遺書オークション
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アイテム番号: SCP-2394-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-2394-JPを収容するため、オブジェクトを中心として鉄筋コンクリートビルが建造されました。

財団は日本国内の死亡者の中から、死亡を目撃されていない故人をリストアップし、SCP-2394-JP内で販売される遺書と照合します。もし一致する遺書があった場合購入し、故人の関係者へ返還します。

説明: SCP-2394-JPは東京都██区に存在する木製家屋です。外観に対して内部の面積は大きく拡張されていることが確認されており、内部への侵入は正面入り口からのみ可能です。

SCP-2394-JPの内部は円形であり、中央に存在するステージを中心に円形のベンチが設置されています。ステージ上には男性とみられるクラスC霊体(以下、"SCP-2394-JP-A")が、ベンチには性別、年齢、服装ともに不定のクラスA霊体群(以下、"SCP-2394-JP-B")が存在します。

SCP-2394-JP-AはSCP-2394-JPを"遺書オークション専門店"と説明し、公開入札のオークション形式でSCP-2394-JP-Bに遺書を販売しています。売買には主に日本円が使われますが、稀にSCP-2394-JP-Bが所持している持ち物1も取引に使われます。また、SCP-2694-JP-Bでない人物も日本円を用いてオークションに参加することが可能です。

SCP-2394-JP-Aから遺書を購入したSCP-2394-JP-Bは消滅します。これは通常のクラスA霊体に発生する自然消失であると確認されています。2

SCP-2394-JP-Aがオークションにより手に入れた日本円をどのように使用しているかは不明ですが、SCP-2394-JP-Aの身につけている衣服や店内の装飾品は高級品であり、一部はこれらの購入に使われているのではないかと推測されます。

SCP-2394-JP-Aが商品として販売する遺書は筆跡鑑定の結果、記名、保存状態などから本物であると判断されましたが、しばしば著名人や財団内部の人間などの名前が記された、通常入手不可能な筈のものが確認されています。SCP-2394-JP-Aがこれらの遺書をどのようにして入手したかは不明であり、現在調査を行っています。

補遺1: 実例

以下は財団によって確認された遺書のうち、特筆すべきものを抜粋したものです。

実例2394-JP-0008

SCP-2394-JP-Aの口上: さて、続きましてこちらの遺書の取引に移りたいと思います。この遺書の作者は14歳の少女です。おっと、慌てないでください。それだけではありません。この遺書の内容はよく出回っている"いじめによる自殺"型ではありません! これは貴重な、他殺の前に書かれた遺書です。そのため紙ではなくアスファルトに血で書かれています。10文字にも満たないその魂の叫び、お値段は60万円から!
購入: SCP-2394-JP-B(155.9万円)
内容: 購入に失敗したため不明。
追記: 金額が100万円を超えた初の実例です。

実例2394-JP-0016

SCP-2394-JP-Aの口上: はい、では続いてはこちらの遺書になります。こちらは遺書としてはありふれた"創作者の自殺"型です。しかし、ありふれているにも関わらずこのような遺書には依然高い需要があります。そこでなんと今回は、創作者の苦悩を10枚セットで販売します! 彼らの才能と無力感への嘆き、値段は5万円から!
購入: エージェント・市谷(8万円)
内容: 10枚全てに別の記名がされており、職業は小説家7名、画家3名でした。記名されていた人物への調査の結果、10名とも死亡していました。10名とも警察の調査の後自殺と判断されましたが、遺体近辺に遺書は発見されていません。
追記: 複数の商品を纏めて販売した初の実例です。

実例2394-JP-0088

SCP-2394-JPの口上: では続いてはこちら! これはなんと貴重な秘密組織"財団"の構成員のものです! その中身は未練はもちろん、機密と苦悩、そして強い意志が感じられる一作! しかし当店もこれを手放すにはそれなりの金額が欲しいところ、ということで、この遺書、値段は過去最高の100万円から!
購入: エージェント・佐藤(260万円)
内容: 2週間前にオブジェクトの確保作戦中死亡したエージェント・██のものとみられます。現在は確保済みのオブジェクトの異常性についてと、本人の近辺整理について主に綴っています。
追記: 財団職員の遺書が販売された初の例です。

補遺2: インタビューログ1

対象: SCP-2394-JP-A

インタビュアー: エージェント・佐藤

付記: SCP-2394-JP内にて行われている。また、SCP-2394-JP-Aはこちらのインタビューに応じる姿勢を示し、インタビュー中はオークションを中断している。

<録音開始>

エージェント・佐藤: インタビューに応じていただき、ありがとうございます。

SCP-2394-JP-A: いいのいいの。君たちはお得意様だからね。とはいえ私も忙しい、答えるのは5分間だけだよ。さて、何を聴きたい?

