SCP下書き「ただ、混沌たる救済を与えるのみ」

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Church.jpg

SCP-XXX-JPのアクセスポイントが存在する聖母教会の内部。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Pending

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP内は常に監視/警備されます。SCP-XXX-JP内の変化は内部に駐留中の職員が記録し、レベル2文書としてアーカイブされます。

更新: 現在、この収容プロトコルは適応されていません。

説明: SCP-XXX-JPはイギリスのノーフォーク北部の聖母教会に構築された地下空間です。SCP-XXX-JPへは教会内部の最奥に配置された隠し扉を潜ることでアクセスできます。

SCP-XXX-JPは余剰次元の広さを持つ広場に似た領域として識別できます。SCP-XXX-JPには様々な種の木々、大理石や鉱物などで構成されたオブジェクト、様式不明ながらも装飾的な美しさを持つ建造物群、未知かつ無害の動物や昆虫等が存在します。能動的な実体がSCP-XXX-JPの境界線を越えて外部へと移動することは確認されていません。

SCP-XXX-JPの中央には石製の噴水が存在します。泉からは常に鮮やかで明るい水色の液体が流れており、泉から液体が取り除かれたとしても、瞬時に満たされます。液体の構成要素は不明ですが、摂取は対象に対して疲労回復、精神の安定、持病の治癒など有益な効果をもたらします。

SCP-XXX-JP内では時おり、笛や打楽器によって何らかの曲が演奏されていることが記録されますが、この現象の起源は不明です。

SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JP内に存在する9体の人型実体です。SCP-XXX-JP-Aは全個体が女性であり、そのうちの2人(SCP-XXX-JP-A-8、SCP-XXX-JP-A-9)は1897年と1966年に失踪した個人と一致します。

SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JP内の基底現実構造を改変する異常性を示します。具体的な例としては、物体を出現/消失させる、瞬間移動、超自然現象のコントロールが挙げられます。当該異常の限界は判明していませんが、影響はSCP-XXX-JP内に制限されているようです。

SCP-XXX-JP-Aは外部からのコミュニケーションの試みに反応を示すことはなく、特定の行動形式に従い続けているように見えます。SCP-XXX-JP-Aの行動に介入することや、行動を制御することは不可能です。

補遺: 収容体制の確立後、カーライル博士は研究のためSCP-XXX-JP-A個体の行動の観察を申請し、サイト管理官によってこれは承認されました。

記録#1
概要: SCP-XXX-JP-A-2とSCP-XXX-JP-A-3がSCP-XXX-JP内の建造物の1つで食事を摂っている。唐突に部屋の扉から多数のウサギ(Leporinae)が出現し、テーブルの上に乗る。SCP-XXX-JP-A-2がテーブルの蝋燭を手に取り、一匹のウサギの口にそれを押し込む。全てのウサギは炎上し、それぞれがローストに置き換わる。SCP-XXX-JP-A-2とSCP-XXX-JP-A-3は時間を変えて、ローストを消費する。
記録#4
概要: 上空にカタパルトに似た大型の実体が出現し、発光しながら落下し始める。直後に、SCP-XXX-JP-A-7が上空を指差し、指先から霧が発生する。霧は急速に実体を包み込み、実体は緩やかに崩壊していく。実体は最終的にエメラルド色の石に変わり、SCP-XXX-JP-A-7の手の中に収まる。SCP-XXX-JP-A-7は石をSCP-XXX-JP-A-6に贈与する。
記録#9
概要: オブジェクトの一つが発火し、爆発する。融解したオブジェクトの破片がSCP-XXX-JP-A-5の足に突き刺さる。即座にSCP-XXX-JP-A-8が破片を抜いて、傷を治療する。治療の後、SCP-XXX-JP-A-5とSCP-XXX-JP-A-8は共に新たなオブジェクトを作製する。
記録#16
概要: SCP-XXX-JP-A-1がワタリガラス(Corvus corax)の死骸を見つけ、SCP-XXX-JP-A-9に見せる。SCP-XXX-JP-A-9は噴水の液体を死骸の口元に流し込む。ワタリガラスは蘇生し、空へと飛び立つ。SCP-XXX-JP-A-1とSCP-XXX-JP-A-9は数分間上空を見つめる。

追記.1: カーライル博士を初めとするSCP-XXX-JPの担当職員数名が奇妙な夢を報告しました。この事象がSCP-XXX-JPの未知の異常性であるという可能性のため、全担当職員がカウンセリングと精神鑑定を受けました。精神鑑定の結果は夢を経験した職員が不安や軽度のストレスを感じていることを示しましたが、これは非異常であると結論付けられました。

インタビュー#1
インタビュアー: チャジョウソウ研究員
インタビュー対象: カーライル博士


チャジョウソウ研究員: 話せますか? 話すのが難しいようでしたら筆記にいたしましょうか?

カーライル博士: 大丈夫、ちゃんと話せます。

チャジョウソウ研究員: では……夢の中で何を見ましたか?

カーライル博士: 私……私は草原にいました。夜でしたが、空に月が出ていたのでそこまで暗いわけではありませんでした。

チャジョウソウ研究員: 他には何が見えましたか?

カーライル博士: 川がありました。

チャジョウソウ研究員: 貴女がどう行動したかについても教えていただけませんか?

カーライル博士: 川のすぐ近くにいて、上流の方に歩いていました。理由はわかりませんが、そうしたかったのです。

チャジョウソウ研究員: そこでの自分自身の状態を思い出せますか?

カーライル博士: とても疲れていました。身体が重く、苦しく……ですが、どこか嬉しかったのです。

チャジョウソウ研究員: 嬉しかったといいますと?

