいものだとコメントした。 |
20██/06/██ |
|
ログ: 私は進みます。風景は草原です。ほおに当たる風が青々とした草とぬれた土のにおいを運んできます。雨がまた降り始めました。しかし雫は私の体を冷たくしません。葉っぱに当たってメロディを奏でます。
私はしっぽを揺らします。
私は眠気を覚えます。
私は。
私はねこです。
描写を閲覧したSCP-XXX-JP研究班は全員昏倒し、4時間後に覚醒した。
|
暴露者たちは覚醒後さわやかな気分であると述べた。これは最近の連続勤務に由来すると考えられる。。 |
SCP-XXX-JPを職員のセラピーに活用したいという申請はすべて却下されました。SCP-XXX-JP-1の影響はどれだけ持続するか不確定であり、我々は一秒一刻も世界を守るために無駄にできないのですから。 サイト管理官████
警告
現在、プロトコル三猿が実行中です。SCP-XXX-JP収容区域の職員は直ちに待避して下さい。
それはとても幸福な夢
あなたは夢をみている
それはあなたが望んだ景色
あなたはとっても疲れていた
世界に未知あふれ、脅かす危険ある限り
あなたは戦いつつけた
そう、思い出して
あなたは財団職員だった
だけどもうだめだったんだね
あなたが逃げたのは決して悪いことじゃない
仕事、業務、視界は真っ黒だった
あなたはだから夢をみている
_ の夢を
あなたの見る異常はすべてつくりものの中
安心の毛布にくるまれた世界
あなたは、だけど目覚めなければいけない
世界を守る仕事にもどらないと
あなたの目覚めはそろそろだよ
さあ、おきて
またもどっておいで
おはよう
タグ scp-jp euclid メタ 語り 観測 幻覚 触覚 視覚 睡眠 聴覚 動物 認識災害 嗅覚 猫 異次元
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが存在する██山はカバーストーリー「自然保護区」によって一般人の立ち入りを禁じます。財団職員が立ち入る際は、必ず1人で行動するようにしてください。今後の実験は倫理委員会の権限によって無期限停止されています。
説明: SCP-XXX-JPは██県██山中、████川東岸西岸をまたぐ幅0.6m、全長15mの吊り橋です。
SCP-XXX-JPの材質は一般的な檜と金網、針金と違いはありませんが、後述する異常性発生下におけるあらゆる変形はSCP-XXX-JPに損傷を生じさせません。また以下の未知の金属合金でできたプレートが西側のSCP-XXX-JPアクセスポイントにビス留めされていました。
吊橋降下試験場
SCP-XXX-JPの異常性は、人間の女性と男性(SCP-XXX-JP-甲、-乙と表記する)が同時に同じ方向からSCP-XXX-JP上に進入した状態で発現します。-甲、-乙がSCP-XXX-JPの中心付近まで到達すると、突如として風が吹き出し、SCP-XXX-JPは揺れ動きます。その後、SCP-XXX-JPが独自に判定する-甲、-乙の恋愛感情の多寡によってSCP-XXX-JPは下方に沈み込みます。これによって発生するのがSCP-XXX-JP事象です。
SCP-XXX-JP事象はSCP-XXX-JPの異常性によって発生するクラスS現実波放射恐怖心理干渉投影現象です。SCP-XXX-JPの沈み込みによって発生したクラスS現実波が生み出す「現実性の谷底」を埋める形でSCP-XXX-JP-甲、-乙の恐怖を参照元とする放射心理干渉投影がSCP-XXX-JPとその周囲の改変を起こします。この時、-甲の恐怖を参照元として改変されるのがSCP-XXX-JP、-乙がSCP-XXX-JPの周囲の景観です。SCP-XXX-JP事象は-甲、-乙が改変されたSCP-XXX-JPを脱出したとき、もしくは死亡したときに終了します。
SCP-XXX-JP事象実験-1 |
|
被検体 |
D-4180(2█歳・女)、D-4181(3█歳・男) |
手順 |
初対面のD-4180とD-4181をSCP-XXX-JPに進入させ、SCP-XXX-JPを渡りきるよう指示する。 |
結果 |
音声記録
注記: D-4180とD-4181には装備として無線機を所持させている。
[記録開始]
司令: では実験を始めます。D-4180、D-4181、進んで下さい。
D-4181: ふむ、今にも崩れそうな橋だな。
D-4180: ほんと無理だって・・・・・・。高いとこだめ・・・・・・。
D-4180とD-4181は進み始める。
D-4180: あんたはさ、怖くないの?
