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「面白いノートを収納したぞ!!」
財団に勤務してまだ1年弱、Anomalous管理員として作業をしてきた私にとって、セキュリティクリアランスレベル4の博士(名前なんて覚えてない。)と会話をしたのは今日で初めてだが、何だか残念な気持ちになった。
大の大人が方眼紙ノートを持って目をキラキラと輝かせてこちらに向かってきたのだ。
何も知らなければ関わりたくもない、だが職務上さすがに質問する。
「それはなんですか?」
「言葉で伝えるよりも見てもらった方が早い、これを見てくれ。」
そう言って博士はペンを取り出し、目の前で方眼ノートに記述を始めた。
実際褒められた行動じゃないが、言える訳もない。
私はこの後の始末書に思いを馳せながら笑顔の博士のこじんまりとした背中を見守った。
方眼紙ノート、そこには圧倒的な1+1が登場した。
博士が冗談で書いているなら鼻で笑ってやるがそうではないようだ。
先程までノートの端に小さく書かれようとしていた1+1が、ノートの両開き2ページ全てを占有していた。
今までAnomalous管理員として異常性があるのかないのかよく分からない雑魚物品を担当してきた私にとって、このノートは輝いて見えた。
このノートは私の踏み台になる予感がした。
今まで見えなかった出世が目の前に現れたんだ!
ある程度物品について説明を受けた後、私は博士に提案した。これはさっき書いている時に思いついていたんだが、今思いついたかのように言った。
「これ、円周率を書いたらどうなりますかね?」
博士はハッとし、それは良い考えだ!と私を称えた。
セキュリティクリアランスレベル4の博士(確か██博士だった気がする。)が笑顔で私を賞賛したのだ。
幸い私は円周率等の数学的な暇つぶしには興味があり、█████桁までなら記述可能であった。
おいおい、本当に名をあげるチャンスじゃないか!
「██博士!私は円周率に心得があります!」
██博士の私を見る目がただのAnomalous管理員からまるで今まで育てあげてきた助手を見るような目になった。
「そうか!実験の許可は私が出す!やってみたまえ!」
私は元気に返事した後、方眼ノートにペンを走らせる。
一画一画に将来の自分を乗せる。
失敗はできない。必ず成功させる。
ここから始まるんだ、私の財団ライフは!
15分が経ち、私は██博士に報告した。
「██博士!見てください!」
そこにあったのは美しい直線、
全てを包み込むような巨大さ、
そして絶対不可侵な雰囲気すら感じとれた。
なんて美しい単語…ん?単語?
私は自分が書いた「円周率」を改めて確認した。
π。
博士の「そっか。」という寂しい声を聞いた。
私は笑うしかなかった。博士(もう忘れてやりたい。)の顔に張り付いた無を見るのがとても苦しい。
こうして私は何の反論もすること無く大人しく業務に戻った。
同僚が昇進する中、似たような仕事が続いた。
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- portal:5464444 (07 Jul 2019 12:53)
>先程までノートの端に小さく書かれようとしていた1+1が、
ノートの両開き全てを占有しようとしている。
>今までAnomalous管理員として異常性があるのかないのかよく分からない雑魚物品を担当してきた私にとって、
目の前に転がってきた異常性が目に見えてわかる。
不自然な改行があります
批評ありがとうございます。
訂正させて頂きました。
読ませていただきました。
Aアイテムを用いた愉快な日常と言ったところでしょうか。
まず、個人的にはいまいち面白みが伝わりませんでした。"円周率を必死に書いたのにΠの一文字で表された"というのがオチなのでしょうが、その面白みが出世欲に溢れたドサンピンの新人職員の存在を加味しても十分に生かされていません。
シュールなギャグをやるのに必要なものはそこまでの大げさすぎるフリであると考えます。例えば、財団が総力をあげて円周率の解読に挑んだ結果であるとか、書き続けるうちに宇宙の真理を垣間見て42だとか、シリアスと思わせてのズッコケや、最初から最後まで徹頭徹尾シュールの絨毯爆撃などを行うべきでしょう。現状では中途半端と言わざるを得ません。
また、全体的な話の流れは一本で、転換点がないのに区切り線が頻繁に挟まれるのは、視覚的に読んでいて厄介です。この内容であれば、区切り線は必要ないと考えます。
以上、細かく個人的な意見ですが記事作成の一助となれば幸いです。