「ミュージック・サイト」新企画

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出演者
算盤・算盤星人→SCP-1388-JP
傘、塚原研究員→SCP-548-JP

「はーい、よーいスタート!」
雨が降る中、用意された椅子には1人の男と傘と算盤がずぶ濡れになりながら並ぶ。監督の指示を合図に、司会兼主役である算盤の珠たちが話し出す。
「はい、皆さんこんばんは。SCP財団の皆さんと送るミュージック・サイトの時間です。多くの視聴者さんと職員さんの要望によって、今回で放送50回目を迎えます。今夜も寝る前に、この放送にハマっていって下さい。司会のマツです。」
「バン・ソロ代表、司会のクヌギです。よろしくお願いします。」
「副代表ヒイラギです。なんと、今日はスペシャルゲストを連れて来ました。では、どうぞ!塚原さんと…えーと。」
ヒイラギと名乗った珠が、小声で塚原と呼ばれた男に話しかける。
「なんと呼べばいいでしょうか。」
「アンブラとでも呼んで下さい。」
「アンブラさんでーす!」
「おほん。はーい、皆さんこんばんは!初主演させていただく塚原といいます!」
持っていた傘を掲げる。
「こっちは相棒のアンブラです!よろしくお願いします!」
クヌギと名乗った珠が問いかける。
「えー、塚原さん。あなたがたはどんなことができるのでしょう。」
「私は音楽はさっぱりですが、こっちのアンブラはピアノ無しでピアノを弾けます!」
とんちんかんな返事に、ヒイラギは戸惑いの声をあげる。
「どういうことでしょうか!それでは、第1パフォーマンス、別れの曲。どうぞ!」
男は傘を開く。心地よく楽しそうなで、伴奏が鳴り響く。ヒイラギが感嘆の声を漏らす。
「おおぉ…」
クヌギが呼びかける。
「では、私達も歌いますよ。準備は?」
全珠の返事。
「「「OK!」」」
算盤がリズムを取り始める。
「さん、ハイ!」
「「「思い出す~最後に君と過ごした季節~」」」
「「「みんなで君のそばで泣いたよ~きらり夏の終わり~」」」

「「「今日から~悲しみに負けないで~前を向いて歩き出すから~」」」
「「「いつでも君のこと~」」」
「「「忘れないよ~」」」
拍手が起こる。それに応じて、傘は嬉しそうに軽くを鳴らした。
「いやー、いい演奏でしたね!」
「おかげで私達も上質なパフォーマンスを披露できたことと思います。」
「ところで塚原さん、アンブラちゃんはどのように音を出しているのでしょうか!」
「たぶん、雨音を変換しているみたいです!細かいことは分かりません!」
「へえー! 素敵ですね!」
いつもとは違う言葉で褒められた傘は、をかき鳴らして喜んだ。何か伝えようとしていたのかもしれない。
「では、別な曲も歌いたいと思いますが、どんな曲のリクエストでも引き受けてくれます?」
「ご心配なく!アンブラは、ジャンルの好き嫌いをしない良い子です!」
傘から、より長く複雑なが出てくる。
「でしたら、次はこれにしましょう。第2パフォーマンス、女々しくて!」
男が戸惑いの表情を見せる。
「アンブラ、その曲知ってるかな?」
女々しくて!女々しくて!女々しくて!
つーらーいーよーおおー!!

男の心配をよそに、傘はリクエストされた曲を弾ききった。
「リクエストに答えてくれてありがとう!」
「じゃあ次は、私達も何か演奏しましょう。」
「え、なに、じゃああなたがたは演奏もできたんですか!?」
「いつもは相棒の協力でギターを弾いています。」
「弾いているってのは不正確だな。音を出している、だ。」
「ちょっと塚原さん、私達をギターみたく弾いてみて下さいな。」
男は言われた通りにしてみた。雑に弾いているにも関わらず、それなりに上手な音が響いた。
「皆さんすごいですね!」
「ありがとうございます!それで、私達が演奏するのでアンブラちゃんに何か歌って欲しいな!」
「それはちょっとできるかどうか分かんないです。」
「わ、わ、わ…」
「ん?なんか聞こえませんでした?」
「いえ、何も。」
「リクエストはしてみましょう。アンブラちゃん、レット・イット・ゴー歌えます?」
「分かった♪」
本気を出した傘は、細かい音を組み合わせることで擬似的に言語を再現した。
「アンブラ!?喋れたんですか!?」
「なんだ~、アンブラちゃん喋れるじゃなあいの~。」
「それならやってみますか。バンソロ、でなかった伴奏行きますよ。さん、ハイ!」
♪♫♪♫♫♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫♪
成長した算盤は、お互いを叩きあうことでピアノの音を出す技術を身に着けていた。
傘は少し考え、そしてリクエストに応えた。
「The snow glows white on the mountain tonight not a footprint to be seen」
「ああ、ストップストップ。できれば日本語でお願いします。」
「真っ白な~世界に~1人の~私~」
男は、もはや何も言えなくなっていた。

「ありがとうございました。」
「いや、驚きましたねえ!。アンブラがあのようなことをする技術を持っていたとは!」
「えへ♪」
「それでは、少し早いですが最後に1曲歌って終わりにしよう。」
「はーい♡」
「でも、このままだと私達が目立ち過ぎてしまいますよ」
「どうする?」
「塚原さん、何か歌っていただけますか?」
「一応歌える曲もあるにはありますが」
「どんな曲です?」
男が算盤に囁く。
「その曲なら弾けます。アンブラちゃん、この曲歌えます?」
「いぇーす♡」
「では、ラストパフォーマンス、恋は混沌の隷也、ゴー!」
「ゴー♡」

男は恥ずかしさからか、赤面していた。
「ありがとうございました。これで今週のミュージック・サイトは終わりとさせていただきます。また来週!」
算盤がそう言い終わると、途端に場が騒がしくなった。撮影班が、片付けの準備を始めたのだ。
「お疲れさまー!」
「お疲れさまです。」
声が飛び交う。
「塚原さん、お疲れさまです」
「SCP-1388-JP、お疲れさまです」
「いい歌でしたね。私達の番組はどうでした?」
「いやもう、慣れないことばかりで。」
「すみませんね、急にこんなことに巻き込んだりして。」
「決めたのはあなたじゃないし、いいですよ。これも収容のためですし。それに、もうこの番組に出ることもないでしょう?」
「そこはたぶん問題ないと思います。そういえばプロデューサー、来週の相手って誰だっけ」
通りがかったところに声をかけられた監督が、メモを取り出して伝える。
「SCP-3171、確か変態詩人植物ってのは聞いた」
「何それ、意味わからなすぎない?」
「まあ、会ってみれば分かるでしょ。」
「じゃ、私はこれで帰ります。風邪ひきそうです」
「さよなら♡」
「さようならー。」
雨がやみ、空に虹が架かる中、男と傘と算盤は普段の場所へと帰って行った。


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  1. portal:5608384 (19 Oct 2019 02:22)
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