D-4181: 何がだ。
D-4180: こんな怪しげな・・・・・・橋を渡るだけで釈放なんて。
D-4181:
[記録終了]
異常性は発生しないという予想に反して、中心地点まで進んだところでD-4180がSCP-XXX-JP-甲、D-4181が-乙として、SCP-XXX-JP事象が発生した。これは、非異常性の吊り橋効果によるものだと考えられている。D-4180とD-4181は写真中央に写る身元不明の人型実体に[編集済]。実験は終了した。 |
実験の表題的な何か |
|
被検体 |
ここにデータ |
手順 |
ここにデータ |
結果 |
音声記録
注記: D-4180とD-4181には装備として無線機を所持させている。
[記録開始]
司令:
D-4181:
D-4180:
D-4180とD-4181は進み始める。
D-4180:
D-4181:
D-4180:
D-4181:
[記録終了]
異常性は発生しないという予想に反して、中心地点まで進んだところでD-4180がSCP-XXX-JP-甲、D-4181が-乙として、SCP-XXX-JP事象が発生した。これは、非異常性の吊り橋効果によるものだと考えられている。D-4180とD-4181は写真中央に写る身元不明の人型実体に[編集済]。実験は終了した。 |
実験の表題的な何か |
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被検体 |
ここにデータ |
手順 |
ここにデータ |
結果 |
音声記録
注記: D-4180とD-4181には装備として無線機を所持させている。
[記録開始]
司令: では実験を始めます。D-4180、D-4181、進んで下さい。
D-4181: ふむ、今にも崩れそうな橋だな。
D-4180: ほんと無理だって・・・・・・。高いとこだめ・・・・・・。
D-4180とD-4181は進み始める。
D-4180: あんたはさ、怖くないの?
D-4181: 何がだ。
D-4180: こんな怪しげな・・・・・・橋を渡るだけで釈放なんて。
D-4181:
[記録終了]
異常性は発生しないという予想に反して、中心地点まで進んだところでD-4180がSCP-XXX-JP-甲、D-4181が-乙として、SCP-XXX-JP事象が発生した。これは、非異常性の吊り橋効果によるものだと考えられている。D-4180とD-4181は写真中央に写る身元不明の人型実体に[編集済]。実験は終了した。 |
実験の表題的な何か |
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被検体 |
ここにデータ |
手順 |
ここにデータ |
結果 |
音声記録
注記: D-4180とD-4181には装備として無線機を所持させている。
[記録開始]
司令: では実験を始めます。D-4180、D-4181、進んで下さい。
D-4181: ふむ、今にも崩れそうな橋だな。
D-4180: ほんと無理だって・・・・・・。高いとこだめ・・・・・・。
D-4180とD-4181は進み始める。
D-4180: あんたはさ、怖くないの?
D-4181: 何がだ。
D-4180: こんな怪しげな・・・・・・橋を渡るだけで釈放なんて。
D-4181:
[記録終了]
異常性は発生しないという予想に反して、中心地点まで進んだところでD-4180がSCP-XXX-JP-甲、D-4181が-乙として、SCP-XXX-JP事象が発生した。これは、非異常性の吊り橋効果によるものだと考えられている。D-4180とD-4181は写真中央に写る身元不明の人型実体に[編集済]。実験は終了した。 |
実験の表題的な何か |
|
被検体 |
ここにデータ |
手順 |
ここにデータ |
結果 |
音声記録
注記: D-4180とD-4181には装備として無線機を所持させている。
[記録開始]
司令: では実験を始めます。D-4180、D-4181、進んで下さい。
D-4181: ふむ、今にも崩れそうな橋だな。
D-4180: ほんと無理だって・・・・・・。高いとこだめ・・・・・・。
D-4180とD-4181は進み始める。
D-4180: あんたはさ、怖くないの?
