意図電話
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準収容ロッカーに収納されます。実験の際は武田担当研究員の許可を得て下さい。
武田 █氏と岸 ██氏には、記憶処理後の経過観察が行われます。

説明: SCP-XXX-JPは205個の一般的な紙コップです。材質等に異常な点は見られません。
SCP-XXX-JPには音声やエネルギーを発生、伝達する機構は見られませんが、人間がSCP-XXX-JPのうち1つの内部に向けて、意味のある文章を肉声で発した場合、最も近い位置にあるSCP-XXX-JPの底部が振動し、内部から異なる音声が発生します。この音声も文章として成立していますが、検証の結果、「入力者の伝えようとした意図」が出力されると結論付けられました。

発見経緯: SCP-XXX-JPは2015/7/11に岐阜県██市の武田氏宅から回収されました。武田氏はSCP-XXX-JPを2006年より所持していたことが確認されていますが、発見が遅れた理由として武田氏がSCP-XXX-JPの存在を隠蔽し続けていたことが挙げられます。

補遺: 武田氏宅より回収された手記の抜粋

2006/4/24
█が奇妙な紙コップを拾ってきた。糸のない糸電話のようだ。片方に話すともう片方から違う言葉が聞こえてくる。特に変わったところもないから仕組みがさっぱり分からず、どう処分するかの判断がつかない。

2006/4/25
今日は仕事を休んで█を公園に連れて行った。例の紙コップを拾ってきたのはあの子だから、見ていれば何か分かるかもという考えだった。█は██ちゃんに紙コップの片方を渡して遊んでいた。何を喋っているのか分からなかったが楽しそうだった。

2006/4/29
紙コップは片方だけでは特におかしなところはないと判断し、片方は私が預かり、もう片方は█に渡すことにした。ご褒美としてかなり便利だろう。

2006/5/17
話し合いの結果、この紙コップは夜8時半から9時までの間█に返すことになった。ただし、悪いことをしたら次の日は返さない約束だ。これでトラブルも起きず、あの子たちだけの楽しみを用意してあげられるだろう。

2009/9/21
██ちゃんにあげた紙コップが友達に取られたらしい。持っている方の中からときどき悪口が聞こえてきた。█には自分たちで解決するよう伝えた。私では威圧してしまうだろうし。

2009/10/13
先生の力も借りて無事に取り返したらしい。立派だ。

2009/10/14
紙コップから知らないおっさんの声が聞こえてきた。黙って様子を見ていると声はなくなった。

2009/10/15
近所で逮捕のニュースがあった。詳しく調べると、何かの取り引きに失敗したところを見つかったらしい。時刻などから考えて原因はあれだろう。

2009/10/17
岸さんがアメリカ旅行から返ってきたようだ。どうも旅先で通話しようとしたら英語しか聞こえてこなかったとのことだ。ということは、この紙コップが他にもあって、最も近いものと勝手につながるということなのか?

2009/10/18
安全性を考えたが、もし仮説が正しければそもそも家が隣なのでよっぽどのことがない限り混戦はしないだろう。

2011/11/11
昔のことなど忘れてしまったのか、あの子達は言葉がそのまま伝わっていると思っているようだった。昼間にわざわざ確認することもないらしい。問題もなさそうだし、面白いので何も言わない。

2012/12/6
年頃なのだろうか、夜通し話すことが増えてきた。私には偽の紙コップを返すことも始めた。まだ返してくれるだけマシだと思う。

2015/6/18
間違いなくあれに関する噂を聞いた。あの子達もまだ秘密を守れるほど成熟してはいなかったということだろう。しかし噂が膨れ上がることが心配だ。犯罪には詳しくないが、あの道具はどれだけ悪い使い方ができるのだろうか。

2015/6/28
やはり友達に話してしまったらしい。どおりで留守中に私の部屋に人が入った跡が増えたわけだ。捨てることも提案したが、あの子は彼女との関係を続けたいという。

2015/7/1
あれの性質上、両想いなことなど傍から見るとすぐ分かるのだが、本人達にはそうも行かないのだろう。安全のため、通話音声は録音を義務付けた。当然だが、かなり恥ずかしがっていた。

2015/7/6
情報操作の増加、家の防犯の強化に恥ずかしさも相まって、とうとう直接想いを伝える決心ができたという。それが終わったらあれを捨てることで同意した。どこかに高く売れそうなのは間違いないが、それよりも安全が優先だ。██さんの分も預かってきたらしいので私が保管する。

2015/7/9
とうとう相手がなりふり構わなくなったようで、我が家に大挙して押しかけてきた。高校生か大学生まではいたと思う。しかし、まず準備しておいた一面の紙コップに引っかかった。行き当たりばったりではなかったようで、連中は全部の紙コップを回収しようとしていた。私が出ていき、今なら見逃す旨を伝えると、奴らは力に訴えてきた。10年ほど鍛えていた甲斐もあってほぼ全員返り討ちにしたが、流石に入院沙汰の怪我を負った。

2015/7/10
警察からの取り調べを受け、私は一連のことを正直に話した。あまり手応えはなかったが、その方が秘密を守ることができる。

一連の騒動の中で、武田氏はSCP-XXX-JPを守り抜いたことが財団に高く評価され、職員としてスカウトされました。

█氏及び██氏にはインタビューの上でDクラス記憶処理が施され、7/7以外のSCP-XXX-JPの記憶は通常の糸電話に置換されました。当日の会話内容については黙秘したため、記録はされませんでした。

追記:両者は2021年に結婚しました。また、必要がなくなったとの判断から、経過観察は終了されました。

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