☆[[include :scp-jp:credit:start]]
タイトル: SCP-XXXX-JP - メタタイトル
著者: あなたのアカウント名 does not match any existing user name
作成年: 20XX
☆[[include :scp-jp:credit:end]]
東京駅地下街、地上への道が絶たれて幾年。歪んだ東京では比較的まともな通路。誰もが隣人を信じる他に無く、飯と寝床を協力して作る世界。
淀んだ静寂に顔をしかめ、瓦礫をかき分ける。破裂したマネキンが転がるそこは、東京駅職員に倉庫として使われている。それより前のテナントなど、もはや誰も覚えちゃいない。
倒れた棚を起こし、無事なものを確かめていく。居住区や食料倉庫ではないから、被害はささやかなものだが。ここではささやかなものでも貴重だ。折れたレール、動かない精密機械、色あせたゴシップ紙。一つ一つ棚に戻していく中で……ふと、手が止まる。片手で持てないほど重かった、わけではない。馴染みのある重さとフォルムに、少し心奪われただけだ。
4弦の、オーソドックスなベースギター。硬く、強い弦にそっと触れ、そして元の棚に戻す。ここではチューニングなんてできない。ボーカルも、ギターも、ドラムも、アンプもない。だから、倉庫にしまい込む。
ああ、ほんとは全部言い訳だとわかっている。やろうと思えばできるのだろう。だが、俺はもう──弾きたくない。
息を吐いて、ベルトから通信機を外し、電源を入れる。少しのノイズに耐えた後、短波無線が繋がった。
「こちら、東京駅運輸局職員の任場です──」
つまるところ、これはあるインディーズバンドの元ベースの、小さな諦め。俺だけじゃバンド名は名乗れないという、最後に残した矜持の話。
実のところ、差し迫った危機はこの東京駅においては殆どない。地下に閉じ込められてから数年で、東京駅は生きていくためのコミュニティを確立させた。"財団"の元職員を中心に組み上げられた組織は合理的だ。分業と継承。これまで地上でやってきたのと変わらない方法を、俺たちは地下に適応した。
しかし、差し迫っていない危機は未だ残り続けている。月間死者数がゼロになったことはない。地下を支配するのは未だ異常で、結束してやっと生存が安定する程度。それ以上の何も──少なくとも俺は、求められない。
ページコンソール
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:5526847 (09 Aug 2019 13:25)
コメント投稿フォームへ
批評コメントTopへ