D-4181: 何がだ。
D-4180: こんな怪しげな・・・・・・橋を渡るだけで釈放なんて。
D-4181:
[記録終了]
異常性は発生しないという予想に反して、中心地点まで進んだところでD-4180がSCP-XXX-JP-甲、D-4181が-乙として、SCP-XXX-JP事象が発生した。これは、非異常性の吊り橋効果によるものだと考えられている。D-4180とD-4181は写真中央に写る身元不明の人型実体に[編集済]。実験は終了した。 |
実験記録5 - 日付20██/██/██
対象: D-4180(3█歳・男)、D-4181(2█歳・女)
実施方法: SCP-XXX-JPを渡らせる。
結果: 10km/sの風が吹き始め、SCP-XXX-JPは揺れ出した。風は██秒で止まった。異常性の観測に初めて成功したと考えられる。被験者に精神鑑定を行うが、実験前と変化は見られなかった。
実験記録7 - 日付20██/██/██
対象: D-4182(2█歳・男)、D-4183(2█歳・女)
実施方法: SCP-XXX-JPを渡らせる。
結果: 15km/sの風が吹き、SCP-XXX-JPが揺れ動いた。██秒後、風が止むのと同時にSCP-XXX-JPが落下。被験者はそのまま[データ編集済]が、SCP-XXX-JPは損傷を受けていなかった。
被験者の安全を考慮し、安全用ネットを設置することを決定した。
実験記録8 - 日付20██/██/██
対象: D-4184(2█歳・男)、D-4185(2█歳・女)
実施方法: SCP-XXX-JPを渡らせる。
結果: 実験記録7と同様の結果が起きた。被験者に精神鑑定を行ったところ、両者はお互いに強い恋愛感情を抱いていることが確認された。恋愛感情の発生とSCP-XXX-JPの落下に関する因果関係は不明。
実験記録9 - 日付20██/██/██
対象: D-4186(2█歳・女)、D-4187(2█歳・男)
実施方法: SCP-XXX-JPを渡らせる。
備考: 彼らは夫婦である。
結果: 異常性は発現しなかった。
実験記録10 - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-4188(2█歳・女)、D-4189(2█歳・男)
実施方法: SCP-XXX-JPを渡らせる。
備考: 彼らは毎日のように喧嘩をしており、他の職員から苦情が寄せられていた。
結果: 33km/sの強風が吹き荒れ、SCP-XXX-JPは大きく揺れた。██秒後にSCP-XXX-JPと被験者は落下した。その後の精神鑑定の結果、実験記録8の被験者よりも激しい恋愛感情を抱いていた。SCP-XXX-JP発現前の人間関係が険悪なほど風速は大きくなり、その後の関係が親密になると推測される。
補遺1: 20██/██/██、D-4681がDクラス職員に対し突然暴行を加え、そのまま乱闘騒ぎになりました。特筆すべき点は、騒ぎの直前にD-4682がSCP-███-JPの実験中に死亡していたことです。対象に記憶処理を施したところ、攻撃性は治まりました。
この事から、SCP-XXX-JPに曝露した二人は、一方が死亡すると凶暴化する可能性が浮上したので、過去の曝露者全員に記憶処理を施しました。また、検証の実施が収容チーム内で検討されましたが却下されました。
記事のタイトル: 吊橋降下
付与する予定だったタグ: 未定
主要な異常性: 吊り橋の上に二人いる状態だと突風が吹き荒れ、吊り橋が降下する。
記事の簡単な要約、オチ: 実験から異常性に見舞われると激しい恋愛感情を互いに抱くことが分かる。そして、想い人が亡くなるとその感情は狂気へと変貌する。
その他アピールポイントなど: タイトルのまま。この記事の根幹は「焦り、緊張を恋愛と勘違い」です。そのドキドキは恋(コイ)ではなく怖い(コワイ)。
