SCP-3000-JP - 虚数音階

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アイテム番号: SCP-3000-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル:

説明: SCP-3000-JPは、準備過程に関する記録が発見されないか不明瞭である、音響芸術の実演及びその鑑賞を目的とした集会(以下"演奏会")です。

上記の異常性と、開演後に通常の演奏会との差異が見られない点から、SCP-3000-JPを発見するのは困難です。財団は現状、参加者が訴える開演以前の記憶の混乱や、開演以前の痕跡不足などでオブジェクトを発見しています。

SCP-3000-JPは1997年、scp-1841-exに関連した資料の精査によって発見されました。財団が確認できた最古のSCP-3000-JPは1972年にE████ P██████が開催したコンサートで確認されます。財団の事後隠蔽により一般に記録が出回っていないこのコンサートは、一切の告知なく行われたにも関わらず1000人を超える観客を動員しています。コンサート終了後に行われた調査において、観客は何故コンサートの存在を認知したか、合理的な説明を行えませんでした。

補遺1: 追加資料

以下の資料はSCP-3000-JP発生の直前に、観客である三宅 優氏が書き残した日記からの抜粋です。発生以前にSCP-3000-JPに言及している点から注目を集めて(なんかクリニカル)

俺は(あるいは俺達は)、ずっと今日を待ち望んでいたように思う。

音楽は俺にとって生活で、日常だから、そこに難しい理屈を捏ねるつもりはない。無数のセットリストを積み重ねて、俺達は今日まで来れている。だから普段と同じように、ただ楽しみなだけ、のはずなのに。今日は少し、腕が震えている。

俺は今日、音楽を聞かなきゃいけないという、そんな使命感。何かに、俺は望まれている、そんな実感。妄想かもしれないが、眠れなかったのは事実だ。

そのせいか、今朝は夢を見た。起きてすぐにメモした付箋を下に貼って、今日はもう行くことにする。新曲を口ずさみながら、ステージまで、のんびり。


寝ぼけた早朝の私が書き残したメモ: "夢を見た。歌う私と、耳元で響く知らないメロディ。今更、念を押すような夢だった。わかってるって言ってから、私は目覚めた。"

補遺2: 追加事案・インタビューログ

2016/██/██、財団フロントの芸能プロダクション「Star Crap Project」所属タレントがSCP-3000-JPを発生させました。演奏会は開演まで一切の準備が行われなかったにも関わらず、関係者はSCP-3000-JPの開催に対して疑問を抱きませんでした。

この事案について、財団はSCP-3000-JPを発生させたエージェントにインタビューを行いました。

対象: 後醍醐 勾(クリアランス1 - フィールドエージェント)

インタビュアー: 飯尾 唯(クリアランス2 - 研究員)

日付: 2016/██/██


<記録開始>

** エージェント・後醍醐:** じゃあ、インタビュー始めよっか。あんまりこっち側は慣れないけど。

インタビュアー: はい。よろしくお願いします。まず、今回のライブの直前に何を行っていたか思い出せますか?

** エージェント・後醍醐:** 正直に言えばかなり怪しいんだけど、なんとか。[沈黙]説明しにくいけど、ステージに立つ前って、やっぱり特別な高揚感があるじゃん。

インタビュアー: ステージに立ったことがない私には、少し難しいです。

エージェント・後醍醐: 無かったっけ。じゃあそれは置いておいて今日の話。何をしてたかは思い出せないんだけど、なんというか、高揚感はあって。

インタビュアー: ライブがあることをあらかじめ知っていた、ということですか? それとも、感覚だけがあった?

エージェント・後醍醐: 後者かな。思い出せるのが感覚だけなのか、最初から感覚だけだったのかはわからないけどね。

インタビュアー: なるほど。では、ライブ中についてはどうでしょう。いつもと違うところはありましたか?

エージェント・後醍醐: ライブ中って集中もあって、今回だけじゃなくいつも記憶が怪しいんだけどな。

インタビュアー: それでもいいです。

エージェント・後醍醐: わかった。そうだね、ずっと調子はよかったかな。私だけじゃなく、メンバー全員、お客さんも含めて、一体感があったいいライブで。

インタビュアー: そうなった要因はなんだと思いますか?

エージェント・後醍醐: 感覚的な話でもいい?

インタビュアー: 大丈夫です。とにかく気になったことを話してください。

エージェント・後醍醐: 地面を踏む足が、なんとなく熱かったなぁ。こう、さ、走りたくなるような熱さだった。

インタビュアー: 足ですか。

エージェント・後醍醐: 足元から背中を押された、みたいな。うーん、あんまり覚えてないから、言葉にするのが難しいな。

<記録終了>

補遺3: 緊急事案

2020年4月以降、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により演奏会の数が世界的に減少しました。これに比例する形で、SCP-3000-JPの発生件数が急激に増加しています。演奏会の減少が何故SCP-3000-JPの増加に繋がっているのかは判明していません。

SCP-3000-JP影響下の演奏会の開催形式は多岐に渡ります。映像を配信しての無観客公演、観客動員数を減らし密集を避けた限定的公演などが主流となります。いずれにおいても、一般に理解を得やすい形式である点は共通しています。

