FF

森の奥、駆け抜ける人影。少し遅れて、それを追う数人。

ハザクラ花弁よ切り裂け

追跡者の1人が短く呟く。その“意志”は空間に溶け、淡いピンクの花弁を生み出す魔法となる。周囲の枝葉を切り裂く刃としての鋭さと、風に乗る程の花弁の軽さと速さをもって、刃桜は人影を傷つけるため飛んだ。

咲いた花弁の群れは森を裂き進み、そしていくつか人影に届いた。致命傷には至らずとも傷は与えたようで、走り抜ける道に生々しく血痕が垂れる。

「投降せよ!逃走を止め、大人しくすれば命だけは助けよう」

この世界「ハーレット」において最大規模の帝国に属し、その任務で人影を追う魔法使いたちは、人影  同胞たる魔法使いに叫び、追い続ける。

応答、なし。なーにが命だけは助けるだ。そう頭の中で吐き捨てて、逃走者は痛みに顔をしかめながら逃げ続ける。

昨日、友人である魔法使いが帝国に殺されたことを思い出す。“魔法使い”は基本的に迫害の対象であり、街を歩くことも許されない。今俺を追い、同胞を殺す、帝国に寝返った裏切り者たち以外は。

ふつふつと、同族を殺された怒りが湧く。そして、感情や意志は魔法を生む。俺はそれに指向性を持たせてやるだけでいい。単純な思考、単純な魔法。その怒りを叩きつけるため、彼は止まって振り返る。

  悪く思うな、生きるためだ。

フジミノハチュウルイ暴れろ蜥蜴

呟く。反応して帝国の魔法使いたちが返した言葉は、巨大な地竜の咆哮に掻き消された。

怯えた魔法使いが1人、咀嚼される。他の魔法使いが恐怖を覚え放った魔法を叩き潰す。花弁が与えた傷はすぐに癒える。翼を持たぬ竜は、そこにある全てを蹂躙して、生み出した者に牙を突き立てようときたところで消えた。

その場に残った肉片に埋まった、一枚の紙を拾い上げる。それはこの付近に確認された魔法使いの名前と特徴のリスト。殺された同胞の名前が横線を引かれていることから、取り消し線は“処理済”ということだろう。その下の自身の名前を確認する。

“地竜使い”ロイス
主に地竜を従える魔法を使う。

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  1. portal:5526847 ( 09 Aug 2019 13:25 )
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