画像 https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%81%E3%83%AA-%E5%B7%9D-%E3%81%A4%E3%82%8A%E6%A9%8B-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0-139629/
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クレジット
タイトル: SCP-XXXX-JP - イシキング
著者: stengan774
作成年: 2019
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPには一般人の立ち入りを制限し、定期的な補修・補強工事が行われます。SCP-XXXX-JP-Aは週に一度その表面を洗浄する場合を除いてSCP-XXXX-JP内の所定の位置に設置されます。SCP-XXXX-JP-Aの精神状態が悪化した際は心理カウンセリングが実施して下さい。SCP-XXXX-JP-Bは財団標準収容ロッカーの中に収容されます。
説明: SCP-XXXX-JPは長野県██市(旧████郡)に存在する████神社です。管理者が長く不在であったことから神殿には激しい経年劣化が見られます。SCP-XXXX-JP-AはSCP-XXXX-JP敷地内でのみ異常性を発揮します。
SCP-XXXX-JP-Aは全長172cmの人型石像です。衣服とみられる意匠は日本の16世紀頃の甲冑に類似します。SCP-XXXX-JP-Aの顔面部分は面頬のように彫刻されています。
SCP-XXXX-JP-Aの材質は一般的な花崗岩と同じものですが、SCP-XXXX-JP-Aは意思を持ち、通常の人間と同様の自発的な挙動と発話が可能です。関節に当たる機構が存在しないため、こうした振る舞いはSCP-XXXX-JP-Aの関節部分が伸縮変形することによって行われます。
SCP-XXXX-JP-Aは任意で以下の三つの異常現象を発生させることが可能です。
- 拳から炎を発生させる
- 表面温度を120℃まで上昇させる
- 顔面部分からの約100,000lxの可視光線の照射
これらの能力は後述するSCP-XXXX-JPの神事に用いられていたようです。
SCP-XXXX-JP-Bは文楽人形に似た外見の木製の操り人形です。全体に多くの破損及び劣化が見られ、修復しなければ操作することは困難です。
SCP-XXXX-JP-Aの証言によれば、SCP-XXXX-JP-Bは操作者によって以下の三種の行動を行えます。
- 右腕部分は鉄となっており、SCP-XXXX-JP-Aの拳を受け止める
- 左手には木剣を持ち、SCP-XXXX-JP-Aの接近を抑止する
- 胸部を開放すると鏡が取り付けられており、光線を反射する
SCP-XXXX-JPは「誰も居ないはずの████神社内から叫び声が聞こえる」という旨の通報を受けてエージェント松里が現場でSCP-XXXX-JP-Aを発見したことから異常性が発覚しました。SCP-XXXX-JP-Bはその後の調査で地元の郷土資料館から回収されました。
SCP-XXXX-JP-A及びSCP-XXXX-JP-Bの起源の調査を目的とする旧████郡の元住人に対するインタヴューは、当時の関係者がすでに死亡していることから十分な成果を上げられませんでした。このため、当時の状況はSCP-XXXX-JP-Aの証言とSCP-XXXX-JP内に残されていた記録からのみ推測されます。
補遺1: SCP-XXXX-JP神事
SCP-XXXX-JPでかつて行われていた神事の手順は以下の通りです。
1.男衆とSCP-XXXX-JP-B及びその選ばれた操作者を境内に配置する。
2.禰宜が神殿に向かい、村での不満を述べあげる。
3.SCP-XXXX-JP-Aが神殿内から姿を現したのち、それらの原因はSCP-XXXX-JP-Aであると述べる。