特筆すべき点として、SCP-3000-JPの件数増加に伴って、時間異常部門は散発的な時間変動の痕跡を確認しました。改変の起点を探知することは出来ませんでしたが、引き続き時間異常部門は調査を継続します。詳しくは補遺4を参照してください。

補遺4 収容に関する提案

補遺3の事案を受け、SCP-3000-JPの異常性について再検討が要請されました。以下は検討を要請した部門の見解です。

時間異常部門の見解

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SCP-3000-JPの異常性、特に発生前後に見られる痕跡の不足には過去改変の類似が見られます。しかし、SCP-3000-JPを過去改変と仮定する場合、計器の変動と矛盾が生じます。時間異常部門が観測した時間変動は小規模で、散発的なものです。痕跡を消失させ、関係者に行動を強制するには規模が足りません。

このことから時間異常部門は、SCP-3000-JPをそれ以前から演奏会時点に向けた改変  未来改変による現象と仮定しました。時間に逆行しない未来改変は、時間変動の規模が小さくなりやすいためです。

観測が散発的であることは、複数の異常存在の、あるいは複数の地点からの改変とすれば説明が付きます。

もちろんこれらは、未来改変の起点が不明な現在、根拠に欠ける仮説に過ぎません。しかし、SCP-3000-JPについて調査する上で改変の起点を明らかにできればこの仮説が検証できると考えています。

しかし、この仮説には懸念点もあります。既に多数の時間変動を観測しているにもかかわらず、時間異常部門はどの地点から改変を行っているのかを特定できていません。小規模であるために探知が困難であることが原因であると思われますが、時間異常部門が観測できない地点からの改変である可能性も否定できません。

いずれにせよ、時間異常部門は今後もSCP-3000-JPについての観測を継続します。

補遺5: インタビューログ

2020/██/██、財団はSCP-3000-JPを発生させたインディーズバンド"Twin Light-off"のボーカル、三宅 優の身柄を確保し、インタビューを要求しました。対象は過去にSCP-3000-JPに言及する日記を書いたことで財団の注目を集めています。1

今回のインタビューは、対象が発生させたSCP-3000-JP中、演奏会に対して違和感を口にしたことから行われることとなりました。財団による調査で、対象がクラスB相当の認知異常耐性を有していることが判明しています。

対象: 三宅 優

インタビュアー: エージェント・後醍醐 勾

日付: 2020/██/██


<記録開始>

インタビュアー: じゃあ、説明通りインタビューを始めるね。急なことだけど、協力よろしく。

三宅氏: あ、はい。急すぎてちょっと混乱してますけど、よろしくお願いします。

インタビュアー: まず、ユウ君がライブ中に言ったことについて聞きたいな。[咳払いして、インタビュアーが声の音程を落とす]「俺たち、本当にこれで大丈夫? 今日ライブやる予定あったっけ」。これは間違いなく君が言ったことだよね?

三宅氏:: はい、そうですね。

インタビュアー: 詳しく、意味を聞いてもいいかな。ライブをやる予定を入れたのか分からなかった?

三宅氏: まず、このライブって観客が見えなくて2。それでどうしても不安にはなったんですよ。反応がわからないから。

インタビュアー: うん、私も気持ちはわかるよ。

三宅氏: それでふと我に帰ったというか。足から頭まですっと、熱が冷めたんですよね。そこで気付きました。俺たち、その日にライブの予定なんて入れてなかったと思います。

インタビュアー: なるほどね。でもそれって、普通はライブの前に気付かないかな。

三宅氏: 実は、ライブの前にも同じことは思いました。でも、なんというか。[沈黙]観客の人も、メンバーもいる。なにより、さっき言ったように、体に熱があって。例え話で、別に体温が高いわけじゃないですけど。

インタビュアー: だから、やめられなかった。

三宅氏: はい。結局俺、最後までライブやりましたし、やって良かったと思ってるので。

インタビュアー: そうだね、私もいいライブだと思うよ。疑問を持った後も、別にパフォーマンスが落ちたりしてなかったし。

三宅氏: あなたに言って貰えると嬉しいですね。はい、自分でもよくマインドを持ち直せたな、と思ってます。

インタビュアー: 持ち直せた理由はわかる?

三宅氏: あの時は、ギターを持ってる理由もわからなくなっちゃったんですけど。そこで、音が聞こえて。

インタビュアー: 音。

三宅氏: どんな音か思い出せないんですけど、馴染みがあるコード進行で。俺が作りそうな曲だったので、なんというか、音楽始めた頃を思い出して。

インタビュアー: その音に背中を押されたのかな。

三宅氏: 蹴り飛ばされたのほうが近いかもしれないです。焼けそうなくらい、体のギアが回ってました。だから、なんというか。

[三宅氏は足で不規則なリズムを取る]

三宅氏: あの音には感謝してます。

<記録終了>

青年が3000-JPに会う

男は過去のアイデアを救おうとする

財団につかまる

色々


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