カーライル博士: 私という存在の解放でした。川の水が私の心を洗いました。

チャジョウソウ研究員: それは-

カーライル博士: 私が生まれたことは悲劇でした。ここにいるべきではなかった。

チャジョウソウ研究員: 一旦、インタビューを終了しましょう。

カーライル博士: 彼女は私を覚えていてくれた。

XXX-JPの担当職員が経験した夢が、単なる偶然や共有夢であるという事実はありません。しかし、これが異常であると結論を出すのも当然ながら早すぎます。現状のところ、標準観察手順に従うのというが大多数に支持される見解です。

比較実験や心理診断で何かしら特異な点が見られたわけではありませんが、その結果に言葉にするのが難しい違和感を感じました。カーライル氏の精神状態はやや悪く、少なからずストレスを抱いているようです。細かな行動からもそれがうかがえます。彼女はインタビューにおいても疲れを隠せていませんでした。そのような状態にもかかわず、彼女は比較的安定しています。

これは心理Psychologyではなく、精神Spiritです。

夢の中で示された具象的/抽象的なイメージは未知なる物語を形成します。未知とはいっても物語とはある程度の一貫性を持つものです。小説の構造を想像してみて下さい。物語を読む途中で既視感を感じたり、結末が分かりきったものとなってしまうことはよくありますね。

それが喜劇であれ、悲劇であれ、言葉の集約は曼荼羅のような秩序あるパターンを描くのです。これほど人間が創造するものの限界を顕著に示す例はないでしょう。誰しも、自分たちがどれほど無意識に支配されているのかを実感するのです。

夢は無意識が持つ元型を己の本質に投影し、これによって意識の対面に位置する無意識に作用します。彼女は意識の中ではストレスを抱えていますが、無意識はいたって平静な状態を保っています。

しばらく休暇を取らせて彼女の意識を安定させましょう。

ニア・F・サンドフォード博士
精神科学部門

追記.2: SCP-XXX-JPの担当職員であったカーライル博士の死亡が確認されました。カーライル博士は自宅で長期休暇を取っており、期間を過ぎても出勤しなかった同氏を不審に思った職員によって発見されました。

死因は精神安定剤の大量摂取による自殺であると推定されます。死体は財団保有の総合的死体管理所に保管されました。カーライル博士は死の直前に文書を作成していたようであり、複数の状況証拠はこの文書が自動筆記で記述されたものであることを示しています。

夢は境界線を惑わせる。なぜならば彼女がそれを乗り越えるからだ。

二元論は歪曲された仮面に過ぎない。その単純かつ粗悪な装飾品は眼を覆い尽くし、本質を見ることを阻害する。

真の仮面を被った者が私に訪れた。

彼女は私をあの草原へ誘ってくれる。

水を飲まなければならない。

追記.3: 全SCP-XXX-JP-A個体が突如として行動を停止し、噴水を囲うように再出現しました。異常な兆候が確認されたとして、サイト管理官は記録装置を除く、SCP-XXX-JP内に存在する人員の退避と設備の回収を命じました。

記録装置の映像はSCP-XXX-JP内で発生した異常な事象を記録していました。

[SCP-XXX-JP-Aが順番に噴水の液体を摂取する。SCP-XXX-JP-A-1が最初に液体を飲み、時計回りに進行する。最後にSCP-XXX-JP-A-9が液体を口にする。]

[笛の音が聞こえ始まる。音は時間の経過とともに大きくなり、テンポが速くなる。]

[SCP-XXX-JP内の噴水から大量の液体が放出され、内部が徐々に浸水し始める。SCP-XXX-JP-Aはその場から動く素振りを見せない。]

[SCP-XXX-JP内の建造物やオブジェクトが物理的な歪みを見せ、崩壊し始める。内部の空には暗雲が立ち込めており、日光がほとんど存在しなくなっていく。]

[液体を放出した後、突如として噴水が崩壊する。噴水が存在した地点に二つの実体が確認できる。一体はコヨーテ(Canis latrans)の仮面を被った女性という外見の、愚者型デュラムプラン12に分類される神格実体である。当該神格実体は片手で木製の笛を吹いている。もう一体の実体は前述した神格実体に抱きかかえらており、故カーライル博士のように見える。カーライル博士の顔には仮面が存在する。]

[神格実体は、全SCP-XXX-JP-A個体の顔に様々な仮面を取り付ける。]

[SCP-XXX-JP内は物理的に変化しているようである。噴水から放出された液体は縦長の水の流れを構築し、地面には植物が自生している。内部の空には暗雲の間から月に似たオブジェクトが見える。]

[神格実体、カーライル博士に見える実体、全SCP-XXX-JP-Aは水の流れに沿って歩き始める。]

[映像がエラーを起こす。映像装置が水に飲み込まれて破損したと推測される。]

このインシデント以降、聖母教会とSCP-XXX-JPをつなぐアクセスポイントは不明な要因で動作していません。SCP-XXX-JPが現在も異常性を示しているかは不明です。世界中の精神病院に職員を派遣し、神官対象者3を発見するプロトコルが提言されています。

追記.4: 形而上学部門と象徴部門は共同研究によって、補遺.4の神格実体の部分的降臨の際に当該実体から発生した曲の解析を行いました。研究結果はこの曲そのものが普遍的な元型から形成された複合観念であることを示しました。

精神的形而上共鳴機器(Mental Metaphysical Resonance Device)の使用によって得られた陽性不可知認識情報の解読は、その12%の情報を通常情報に翻訳することに成功しました。

知りえるものと、知りえないもの。何とくだらない言葉だ。2つでは不十分だというのに。

生は苦痛を与え、死は停止をもたらす。天国も地獄も滅びゆくしかないのだ。

草原という名の場所で私たちはゆく。

我が姉妹たちは境界を越える。

彼女の涙が川となる。姉妹のために流した涙が。


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