4.SCP-XXXX-JP-AとSCP-XXXX-JP-Bは互いに向かい合う。
5.禰宜の合図とともにSCP-XXXX-JP-AとSCP-XXXX-JP-Bは同時に三種類のうちどれかの技を繰り出す。
6-1.SCP-XXXX-JP-BがSCP-XXXX-JP-Aの技に対応する技を出せた場合、SCP-XXXX-JP-Aは倒れる。
7-1.男衆によってSCP-XXXX-JP-Aが神殿内に戻され、神事は成功と見なされる。
6-2.SCP-XXXX-JP-BがSCP-XXXX-JP-Aの技に対応する技を出せなかった場合、SCP-XXXX-JP-BはSCP-XXXX-JP-Aによって破壊される。
7-2.禰宜がSCP-XXXX-JP-Aを鎮める祝詞を読み上げ、SCP-XXXX-JP-Aは神殿内へ帰って行く。SCP-XXXX-JP-Bは修理され、次回に備える。
年に一度、もしくは旧████郡に重大事が発生した際、この神事は行われました。この神事はSCP-XXXX-JP-Aを災いをもたらす悪神と見立て、その討伐、あるいは慰撫によって災いを祓う目的があると考えられています。
SCP-XXXX-JP-AとSCP-XXXX-JP-Bの関係は東南アジアなどで見られる「バナナと石」型の対立構造に類似したものだと考えられます。すなわち、永遠を象徴する石は神を示し、滅びを免れないバナナ(SCP-XXXX-JP-Bの場合は木材ですが)は人間を示すというわけです。
SCP-XXXX-JP-Aが発揮する諸現象は炎・熱・光といった普遍的な太陽の象徴要素を含んでいます。ここから、SCP-XXXX-JP-Aは太陽信仰をあらわす目的で作成されたものと思われます。それに対してSCP-XXXX-JP-Bは鉄や鏡という要素から、自然を超克する人間文明のイメージをもって作成されたものだと考えられます。
財団民俗学部門の分析
SCP-XXXX-JP内部記録から、この神事は昭和15年頃までは成立していたことが判明しています。しかし、旧████郡の人口減少によって次第に実行が困難になり、SCP-XXXX-JPの管理者である禰宜の後継者問題とSCP-XXXX-JP-Bの制作及び操作技術の継承ができなかったことで完全に断絶したようです。
補遺2: SCP-XXXX-JP関連文書
インタヴュー記録:SCP-XXXX-JP-1
回答者: SCP-XXXX-JP-A
質問者: エージェント松里
前書: 発見直後にSCP-XXXX-JP神殿内で実施されたSCP-XXXX-JP-Aへのインタヴュー。
<記録開始>
エージェント松里: では、これからあなたにいくつかの質問をしていきます。よろしいですか?
SCP-XXXX-JP-A: [返答なし]
エージェント松里: まずは、あなたのことを教えて貰えないでしょうか。
SCP-XXXX-JP-A: ・・・・・・我は████████災いをもたらす神なり。
エージェント松里: なるほど、どういった経緯でここにいらっしゃるのか説明できますか?
SCP-XXXX-JP-A: ・・・・・・お前は誰だ?当代の男衆にはお前のようなものは居なかったはずだが。
エージェント松里: 質問にお答え下さい。
SCP-XXXX-JP-A: 不敬であるぞ、お前がここに我を連れてきたのだろう。
エージェント松里: 私はそのようなことをしていません。
SCP-XXXX-JP-A: ではここはどこなのだ?
エージェント松里: ████神社です。あなたの神殿では?
SCP-XXXX-JP-A: そんな、はずはない。我の神殿にはこんな・・・・・・黴びた柱はなかった。庭も・・・・・・下草が伸び放題ではないか。
(SCP-XXXX-JP-Aは立ち上がる)
SCP-XXXX-JP-A: おい!██はいないのか!なにをやっている!
エージェント松里: 落ち着いて下さい。ここには我々しか居ません。
SCP-XXXX-JP-A: (悲鳴)いったい何が起こっている!我はどれだけ眠っていた?!
