ささやかながら、非業なる死を

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
 
オブジェクトクラス: Safe
 
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8157の小型オブジェクト収容ロッカーに収容された状態で二重にロックされた金庫に収容されます。担当職員は定期的に点検を行いオブジェクトが収容違反されていないか確認してください。金庫の周囲1m以内にカント計数機を設置し現実性強度の変化を観測する必要があります。現実性強度の低下が確認された場合、金庫内を確認しSCP-XXXX-JPへの影響を確認してください。担当職員は財団忠誠度試験で高い数値を出した者から選出されます。職員によるSCP-XXXX-JPの使用が確認された場合、当該職員は即座に終了されます。SCP-XXXX-JPの収容の継続のため、SCP-XXXX-JPを用いた実験は全面的に禁止されています。現在収容中のSCP-XXXX-JPの残り枚数は38枚です。
 
説明: SCP-XXXX-JPは異常性を持つ無地のカードです。SCP-XXXX-JPの規格は日本国内で市販されているトランプと同一です。SCP-XXXX-JPの異常性は人間がSCP-XXXX-JPに文字を書き込むことで発揮されます。SCP-XXXX-JPに人間(以下、対象)が自身の願望を書き込むと、対象から半径1mの範囲に0.7Hmの低現実性領域が形成されます。この低現実性領域において対象は1回のみ小規模な現実改変を行うことが可能であり、対象が現実改変を行う、あるいは時間経過による現実性の回復によって当該領域のヒューム値は1Hmへと回復します。この時、書き込まれたSCP-XXXX-JPは異常性を喪失することが確認されています。現実改変後にヒューム値の上昇が起こる原理については不明であり、今なお研究が続いています。

補遺1: 実験記録 XXXX-JP

実験記録 XXXX-2


対象: D-48569

実験方法: SCP-XXXX-JPを1枚持たせ、"食べ物が欲しい"と記入させる。

実験結果: SCP-XXXX-JPは異常性を失い、周囲の現実性強度が低下。低現実性領域内にカレーライスが出現した。

分析: D-48569にインタビューを行った結果"カレーが食べたい気分だった"と供述したため、抽象的な願望は対象の思考に大きく影響を受ける可能性があります。

実験記録 XXXX-7


対象: D-68392

実験方法: SCP-XXXX-JPを1枚持たせ"1ドル紙幣が欲しい"と記入させる。

実験結果: SCP-XXXX-JPは異常性を失い、周囲の現実性強度が低下。低現実性領域内に1ドル紙幣が出現した。

分析: 具体的に記入すれば対象が詳細を知らなくても出現させられるようです。

実験記録 XXXX-9


対象: D-58924

実験方法: 机を1台設置し、その上にコインを1枚置く。机から2m離れた位置にSCP-XXXX-JPを1枚持たせたD-58924を配置し"目の前のコインが1枚欲しい"と記入させる。

実験結果: SCP-XXXX-JPは異常性を失い、周囲の現実性強度が低下。低現実性領域内にコインが1枚出現した。机の上のコインに変化は確認されず。後にハイスピードカメラを設置した状態で同一の条件で再試行を行ったが机の上のコインが移動する様子は観測されなかった。

分析: あくまで低ヒュームの領域で現実改変を起こすという性質に留まるようです。

実験記録 XXXX-11


対象: D-57382

実験方法: D-57382にSCP-XXXX-JP1枚と10gの分銅を持たせ、"分銅を消失させて欲しい"と記入させる。分銅が消失した場合、SCP-XXXX-JPを1枚D-57982に渡し、"先ほどの願いを取り消してほしい"と記入させる。実験を円滑に行うためにD-57382の意識状態を催眠状態へと移行処理が行われる。

実験結果: SCP-XXXX-JPは異常性を失い、周囲の現実性強度が低下。低現実性領域内の分銅は消失した。一度実験は中断されヒューム値が1Hmに安定するまで待ち、1Hmを記録したところで実験は再開された。SCP-XXXX-JPを渡し、記入させたところSCP-XXXX-JPは異常性を喪失するもヒュームの低下はなされなかった。

分析: 現実改変の規模の問題なのかそもそもできないのかは分かりませんがその後の実験の結果、オブジェクトの異常性の範疇外であるとこういった結果が観測されることが判明しました。そのため大規模な現実改変を伴う無暗な実験は奨励されません。

収容経緯: SCP-XXXX-JPは9歳の男性の死体と共に██県██市の██山内で発見されました。死体の身元は同市に住む小学3年生の██ ██氏であり、後見人は██氏の叔父のA氏でした。死体の傷の程度から長期間恒常的な虐待を受けていたことが分かっており、そのことから当時の██県警では自殺を行ったのかと推論されていましたが致命傷となる外傷が存在せず心臓のみが的確に破壊されており、更に足を骨折していた筈の██氏が自宅より5km以上離れた地点まで歩くことができたのかなど不審な点が多く残っていました。
同事件を調査していたエージェント・虹村は遺体付近に落ちていたSCP-XXXX-JPを発見。エージェント・虹村が回収したSCP-XXXX-JPは異常性を失っており、「暖かい食べ物を出して」、「足を動けるようにして」、「ぼくを[判別不明]」と記入されていたため、財団に通報。通報により検証チームが██県警に急行しました。
現実性強度検査にて遺体と共に無地のSCP-XXXX-JPの束のみが総じて1.3Hmを記録したことから回収され、その後の調査から異常性を失っていたものも含めて全てのSCP-XXXX-JPと後述する文書が回収され、██県警の事件担当者全員に検証チームに関する記憶処理が施されました。

補遺2: 回収された文書
██氏の自室からSCP-XXXX-JPの製作者または配布を行った人物からと思われる文書が発見されました。文書は直筆で書かれておいましたが、指紋等が残っていないことから特定は困難であると結論付けられました。現在██市周辺での調査が進行中です。

███くんへ
 とつぜんこの手紙を見つけてとてもおどろいていると思う。でも、君のおじさんやおばさんに気づかれないようにするためにはこれしかなかったんだ。ごめん。
 ███君はもう手紙といっしょに置いたカードに気づいたかな?これはねがいをかなえるカードで、カードに願いを書きこむとその願いをかなえてくれるんだ!何なら殺人でさえね!
 ささやかながら、ちょっとしたプレゼントさ。どうか受け取ってほしい。そして、僕たちと同じ段階に至れることを祈ってるよ。
それでは、息災で。
 

親愛なる魔法使いより


 
付記: SCP-XXXX-JP回収の折、A氏を含む一家にインタビューを行ったところA氏とA氏の妻が██氏を虐待するよう脅迫されていたことが分かりました。脅迫状の筆跡鑑定を行ったところ本文書の筆跡と類似する部分が多く検出されました。このことから両人物は同一人物である可能性が高いとみられています。"ぼくたち"という記述から当該人物は複数人存在することが指摘されていますが心理学を専門とする研究者の間では少なくとも実行犯は1人であり、"魔法使い"を名乗る人物は現実改変能力者である可能性が高いという見解が有力視されています。
SCP-XXXX-JPを恒常的に使用することにより使用者に変化が生じる可能性が指摘されていますが、実験に伴うリスクから恒常的にSCP-XXXX-JPを使用させる実験は予定されていません。

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