エージェント・佐藤: 幾つか質問したいことはありますが、まず最初に……いつから、何故この場所でオークションを?

SCP-2394-JP-A: いつだったかなぁ。確か3年くらい前だね。たまたまこの場所が空いてたから、以上の理由は特にないな。3

エージェント・佐藤: なるほど。そもそも、なぜ遺書の売買を?

SCP-2394-JP-A: それはもちろん、霊たちの救済のためさ。

エージェント・佐藤: 救済? どういう意味でしょうか。

SCP-2394-JP-A: 遺書はね、どれも強い現世への執着から生まれるんだ。現世に心残りがあるからこそ、現世に何か書き残す。

[SCP-2394-JP-Aが咳払いをする]

SCP-2394-JP-A: つまりその生きる力っていうのはね、私たち幽霊にとっては少し眩しすぎるんだ。その結果何が起こるか、は君も何回か目にしたんじゃないかな?

エージェント・佐藤: 成仏、ですか。

SCP-2394-JP-A: そう。だから遺書を仕入れて売ってる。だから君たち生者が買うのは本当なら良くないんだよ? 儲かるから許してるけど。

エージェント・佐藤: 申し訳ありません。では次の質問なのですが  

SCP-2394-JP-A: いや。5分経った、今日はここまでだよ。次は、そうだな……2年は待ってくれ。

エージェント・佐藤: しかし  

SCP-2394-JP-A: [エージェント・佐藤から目を離して]さあ皆さまお待たせしたね!次の商品に行ってみようか!

[SCP-2394-JP-Bの歓声]

<録音終了>

終了報告書: これ以降SCP-2394-JP-Aはインタビューに応じていません。

補遺3: インタビューログ2

東京都██区にて、クラスA霊体の関係する交通事故が発生、2名の死者が出ました。財団のインタビューによりこの霊体はSCP-2394-JP-Bであると判明しました。

この事件により、SCP-2394-JPはKeterクラスへの格上げを行われました。以下は対象の霊体に行われたインタビューの記録です。

対象: SCP-2394-JP-B

インタビュアー: エージェント・市川

付記: 対象は財団の対霊体装備により拘束されています。

<録音開始>

エージェント・市川: なぜ今回の事件を起こしたんですか?

SCP-2394-JP-B: ……遺書。遺書が欲しかったんだよ。

エージェント・市川: 遺書、ですか? 現場からは見つかりませんでしたが。

SCP-2394-JP-B: あいつら4、未練ありそうだし書くかと思ったのに、その前に死んだんだよ。

エージェント・佐藤: 遺書のためだけに人を殺したんですか?

SCP-2394-JP-B: いや、違う。俺は俺が死ぬために人を殺したんだ。

[エージェント・市川が困惑の表情を浮かべる。SCP-2394-JPは話を続ける]

SCP-2394-JP-B: 遺書は、どれも強い現世への執着から生まれる、らしい。だから、遺書に触れることで、俺ら幽霊は成仏できるんだ。基本的にはな。

エージェント・市川: 例外もあるということでしょうか。

SCP-2394-JP-B: ああ。どういうわけか俺はそこらへんの遺書じゃ成仏できるねえんだ。

エージェント・市川: 理由はわからないんですか?

SCP-2394-JP-B: ああ。俺はな、死ぬ前のことが思い出せねえんだ。だから死ぬ前の未練を晴らして成仏ができないってのに、そこらへんの遺書でも成仏できない。こんな哀しみがあるか?

エージェント・市川: 待ってください。でも先程あなたは、遺書を書かせるために今回の事件を引き起こしたと言っていました。それでは成仏できないのではなかったんですか?

SCP-2394-JP-B: ああ。そこらの遺書では成仏できねえよ、俺は。

エージェント・市川: では何故?

SCP-2394-JP-B: "そこらの遺書では"成仏できない。売り捌いてる奴がいるんだよ、俺が成仏出来そうな遺書を。

[SCP-2394-JP-Bが溜息のような挙動を取る]

SCP-2394-JP-B: 俺は遺書を集めてそいつに売ってる。俺が成仏できる遺書を買うためにな。

SCP-2394-JP-B: こんな大層な機械で俺を捕まえられるんなら、他の奴も探してみればいい。俺みたいな幽霊はいっぱいいるさ。

<録音終了>

終了報告書: この事案を受け、SCP-2394-JP-Aへ再度インタビューを試みましたが、実体はこちらの問いかけを全て無視しました。

追記: 上記事件で死亡した桜田 ██氏と同様の姿をしたSCP-2394-JP-Bが発見されました。桜田氏は生前の記憶がなく、自身の成仏のため遺書を求めていると証言しました。SCP-2394-JPに霊体への記憶処理を行う異常性が存在する可能性については現在調査中です。

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