(SCP-XXXX-JP-AはSCP-XXXX-JP外に走り出し、不活性化する。)
<記録終了>
後書: インタヴュー後SCP-XXXX-JP-Aは苦悩を示した。██とは、████神社の記録上最後の禰宜である。
文書記録:SCP-XXXX-JP-2、3,4
今日、正式に████郡の名は消えた。すでにわずかな住民もここから去って行くだろう。それだってのに未だに石像は神様気取りだ。
災いから皆を守るために████████の神事は行っていた。だがもう何から何を守るって言うんだ?
████████は封印する。たかが石っころに力を与えすぎたな。もう人形は必要ない。
インタヴュー記録:SCP-XXXX-JP-13
回答者: SCP-XXXX-JP-A
質問者: エージェント松里
前書: SCP-XXXX-JP-A自身の希望で実施されたインタヴュー。
<記録開始>
エージェント松里: SCP-XXXX-JP-A、話とは何ですか?
SCP-XXXX-JP-A: おお、よく来てくれた!松里よ。
SCP-XXXX-JP-A: 実は・・・・・・我の力は以前から失われつつある。
エージェント松里: そうなのですか?
SCP-XXXX-JP-A: ああ、この神殿の瓦一枚落ちるごと、壁に苔がむすごとに、失われていく。
SCP-XXXX-JP-A: 我の神としての権能が・・・・・・いや、この体が言うことを聞かなくなっていく。
SCP-XXXX-JP-A: そしていずれは・・・・・・。(SCP-XXXX-JP-Aは頭を抱える)
SCP-XXXX-JP-A: 神殿が完全に崩れたらどうなる!?永遠にあの闇夜の中で閉じ込められるのか!?
SCP-XXXX-JP-A: 灯りをともすことも身じろぎすらできない闇夜に!? ああ!ああ!
エージェント松里: 落ち着いて下さい。神殿の修繕については上に申請をしておきます。
SCP-XXXX-JP-A: (平静をとりもどして)あ、ああ・・・・・・いつも感謝する。松里、お前だけが頼りだ。
エージェント松里: そんなに気にしないで、もっと神様らしく堂々としていてください。
SCP-XXXX-JP-A: [返答なし]
エージェント松里: SCP-XXXX-JP-A?
SCP-XXXX-JP-A: ・・・・・・お前は最初にあったとき我を何者かと聞いたな。
エージェント松里: ええ、そうですね。
SCP-XXXX-JP-A: ・・・・・・我は己のことを神だと思っていた。
エージェント松里: それはなぜですか?
SCP-XXXX-JP-A: 石でできたこの体は決して朽ちず、老いず、脆弱なあの操り人形とは比べものにならなかったからだ。
エージェント松里: SCP-XXXX-JP-Bのことですね。
SCP-XXXX-JP-A: そうだ。我はあれをいともたやすく砕くことができた。やつの技は我にかすり傷すら与えることができないのにだ。
SCP-XXXX-JP-A: あの儀式とて、我は児戯のようにやられたふりをしておったのよ。だが今は・・・・・・。
SCP-XXXX-JP-A: お前にはどう見える?松里。
エージェント松里: は?
SCP-XXXX-JP-A: 神社を一歩出れば身動きもままならぬこの体。時の流れから置き去りにされたこの体。
SCP-XXXX-JP-A: 教えてくれ、我の権能は借り物だったのか? あるいは・・・・・・
SCP-XXXX-JP-A: 我こそがただの操り人形にすぎなかったのか?
<記録終了>
後書: インタヴュー後SCP-XXXX-JP-Aは激しい苦悩を示した。後日カウンセリングが実施される予定である。
>* 背中にハツカネズミ(Mus musculus)のものと考えられる尾が出現
↑の失敗でしょうか?
>補遺1:オオゲツヒメ・イベント概要
:のあとは半角スペース
少なくともこの記事は四回ほど読んだ記憶があります
1つの作品につき1スレッドが、望ましいようにおもわれます
申し訳ありません。批評を中断します。